ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

春愁

2016年04月09日 | 気分をスッキリさせる方法
 今日は、認知症の夫の都立松沢病院の定期検診の日だった。
松沢病院は広大な敷地に適度に樹木を配置してあり、心を病む人が多い
癒しの空間だと来る度にいつも感じる。
 今年6年目に入った夫は、先生も褒めて下さったが、まだ元気で
穏やかで明るい「認知症の優等生」だ。
 でも、月日も自分の年齢もハッキリ分からず、無論お金の計算も
できず短期記憶はまったくできない。最近は歩くのがとても遅くなり
家にいるときはほとんどソフアーに転がっている。
 
 でも、ニュースや、国会中継が好きで必ず見ているが、理解して
いるのはその時だけで、まったく覚えていない、無論同じことを何度
でも言う。しかし私は黙って聞いて、「もう何度も言ったでしょ」とは
決して言わない。それがいつも機嫌がよい大きな原因だと思うが
会話はふつうだが、深い話し合いはできないのが淋しい。

 診察後桜も所々に咲いているお庭を歩いていると、たんぽぽが沢山
咲いている広場があった、そこで写真を撮ってたら夫は入らず「たん
ぽぽを踏んだら可哀想だ」と大きな声を出していた。
 そんなやさしい人だが、遠くからそんな夫を見ていて、ふと思った
(いつまでこんな状態でいられるかしら?)と・・・
 行きはバスで行ったが、帰りは京王線と世田谷線を乗り継いで帰った。
どこを歩いてもキレイな花が咲いていて、新緑もきれいで穏やかな日
だったが、ふと心の中に不安の雲が広がった午後だった。


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