日本語訳が文庫で出ている、エックハルト・トールの「超シンプルなさとり方」は、いわば「パワー・オブ・ナウ」の実践版。効果的なエクササイズが、いくつも紹介されている。
中でも重要なのが、「インナーボディとつながるエクササイズ」だろう。
まずは、意識をインナーボディに向ける。それは、からだを内側から感じるということ。「慣れないうちは、目を閉じた方がやりやすい」とのことだが、慣れれば、その必要はないという。最初は、からだ全体のインナーボディを意識する。それから、手・腕・脚・足・腹・胸・・・と、からだの各部ごとにインナーボディを意識していく。
ここで重要なのは、インナーボディについて、「考えるのではない」ということ。ただ、感じることに集中する。意識を集中させればさせるほど、感覚は鮮明に、鋭敏になってくる。やがて、「インナーボディが生きている」ということを実感する。すべての細胞から、生命力があふれ出してくるほど。
筆者は、いつもの癖で(?)、イメージトレーニングに入った。ただちに体内を、金色に光るエネルギーの流れが循環し始めた。やがて、それは徐々に形を成し、純金で彫った仏像のような「インナーボディ」が姿を現してくる。輝かしい生命エネルギーが、燦々と放射され始める・・・。
だが残念なことに(?)、エックハルト・トールによれば、このような浮かんでくるイメージに、大きな意義はないらしい。それよりは、感覚に集中することの方がよほど重要だという。いわく、「イメージがどんなに美しく力強くても、形態である以上、さらに奥に入る可能性を狭めてしまう」というから、イメージ化には副作用があるようだ。瞑想に入る導入部としては、それなりに効果があるのだが、それが深まってくるにつれて、かえって邪魔になるという。
思うに、ここで目指しているのは、肉体という「カタチ」の縛りを超越すること。そこで肉体と同じような「カタチ」を持ったモノをイメージしたのでは、別の縛りができてしまうだけだ・・・。
インナーボディのさらに奥に入るためには、瞑想が効果的だ。長時間やる必要はなく、10分から15分程度で十分だという。姿勢は自由だが、「背筋は伸ばした方が良い」とのこと。
まずは、からだがリラックスしていることを確認。次に、目を閉じて深呼吸。呼吸しながら、おなかがふくらんだり、へこんだりするのを確認する。
そして、インナーボディ全体のエネルギーを意識する。なにも考えず、ただ、感じるのみ。余計な視覚的イメージは頭から追い払い、ひたすら、エネルギー場を感じることのみに専念。
するとインナーボディが、純粋なエネルギー場として感じられるようになり、からだは形を失う。自分と外界とが融け合い、境界がぼやけてくる。やがては、「インナーボディ」という感覚すら意識しなくなっていく。残るのは、万物の「在る」という感覚だけ・・・。
からだの奥へ奥へと入ることにより、からだを超越した瞬間。
この「大いなる存在」の空間にとどまり、心ゆくまで味わったら、「物質的な肉体、呼吸、からだの感覚」と順番に意識していき、それから目を開ける。目が覚めても、すぐには思考活動を再開しない。しばし、周囲を見渡しながら、インナーボディを意識し続ける。
簡単なようで、奥が深い。継続は、力なり・・・。
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その時から、鳥の声に集中しているときは今に完全にいます。インナーボデイのワーク、やってみますね、ありがとうございます。
すばらしい、プチ覚醒体験ですね。
「いまに在る」ときは、感覚が途方もなく鋭敏になります。ずっとその状態を維持できれば、言うことないんですが・・・。