きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

目で見る経済 国税収入最高も消費税突出

2024-07-18 07:21:56 | 予算・税金・消費税・社会保障など
目で見る経済 国税収入最高も消費税突出

財務省が発表した2023年度の決算概要によると、国の一般会計税収は72・1兆円と過去最高額となりました。
決算で国税収入が過去最高を記録するのは20年度以降、4年連続です。「基幹3税」のうち所得税は22年度を下回ったものの法人税、消費税は上回りました。しかし、税収の内訳を長期的に見ると消費税収の増加が鮮明です。
歴史的に税収をみると、18年度に当時の過去最高を記録しました。それ以前でもっとも税収が高かったのは1990年度の60・1兆円です。90年度と2023年度の税収内訳を比較すると、法人税は2・5兆円、所得税は3・9兆円も減っています。一方、消費税は1990年度の4・6兆円から2023年度の23・1兆円へと5倍に増えました。国の一般会計税収全体に占める消費税の割合も1990年度の7・7%から2023年度の32%へと4倍以上に高まっています。国税収入が消費税頼みになっていることが鮮明です。
1989年4月に導入された消費税は当初、3%の税率でした。それが97年4月に5%、2014年4月に8%、19年10月に10%へと段階的に引き上げられてきました。引き上げのたびに消費が冷え込み、景気を落ち込ませたものの税収が着実に伸びていったのです。






物価高騰も要因
さらに23年度の消費税収が政府の見積もりを超えて増えた要因の一つに物価高騰もあります。23年度の消費者物価指数(総合)は前年に比べて3%も上昇しました。国民生活を苦しめる物価高騰が消費税収を増やしたのです。
一方、所得税の最高税率は1990年当時、50%でした。その後、99年度に37%まで引き下げられ、2007年度に40%、15年度以降は45%となっています。おもに高額所得者の税負担が軽くなりました。
また、株式譲渡益や株式配当にかかる税金は給与所得や事業所得にかかる税金より税率が低く設定されており、国と地方を合わせて20%にすぎません。汗水垂らして働いて得られる勤労所得には国と地方を合わせて最高55%の税がかかるのに、ぬれ手で粟(あわ)の不労所得にはその半分以下しかかかっていません。金融資産を多く持つ富裕層ほど有利な税制なのです。
法人税率は1990年度当時37・5%でした。実は89年度までは40%だった法人税率が消費税導入を機に引き下げられたのです。その後も法人税率は段階的に引き下げられ、2018年度以降は23・2%となっています。

応能負担税制に
国税庁の資料によると、1990年度の法人所得金額は53・4兆円で法人税収は18・4兆円でした。2022年度は法人所得金額は84・4兆円と過去最高を記録したのに、法人税収は14・9兆円にとどまっています。企業が利益をあげても法人税率が下がっているために法人税収は増えなくなっているのです。同時に、研究開発減税や連結納税、配当益金不算入などもっぱら大企業に恩恵を与える制度によって大企業ほど税負担が少なくなっています。
こうした高額所得者と大企業を優遇する税制をただし、応能負担の税制を実現することで国民生活を充実させる政策の財源にすることができます。
(清水渡)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年7月17日付掲載


歴史的に税収をみると、18年度に当時の過去最高を記録。それ以前でもっとも税収が高かったのは1990年度の60・1兆円。90年度と2023年度の税収内訳を比較すると、法人税は2・5兆円、所得税は3・9兆円も減っています。一方、消費税は1990年度の4・6兆円から2023年度の23・1兆円へと5倍に増えました。国の一般会計税収全体に占める消費税の割合も1990年度の7・7%から2023年度の32%へと4倍以上に高まっています。国税収入が消費税頼みになっていることが鮮明。
企業が利益をあげても法人税率が下がっているために法人税収は増えなくなっているのです。
こうした高額所得者と大企業を優遇する税制をただし、応能負担の税制を実現することで国民生活を充実させる政策の財源にすることができます。
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