人文学系情報発信型ポッドキャスト「四谷会談」の第13回をお届けします。年末年始の忙しさにかまけ、一月お休みをいただいておりました。2015年最初の会談は、昨年末のテーマ「他者表象の臨界」の2回目、「"unpeople"から照射するノンヒューマン」と題してお送りします。
"unpeople"は、ジョージ・オーウェルのデストピア小説『1984年』に出てくる言葉=概念。全体主義国家に反抗する人間を、あたかも存在していなかったかのように消し去ることです。近年、ノーム・チョムスキーによって、現在を批判する視角、とくに、世界の中東に対する態度を照射する視角として彫琢されてきました。今回は、沖縄・辺野古の情況を目にしてきた佐藤さんの報告から、日本社会に跳梁跋扈する"unpeople"化の波、それが一体人間存在の何に由来するのかなど、意見を交換してゆきます。
また前回のノンヒューマンをめぐる議論に接続し、"unpeople"からノンヒューマンをどう捉えることができるか考えてゆきます。『1984年』に描かれる"unpeople"は、徹底して合理化・効率化されたニュースピークという言語のコトバであり、そこからは尊厳が奪われてしまっています。言葉の問題は、ジャック・デリダの動物論とも大きく関わってきます。
今回、喫緊かつ深刻な問題を扱い参加者一同口が重いですが、一緒に考えていただければ幸いです。
《第13回収録関係データ》
【収録日】 2015年2月16日(月)
【収録場所】 上智大学四谷キャンパス北條研究室
【収録メンバー】 山本洋平(司会:英米文学・環境文学)/佐藤壮広(主題歌・トーク:宗教人類学・シャーマニズム研究)/堀郁夫(トーク:株式会社勉誠出版編集部)/新飼早樹子(アシスタント・トーク:歴史学・日本古代史)/北條勝貴(技術・トーク:歴史学・東アジア環境文化史・心性史)
【主題歌】 「自分の感受性くらい」(作詞:茨木のり子、曲・歌:佐藤壮広)
"unpeople"は、ジョージ・オーウェルのデストピア小説『1984年』に出てくる言葉=概念。全体主義国家に反抗する人間を、あたかも存在していなかったかのように消し去ることです。近年、ノーム・チョムスキーによって、現在を批判する視角、とくに、世界の中東に対する態度を照射する視角として彫琢されてきました。今回は、沖縄・辺野古の情況を目にしてきた佐藤さんの報告から、日本社会に跳梁跋扈する"unpeople"化の波、それが一体人間存在の何に由来するのかなど、意見を交換してゆきます。
また前回のノンヒューマンをめぐる議論に接続し、"unpeople"からノンヒューマンをどう捉えることができるか考えてゆきます。『1984年』に描かれる"unpeople"は、徹底して合理化・効率化されたニュースピークという言語のコトバであり、そこからは尊厳が奪われてしまっています。言葉の問題は、ジャック・デリダの動物論とも大きく関わってきます。
今回、喫緊かつ深刻な問題を扱い参加者一同口が重いですが、一緒に考えていただければ幸いです。
《第13回収録関係データ》
【収録日】 2015年2月16日(月)
【収録場所】 上智大学四谷キャンパス北條研究室
【収録メンバー】 山本洋平(司会:英米文学・環境文学)/佐藤壮広(主題歌・トーク:宗教人類学・シャーマニズム研究)/堀郁夫(トーク:株式会社勉誠出版編集部)/新飼早樹子(アシスタント・トーク:歴史学・日本古代史)/北條勝貴(技術・トーク:歴史学・東アジア環境文化史・心性史)
【主題歌】 「自分の感受性くらい」(作詞:茨木のり子、曲・歌:佐藤壮広)