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自坊の境内にも四谷見附の橋詰めにも金木犀が咲いており、通勤・帰宅の際に甘い香りが漂ってくる。そういえば、8月に行った麗江でも金木犀が咲いていた。向こうとこちらの温度差はちょうど2ヶ月分くらいなのだな、と少し懐かしく感じる。そういえば、関東の大学でもなかなか持っていない『納西東巴古籍訳注全集』100巻を、史学科の図書予算で買ってもらえることになった。見積もりをお願いした東方書店が、ずいぶんディスカウントしてくれたおかげである。まずは調査した祭署関連の典籍を読み込まねばならないが、それは岡部さんや遠藤さんとの研究会まで取っておくことにして、こちらは卜書の方を総合的に洗い出す必要がある。時間はないがやる気はある状態。このモチベーションをどれくらい維持できるかが、研究達成の鍵だろう(写真は、麗江東巴博物館に展示されていた『訳注全集』の偉容。無形の記憶遺産として、〈世界遺産〉に登録されているのだ)。
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授業が始まって1週間経ち、それぞれの初日を終えた。シラバスを書いたときよりさらに工夫を凝らしたが、学生たちの反応はまちまちである。全学共通の日本史は149名という大所帯だが、今のところ興味を持って聞いてくれている学生が多い。2回目の終了後には哲学科の学生が、「動物の日本史楽しみにしています」と、自分の専攻との関連から問題意識を語ってくれた。こういう声には本当に支えられる。原典講読は『蒙求』を扱うが、演習と同じというので学生たちは緊張している状態か、あまり反応がよくない。内容的にも、半ば「人物から考える中国倫理史」になってゆく可能性もあるので、プレゼン終了後にどれだけ自由な意見交換ができるかがポイントになる。主体的に発言のできる環境を整えてゆきたい。ゼミは4年生も卒論へ邁進しだし、わさわさしてモチベーションが下がる頃である。新たなテキストを加えて気を引き締め、また麗江の四方街で手に入れた「清明上河図」の複製をみせて画像の分析をさせてみた。つまり、この絵巻に描かれている景観は、春のものか秋のものか、また朝のものか夕のものか。学生たちはそれなりに鋭い指摘をしつつ、興味深く隅々まで絵を眺めていた。やはり実物?はインパクトがある(写真は夜の四方街。最近のデジカメ一眼レフは性能がいいから、三脚がなくてもこれくらいは撮れる)。プレゼミは本当に真面目な学生が多く、(まだ?)学習意欲も高い。勉強することが面倒くさくならないように、その好奇心と能力を伸ばしてゆかねばならない。責任重大である。
授業以外の業務では、初年次教育検討小委員会、奨学金検討小委員会、学科関連の会議、『上智史学』の編集等をこなした。「初年次」は、来年3月までに文学部としての構想をまとめねばならないという。少し忙しい。「奨学金」は、今年から始まったダイキン融資の制度の論文審査。環境問題に関する応募論文を10本ほど読んだ。学科会議は、来年度カリキュラムの調整や11月の入試の役割分担。『上智史学』は、中国の方からの投稿もあって校正スケジュールが混乱しているが、なんとか予定どおりに刊行できそうな状態になってきた。やや胸をなでおろしている。
そんなこんなで日を送っていると、1週間などすぐに経ってしまう。自分の研究をする時間はほとんどない(というか、本当に「ない」)。電車のなかでスマートフォンを使い、「歴史学とサブカルチャー」の原稿を書くのがせいぜいだ。しかし、緊急に仕上げねばならない論文が2本、11月には上智史学会大会の報告、12月にはシンポジウムと論文1本、1月には厖大な卒論を読みつつ論文1本、2月は期末評価と入試、3月には書評、5月にはまた論文1本、その間隔月で「サブカルチャー」の原稿というキツキツのカレンダーだ。毎回こうして書いて確認しておかないと、ちょっと気が遠くなる。この秋を乗り切れるか、無事年末を迎えられるかが問題だ。
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左は『百鬼夜行抄』の最新17巻。今週プレゼミ生のYさんから薦められたのだが、実はぼくの最も好きなマンガのひとつだ。最近、ちょっと絵が粗くなってきた気がするけれど。それにしても、司ちゃんが柴咲コウにみえて仕方ない。右はこれも大好きな『竹光侍』の最新5巻。こっちの安倍晴明顔な主人公も、なんとなく
居眠り磐音と重なったりする。