CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】終わった人

2016-06-30 21:19:15 | 読書感想文とか読み物レビウー
終わった人  作:内館 牧子

定年退職後の悲喜劇を描いた小説でした
いや、悲劇でいいのかもしれない
救いはなかったようにも感じたんだがどうなんだ
そんなわけで、まだこういう年齢ではないうえに、
ここに出てくるほど、仕事中が情熱にあふれていないため
どうもピンとこないままながら、
なんとも不憫だなと読み進めた小説でありました

そこそこの会社員生活を歩んできてのリタイア、
ただ、もっとやれたはずだという気持ちを燻らせたまま、
定年にぜんぜん順応できないまま、
なんだかんだと、うだうだしている男の悲哀とともに、
「終わった人」というそれを受け入れるというか、
そうなっていく様を眺めるといった様子で、
物語が進んでいき
最終的には、なんか、悲惨じゃないかと
個人的には感じたのであります
定年後にこんな恐ろしいことしか待っていないとしたら、
生きるというのはなんだろうかね
そう思わされたんだが、
実際そういう年齢の人が読んだらどう感じるんだろうかな

かなりステレオタイプといっていいのか、
こういう、まだまだ現役だと血気盛んで困ったおっさんというか
爺さんというのは、確かにいるんだろうなと思わされる
そのキャラクタの秀逸さには、頭が下がるのでありますけども
それがリアルだからか、その後の様々な問題というか
立ち上がる問題や、崩れていく何かが
これまた、リアルに思えてしまって
なんとも哀しい気分になってしまうのでありました
悠々自適って、どういうことかと
改めて思い知るわけであります

人間、なんというかな、楽しみを持って生きないといけませんとは
よくいったもので、そういうのがないと
一日の大半をつぶさないといけないとなったとたんに
人生が破綻するのだなと、なんか
戒めのように読めてしまったのでありますが
最終的なオチ部分については、
自分には存在しない何かだなと思わされて、
私たちの世代は、こういう感じではない
もっと別のリタイアの悲劇が待ってるのかもなぁと
ぼんやり思わされたのでありましたとさ

くわばらくわばら

そうめんのふし

2016-06-29 20:58:34 | 食べ物飲み物
最近、本を読んでいるか、ドラマ見ているかの
いずれかでしかないという状況に
ちょっと、思うところがありましたので
久しぶりに食べ物の話でも書いておく
この話題のなさが、人生でありますね
とても悲しいが、仕方ない

さて、そんなわけで、「そうめんのふし」であります
先日実家でもらってきたんだが、
大層な量なのに200円くらいで買えてしまうという
貧乏人の味方であります


ふし、端物でありますね
パンの耳のようなものだ


アップになるとわかるように、
そうめんを作るときに折り曲げた「節」の部分だけを
集めたものなのであります

これがまぁ、滅法重宝する
味噌汁によし、野菜炒めによし、煮物によしと
汁気がちょっとでもあれば、
そこに入れておくだけで、なんかお得感というか
ゴージャス感が増してくれて
なんだろう、心が豊かになる(当社比)

端っこ部分なので、太さがまちまちで、
そこに食感というか、食いでがありまして、
ただのそうめんの端切れと異なり、
お麩のようにも感じないこともないこともない(遠い)

そんなわけで、料理なんておこがましいこともなく、
具として、大変ありがたく使えるものというわけで
自慢しておこうというメモなのでありました
そうめん屋さんの工場とかで売っているらしく
こういうのを探してくる主婦の本能というか、
うちのおかんというか、
世間の母親の凄いところを改めて感じるところ

恐れ入りやの鬼子母神なのでありました

【読書】赤と白

2016-06-28 20:40:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
赤と白  作:櫛木 理宇

エロそうな表紙につられて読みました
ああ、読むんじゃなかった
そう思うほど、なんというか、久しぶりに陰鬱な気分の小説を
もっさりと読んでしまったと感じるこのごろであります

