CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】猫が足りない

2017-09-30 14:20:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
猫が足りない  作:沢村 凜

就職できない青年と、猫が好きすぎる主婦の
どたばた推理小説でありました
結構衝撃的というか、このテンションは初めて読む感覚だと
いくつかの事件があったけども
初っ端から驚いて、そのままぐいぐい読み込まされてしまった
面白い小説であります

サスペンスとミステリと、なんていう感じなんだけども
あまりそんな雰囲気を感じさせないで物語が進み
唐突に事件が発生して、それがあっという間に解決するというか
何も知らないで読んだものだから、
ああ、そうか、これ推理小説なのかと読みながら気付くという
刺激的な読書となったのであります
普通の現代モノ小説だと思ってたら、完全に裏切られたというか
事件がそれまでのテンションと断絶するほど衝撃的というか
いや、そんな死体が出てくるほどのものだとは
つゆとも思わず、振り回された読書となったのであります

猫が好きで仕方ない主婦が、
やんごとなき事情で猫を飼えないで生きているため、
そのフラストレーションを猫を救うという行為に発散させると
まぁ、そういう背景があるんだけども、
この猫を救うために、人を殺しかねないといった感じの危うさが
徐々に明るみに出るというか、露見してくるあたりで、
主人公が、犯罪だけはやめさせようと四苦八苦すると
ある種のドタバタコメディでもあったんだが、
そのドタバタのついでに、殺人事件や、誘拐事件なんかが解決されたりと
事件が主軸にないのに、ミステリとして成立しているのが
衝撃的だったと思うのであります
凄い面白いんだが、なんだろうかな、不思議な小説だった

と、そんなわけで、猫が出てくる系のまったり小説だと思ったら
そういうわけではない、なかなか楽しい一冊だったのであります
新しい作家さんを読むと、こういう刺激があってたまらんなと
改めて読書の楽しさを思い出したようでもありました

NHKスペシャル  黒潮 ~世界最大 渦巻く不思議の海~

2017-09-29 22:14:55 | ドラマ映画テレビ感想
ネイチャーモノのジャンルに入れていいんでしょう、
黒潮にクローズアップしたNHKスペシャルでありました
まぁ、黒潮といいつつ、カツオ釣り漁船の一年みたいな
そういう内容だったと思えるんだが、
これはこれでというか、もう、カツオ釣りって凄いなと
その感動でいっぱいでありました
凄い面白かった

やっぱりテレビというか、動画、絵というのは素晴らしいねと
言葉では伝わらないであろう、カツオを釣り上げるという
この一時、漁船で、文字通り、ぽんぽん釣り上げていく様が
かっこよいというか、ちょっと、想像以上の光景で
改めて驚かされたのであります
マンガやなんかで見たことあるけど、
本当にあんな風に、ぽんぽん釣れてしまうものなのでありますね
カツオって大きな魚だと思ってたんだが(実際大きい)、
あれだけ、ばかすか採っても採っても、尽きることがなさそうなのが
凄いというか、恐ろしいことだなと
海の豊かさといったらいいのか、感動を呼んだのでありました

なぜ、黒潮があんなに豊かなのかということを
源流から上っていきつつ、三陸沖まで到達するまで、
幾重もの渦を巻いて、それによって、
プランクトンがどうしたこうしたと
まぁ、理屈はさておき、ともかくカツオ漁船は、
その流れのまま、南から北へと遠出していくのだなぁと
それに感激してしまうのでありました

漁船の悲喜こもごもといっていいのか、
坊主のときの丸赤字の恐ろしさもあれば、
見たことないほどマグロが釣れまくるということまであるという
この山師にはたまらんであろう内容が
男というか、なんか、血を騒がせるものだよなと
なんとなし納得させられたりして
迫力ある映像とともに、堪能できたのでありました

本当、幸いなこととしか言いようが無い
日本近海という不思議に感動と畏敬を覚えつつ
それを漁業という側面から見て、生活に近づけたと感じた
よい番組でありました
カツオをありがたく食そうと思うのである
面白かった、感動した

