きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

憲法施行70年 先駆性を考える 第2回 基本的人権掲げて⑦ 年金引き下げ違憲訴訟 高齢者の誇りと尊厳かけて

2017-04-26 15:25:45 | 平和・憲法・歴史問題について
憲法施行70年 先駆性を考える 第2回 基本的人権掲げて⑦ 年金引き下げ違憲訴訟
高齢者の誇りと尊厳かけて


「下流老人」「老後破産」「老人漂流社会」―。高齢者の貧困を表す造語がメディアにあふれています。生活保護世帯のうち65歳以上の高齢者世帯が51・4%(2017年1月)と半数を超え、老老介護に疲れ果てた末の無理心中や孤独死が深刻な社会問題となっています。
「貯金がなくなったらホームレスになるのかな。その前に死ねるのかな。そんな問答を繰り返しています」



提訴に向かう、年金引き下げ違憲訴訟原告団=2015年5月29日、東京地裁前

負担増と支給額切り捨て進める
15年12月2日、東京地裁で行われた「年金引き下げ違憲訴訟」東京原告団の第1回口頭弁論。月6万円の年金とわずかな貯金を“命綱”に暮らしている斉藤美恵子さん(70)が、安倍政権が13年10月に年金支給額の1%引き下げを強行したことへの怒りと不安を訴えました。
「年金引き下げ違憲訴訟」は、全日本年金者組合が全国で約4700人の原告を組織し、年金引き下げは国民の生存権を保障した憲法25条に反し、高齢者の生存権を侵害すると国を訴え、37の地裁でたたかっています。
同組合の冨田浩康委員長は、高齢者の貧困の元凶に貧しい年金制度があると言います。
「最低保障年金制度がなく、多くの高齢者が低年金・無年金に苦しんでいる。それなのに、安倍政権は高齢者の負担増と支給額の切り捨てを進めています。国は月6万円の国民年金で忍べと言うが、高齢者は1日3度の食事を減らして耐えています。とんでもない」
前出の斉藤さんは、60歳で変形性の股関節症を発症。5年後に痛みで歩けなくなって手術に踏み切り、障害者4級に認定されました。7月には核白内障で両目を手術します。「私の年金はもうすぐ月6万円を切りそうです。だけど、医者に失明すると言われれば、かき集めてでもお金を工面しないといけない。厳しい」

最低限の生活を保障する視点を
月10万円にも満たない年金受給者は1200万人とも、1300万人ともいわれています。100万人に上るという無年金者については、昨年の法改正で年金受給に必要な保険料の納付期間が25年から10年に短縮されましたが受給額は微々たるもので、さらに26万人は対象外となり年金を受け取れません。
裁判で国は、財源問題を口実に、“年金だけで暮らせなかったら生活保護を受けよ”と主張します。国の言い分は、年金制度自体の組み立てに憲法25条の生存権に基づく、高齢者の最低限の生活を保障する視点がまったくないことを示しています。
冨田委員長は、裁判闘争をたたかい抜く決意を語ります。
「国によって『下流老人』に追い込まれた怒りとともに、これまでの人生を懸命に生き抜き、まっとうな晩年を送りたいという高齢者の誇りと尊厳をかけたたたかいです」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年4月25日付掲載


「年金だけで生活できないなら生活保護を受けろ」と言うけど、一方で「生活保護で生活するなら贅沢するな」とバッシング。
許せない。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする