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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

憲法施行70年 先駆性を考える 第2部 基本的人権掲げて③ 問われる保育政策 働く権利と子の人権と

2017-04-21 13:01:58 | 平和・憲法・歴史問題について
憲法施行70年 先駆性を考える 第2部 基本的人権掲げて③ 問われる保育政策 働く権利と子の人権と

保育所が増えない原因の一つは保育士の不足です。背景に保育士の処遇の劣悪さがあります。
名古屋市内の民間保育所で働く保育士の薄美穂子さん(36)は、保育士の賃金と働く環境について「自治体の上乗せ制度がなければ、月給23万という低賃金の保育士さんもいます。国の制度だけだと40年間働いたとしても20万円少しが実態。保育士をどう考えているかと言いたい」と怒りを表します。
多くの保育士は、子どもや親のためと思いサービス残業や持ち帰りの仕事をしています。



全国福祉保育労働組合が保育士などの待遇改善を求める行動での記者会見=3月16日、東京都千代田区

保育士の処遇が子の尊重に直結
保育士の処遇は、保育の質と子どもの人権の尊重に直結します。薄さんは、「私たちの仕事は親の働く権利を保障し、子どもの人権を守る仕事です。その仕事が、人権の保障された働き方になっているのか」と言います。
近藤幹生白梅学園大学教授(保育学)は「保育士の配置基準は、1~2歳児の子ども6人に、保育士を1人という今の基準では不十分です。良くするべきなのに、子ども4人に対して、保育士1人という独自の基準を持つ自治体に、国の基準に引き下げるように求めるなど、安倍政権は規制緩和を進め、保育環境の悪化をまねいています」と批判します。

0歳の子どもも人権もった人間
都内の保育園で働く佐治宏美さん(34)は「今の政権は子どもたちの人権を尊重しているとは思えません。0歳の子どもも一人の人権をもった人間として生きています」と批判します。
近藤氏は、児童福祉法24条(保育の実施)や日本も批准する子どもの権利条約をあげて、「すべての子どもは保育を受ける権利を持っている」と指摘します。さらに、「0歳から2歳で、人に対する信頼感を培い、自我が芽生えます。3歳から5歳に友人との関係を意識し、一緒に遊ぶようになります。保育園で他人と思いっきり遊び、楽しい経験をすることが、自己肯定感をつくっていきます」と語ります。
全国福祉保育労働組合の佐々木和子副委員長は「子どもの尊厳をまもり、人権を守る。保育士の働く権利も、保育士の一人ひとりの人権もあります。保育士の専門性を守ることも尊厳のひとつです。国はそれらの人権をどう保障するのかという政策を持っていません。根本的に、認可保育所を増やし、保育の質も向上させ、待機児解消という方向に政府は向かうべきです」と批判します。
子どもの保育をめぐる問題は、勤労権(26条)、子どもの人権(13条)、保育士の生存権(25条)など複合的で深い人権問題です。国民の願いにこたえる政治の英知が試されています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年4月19日付掲載


保育士の配置基準は、1~2歳児の子ども6人に、保育士を1人という今の基準では不十分。子ども4人に対して、保育士1人という独自の基準を持つ自治体に引き下げるように求めるなど論外。
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