く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<本薬師寺跡> 今年もホテイアオイの季節が到来!

2019年08月12日 | 花の四季

【畝傍山を借景に一面薄紫に、ハスの花との競演も】

 奈良県橿原市城殿町にある国の特別史跡「本薬師寺跡(もとやくしじあと)」。その周辺で今年も群生するホテイアオイの開花が始まった。2000年に地元の農業グループが休耕田を活用し植え付けを始めてから丸20年。一面を薄紫の花で埋め尽くすホテイアオイは、今では観光客にも人気の真夏の風物詩になっている。8月下旬から9月にかけて本格的な見頃シーズンを迎える。

 場所は近鉄畝傍御陵前駅から東へ約500m。ホテイアオイは本薬師寺跡を取り囲むように広がる。本薬師寺は天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を願って建立したもので、藤原京の4大寺の一つといわれた。跡地に残る大きな礎石などが往時の壮大な伽藍を偲ばせる。平城京遷都に伴って奈良に造られた薬師寺は、規模や堂塔配置などを本薬師寺に倣って建立されたといわれる。

 ホテイアオイ畑の広さは約1.2ヘクタール。地元の小学校の生徒たちに手伝ってもらって毎年6月下旬に植え付けを行っている。朝開き夜に萎む一日花だが、次々に新しい花が咲き続ける。すぐ東側にはハス畑も広がっており、この時期はホテイアオイとハスの花を同時に楽しむことができる。若い女性が畦道を歩きながら大和三山の畝傍山などを借景にしきりに写真を撮っていた。

  

 ホテイアオイは熱帯アメリカ原産で、日本には明治中期に入ってきた。その名は浮き袋の役割を果たす大きく膨らんだ葉柄を、七福神の布袋様の太鼓腹に例えたもの。ただ繁殖力があまりにも旺盛なため「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれ、環境省も「要注意外来生物」に指定している。ただ一面を薄紫に彩るホテイアオイの花には、そんなことを忘れさせてくれる美しさと涼やかさがあった。

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