【読書】天下一統 始皇帝の永遠

2017-09-28 21:25:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
天下一統 始皇帝の永遠  作:小前 亮

久しぶりに歴史モノ小説を読みました
始皇帝を題材にした秦の栄華といえばいいか、始皇帝趙正の生涯を描いた
大変わかりやすくまとまった一冊でありました
おおよその概要しか知らない身分には、
入門書よろしくわかりやすくて面白い小説であります

生い立ちから、その歩みが丁寧に描かれていまして、
小説、というひとつの物語としては、
その歴史をなぞっただけのようにも思えるけども、
これだけ雑味がないというか、違和感なく始皇帝がどうであったか
飽きることなく読めるというのがステキな本だったと思うのであります
ともかく、大変わかりやすいのであります
そして、さほどに脚色しなくても、この歴史は面白いのだと
改めて認識させられたのでありました

出てくる将軍たちも厳選されているようで、
敵味方ともに、活躍と結末が描かれていて、
なるほどなと史記で見かける内容も盛り込まれて
この時代の歴史についての復習ができるかのようで
楽しめて読めたのでありますけども、
小説として強く出ていたのは、始皇帝の人間味というか、
何か欠落してしまっているところの描き方が
素晴らしいといっていいのでありましょうか、
主役なのに、ほとんどその人となりが、物語が進むにつれて、
皇帝に近づくにつれて希薄になっていくようなところが印象的で、
実際そういう感じだったんじゃないかと
思わされるようで楽しいのであります
少しずつ、過去を清算するかのように侵略が進むにつれて、
どこか透明化していくようで面白い

また、始皇帝が主役には違いないのでありますが
もう一人、丞相の李斯も素晴らしくて、
彼の功績もまた、控えめながらも野心家として、それでいて実務もできるという
優秀な人物として描かれていて面白かったのでありました
この二人があってこそという物語なんだが、
ここにいたるまでの、呂不韋もステキで、こことの政争も含めて
あっさりなので小説としては物足りなくもあるけど
これくらいが、むしろ歴史物語としてはさくさく読めて面白いと
そう感じたのでありましたとさ

歴史をただなぞるだけなら、史書を読めという話になるところ
これを物語にして、妙な脚色がないと思えるような読め方ができたので
大変満足な一冊でありました
素晴らしい、別の歴史ものも読んでみたい作者であります

【読書】銀座ミツバチ物語

2017-09-27 21:00:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
銀座ミツバチ物語  著:田中 淳夫

今となってはすっかりメジャーになった感のある
銀座ミツバチプロジェクトについての本であります
その発起人の一人である著者が、立ち上げから3年間、
どのようなことがあったか、またその都度様々に経験したことや
考えたことを一冊にまとめた本でありました
養蜂の本というよりは、プロジェクト進行に関する本というか、
こんな楽しいことがあるよと
仕事について語った本のように思えるのであります

読み終わって、なるほどなぁ、目の付け所がよかったなぁと
感心しきりとなったわけでありまして、
特に銀座という土地柄が優れていて、近くに皇居やら、公園やらと
蜜源がいっぱいあるということに着目したというのが
かなり白眉でありました
実際は、このプロジェクトの養蜂指導者である藤原さんという方が
大変な尽力をされた様子でありますけども、
それを実行に移したという銀座の人たち
プロジェクト実行者たちの熱意というか、遊びながらという気持ちから
うまいこと起動にのったというのが
奇跡的といえばいいのか、ステキすぎることだなと
天晴れと思ったのであります

養蜂として、てっきりセイヨウミツバチばかり相手にしているかと思っていたら、
近くで分封したニホンミツバチもいくつか収容することになったそうで、
気付いたら、ハチ駆除者みたいな扱いをされたというのも
なかなか大変そうだなと思ったのでありますけども、
紆余曲折を経ながら、群を確実に増やして
生産量も膨大になっていった様子が、興味深いところでありました
本の中でもありましたが、農薬ととことん相性が悪いので、
里山でも養蜂が難しくなっているところ、
逆に、そういうものがない都会という盲点が
また、凄い発見だよなと思わされたのでありました

