日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

ベルビル界隈

2007-10-15 01:50:36 | パリ右岸
朝から早起きしてベルビルへ行く。なんのことはない。
散髪にどうしても行きたくて、日曜に開いている理髪店
を探したらベルビルにあることが分かったのだ。
さすが中華街。そもそも日曜の午前中に街に出るのなんて
何ヶ月ぶりだろうか。そんな億劫さも我慢したくなるほど、
髪がボサボサに伸びていたのだ、仕方ない。

ベルビルの地下鉄を降りると、午前11時だというのに
街はすごい人の波ができていた。
買い物袋を下げた人、路上で待ち合わせをしている人々、
街角で世間話に興じる人々、なんかアジアが押し寄せてきた感じ。
カット11ユーロととんでもなく安い理髪店に入る。
いつも行くチェーンの散髪屋は22ユーロだから
べらぼうに安いのだ。

中国人の女性がフランス語で話しかける。
店内にはフランス人のオヤジと、絵に描いたような
華僑顔の中国人のオヤジの二名の客だけ。
僕の番になる。「とりあえず短く切ってください」
と頼むと、もくもくとその中国人女性は髪を切り始めた。
彼女は、なんだかひっつめた髪と、化粧ッ気のない顔で
場末感ただよう。というかベルビルって場末なんだが。
歳の頃は45歳ぐらいか。途中で彼女が口を開く。
「あなた中国人じゃないでしょ?」
「ええ、違います」(まあ、フランス語で話してるんだから当然だが)
「どこの人?タイ人?カンボジア?」
「いや、日本です」
「ああ、そう」
そのあと、彼女はほかの従業員になんか中国語で
こそこそ僕の顔を見ながら話していたが、意味分からず。
どうせ、「この客、日本人なのよ」とかそういうこと
言ってたんだろ!

散髪してもらったら、なんか自分で言うのも変だが
なかなか爽やかなアジア人になったぜ。