のっけから、よろしくな末路が待ち受けると
そんな小説だったわけでありましたが、
その陰惨な最期について、誰がそうなるのか
そこがミステリになっていたといえばいいのか、
いや、読んでみると、もう誰がなってもかまわんなと
思わなくもないといったらいいのか
ともかく、なんとも、どっしり重くのしかかってきた
描かれた世界観にあった
重い湿った雪のような、降り積もる何かを感じたのであります

ちょっと理解に苦しいというと、
無理や無茶を強いられるようでありますが、
男の、それも中年の私が読むには苦しいというそれ、
だと思いたいところ
女子高生には、よくあることなのか、そうでもないのか
そういう世界観というか、
友達だとか、考え方だとか、過ごし方だとか
その仲にあるどろどろとしたような、
当たり前にあるような
なんとも言いようの無い、恐ろしいものが
いきいき描かれていたのでありました
怖いよう

4人の少女が出てきて、
それぞれが、それぞれに背負うものといえばいいか、
どこか歯車が狂った境遇であって、
陰鬱とした冬空の下で、その黒く淀んだものが、
どうにか押し潰れていく様が、
小説として描かれていたわけでありました
何もいいことがないといってもいい
なんということだろうかね

そんなわけで、好きな人にはばっちりはまる小説というか
題材であろうと思うものの、
今の私には、これはちょっと重たかったと
読書趣味がすっかり変わったなと
改めて思い知らされたのでありました
物語は明るくあってほしいなんて、ここまで思っていたとはと
自分の心を知ったように思う
読後であります

【読書】あん

2016-06-27 21:06:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
あん  作:ドリアン助川

想像とぜんぜん違った
なんとなく、辛気臭い(失礼)な小説だろうなと思いながら読んで、
そういうものじゃない、大変真面目に扱うべき小説だ、
なんて姿勢を正して読んでしまった次第であります
凄い面白いとかではないのだけども、
その物語の動きと、登場人物の機微に、
なんともひきつけられて、気付いたら読み終えていたと
そんな按配の読書体験でありました

ハンセン病

これがキーワードだったわけでありますが、
これについて少し余談
正直、この病についてはほとんど知らないのでありまして
これは年齢なのか、育ちなのか、なんなのか
社会人になったら、関東出身の同年代の人はみんな知ってるようなのに、
習った覚えがないというか、聞いた気がするんだが、
そんなはっきりと覚えていられるような
強い教えを受けたことがないと、その程度の認識であります
この病については、物語づてに聞いた話しかなく、
大谷刑部がかかっていた、もののけ姫に出てきた、
正直のこの二点くらいしか知らないという
もうまったくだめな感じであります

そういう身分から読むほどに、この小説は、
ぐっと心に来たというか、こういうことが
残酷ということなんじゃないかと、反省とともに
深く考えさせられたものでありました
何が残酷といえば、そんなことがあったという事実自体を
この程度にしか認識していない私が居ると
このあたりが、酷薄であるなと
感じてしまったのだ

さて、それはそれとして、その病のなにかれについても
思うところはあったんだけども、
その生い立ちや、物語を軸としつつ
今生きている人、生きようとしている人に
寄り添うような、あるいは、心を通わせるような
実に心温まる内容のお話が展開して
凄く、じんと感動したのでありました、いいお話だった

最終的に、桜はどうだったんだろうかと
ぼんやり思わされたりもしたのですが、
そういうのは置いといて、ただただ、
こんな話があったとすれば、何か、癒された、あるいは、
救われたのではないかしらと、センチメントな気分になって
思わず、涙をこぼしたと、そんな読書メモを
したためておくのであります
よい小説でありました

真田丸  別離

2016-06-26 20:45:38 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了であります
一気に話を進めたな
前回から、話がつながっているのか
一瞬わからなかったじゃないか

そんな按配で、利休の死と鶴松の死が
セットで片付けられたところでありました
まさか冒頭から死んでいる話から始まって
遡り推理みたいなことやるとは
夢にも思ってなかったんだが、なんかわかりづらくなってただけで、
なんだろう、追っかける話が二つあるから
これはいかんかったんじゃないかと
心配になったのでありました
利休がなんで死んだかの、あれこれ俗説を知ってないと
理解できないんじゃないかなんて
偉そうに感じたのである