プロジェクトは、これを発端にして
古い言葉でいうスローライフ的な、できるだけ自然農法などによる生き方を
推進していく旗印にもなったようで、それはそれで
立派なことだと思ったりするのでありますが
反面というか、これが実現できるのが都会でしかありえないというのが
割とショックというか、難しいことだよなと
違う側面から驚きを覚えたのであります
農業すらも、都会にいかないとできなくなるということなのかと
そういう話であります

従来の農業とは一線を画しているのは当たり前なのでありますが、
有機でとひとくくりにする話とは別にしても、
現在農業、食料生産という立場からは、どうやっても
窒素を食べられる形に変換するという農法は変えられないジレンマがあるけど
それを否定して、少なからずの高いものでうんぬんというのは、
別の仕事や、経済があってこその内容でもあるなと
一次産業ではないそれこれだとも思わされたりした次第
えらい、珍しく難しく考えてしまいましたが
本としては、そういうことは一切なく、
ミツバチを通して、地域や、人間生活の豊かさを導いたという
ステキな成功体験が語られていて
ちょっと、携わってみたいなと思わされる
ステキなお話であったと感じたのでメモっておくのでありました

養蜂欲がどんどん高まってしまう
危ない

【読書】スウィングしなけりゃ意味がない

2017-09-26 21:01:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
スウィングしなけりゃ意味がない  作:佐藤 亜紀

二次大戦下のドイツでジャズやってた、金持ちのボンボンのお話
そういう感じでまとめてしまうと、随分間の抜けた話っぽいけども、
実際は、戦時下に敵性音楽に現を抜かすという
なかなかの所業を大真面目にやっていた
若者らしいというか、青春といえば青春、さりとて戦時と
そういう哀しさもある物語でありました

ドイツ、第二の街ハンブルクで、軍需産業なんかで沸いている中、
反ナチという思想ながらも、そうはいえないという状況で、
ナチをバカにしつつ、さりとてそれをどうとすることもできず
くさくさするくらいなら、ジャズ聴いて踊りまくろうと
もう、若者がもてあました何かを
ただただ、炸裂させているという内容なんだけども、
それによって、ゲシュタポに引っ張られて、
本当にとてつもない酷い目にあったり、
ヒトラー・ユーゲントのスパイみたいな奴と
なぁなぁで付き合ってみたりだとか、
やっぱり、青春の一ページを描いている
若者群像劇なのでありました

しかし、ちょっと考えてみれば当たり前ながらも、
当時のドイツでジャズが聴かれていたということと、
題名どおり、スウィングしないなんてと思うような年頃の若者がいて、
踊り狂い、風紀を乱してと、どんちゃんしていたのは
想像に難くないところでありました
無論それを想像できるように描かれていて、
ドイツの戦時というのも、決して暗いばっかりでもなかったんだろうかなと
思わされたりしたのであります
このあたりは、まったくジャンル違うんだけども
マンガの東京物語を彷彿とさせるように思うのであります
くしくもベニーグッドマンが出てくるしね

最終的には、手ひどい爆撃にあい、様々な死に別れも発生するしと
酷い有様になっていくんだが、そこでたくましく生きて、
反体制の思想を失わず、だけども、反抗勢力として
レジスタンスしていたわけでもないと
不思議な立ち位置ながら、そこを生きて、己を通したというのか、
生き抜いた青春が描かれていて面白かったのでありました
音楽ってすげぇなぁ

【読書】パレード

2017-09-25 21:25:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
パレード  作:吉田 修一

不思議な男女の共同生活を描いた小説だったんだが
なんだろうか、酔っ払って読んだせいか
内容をよく理解できていないように思うところ
最期のオチの意味が理解できないというか
なんだ、これはどういうことなんだ
どういうドラマだったんだと驚きをもって
読み終えたのでありました、最初からそうだったのか、
本当にみんなわかってたのか

と、読んでないとまったくわからない
感想の出だしでありますけども
ほんわかした物語だと思ったら
とんだ食わせ物だったという話でありました

しかし、東京ではこういうのが当たり前なんだろうかしらねと
共同生活、シェアハウスという生き方について、
物凄く当たり前にみんな過ごしているという姿が
興味深いというか、こういう関係って
ありうるんだろうかなと不思議に思ってしまったところ
学生なら、まだ、ぎりぎりそういう話があるかもなと
思ったりしたんだが、
むしろ、学生のほうがこういうのが難しいのかもしれんなとも
感じたりしたところ、
主人公たちは、学生もいれば、社会人の結構な年齢のものまでいて
まぁ、ひとくくりに若者なんだけども
それぞれの方向性が大分違うという
実に不思議なとりあわせで、そういう人たちが
仲間とも、なんともいえない関係を
一軒の家に住んでいるというだけで共有しているのが
自然に書かれているけども、不思議で仕方ないと
そう思わされたのであります

物語に、何か深みというか
様々なことがあるわけでもなく、
淡々と上述のような関係性が描かれていくだけといった具合で
どういう物語になるのかしらと予想もつかなかったのであるが
最終的には、とんでもない話が、根幹でもないけど、
どこかにあってというところで、
なんともはや、私の能力ではちょっと理解が及ばないけども
非常に面白い小説だったと
読み終えて感じた次第なのでありましたとさ

おんな城主 直虎  井伊を共に去りぬ

2017-09-24 20:45:47 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」
視聴完了であります
なかなか面白い一回でありました
龍雲丸との一件も、いい塩梅で片付いたと
思えなくもないところ
これはこれで楽しいことでありました

ちょっとご都合に過ぎるように、井伊というか、
直虎によろしく物語というか、事象が進んでいくというのが
不思議といえば不思議、実際、そうだったのかといえば
まぁ、時代というのは見方次第だなと改めて思うところでありました
あの時点で信玄坊主が死ぬというのは、近隣諸国すべてにとって
幸いであったというべきか、
片付け方が、今川の寿桂尼による呪い殺しというのは
ある意味斬新だなと思って、喝采だったのであります
あのシーンだけのために復帰なされた寿桂尼さまが
まぁ見事で見事で、本当にあんな風に出てこられたら
血を吹いて死ぬかもなぁと
思わされたというか、迫力と説得力を受け取った
そういう按配でありました
あのシーンだけで、見る甲斐があった、武田だけに

思い返すと序盤では、大丈夫かこの女と
そういう感じだったけども、気付いたら
物語上で経験値を稼いで、すっかりと領主としての裁量というか
要領を得て、見ているほうも内政の物語として
なんだかんだ楽しめていたのでありました
今回のもまたそうで、人が価値であると
それについての話でありましたので
ブレずにやってきたなと感心しきりでありました

あとは、いよいよ直政が出てきたので
これが残りをひっぱってくれるんだろうと
期待しつつ、楽しみに待ちたいのでありました
しかし、婆はなかなか酷いがその通りだなと
納得してしまったのである

【読書】我が家にミツバチがやってきた

2017-09-23 22:02:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
我が家にミツバチがやってきた  著:久志 富士男

タイトルと表紙は凄い柔らかい感じなのに
読んだら、相当がっつりな養蜂の本でありました
しかも、ニホンミツバチに特化した内容で、
その手の人には非常に重要と思われる一冊でありました
えらい勉強になったが、とても疲れてしまった
本格的にやる人用じゃないかとすら思う

ニホンミツバチについての解説と
それをずっと飼ってきた著者の経験と考察が
ぎっしりと詰まっていて、とても面白いものでありました
やや、情緒的にすぎる内容でもあるんだが
おそらくそう思っても仕方ないほどに
経験を積み重ねているんだろうなと推察できる
なんといったらいいか、この人に
この分野でそういわれたら反論できないような
凄みでもないが、確固たるものを見ることができるのでありました

