引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

祖母の台所道具<巻きす&木じゃくし>1

2016年10月21日 | わたしの器と台所道具

 

母方の祖母の使っていた道具です。

台所ですから価値のあるものなど

ありませんが、わたしのいまの仕事に

影響を与えた道具として、少しだけ

持ち帰りました。

まずは、巻きす、しゃもじ。

 

 

<巻きす>

台所で最初に目に入ったのは、しっかりした

銅のはがねの直径40cm位の寿司桶。

母と私のおすしが好きは祖母譲りだったと

再確認しました。巻きすも数枚まとめてあり

ましたが、組み糸が朽ちているものが多く、

なんとか無事なのを1枚、持ち帰りました。

 

巻きすは、すだれとも言います。

1本1本を丸く削った竹製のものが

巻きやすく使いやすいですね。

 

使いみちはいろいろ。

・巻きずし・大根おろしの水切り

・青菜の水切り・卵焼きの形をつくる

・魚や野菜の昆布〆に、・干し野菜に、

・少量の梅を干すときのザル代わり、

・夏の折敷代わり(ランチョンマット)

・そば・そうめんの盛り付けに、

・真夏のおひつのふた代わり。

・クッキーの熱冷まし

などにつかえます。

 

地味な道具ですが、なくてもいいものではなく

調理に欠かせません。

とくにおすし好きな方は買うべき。

買う時は、組み糸のしっかりした、いいものを

選びましょう。

よくみると、粗削りながら

1本1本、丸く削ってあります。

太さが均一ではない分

柔らかなニュアンスに

手仕事の魅力があります。

木じゃくし。

 

8本のうちの4本は、

使いやすいように(?)削っています。

なんか、ユーモラスです。

炭が火源のオーブンで

クッキー、ケーキや洋風料理も

得意だった祖母。

このヘラ型の木杓子、。

自分でこしらえたのでしょう。

左のは、しゃもじを削ったのかも、です。

 

削られていない残りの4本。

さて、しゃもじの形は、琵琶(びわ)という

楽器の形をなぞったもの。別名「宮島」と

呼ばれています(由来は、検索を)。

 

厳島神社の焼き印です。

宮島に行く方は、

お土産に買いましょう。

さて手持ちのしゃもじと比較してみましょう。

左は、粗母の。

現代のものは小ぶりで厚みも薄く華奢。

羽釜と炊飯器のちがいも大きいでしょうね。

昔のは厚みもあり、持ち手もしっかりしています。

羽釜は、ごはんをよそうにも力が要りますから。

 

祖母は生きていたら115才。

木の枯れ方から想像するに、

戦前からのだろうと思われるものがあります。

時代は変われど、しゃもじなしでは暮らせない

日々の暮らし。

しゃもじには、台所を支えるエネルギーを感じます。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

引頭佐知(いんどうさち)だしとり教室 2016年10月15日

2016年10月17日 | いんどうさち だしとり教室

 

だし素材は、食べておいしくなければ、

おいしいだしはとれません。

まずは、古くなって酸化したいりこ

(煮干)や削りかつおを見極める眼は

持つようにしましょう。

 というわけで、

だしとり教室では、私の選んだ良い物の

昆布、届いたばかりのかつお節、いりこは

必ず食べていただきます。

かつお節は、みなさんに1本釣りの

本枯節を削っていただきます。

薄く削れてますよ。

どうぞ、お味見を!

昆布+いりこの合わせだし。

昆布は、日高昆布。

いりこは、伊吹いりこ。

香川県(うどん県)伊吹島のいりこ。

大きさにより、大羽(おおば)、

中羽(ちゅうば)、小羽(こば)と、

呼び名があります。

この大きさは約4~5cmの小羽です。

活きてるみたいでしょう?

だしとりのあとでも、まだまだ

うま味が残っています。

全員でつまみぐい~。

おだしの味見。

「煮干のおだしが、こんなにおいしいなんて」と、

大好評です。

 

左の方は、3才のお子さんのお母さん。

「あまり食べてくれないのですが

おだしを使ってみます!!!」

真昆布の昆布だし。

一番だし用。

同量に計量した

㊧花かつお、㊨先程削った本枯れ節

<うま味の比較>。

鍋に昆布だしを半分づつに分け、

2種の削りかつおを入れて

同じとり方で、だしとりします。

花かつおと本枯れ節の明らかな異い、

さらには、

微妙な味の異いを、みなさん

おわかりで、うれしく思うと共に

感心しました。

炊き込みご飯

干し椎茸、ごぼう、にんじん、こんにゃく。

*干し椎茸は、一晩浸水して戻しています。

作り方は拙著「だし取り教室」 P92

 

「えええーー、炊き込みごはん、

おだしで炊くんですか?