それはそれとして、心温まるエピソードというか、
佐吉と虎が和解するというか、なんか
いい感じの話になっていたのが驚きでありまして、
佐吉が、ただの文官とは違う、すらっとしつつも
よろしき肉付きという具合で、体作ってきたんだなと
役者さんに頭が下がるところでありました
あれくらいが自然な感じでほどよいでありますね
いつかの八重の兄はやりすぎだったと思うのです

あとは、細かいコントを交えつつ
なんかしらんが、今の嫁の悶々とした兄ちゃんが、
手近な女で済ませたという描写は
あれ要るのかと思わなくもなかったんだが
あれで子供ができてとか、そういう話になりそうだと思うと
なんか不安だなと感じてしまったのでありました

来週瓜売りをやるそうで、
ちょっと楽しみであります
三谷っぽい話になるんだと期待である

【読書】チェ・ゲバラ伝

2016-06-25 16:20:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
チェ・ゲバラ伝  著:三好 徹

伝記というのではないけども、
チェ・ゲバラの生き様を追ったドキュメンタリ的な本でした
これまた、勉強が足らずによくわかってなかったのですが、
第二次世界大戦後の歴史上大きな出来事であったキューバ革命、
さらにいえば、革命であり社会主義であり共産主義でありといった
イデオロギーについての壮大な歴史的社会実験めいた
この時代を生きた、その原動力であった人物
名前は知ってるんだが、正直、何をしたのか
さっぱり知らなかったので、大変ありがたい読み物となりました

大きく感動したことは二つ、
チェ・ゲバラの高潔さと、
革命の志についてであります
こういうのは、やっぱり、若いうちに読むべきだなとも思うんだが
同時に、若いと耐えられない退屈さもあるような
そういう本でありました
じっくり勉強するように読む分には面白いんだけども、
なんだろう、読んでいて、ぎらぎらしてくるそれではないので
そういうのは、本人の著作によったほうがよいようであります

実際にそうであったのだろうと
信じたくなるわけでありまして、
真の革命家とはこうあるべきだと、並の人間には到達できない
高すぎる信念と高潔さによって、生きて殺された
そんな風にも見えたのでありますけど、
この真面目さというか、真摯さはうらやむというか
敬うべきであるとつくづく思い知らされたのであります
昔の人にはあったもののようにも思える

キューバ革命については、なかなか衝撃的というか、
まさに時代であったのだなと思わされるところ
これは、ある種日本にも訪れていた厄災だったんじゃないかと
思わなくもないのだけども、
もはや暴力による解決、闘争による革命しかありえないと
そこまで追い詰められる状況に、
なんというか、思想的に殴られたように感じたのでありました
今はまだ、安穏としているけども、
近々こういう日がまた、やってくるんじゃないかと
そんな不安を覚えてしまう
そして、そのときに、彼のように立ち上がることはきっとできないなんて
思ってしまうのである

しかし、こういった熾烈きわまる人生もさることながら、
ゲバラが極めて優秀な人物であったのだなと、
頭のよさと、政治ができるところと、なによりも
ロマンチストであるというあたりが、
もう完全に革命家のお手本というか、これを本歌とするしかないような
凄まじい人生を見せ付けられてしまうと
なんとも、様々に考えさせられてしまうのでありました
そしていま、アメリカがキューバと手をつなごうとしている
これもまた、この時分には考えられない凄まじい歴史的偉業だと
感じるのでありますけども

まぁ、だいたい、あの頃のアメリカは、
いや、今もってアメリカは、大資本は、
何かにつけ腹が立つものだなと思い出させてくれたように
感じたのでありました

NHK土曜ドラマ  トットてれび

2016-06-24 22:13:12 | ドラマ映画テレビ感想
土曜ドラマ枠だったのか、
調べて驚いたのですけども、非常にクオリティが高いというか
私としては、好みで仕方ない、なかなか破天荒なドラマでありました
この前に、トットひとりを読んでおいてよかった、
あれを読んでないと、あの人となりというか
黒柳さんのことを誤解して、もしかしたら見てなかったかもしれない

と、まぁ、御託はさておき
大変面白いドラマでありました
一話が相当に短いので、かなりつめつめでありましたけども
それがテンポをよくしていたのか、
ちょっと強引すぎるというか、最終的に
歌って踊ってって、ミュージカルだったのかと
思わされるような演出も含めて、
なかなか面白いテレビだったと思うのであります

演出ばかりではなく
物語がよかった、まさに昭和といっていいのか、
むしろ、テレビというものの集大成、
いまここでというのに意味があるなぁと
後期テレビ世代であるためか、
なんとも、じんと心に響いたように感じたのでありました
正直、出てきた人たちの黄金期というか、
その時代のことは、残念ながら知らないので、
そうだったのかなんて思うばかりでありましたが
なんだろう、伝わってくるものというか、
あのドタバタや、それを構築していった仕事の数々
あれは本当に、輝かしいものであったろうなと
そんなことを思わされる、すばらしい内容であったと思うのであります

黒柳さんの生き方というか、テレビとの距離が
本当にステキでありました
こういう話に弱くなったなぁ

そして、何よりもやっぱり演者がみなさん素晴らしかった
あんなに全員が輝いてみえるというか、それぞれが
本当に、拍手で快哉という感じでありました
まぁ、評判でも相当でありましたが、
あの黒柳徹子感のずば抜けた感じ、あれが本当に凄かった
まず、あの演技ありきだろうと
満島さんの素晴らしさにもってかれたように思うのであります
ありゃ、近々大河のオファーあるんじゃないか

助演のみなさんも素晴らしく、
個人的には、ハエ女のときから応援しているミムラさんを
久しぶりに見たのがうれしいところでありました
さばさばとして、向田さんが実際にああだったのかは
まったくわからないのでありますけども、
ドラマのなかの黒柳さんとの関係がよろしかったなと感動

あとは言わずもがなという感じながら、
中村獅童さんの渥美清さんがもう、本当、泣いた、本気で泣いたと
そんな素晴らしい感激をもらったのでありました

テレビ見て、ほろほろ泣くようになったのが
なんというか、あれこれ考えさせられるんだけども
いい話だったと感激したのであります
また、こういういいドラマを作ってほしいと願うばかりであります

【読書】ムーンナイト・ダイバー

2016-06-23 20:52:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
ムーンナイト・ダイバー  作:天童 荒太

どことなく、怖いというイメージがあってか、
震災に関する本は、ほとんど手をつけてこなかったわけですが、
随分時間も経ち、思い切ってひとつ手にとってみました
震災の本というのではないけども、
被災した人の気持ちや心、帰し方来し方、様々なものを示唆してもらえたようで、
ぐっと読み込んで、考えさせられたのでありました
よかった、いい小説だった

震災の海で、さらわれていった遺品を探すために、
夜ひそやかに月明かりのなかダイブする、
その遺品を捜す遺族、関わる人々、なによりも、自身も被災しているダイバー
それぞれの暮らし方、この事案に関わる気持ちなんかが、
凄く丁寧に描写されていて、なんだろうか、
とても染み渡るようで、感動したのでありました

改めて思い知らされるというでもないけど、
私のちんけな想像力では、とても思いつかないというか、
沿うことのできない、想いや仕草というのか、
行為が描かれていて、なんというか、
こらえられないものを覚えたのであります
どうともしようのないものが、あったんだし、
まだあるのだなと、当たり前のことを考えてしまうのでありました

小説だけにといっていいのか、
物語的に、強く打ち出されている生きること、その描写が
心の問題もとらえつつ、さりとてと、肉体の影響にも現れてと
本当かどうかはわからないけども、
その対比みたいなのに、過ぎていく時間めいたものを感じて
なんとも、深く深く読むことができたのでありました

とても丁寧で、よい話だったと
終わって、考えて、とっくり感じたのでありました

【読書】ザ・パワー

2016-06-22 20:39:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
ザ・パワー  著:ロンダ・バーン

続いて、パワーであります
先だってのシークレットに続いて、その源というか
根源的なものとしてパワーを解説する本でありました
書いてあることは、シークレットとほとんど一緒であります
引き寄せるということについて、
その手法、手段として、愛が大切である
愛が、愛が、愛が、愛が
もう、倦むかというほど、愛についてあふれるばかりの想いが
書きなぐられておりました

