く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<大四日市まつり> 大入道、鯨船、からくり山車…

2019年08月07日 | 祭り

【3日おどりの日、4日郷土の文化財と伝統芸能の日】

 三重県四日市市の中心街で3~4日「大四日市まつり」がにぎやかに繰り広げられた。1964年にスタートし今年で56回目。初日の3日は「おどりの日」、そして2日目は「郷土の文化財と伝統芸能の日」として市内各地に伝わる伝統芸能などが披露された。まつりの一番人気は首がなが~く伸びる巨大な「大入道」だが、昔の鯨漁の様子を再現した「鯨船」など多彩な出し物があって見応え満載の祭りだった。

 大入道は高さ1.8mの山車の上に身の丈4.5mの大入道を載せたもの。大入道は首が伸び縮みし最長2.7mになるため、最も高くなると全体で9mにも達する。山車が製作されたのは江戸後期の1805年といわれ、狸の悪事に困り果てた町民が大入道を作って狸を退散させたという民話もあるそうだ。この大入道、山車や人形の中で人形師6人が太鼓などの音に合わせて操っているという。首を長く伸ばし赤いベロを「あっかんべー」と出すと、見上げる観客から大きなどよめきと歓声。ただ、その異様な姿に母親にしがみついて「もう、帰る」と泣き喚く幼児もいた。


 鯨船は昔の捕鯨の様子を山車の船と張りぼての鯨で再現したもの。三重県北部の北勢各地に伝わり、富田地区の「鳥出神社の鯨船行事」は「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコの無形文化遺産に登録されている。今回は4隻のうち中島組の鯨船神徳丸が出演した。鯨船を生で見るのは今回が初めてだったが、鯨船の豪華な装飾や彫刻、張りぼての鯨の俊敏な動き、船上からモリを突いて鯨を仕留めた少年の誇らしげな所作などは見応えがあった。鯨船を曳く時に歌われる〝流し歌〟や大漁を祝って歌われる〝役歌(やくうた)〟の張りのある美声も印象に残った。鯨船はもう1隻、5年前に復活したという中部地区の鯨船勢州組も登場した。

 

 愉快で笑いを抑えられなかったのがからくり山車の「岩戸山」。日本神話で天岩戸の前で踊ったアメノウズメを題材としたもので、女神に化けた狸が大きな鉦鼓の音に驚いて正体を現す。そして腹鼓を打つうちに、なんと睾丸が大きな風船のように膨らむ。その後、狸が目にも留まらない早変わりでアメノウズメに変身した。からくり山車「甕破り(かめわり)」は命の尊さを説いた中国の故事「破甕救児」の様子を再現したもので、高価で貴重な甕の中に落ちた子どもを甕を割って救い出す。1945年の空襲で焼失した山車を四日市商店連合会が1980年に再建したという。

 

 からくり山車「菅公」に登場するのは菅原道真と2人の子どもで、子どもが筆で書いた文字を道真が褒める様子を再現する。この日書いた文字は「望」だった。この山車も空襲で焼失したが、2年後には再建され、からくり人形などもその後復元されたそうだ。ほかにも源頼朝が富士の裾野で催した狩りの様子を再現した仮装行列の「富士の巻狩り」、大小2基の神輿を担いで練り歩く「御諏訪神輿」、消防団による伝統技「はしご登り」、「諏訪太鼓」の演奏などもあって、祭り会場の三滝通りなどは夜遅くまで人の波でにぎわった。祭り翌日の5日早朝、商店街などにはごみ拾いする中学生や年配者たちの姿があった。

 

 

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