く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<シマヒギリ(島緋桐)> 南国っぽい鮮やかな緋色の円錐花序

2016年08月03日 | 花の四季

【東南アジア原産、別名「カクバ(角葉)ヒギリ」】

 シソ科クサギ属(クレロデンドルム属)の常緑樹。和名の由来は「島(沖縄産)のヒギリ」からともいわれるが、原産地は台湾~東南アジアで、沖縄にはもともと自生していない。ただ沖縄で古くから栽培されてきたのは間違いないようだ。ヒギリ(別名トウギリ=唐桐)の「緋」は鮮やかな花の緋色から。「桐」は艶のある濃緑色の大きな葉の形がキリに似ているところからの命名だが、もちろんキリの仲間ではない。

 花期は5~9月。長さが30cm前後もある大きな円錐状の集散花序に、1~1.5cmほどの小さな花を多数付ける。長い雄しべ4本が花弁から飛び出す。葉は長さが15~20cmほどあり、3~5裂の浅い切れ込みが入ることが多い。全体的にやや角ばっていることから「カクバ(角葉)ヒギリ」とも呼ばれる。地下茎を伸ばして新芽を出すため群生することが多い。

 ヒギリの花によく似るが、ヒギリより花序が大きいうえ、きれいな円錐状になって段咲きするのが特徴。英名は「パゴダ・フラワー」。パゴダはミャンマー式の仏塔で、円錐形の花序をパゴダに見立てた。学名「クレロデンドルム・パニキュラータム」の種小名パニキュラータムも「円錐花序の」を意味する。

 ヒギリの学名は「クレロデンドルム・ヤポニクム」。種小名は「日本の」を意味するが、原産地は中国南部からインドにかけた地域といわれる。江戸前期の園芸書『花壇地錦抄』(1695年、伊藤三之丞著)にも登場しており、日本への渡来はかなり古い。一方、シマヒギリの渡来時期は不詳。ヒギリ、シマヒギリによく似たものにジャワ島原産のジャワヒギリがある。(写真は宮崎県日南市飫肥の国際交流センター「小村記念館」で)

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