水で炊いてました」

という方が、今日もおられました。

 

昆布(グルタミン酸)+かつお節やいりこ

など動物性素材(イノシン酸)でとっただしを

料理につかうと、相乗効果で

料理が7~8倍おいしくなると、

何度も書き込みしています。

この炊き込みには干し椎茸もつかってますから

さらにうま味が増しています。

 

いつもそうですが、

みなさんの反応、とっても楽しみ。

かきたま汁

拙著 p33

今日は白玉だんご入り。

具だくさんの炊き込みご飯は、

煮物のおかずを兼ねています。

お昼ごはんなら、これに

お漬物があれば十分です。

お客さまでもね。

昆布といりこの合わせだしで、

お味噌汁をつくります。

 

お吸い物を飲み干したら、お味噌汁。

豆腐となめこのお味噌汁

拙著 P51

 今日は、貧血気味の体質という方が

「お料理に目覚めました」とのこと。

ミネラル豊富な天然だし。

治りますよ、貧血。

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めの一歩教室 2016年10月9日

2016年10月15日 | 和食はじめの一歩教室

一番だし。

熱々のうちに試飲タイム。

昆布とかつお節との

うま味の相乗効果を味わいます。

昆布もかつお節も

どちらも突出しない

まろやかな、だしの味。

 だしのうま味は、和食のスタンダード。

さー、お鍋をかけますよ。

まずは里芋

栗ごはん。

鬼皮&渋皮、残さずきれいにむけてます。

(渋皮が残ってたり、アクぬき不足の

場合、灰色のごはんになります)

この枝豆は山形県西置賜郡の枝豆です。

(白鷹町・すず木味噌さんが、

紬味噌に同梱してくださったもの)

ぷっくり太った豆、

ハサミでつみとった切り口が

みずみずしい。

(もしかしたら、摘み取ってくださったのかも)

ゆでてるときから

でんぷん質特有の甘い香りが

台所いっぱいにひろがります。

我慢できず、つまむ、つまむ。

 お吸い物の材料

栗ごはんが炊けました。

里芋も、イイ感じ。

さて、いただきましょう!

お吸い物からどうぞ。

今日の吸口は、おろし生姜。

一番だし+生姜

ぽかぽかします。

今日のあしらいは、さっぱりと酢ばすに。

栗ごはんも、おむすびに。

むすんだら、

食卓は、すっかり行楽気分。

脂のノリのよい秋刀魚。

口替りのためにも

浅漬け欠かせません。

小蕪3個と、きゅうり2本。

シングルの方の多い教室。

こうしてみんなで食卓を囲むのって

わたしは好きです。

狭いながらも楽しい教室~♬

さて、

今日で10月の「初めの一歩教室」終了です。

みなさま、

なにか1品だけでも復習してくださいね。

 

 復習といえば、

第1土クラスのなぎさちゃん、

おやすみ毎に復習してます。

今日はポテトコロッケです。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めの一歩教室 2016年10月8日

2016年10月12日 | 和食はじめの一歩教室

八百屋・坂の途中@経堂

今日は里芋と谷中生姜などを。

サンマ@経堂魚真

秋刀魚のあしらいに使う谷中生姜。

家庭用で太いので、食べやすく、

細く仕立てているところです。

(削った部分も、捨てずに甘酢に

漬けますよ)。

栗は、茨城産<極み>というブランド栗。

ですが、4個の虫食い栗が・・・。

残念でしたが、栗むき初めての方が多く、

虫に食われた果肉の状態を見る

勉強にはなります。

虫がつくくらい甘いんですね。

4等分しましょう。

50g分の真昆布

里芋は、六面むきして半分に。

(六面むきは一見難しそうに見えますが

なれると里芋の皮むきがスピーデイに

なります)

しかも、いろいろ、いいことずくめ。

左下のヒビ入りは、竹串を刺して

煮え加減を試したもの。

煮物の場合、必ず1個だけきめて

試します。

あれもこれもと試すのは、厳禁。

タワシでよく洗った皮。

揚げましょうかね。

栗ごはんが炊けました~~。

今日のお米は、佐渡の新米。

さーー、仕上げはお吸い物!

をよそいましょう!!

 

こ、こらっ、そこの2人

わざとらしい会談、やめましょう。

小蕪がやっと、スーパーに。

浅浸けにしましたが、

まだまだ果肉がかたいですね。

さ、配膳しましょう!

いただきます。

里芋皮チップス

じゃ、来月ね!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めの一歩教室 2016年10月4日

2016年10月11日 | 和食はじめの一歩教室

栗の鬼皮・渋皮むき。

 

果肉の部分を大きく削らないようにね。

もったいないですから。

写真のむき栗は見本。

里芋

新里芋の出回る秋~冬にかけてが

一番おいしい時期ですね。

買うときは、泥つきで、かたくしまった、

皮の薄いものを選びます。

皮をむいて売られているものは、

炊いても柔らかくなりませんから

おすすめしません。

*泥は、タワシで洗ってくださいね。

真昆布です。

落し蓋をして、静かに煮含めて。

大根おろしにつかった大根、

皮はきんぴらに。

少量でも、小さなおかずになります。

箸置きは、紅葉(萩焼)

 

 

教室終了後、

今日のだしがら昆布は、佃煮に。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする