【シコンノボタン属の常緑低木、分類上はノボタンとは別の種類】
ノボタン科の常緑低木で、ノボタンとは近縁。ただし分類上は全くの別物。ノボタンが日本、東南アジア、インドなどに約70種分布するメラストマ属(和名ノボタン属)なのに対し、本種は熱帯アメリカや南米に300種ほど分布するティボウキナ属(和名シコンノボタン属)に属す。
ティボウキナ属で最も多く栽培されているのがブラジル原産のシコンノボタン。園芸店などで単に「ノボタン」として出回ることも少なくない。その名前はノボタンに似て、花色がノボタンより濃い紫紺色であることに由来する。ノボタンの樹高がせいぜい1~1.5mなのに対し3~5mにもなる。また雄しべの形がクモの足のように見えることから「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」の異名を持つ。
ホザキノボタンはそのシコンノボタンの園芸種の1つで、名前の通り、花が長い穂にたくさん付くのが特徴。花穂は長さ20cmほどで、赤紫の鮮やかな5弁花が次々と咲き続ける。花径は3cmほどで、シコンノボタン(5~10cm)より一回り小さい。花弁の中央は紅白のものが入り混じる。よく似た「オオバ(大葉)ノボタン」は直立する長い集散花序に紫紺色の花を多数付ける。葉が大きく厚みがあることから「アツバノボタン」とも呼ばれる。
シコンノボタンには「コート・ダジュール」や「リトル・エンジェル」といった園芸種もある。「コート・ダジュール」は鉢物向きの矮性種で、葉や花弁がシコンノボタンよりやや細め。「リトル・エンジェル」は咲き始め花弁の中心が白く外側は紫色だが、咲き進むにつれて花全体がピンク色に変化する。そのため「三色野牡丹」とも呼ばれている。