引き寄せのために行うことは、
ステキな未来や、自分を想像するだけではなく、
そういうことを愛するのが肝要であると
まぁ、そんなお話であります
具体化したかと思ったら、一層抽象的になったなと
個人的には感じたのでありますけども
ともあれ、愛がすべてをうまくすると、
ラブアンドピース精神と非常にリンクしたというか
それは、引き寄せの法則の亜種だから当たり前ですと
言われてしまいそうな具合でありました
巧みにといっていいのか、格言の引用をして、
あれこれと解説しているんだが、
もうこうなってくると、どっちが先だったのかわからなくなるから怖いと
思ったりなのでありました

前回同様、なんかひっかかるなと思いつつも
書いてあることはもっともなというか、いささか夢見がちだなと
ちょっと引いてしまうのだけども、それくらいが、
むしろ、引いてしまうから愛せていないし、引き寄せられないと
また叱られてしまいそうだと感じつつ
実際、全員が本当にそう思っていたら
夢のようではありますなと考えなくもないのであります
昔から、誰もが思い描く理想であり、
絶対に近づけない何かのように思えてしかたない

そんなわけで、シークレットよりは
ちょっと具体的というか、説明が載っていた感じでありまして、
ふわっとした感想と思い出語りだけでなく
愛することの大切さを、こつこつとうたった本として
一冊読んで、博愛にまみれたのでありましたとさ

愛だよ、愛

【読書】ザ・シークレット

2016-06-21 21:01:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
ザ・シークレット  著:ロンダ・バーン

スピリチュアル本であります
苦手なジャンルということもあって、
ずっと読むのを先送りにしていたのですが
読まず嫌いはよろしくないのではと反省し、
勇気をもって手にとったのであります
ちなみに、続編のパワーも読んでいる最中
なんというかな、ああ、スピリチュアルであると
思ったとおりの内容に、うなっている次第でありました

というわけで、のっけから、信じていないわけでありまして
このあたりは、いつだかに呼んだバシャールのときと
同じ感想になってしまうわけですが、
まぁ、なんといっていいのか、どうしても信じられない
そんな風に思うほどに、一周回って憎いとすら思えてくるから
なんとも不思議であります
そうね、そうかもねと、さらっと流せそうな気がするのに
どっか、ひっかかってくるあたり、スピリチュアルの恐ろしいところというか
もしかしたら、信じられるのかもしれないと
ふらり、自分をかんがみるのであります

何度読んでもというほど、聞き知ったわけじゃないんだが、
こういうのの常套と勝手に思っている
どうとでもとれる論法が、随所に発揮されておりまして、
さらには、信じてないからやってこないという
悪魔の証明めいた内容を持ち出されると
もう、なんともしようがないわけであります

ただし、この本のというか、こういうものの凄いところは
前述の私の批判めいたことは一切出てこないというか、
こちらが、この場合はどうだと投げつけたいんだが
本なので当然それには答えてくれない、
でも、どうせこう答えるだろうなと勝手に自分が思ってしまうと
誰もそんなこと言ってませんといわれたら
なんだろう、腹立つなぁとか、
すっかりとらわれている次第なのでありました
なんだかな

とはいえ、発見でもないんだが、いっている事象や内容については、
この論法とは別に、人間そう願っていると叶うということの
論理的説明といっていいのか、思い続けることで、
見るものすべてがそう見えてくる、願っているとそう思えてくると、
人間心理を利用した、いい、コントロールの手段じゃないかなとも
思ったりしたのでありました
書いてあることは、信じるということだけなので
コストもかからないし、それならばとやる価値が
あるのかもと思ったりするのでありました

とりあえず、信じるところから初めて、
与えるところへと続き、やがて得るものがあるだろうと
そんなお話を読み続けているのであります

真田丸  滅亡

2016-06-20 19:52:23 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了いたしました
北条滅亡に関してを描いていましたが
ここで、利休の関係も一気に片付けにきたというのが
なかなか衝撃でありました
ああいう、悪い利休の描き方は初めてみるので
なんというか、新鮮でとても楽しいのであります
いいなぁ

