く~にゃん雑記帳

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<チャイコフスキーコンクール> 日本人の予選進出者は7人!

2023年06月19日 | 音楽

【応募者は41カ国742人(前回58カ国945人)】

 チャイコフスキー国際コンクールが6月19日ロシアで開幕する。第1回の開催は旧ソ連時代の1958年。以来原則として4年に1回開かれており、今回で17回目。エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)、ショパン国際ピアノコンクール(ポーランド)とともに世界3大音楽コンクールといわれる。ただ今回はロシアによるウクライナ侵攻の影響が如実に。国際音楽コンクール世界連盟(本部ジュネーブ)は昨年4月「ロシア政府が資金提供し、宣伝ツールとしているコンクールを支援できない」として除名処分に、応募者も前回2019年の第16回から大幅に減少した。

 

 コンクール創設当初はピアノとバイオリンの2部門だったが、今ではチェロ、声楽、木管、金管(管楽器は前回から新設)も加わり6部門になっている。4年前の前回は世界58カ国から945人の応募があった。しかし今回は応募者が予想以上に少ないため募集期間を半月延長したという。にもかかわらず41カ国742人にとどまり、応募者は2割以上も減少した。

 応募者はビデオによる予備審査で本大会出場者が選ばれる。部門ごとの出場者はピアノ・バイオリン・チェロが各25人、声楽が男女各30人、木管・金管が各48人。17日発表された日本人の出場者はピアノ2人、バイオリン5人の計7人。両部門の第1次・第2次予選・本選は20~29日にモスクワ音楽院などで行われる。国別出場者数はロシアと中国が多くを占めた。ピアノは25人のうちロシア9人、中国5人、バイオリンはロシア12人、中国5人。

 第1回のピアノ部門の優勝者は米国のヴァン・クライバーンだった。時は米ソ冷戦下。コンクールはソ連の威信をかけての創設だったが、審査員はえこひいきすることなく実力本位で米国人を1位に選んだ。それもこのコンクールの国際的な評価を高めた一因にちがいない。クライバーンは米国内で一躍英雄と称えられ、4年後には名を冠したヴァン・クライバーン国際コンクールが創設された。そして、2009年に開かれたその第13回コンクールで、辻井伸行が日本人として初優勝を飾ったことは記憶に新しい。

 チャイコフスキーコンクールでは1990年の第9回のバイオリン部門で諏訪内晶子が18歳の若さで優勝した。諏訪内はその前年にエリザベート王妃でも2位という好成績を上げていた。そのため周りからは「予選落ちでもしたら経歴が無にもなりかねない」と応募自体に反対されていたという。ところが史上最年少、しかも審査員全員一致による優勝。諏訪内は自著『ヴァイオリンと翔る』の中で「身に余る栄誉を頂戴して、あの夜は、人生における重大な転換期だったのだと、今にして思う」と述懐している。

 その後、1998年の第11回では声楽部門(女声)で佐藤美枝子が優勝し、2002年の第12回では上原彩子がピアノ部門で日本人初優勝を飾った。しかも女性初優勝者としてもチャイコフスキーコンクールの歴史に名を刻む快挙。さらに2007年の第13回では神尾真由子がバイオリン部門で諏訪内以来日本人2人目の優勝を果たした。前回2019年の第16回ではピアノ部門で藤田真央が2位に。今回も日本人出場者の活躍を期待したい。

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