く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

スキージャンプ15歳の高梨沙羅 ユース五輪に続きNHK杯圧勝

2012年02月05日 | スポーツ

 

【2年後のソチ冬季五輪への期待高まる】

 

ノルディックスキーの女子ジャンパー、高梨沙羅(1996年10月8日生まれ)が2月5日、札幌・大倉山ジャンプ競技場(ラージヒル)で行われたNHK杯でまたまた大ジャンプを披露、初優勝を飾った。まだ15歳の中学3年生だが、オーストリア・インスブルックで1月中旬開かれたユースオリンピックでの金メダルに続く大ジャンプに、2年後のロシア・ソチ冬季五輪への期待がますます高まっている。

 

NHK杯では1回目でただ1人100mを超える116.5mを飛ぶと、2回目には最長不倒の127を記録、2位以下を寄せ付けない圧倒的なジャンプを見せた。高梨は1年前の2011年1月、この大倉山で最長不倒のバッケンレコードを打ち立て一躍脚光を浴びており、大倉山は実に相性のいい舞台になっている。

 

1年前のHBC杯では準決勝で16歳の高校生、伊藤有希が139.5mを飛び、オーストリア選手が持っていた大倉山女子の最長不倒距離139mを破った。だが高梨は決勝でこれをさらに1.5m上回る141mもの大ジャンプを見せた。これには高梨自身さえ「びっくりした」そうだ。

 

今回の127mはその記録に比べると飛距離は劣るが、それを単純に比較してもあまり意味がない。スタートゲートの位置の設定やその時々の天候によって、飛距離は大きく影響されるからだ。ゲートが高くなると、それだけ助走距離も長くなってスピードが増し飛距離も伸びる。助走距離が1m長くなると飛距離は5m程度伸びるともいわれる。

 

【1月にはW杯でも日本人初の表彰台】

 

1年前の大倉山の記録がフロックでないことはその後の活躍が証明している。その翌月2月のコンチネンタル杯で初優勝。今季から始まったW杯ジャンプでは今年1月8日の第3戦で2位となり、日本人初の表彰台に上がった。大きなヨーロッパ選手らに交じって、僅か15歳・身長151cmの高梨が銀メダルを獲得したことは、日本女子ジャンパー界にとってはまさに歴史的快挙ともいえよう。そして、その1週間後の1月14日にはユース五輪で1、2回目とも最長の飛距離をマークして金メダルだ。

 

ジャンプは助走スピード、踏み切りの強さとタイミング、飛び出す角度、空中姿勢などがうまくかみ合って飛距離が伸びる。距離が伸びても着地で両手を水平に広げるテレマークが決まらないと減点される。ジャンプ台によって傾斜角度は微妙に異なる。それだけに高梨には各地のジャンプ台でさらに経験を積んでほしい。

 

【ジャンパー一家、趣味はバレエとダンス】

 

ジャンプ台を飛び出す際のスピードは時速90km、加速する空中では100~120kmにも達する。高梨は小学2年生の時にジャンプを始めたが、最初に飛んだときは「正直怖かった」という。だが、今や飛ぶ喜びを全身で表現しているようだ。父親は元ジャンパー、高校生の兄も現役ジャンパーでジュニア強化選手というジャンパー一家。趣味はバレエとダンス。好きな食べ物に魚料理を挙げる。

 

高梨の励みとなっているのが、ソチ五輪でスキージャンプ女子がフィギュアスケート団体やバイアスロン混合リレーなどと並んで、新種目として加わることになったこと。開催時期はちょうど2年後の2014年2月7~23日。それまでにさらに経験を積み重ね勘に磨きをかけて、ロシアから日本に朗報をもたらせてほしい。それがジャンプへ挑戦するちびっ子たちを増やし、まだ歴史の浅い日本の女子ジャンプ界の隆盛にもつながるのではないかと思う。「なでしこ」の活躍が期待される今夏のロンドン五輪に加え、2年後の冬季五輪も楽しみになってきた。

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