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続きです。
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「昨日の夕方、帰ってきたの」と、
朝一番で、林彩美(リンツァイメイ)先生からお電話。
チベット8日間の旅から再び来日。
「昨日? 先生、お元気ですねぇ・・・・」
「あら、そお?」
「そうですよ、チベットからでしょう?」
「(笑) 毎朝、散歩してるから平気なのよ、きっと。
台北でも毎朝歩いてるし、今朝も1時間、散歩したわ」
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今回のチベット旅行は、東京在住のご長男ご夫妻からの
お祝いのプレゼントだそうです。
というのは、2001年1月、惜しくも急逝されたご主人の
膨大なご遺稿を、10年かけて整理しつつ翻訳され、
今春、なんと19冊の書籍にして世に送り出されたのです。
ご主人は元立教大学教授。台湾の歴史家第一人者・
戴國輝(正しくは火偏に軍)氏。
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先生は現在78歳、2001年当時は68歳。
繰り返しますが今年までの10年間、すべての時間と
エネルギーをこの編纂に費やしてこられました。
その作業上の細かな努力の積み重ねは、うかがえば、
うかがうほど、本当に気が遠くなるものでした。
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「林先生が来日されましたよ♪」
8月24日。
急遽、かつての林先生のお教室・梅苑中華料理教室の
我々のクラスの生徒で、集まれる人だけが集まり、
先生を囲んでお茶をしましょう、ということに。
わたしは、現在バタバタ余裕がないので、スペースだけ
利用していただき、お菓子は持ち寄りに。
この日も朝方寝て、なにも準備していません(焦)。
いやー、なにかお祝いの気持ちを・・・・・。
こういうときは、とりあえず、おすしです。
わたしの場合、「とりあえずの料理」は、五目ずし。
材料も乾物と、冷蔵庫にあるものでつくれますから。
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お米をといで、
椎茸を水に浸し、
かんぴょう戻して、
生姜の甘酢浸けつくって
だしを取って、
油揚げをゆでて、
戻した干し椎茸を火にかけます。
だしで煮含め中。
このだしは、昆布とかつお節の一番だしと椎茸の戻し汁。
ですから、天下無敵のだし(笑)。
干し椎茸の戻し汁は、ほとんど使いませんが、椎茸を炊くとき
は使います。
そのだし汁に、お醤油が加わった香り、ご想像ください。
かんぴょう、ごぼう、干し椎茸、できあがり。
あ、奥には、油揚、人参もあります。
全部で5種、五目ずしです。
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子どものころは、この五目に、えび、穴子、酢〆の鯛を散ら
したおすしを、わが家では「ちらしずし」と言っていました。
お正月から誕生日、おひなさま、子どもの日などのいろんな
行事、ちょっとお客さま、ちゃんとお客さま、我々子どもの
リクエストがあったとき、クリスマスまで、1年に何回も登場
してました。
薄焼き卵、いつもは細いせん切りですが、今日は色紙型。
みなさん、もう、玄関にいらしたので(トホホ・・・汗)
「フライパン貸してね」
江原弘子さんは、お手製の「にら饅頭」を焼きます。
おいしかったです。
久しぶりなので、林先生のお仕事、暮らしぶり、伺いたいこと
話したいことはたくさんあります。
鄭さん、小島さん、佐田さん、林彩美先生。
左は江原さん。
ほとんどの方がお料理の仕事に携わっています。
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佐田さんは、大正15年生まれの85歳。
興味深いお話を、ユーモアを交えてのテンポの速いお話ぶり、
10年前とちっともお変わりないと、全員で喜びました。
写真は、佐田さんの戦争に翻弄された女学校時代のお話を
うかがっているところ。
今日、集まれなかったみなさま。
先生はじめ、みなさんお変わりなくお元気ですよ。
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さて、戴國輝(火偏に軍)先生の日本で出版された書籍です。
2011年4月刊行。
帯の右下をごらんください。林彩美(リン ツァイ メイ)先生の
お名前があるでしょう?
P442
巻末の、『戴國輝著作選』刊行によせて、に
先生の思いが数ページ綴られていますので抜粋。
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戴國輝のユニークな見解は今日未だに生命力を
もっており、今でも輝いていて説得力があると私は思って
いる。
今日の日本社会に十分役立ち、迎え入れられることを
信じ、彼の真摯なる思いをもう一度、日本の読者にも
訴えさせたい。
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みやび出版
発売 創英社/三省堂書店
各2、800円