セイヨウミツバチの養蜂とはまったく違う、
野生を飼いならすことの難しさ、
そのあたりが非常に精緻に書かれていて
楽しいことこの上ないのでありました
さらに実地で積み重ねたニホンミツバチとの付き合い方が
そのリポートとともに紹介されていて、
九州の離島で様々に繰り広げたフィールドワークの素晴らしさとか
まぁ読み応えがあるというか
大学時代に読みたかったなと、しみじみ思わされたのであります

トウヨウミツバチと広範の内容でもありながら、
固有種であるニホンミツバチについて、専門的に飼育方法を紐解いて、
巣箱の大きさから、分封の扱いなど、専門的ながら
これを片手になんとかやってみたら、どうにかなるかもなと
そう思わされるほどで、ともかく楽しかったのでありました

ややセイヨウミツバチを軽んじすぎじゃないかと
ちょっと思わなくもなかったのでありますが、
経済への還元や、世界の養蜂情勢も交えながら
ニホンミツバチの優位を語りながらも、
知識と経験に裏付けられた内容が
ともかく気持ちよかったのでありました

完全に趣味の本だなと思いつつも
がっつり、読み込んで楽しんだというお話であります

NHKスペシャル  スクープドキュメント 沖縄と核

2017-09-22 21:35:19 | ドラマ映画テレビ感想
あんまり政治思想の話っぽいから、書くのをためらってしまうのだけども
とりあえず見て、かなりの衝撃を受けてしまったので
思うがままにメモっておこうと思うのである

沖縄に核兵器があった

そういうことを相当に調べあげて、
また実際にそれらが一歩間違えればという事態にまで
緊迫していたというお話でありました
核搭載していたミサイルの事故が起きていたり、
急上昇爆撃の練習をしていたり、
冷戦、とりわけキューバ危機のときに臨戦態勢だったり、

考えてみれば、そりゃそうだわなと
今だから、また、この安穏とした私なんかでも
そう思ってしまう感じでありまして
実際当時は、みんなわかってて言わなかっただけだろうと
思わなくもないところでありました
そして、ああいったことがあるからこそ
やたら沖縄というところが狙われているんだなと
改めて思い知るに至ったわけであります

いずれの派というではないが、本当、あそこを抑えるということが
地政学というのが正しいのだか知らないが、
非常に重要な拠点であるのは間違いないわけでありまして
また、当時の、いや、現在も戦線と想定すべきところに
都合がよすぎる場所にあるというのも
非常に興味深いというか、厄介すぎるなぁと
住んでいる人とはもはや関係のないことが
頭上を、思想を、何もかもを飛び越えてやってんだなと
思い知らされたりしたのでありました

番組としては、過去にこんなことがあったとした上で、
現在もその占有面積やら、なんやらは変わりませんとすることで
今でも核が置いてあるんじゃねぇかしらねと
そういう不穏さを漂わせて終わったわけでありますが
なんともはや、どうともならぬ問題といえばいいか
内容であったなと、おなかいっぱいなのでありました

こういうことについて、一家言といえるほど
何彼とないので、わざわざブログにする必要もないはずなんだが
抑止力ってなんだ、どうしたらいいんだろうかしらと
つくづく考える必要もないことに頭を悩ませてしまいがちなのである
実生活から離れているといいたいところだが、
そうでもないような、あるいは、やはり関係のない話なのか
どうともならぬ世の中であるなと
思い知るのであった
テレビに感化されすぎであります

【読書】メビウスの守護者

2017-09-21 22:00:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
メビウスの守護者  作:川瀬 七緒

なんだかんだ読み続けてしまっている
法医昆虫学捜査官シリーズであります
何作目なのかわかりませんが、主人公が離婚していないので
先日読んだのよりも、前だと思われますが
東京の山村で起きたバラバラ殺人事件について
挑んでいく物語でありました

