goo blog サービス終了のお知らせ 

きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

臨時国会48日 共産党と共闘の力⑦ 経済・食料主権売り渡す 日欧EPA

2018-12-20 14:52:06 | 政治・社会問題について
臨時国会48日 共産党と共闘の力⑦ 経済・食料主権売り渡す 日欧EPA
臨時国会では、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の承認案を、わずか約9時間の審議で可決しました。安倍政権が日本経済の「成長戦略の重要な柱」と位置付ける同協定の実態は、多国籍企業に経済主権、食料主権を売り渡すものに他なりません。

開放
日欧EPAは、82%の農産物で関税を撤廃するほか、環太平洋連携協定(TPP)水準を上回る市場開放を受け入れています。パスタやワイン、チョコレートなど、欧州製品の中でも日本で人気が高いものが並びます。
最も国内生産に打撃を与えるのがチーズです。カマンベール・モッツァレラなどのソフト系は16年目に3・1万トンとする低関税輸入枠を設定。プロセスチーズなどのハード系は輸入規制をせず、同じ16年目に撤廃します。
欧州委員会は今年7月、日欧EPA締結により乳製品の対日輸出が約948億円(215%)増加するとの試算を発表。日本の農水省試算(昨年12月)は、乳製品の国内生産の減少額は最大で203億円だと過小評価しています。吉川貴盛農水相は「輸入が増えることを前提として試算したものではない」(12月3日、参院本会議)と明らかにし、生産者への無責任な姿勢をみせました。
日欧間の同試算で4倍以上の開きがあることを指摘した日本共産党の井上哲士議員は、12月4日の参院外交防衛委員会でEU試算の検証を要求。小里泰弘農水副大臣は試算の前提条件や分析方法が違い「(日本の試算は)適切に評価した結果だ」と正当化し、調査しないとしました。
政府のずさんな試算に対し、酪農家をはじめ懸念や批判が広がりました。北海道新聞は社説(12月9日付)で「積み残された最大の問題点」だと強調し「とても納得できない。資産の徹底検証が求められよう」と指摘。紙智子議員は閉会後の参院農林水産委員会(12月11日)でも「今からでも酪農家が分かる情報を出すべきだ」と求めました。



日欧EPA、TPP11に反対する市民=11月28日、衆院第2議員会館前

削減
政府の主な国内対策は、農家の自助努力で生産コストを削減し、大規模化を画一的に強いるものです。こうした対策の上で「農家の所得は確保され、国内生産量も維持される」と強弁しますが、国内生産が維持される根拠は示されませんでした。
井上氏は「都合の悪い事実にふたをして『万全の対策』と繰り返す政府の姿勢は、到底国民から理解を得られない」(12月7日、参院外防委)と批判。穀田恵二議員は、「いま求められているのは、食料の外国依存を深める輸入自由化や竸争力一辺倒のやり方ではない」と強調。欧米のように農産物の価格保障や農家の所得補償制度を充実させ「小規模・家族農業の役割を農業政策の基本にすえるべきだ」(11月28日、衆院外務委)と訴えました。
日欧EPAや、年末に発効するTPP11をきっかけに、日本が他国との自由貿易協定で譲歩の連鎖に巻き込まれる危険があります。
日豪EPAには、日本が他国との経済協定で特恵的な市場アクセスを認めた際、豪州にも同等の待遇を与える見直し規定があります。
米国では、パーデュー農務長官が日米貿易交渉について「日本がEUに与えたものと同等か、それ以上の市場開放を期待する」(10月)と発言しています。年明けの日米交渉では日欧EPA、TPPを超える関税撤廃を求める可能性があり、今後の世論と運動が重要になります。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年12月20日付掲載


カマンベールチーズやワインが安く手に入るとなると嬉しいように思いますが…。
要は食料自給率をいかに維持し、農業生産者の価格保障と所得補償を充実させるかということ。EPAやTPPではその保証がない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする