仮 定 さ れ た 有 機 交 流 電 燈

歴史・文化・環境をめぐる学術的話題から、映画やゲームについての無節操な評論まで、心象スケッチを連ねてゆきます。

梅雨入り

2012-06-11 20:29:05 | 生きる犬韜
関東地方も梅雨に入り、気温は低いが湿度の高い陽気が続いている。エレベーターで他の先生方と一緒になると、まずは「疲れが溜まりますねえ」という会話。実際、このところ、肩から首にかけての猛烈な肩凝りと偏頭痛に悩まされている。まあ、慢性的な運動不足のせいもあるのだが、ひょっとすると老眼が始まったのかな?という疑問も。今のところものがみえにくいということはないのだが、無意識に調整しているせいで、この症状が出ているのかも知れない。

さて、歴史学研究会大会、上南戦の終了後はこれといったイベントもなく、ただひたすら日常業務をこなす日々が続いている(とくにホフマンホールの各小会議室に課外活動団体を割り当てる「調整」作業は、委員の学生たちやセンターの職員さんたちがフル活動で当たり、毎週毎週会議を重ねている。忙しいのは、ぼくよりも彼らの方なわけだが)。上南戦は、教え子たちの決定的瞬間を尽く見逃すという失態を重ね、上智自体はほぼダブルスコアで勝利を収めたものの、個人的には昨年よりも盛り上がりに欠ける結果となった。気持ちを切り替え、目下の課題は、6月の教授会までに懸案の「7号館文学部フロア災害危険度調査報告書」を完成させ、7月1日に迫った印度学仏教学会大会パネル報告の準備を終えること(〆切を過ぎた原稿も幾つかあるが、やむをえず後回しといった状態である)。しかし、この作業ができるのは授業準備と校務の合間ということになるので、思った以上に進捗しない。「報告書」の方は、ひとりで補足的な調査を行いつつ、ようやく最終局面にかかっている。「報告準備」はまだまだこれからで、知識を補完しつつ新たな資料・文献を集めている段階である。困ったものだ。

そのほかで頭を占めているのは、「教職員協働イノベーション研究」として進めている、四ッ谷キャンパス・バリアフリー施設の調査であろうか。あらためて念入りにチェックしてみると、なんとまあ意識の低いことかと呆れるほどの状態だ。点字ブロックは申し訳程度にしか設置されていない(剥がれていてもそのまま)、手すりもスロープも少ない、最新の建物である2号館はエントランス周辺に死角が多く危険に満ちている…。100周年記念事業云々と募金を叫ぶ当局の方々とは、やはり価値観が違うのだと考えざるをえない。施設の不備は、学生・教職員の意識を高めることで補ってゆかねばならないが、メイン・ストリートを闊歩する学生たちをみていると、課題の多さに頭を抱えてしまう。折しも学生センターには、視覚障害の学生の歩行を(無自覚ながらも)妨害するような行為があった、との苦情が届けられていた。「全学共通のプログラムでも計画してゆかないとなあ」と考えていたら、昨年の東北ゼミ旅行での一場面が、ふと脳裏に蘇った。仙台駅の乗換用高架だったか、ホームから昇ってきた視覚障害の男性を、うちのゼミ生たちが極めて自然に気遣い、誘導する姿をみて清々しい気分になったことがあった。そういった配慮を普通にできる学生たちも、きっといるはずである。学生たちを信頼して、何とか手立てを講じてゆきたい。
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