ともあれ、やっぱり一番良かったのは
北条氏政でありまして、見事な最期といっていいのか、
意地を見せた部分が、ひとつの時代を象徴しているようでもあり
なんというか、非常に納得したのでありました
古いんだなぁ、そして、その古い何かに固執することすら
許されなかったんだなという残酷さみたいなのまで見えて
味わい深いのであります

その氏政を彩ったというか、はかなさを演出したかのように
驚きのキャラを発揮した伊達も素晴らしかったのであります
まさかの、遅れてきたルーキーが、
とんでもない幇間であるというのはこれまた新鮮というか
そうだよなぁ、きっとそうだったろうなと
大変納得のところでありました
今でこそ、サラリーマンしてて、あんなの見ることないけど
あれこそ、日本古来より続くスタイルじゃなかろうかなんて
偉そうなことを感じてしまったのでありました
若いのに達者でありますなと
そういう気分になるのである

そんなわけで、思ったよりも忍城の件が
取りざたされなかったのは意外だったのですけども、
三成が、えらく殊勝な感じで驚きつつ
戦国後半の新しい世代のキャラ立てが
そろそろと、揃ってきたのがステキだと
感じる次第でありました

なによりも、すっかり立派になったおにいちゃんが
本当にもう、素晴らしいですな
あれでこそ、あの後長生きする兄上であります

ETV特集「曜変~陶工・魔性の輝きに挑む~」

2016-06-19 13:57:05 | ドラマ映画テレビ感想
久しぶりに陶芸ものだと
楽しみに見たのでありますが
期待を裏切らない、いい塩梅だったように
思うのでありました
だいたい、4碗目が出てきたなんて
まったく知らなかったし、すげぇ、超すげぇ

と、そんなわけで、曜変天目の謎に迫るという
それでありました、世間的にはそこの調査にお金使うのに
いったいなんの意味がと言われてしまいそうなそれだからか、
未だに、謎の解明が進んでいない
あの星の文様について、かなり迫ったよろしい番組でありました

番組上というところもあったのかわかりませんが、
少なくとも、あの番組で最期に示された
長江さんの作品については、相当近づいてきたと
そんな風に思わされて、興奮さめぬといった具合でありました
あれはすごいな、あれで作品発表しないのは
また、どうなんだろうかなと思わなくもないところ
あれでパトロンを捕まえるというのは、
作家さんとして至極まっとうな創作活動だと思うんだけども
どうなのか、今回の番組によって
そのあたり、どうにかしましょうという数寄者が出てきてたりすると
いいなぁなんて、のんきに考えてしまったのでありました

さて、それはそれとしつつ
曜変天目のすごさについて、改めて思い知った次第であります
何がって、写真すら出させてもらえない大徳寺の碗、
恥ずかしいことに、3碗については、静嘉堂のそれしか
よく知らなかったわけでありまして、
いや、思い返すと東洋陶磁で藤田美術館のやつは見た気がするなぁと
これまた、のんきなことを思っていたくらいなので
なんとも、汗顔の至りなのでありますけども、
あの禍々しさは、ステキなことであるなと感じるわけであります

余談というか、とっちらかった話で恐縮でありますが、
以前にどっかでかじったところだと、
あの禍々しさが中国では嫌われたから日本にしかないという
特異的なそれでなかったかなと思うのでありますが
今回の4碗目が、迎賓館あとから出てきたというのに
価値があるという話だったので
中国でも、それなりに価値があったんだなと感じるところ
実際どうなんだろうか
物の不可思議もあるが、その歴史というか価値についても
もうちょっと調べてほしかったななんて感じたのでありました

ここのところ、中国のアンティークブームについて、
いろいろなところで話があがっているので
そろそろそのあたりも、破たんするなと思うと
この話に乗じて、中国から安価な偽物が出回るんじゃないかと
界隈を彩る、面白い話が起きそうな
ステキさを感じるのでありました
私のところまで話がくるようにまで盛り上がると面白いんだけども
ないだろうなぁ、当事者になってみたいという
不信というか、不届きな思いを抱くのであります

こういうのを夢と呼ぶのだと思うんだが、賛同は少ない

【読書】リクルート事件・江副浩正の真実

2016-06-18 21:02:47 | 読書感想文とか読み物レビウー
リクルート事件・江副浩正の真実  著:江副 浩正

あまり背後関係というか、
事件のことをわからずに読みました
当時、中学生になるかならんかと
そういう時分に起きた、疑獄と呼んでもというような事件について
当事者である江副氏が、当時のことを語った
なかなか重たい内容でありました

読んだ感想としては、
この本で、何を訴えたかったのか、
そのあたりはよくわからんと、そんな塩梅であります
自己弁護、検察批判、報道批判、そのあたりが
にじみ出ているようには感じるんだけども、
なんか、どれも中途半端で、
結局、あれこれ慮ってますよという雰囲気も
読めなくない、というと、
わたしの読み方がよろしくないようにも思うんだが
ともかく、事件を被疑者として、取り調べや裁判で
何がどう行われたか、その思うところとともに語って
これで真実というのも
また、どうなんだ、一方的すぎやしませんかと
なんだか、反抗したくなってしまうのは
ちょっと読み方としていかんなと思うんだが
そう感じつつ、読み進めたのでありました

どうも、現代において、最後の大きな政治疑獄めいた事件のようで、
この後はこういうものが起きていないというのが、
時代なんだろうなと感じることひしひしでありました
検察の厳しい取り調べの様子というのが、
本人の語りで書いてあるわけだけども、正直、
それでどこがしんどいのかよくわからんと思ってしまったので
これはやられてみないとわからないのか、
あるいは、書けないほど、本当はもっと怖い目にあったのか
よくわからんが、こんこんと書かれていたのでありました
取り調べで人権を蹂躙されたというか、
ひどい目にあったようなんだが、これはなかなか、
地位の高い人だから効く毒なんじゃないかななんて思ったのでありました

壁に向かって立たされるというのが
ずいぶんこたえたと書かれていて、
とりあえず自分でやってみたんだけど、さほどに何も思わなかったんだが
俺がおかしいのか、もっと怖い何かがあるんか、どうなんだろうか

そんなしょーもない読み方をしてはいけないのでありますけども、
書かれているところは本当なのかどうか、
忖度がずいぶん入るので、いちがいにいえないんだけども
新聞報道によって、検察もまた走らされているという
つらい立場であるような話、
このあたり読んでいて感じたわけだけども、
結局、テクニカルなゲームといってはなんだが、
真実というゴールめいたものが設定されて、そこに近づく
論考というか、構築を行うなにかであって、
確かにそれは、疑いようのないひとつの帰結なんだろうけども
それによって、何がどうなるのかといえば
よくわからんなというのが正直な感想でありました

こういう政治が絡む事件というのは、何が正しいとか悪いとか、
そういうことではないということなのかしら、
わからぬまま、たまたま現在形で、
どっかの知事が大変な目にあっている報道による私刑めいた
面白おかしいものを見ていると
あれこれ考えさせられたのでありました

しかし、単純に考えて、未公開株を政治家に配っていたというのが、
政治を応援するからの一点だけでどうだといわれても、
そりゃないだろう、やっぱり、利益をにおわせているから、
もらったほうはそれでやっぱり、見返りをわからない形でも
したということじゃないかしらと
描けなかった何かが、きっとあったんじゃないかなぁと
素人ながらに思わされたのでありました

この事件に限らずというか、検事や裁判官が弁護士になるというのが
これまたテクニカルな世界なんだなと思わされた次第である
これもまた、独特の何かであって、ずいぶん不思議な仕組みだなと
感じるのでありましたとさ

【読書】圏外編集者

2016-06-16 20:42:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
圏外編集者  著:都築 響一

正式には著ではなく、語りということだそうで、
本人が書いたわけではなく、語った内容をまとめたと
そういうものでありました
寡聞にして知らずという、恥ずかしい限りでありますが、
かなりの名物編集者だそうで、
POPEYEやらBRUTUSといった、
雑誌の創刊や企画に携わった人物だそうで
なかなかのアウトサイダー、そして、パワフル、
ああ、当時は相当に名うてだった人なんだろうと
そんなテケトーなことを感じたのでありますけども、
まさに、その時代の人だったとうかがわせるに
十分な内容でありました

