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「神石郡から、こんにゃく届きますよ」
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(神石郡の所在地は、広島県と岡山県の県境、
福山からみると北に位置したところ)。
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隣駅・千歳船橋にお住まいのYさん。
いつもこうしてお声をかけてくださいます。
Yさんは、長崎県出身。
食に関心の高い主婦の方です。
また、出汁とり教室を催している
わたしにとっては出汁の恩人。
昨年1月21日、
初めてお会いした日に、
ブログでお馴染みの
最高の、昆布と鰹節のお店を
ご紹介いただきました。
大阪・中央区こんぶの土居さん。
東京・中央区晴海かつお節のタイコウさん。
このときのいきさつは、
昨年6月、わたしのブログのカテゴリー、
「天然出汁とのめぐりあい」というタイトルで
記事にしています。
http://indou-kinomian.blog.ocn.ne.jp/blog2/02/index.html
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さて、広島県神石郡には、妹さんの
ご主人のご実家があり、そのご主人のお母
さま、つまり妹さんのお姑さんは
(元教師・80代前半の方です)、
なんでも手作りなさる素晴らしい方。
お味噌などはいつも大量に作られるため、
おいしくて貴重なおこぼれが
妹さん経由でYさんに届くのです。
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最初にいただいたのは、お味噌。
大豆はもちろん、すべて地元神石郡産。
2年寝かせています。
香りがよく、出汁に入れると、
はらりと溶けます。
上質の、無添加のお味噌の証拠です。
おいしくて、教室でも人気のお味噌です。
Yさんと顔を合わせる度、このお味噌と
お姑さんの話題になります。
「府中味噌じゃないし、
何味噌っていうのかしら」
「神石のおばあちゃん味噌、にしましょう」
「いいかも」
広島は、いりこ(煮干)出汁の土地。
いりこに合うお味噌です。
今回は、庭先で育てられた、黒筍、
いんげん、ピーマンも頂戴しました。
「味噌ころ、にしてどうぞ(笑)」とYさん。
「味噌ころねぇ・・・・・昭和っぽいなぁ」
黒筍の香りのいいこと。
15分間ゆでてみましたが、
あまりに香りがいいので、
半分はそのままいただきました。
残りの半分は、
かつお節をきかせた出汁で炊いて。
いんげんの色、ごらんください。
広島地方のいんげんの色です。
ピーマンもやわらか。
きっと、お姑、お舅さんお2人で
土の手入れをよくなさってるんでしょうね。
しおで。
ちょっぴり苦味のある、アスパラのような
味の山菜です。
ゆでました。
形がアスパラに似てるでしょう。
深い緑、さてどんな味でいただきましょう。
1/3は、大根おろしで和えて、しょうゆを。
残りは、煮びたし。
本枯節の削り立てをあしらい、
和えました。
これがおいしい、おいしい。
道の駅で売られているという、こんにゃく。
Aさんというこんにゃく作り名人のおばあさ
んのお手製。
地元でも大人気なのだそう。
「おばあさんの掌を感じるこんにゃくね」と
Yさん。
西広島にお住まいの妹さんご夫妻、
このこんにゃくをYさんに送るため、
早朝5時半から車を走らせ、
東京着午前便の宅急便で送
って下さっています。
このこんにゃくのおいしさ、
やさしい歯ごたえは絶品です。
ゆでて、
ゆで立てを、なんにもつけずにそのまま食
べると、ほんのり、こんにゃくの味がします。
「Yさん、ゆでるだけで食べてみて」
「わたしは、そんなんしません」
「ほうね、おいしいのに」。
薄造りにして山河豚にもぴったり。
山河豚(やまふぐ)=こんにゃくの食感を
ふぐに見立てたこんにゃくの刺身
水に漬けて冷蔵庫に入れて保存。
毎日、1玉づついただきます。
普通、毎日、こんにゃく食べないでしょう?
どんな料理にしてもおいしいんですよ。
いちばん多く作るのはこれ。
軽く、胡麻油で炒めて、みりん、しょうゆで
調味し、七味とうがらしをふります。
箸がね、
すっと入るのです。
そんな、こんにゃくです。
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広島の府中味噌、広島のこんにゃく。
昔から全国的に有名な特産品でした。
次世代に継承すべく、
お姑さんはお味噌、Aさんはこんにゃく、
地元の方に、作り方を指導されている
とのこと。
広島県神石郡神石高原町。
土地が育ててきた
昔ながらのおいしいものは、やっぱり
ゆるぎない味の力をもっています。
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この口福は、
Yさんと妹さんご夫妻のおかげ。
いつも感謝しています。
ゆかさんは、神石高原町に行って、あのお味噌のおばあさんに「お会いしたい!と興味津々でしたよね。
ところで、あれから4ヶ月。
大好きな屋久島での暮らし。
いかがですか?
落ち着いたらブログでも始めてください。
魅力的な食材たちですね~。
「口福」すごく素敵な言葉ですね。
私も使わせて下さい!