シュメール人は、5000年(あるいは、もっと前から)も前にイラクで繁栄した、出自が不明の民族。
「人類最古の文明」という評価が定着している。 なにせ、シュメール人が古代文明を謳歌していた頃、イラクを除く全世界が、まだ石器時代であった・・・。
イラクといっても、南部の、ペルシャ湾に近い地域。 現地を知る人の話によると、とにかく「暑い」の一言。 日本の夏もかなり暑いが、それでも想像を絶する暑さだということだ。
そんな暑い暑いイラク南部で、人類最古の古代文明が栄えた。
シュメール人は、歴史上に忽然と登場して、忽然と消えた。 考古学者が手を尽くして調べてきたのだが、今でもどこから来て、どこに消えたのかが分からない謎の民族。
そんなシュメール人には、神話があった。 人類最古の神話である。 神々の名は、アヌンナキ。
神話によると、アヌンナキと呼ばれる、神々の一群があった。
アヌンナキの会合の長は偉大なる空の神で、都市ウルクの守護神でもある アヌ であり、他の参加者はアヌの子である。
のちにアヌの地位は、天と地を分けたとされる神、都市ニップルの守護神である エンリル に取って代わられた。
一方、エンリルの他に、もう一柱、有力な神がいた。
エンリルの腹違いの兄弟、都市エリドゥの守護神である エンキ である。
このエンキこそ、人類の創造者。
天空の神・エンリルと、人類の始祖・エンキは争った。 エンリルが勝利し、エンキは敗れた。 この結果、エンリルは神々の中でも指導的地位を確立したという。
アヌンナキと呼ばれる上級の神々の下には、下級の神々がいた。
下級の神々は、イギギと呼ばれる。 いわば、神々の中の労働者。 せっせと働き、世界を維持していた。
あるとき、イギギは「もうイヤだ」と言い出した。 あたかも、月曜の朝に出社拒否を起こしたサラリーマンのように。
イギギはシャパトゥ(ヘブライ語ではサバト:安息日)にストライキを起こし、職場放棄して仕事をサボり始めた。
このため、やむを得ず、エンキは人間を創造したという。
人間に作業をさせ、神々が働かなくともよいように・・・。
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