ひとつ、時代の寵児といっていいのか、
まさにこの人の生き方、考え方が、当世流行を張ったというか、
最先端であったときがあったろうと
そう思われるほど、強い芯というか、既視感がある
力強さとともに、なんか納得というか
思い知ったという具合でありました

年齢もちょうど60を超えるかどうかというところで
私から見ると、父親世代より少し下というわけで
日本がいけいけどんどんだった頃に、
人間としてもっとも充実した年齢だったというか、
時代の人として生きていたんだろうなと
羨ましく思うのでありました

語り口、想い、説法は、完全にこういうおっさんおるなぁと
そんな具合なのでありますけども、
それを実地で、相当にやってきたというあたりに
力強さというか、押しの強さみたいなのと
それゆえに、隔絶する何かを感じたのでありました
こういう人をみて、「その当時はそうでしょう」なんて、
生ぬるい感想を語ってしまうと、
とんでもないことになると、ひしひし伝わってくるんだが、
それでもやっぱり、そうだろうと思わされてしまう
語っているとおり、反権力だとか、アウトサイダーだとか、
そういうのが「スタイル」であるという
一種信仰めいたものがあるのじゃないかと
感じたのでありました
いいとか、悪いとかじゃなく、そう生きて、そう過ごしてきた人なのだ

思想というか、語られる内容には
未だ持って熱意があるのは凄いと思うのであるけども、
強い、その時代感というか、それを代表するものを見たと
そんな気持ちになったのでありましたとさ
あっという間に読めたんだが、どうも、
反発してしまうのである、これもまた、そこから見た時代感のままなのかもやも

【映画】マネーモンスター

2016-06-15 21:20:41 | ドラマ映画テレビ感想
われながら暇人であるなと、
ちょっとだけ恥ずかしく思ってしまうのですけども
今年は文化人を気取るために、映画もちゃんと見ようと
ほぼ月に1本映画を見ている次第であります
そんなわけで、封切の日に見てまいりました
思ったよりもというか、あんまり期待してなかったのに
予想外に面白い映画でありました

主演はジョージクルーニー、監督がジョディフォスターでさらに演者もいると
まぁ、そういうところでありまして、
あらすじとしては、
ジョージクルーニーが司会のマネーモンスターという、
投資系テレビショウに、前週の放送を見て大損こいた視聴者が番組ジャックにやってくる、
緊迫の生放送となった状況から、はたしてどうなるのか、
なんて感じでありまして、この設定だけで
なかなか面白そうというか、日本でもできそうだと思ったんだが
あれを日本人でやると、なぜか面白くないんだろうなと
不思議に感じたのでありました
むしろ、演劇で見たいもののようでもある

随分低予算であったろうと思うような、
スタジオとそこらの道端くらいしか撮影はなく、
特に大掛かりな火薬だとか、CGだとかも出てこないので
じっくりと話を、物語を見ていけるというのが
非常に好感触だったわけでありまして、
また、話も、ちょっとご都合すぎる展開とはいえ、
短い間に、ぐるぐると話が進むし、軽妙に話が摩り替えられていったり、
知らぬ間に、謎解きサスペンスになってたりするあたりとか
なんとも、感心して見入ってしまったのでありました

オチについては、賛否というか、あんまりよい評判がないようですが、
あれはあれで、そういうもんだろうと個人的には納得のところ
大仰に、投資家を批判するとか、そういう世情批判をおおっぴらに行うような
荒々しい作風でもなかったので、パンチが弱いとは思うけど、
しらっと見て、なるほどなぁというか、
ああ、あるなぁなんて共感と、ちょっとだけ寂しい何かを覚えると
映画として十分な感想を抱けたのでありました

コメディ部分というか、ちょっとしたブラックジョークめいた展開なんかは、
結構楽しく見られて、最近洋画ばっかり見てるせいか、
ただでさえよろしくない性格が、より悪くなってきたなと
自分を省みつつ、面白い映画でしたと描いておくのでありました
投資はほどほどに