J-CASTニュース
最近、宇宙の無重力空間で、植物を育てたり、魚の卵を孵化(ふか)させたりする実験が行われている。宇宙魚の誕生は、人々の心に夢と希望をもたらした。
両生類での実験も成功した。そうなると、興味はわれわれ人類を含む、ホ乳類に移ってくる。ところが、これが難しい。ホ乳類は知能が高くて、環境の変化に敏感。ラットを宇宙空間に連れていった実験では、ラットたち自身がその気にならず(?)、あえなく失敗に終わった。
ところが、今回の実験結果によると、そもそも、受精した卵が生育するのも難しいようだ。理化学研究所と広島大学のチームが、スペースシャトル内と同じ重力環境で、マウスの体外受精実験を行ったところ、そのような結果が出たという。
受精卵は、卵割(らんかつ・・・細胞分裂)しながら成長していくのだが、どうやら、これに地球の重力が強く作用しているようなのだ。受精卵が成長する確率は、地上での半分以下。出産まで至る確率は、さらに低かったという。
ただし、難しいのは受精した初期段階だけで、ある程度まで進んだ後の胎児なら出産可能であることは、マウスによる実験でも明らかになっている。
今回の実験は、あくまでも地上での模擬実験であり、実際にどうなるかは、やってみなければ分からない。ただし、現時点では、宇宙空間での妊娠は危険だと言えそうだ。
未来は、ここにある →
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます