く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

千葉(旧姓丹野)麻美 ロンドン五輪へファイト!

2012年02月04日 | スポーツ

 

【短距離では珍しいママさんランナーへ】

 

2週間ほど前の1月18日付の毎日新聞朝刊運動面。小さい囲み記事の見出しに「ママは走る 千葉が復帰へ」とあった。「えっ、千葉ちゃんがまた走るの」「結婚したばかりなのに、もうママ?」。千葉ちゃんとはマラソン解説などスポーツコメンテーターとして活躍中の千葉真子(2003年パリ世界選手権マラソン銅メダリスト)のこと。2011年末に競輪選手と結婚したばかりだった。

 

ところが、写真を見ると、どうも千葉ちゃんとは違う。もう一度見出しを見ると「ママは走る」の左横に「短距離」。記事には「千葉(旧姓丹野)」とあった。「ああ、そうか。あの丹野麻美のことか」と納得。自身の早とちりを反省!

 

     

 

その丹野、いや千葉麻美は女子400mの日本記録保持者。11年9月に女児を出産したばかりだが、今夏のロンドン五輪出場を目指し練習を再開したという。ママさんランナーではマラソンでロンドンを狙う赤羽有紀子や英国のラドクリフが有名だが、短距離界ではまだ極めて珍しい。五輪まで残り半年余。その前の代表選考の日本選手権(6月)まであまり時間がないが、ぜひ夢をかなえてほしいものだ。

 

【名監督の下で開花、目指すはまずA標準突破】

 

千葉は福島大学で川本和久監督の指導の下で急成長。川本監督は走り幅跳び日本記録保持者の井本(旧姓池田)久美子や400mハードル日本記録保持者、久保倉里美らを育てた名監督として知られる。千葉は大学1年の04年、アジアジュニア選手権の400mで52秒88の日本新記録を出すと、翌年の日本選手権では51秒93と一挙に52秒の壁を破った。さらに3カ月後には51秒80。現在の記録は51秒75で、08年の静岡国際陸上で出した。

 

千葉が目指すのは世界のトップクラスと伍して戦える50秒台を出すこと。ただ4回目の日本新記録を出した08年以降は記録が伸び悩んでいる。ロンドン五輪の女子400mA標準は51秒55。赤羽有紀子は出産後、精神的に一段と強くなり記録を伸ばしている。千葉も家族の支えを励みになんとかA標準を上回ってほしい。

 

千葉の走りは前傾姿勢の短距離選手が多い中で少し違う。体幹がほぼ垂直に立っているのだ。それなのに実にスムーズに加速する走りを見せる。川本監督の早く走るための理論に基づくという。米国留学中にカール・ルイス(五輪100mで3大会連続金メダル)のコーチの教えを基に編み出した。千葉はその川本理論の実践者というわけだ。

 

【五輪挑戦は400m、それとも800m】

 

千葉の専門種目は200mと400m。だがロンドンを狙う種目が400mとはまだ決まっていない。川本監督はかつて「ロンドンでは800mで挑戦させたい」と話していた。千葉の800mのベストは2009年の新潟国体で出した2分02秒64で日本歴代3位。日本記録を持っているのは佐藤(旧姓杉森)美保。マラソンの佐藤淳之(中国電力)と結婚する前の05年の日本選手権でマークした2分00秒45で、千葉はその記録にまだ2秒余り届かない。

 

ロンドン五輪の参加A標準は1分59秒90。千葉の持ちタイムはまだB標準の2分01秒30にも及ばない。だが、記録が足踏み状態の400mに比べると、この800mはまだ伸びしろが大きそうだ。千葉が07年の秋田国体で400mに挑戦したときのタイムは2分05秒69だった。その後の2年間で3秒も記録を短縮している。

 

競技場をトップスピードで2周する800m。その間の駆け引きや位置取りは実に激しく「陸上の格闘技」とまで称される。女子には過酷すぎるともいわれるが、千葉はあえてその800mにも挑戦してきた。千葉がもう一段、持久走の練習を重ね、ペース配分さえつかむことができれば、記録を伸ばせる余地は大きい。目指せ!ロンドン。「フレー、フレー、麻美」。

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