読み終わって、そうだったのかと思う内容ではあるんだが、
なんだろうかな、やはりこの物語は
謎解きを楽しむものではないなと思ってしまうのであります
書き方によってはネタバレになりそうなので
なんとも形容しがたいのでありますが
推理を楽しむとかではなく、昆虫学を駆使するという場面
それが楽しい一冊だよなと
改めて思い知らされるのでありました

今回も怪しい知識を引用しつつ、さらには香り成分なんていうキーワードが出てきて
これがまたなかなか楽しいのでありました、だんだん化学小説みたいになってきたな
事件のほうは解決するのでありますが、全然すっきりしないというか、
被害者、加害者ともにちょっとどうかしているというか
同情や、共感の余地がない感じなので
事件は起きたし解決したんだけども
いかんともすっきりしないという印象になってしまったのであります
まぁ、そういうことあるのかな、ないのかなと
あまりよくわからんのだが、ともあれ読み終えて納得したからいいのか

今回は謎のミバエが現れるというもので、
いつにもましてグロテスクというか、描写がこってりなので
嫌いな人にはまったく向かない小説だよなと
映像化も完全に無視したとしか思えないところに
あれこれ考えさせられるのでありました
そして、もう定型化されているように
話の筋というか、水戸黄門的な展開で終わるというのも
なんとも腰を落ち着けて読めるようになったというか
すっかり馴染んだなと、一読者として思わされたりして
ある種の調教が進んでいるかのように錯覚するのでありました

だんだん、赤堀が可愛いんじゃないかと
錯覚しだしたんだから、始末におえないのである

【読書】庭で飼うはじめてのみつばち

2017-09-20 21:20:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
庭で飼うはじめてのみつばち  著:中村 純

ホビー養蜂入門ということで読みました
よからぬと思いつつも、養蜂に少なからず憧れを感じていまして
まだまだそんな時期ではないなんて思いつつも、
ちょっとくらいやってみてもいいんじゃないかと
煩悶としているところ
とりあえず本でも読もうと手にとったわけであります

内容は、本当に初級というか、養蜂にはどういうことがあるか
大変ざっくり書かれているだけのもので
まず心構えを決めるために必要な内容といえばいいか、
もう、養蜂やるしかないという人には
さっぱり物足りないくらいながら、
道具はこれをそろえて、周りとどれくらい話がいるか
そういうことがかいつままれているのでありました

実際の週末養蜂をする人の話や、
その楽しさにクローズアップした内容が見られるのでありまして、
凄いやってみたいなと、改めて思い知らされるに至ったのでありました
ただ、なかなか大変というか、巻末に監修をされている玉川大学の中村先生による、
安易に行ってはいけないというところの解説があって、
この一文だけで読む甲斐があるんじゃないかと
そう思わされたのであります
最近というか、おそらく、そば打ちをするリタイアサラリーマンと
同程度の発現率じゃなかろうかと思うほど
養蜂をとりあえずやってみようと
憧れる人たちが多いようで、簡単に考えていては駄目ですよ、
養蜂は一人ではなく、地域、コミュニティでやるものですよと
最も誤解しそうな部分に解説が割かれていて
目から鱗だったのであります
こっそり、裏庭で飼えるとかそういうものではないのでありますね
やっぱり、トラブルを起こしかねないのであります

個人的にハチには馴染みがある生活を送ったこともあって、
なんとかできないかと思っていましたが、
安易にやれるはずもなく、家畜扱いになるから届出が必要であったり、
ほっといたら出来るわけでもないから、こまめなメンテが必要だったり
なんだかんだ、思い知らされたのでありました
まぁ、一番は土地がないというそれに尽きるのであるが
土地があればいいってもんでもないし、難しいですね

と、養蜂は一人じゃなく社会でやることだと
これをまず肝に銘じないといけないなと
それを学べただけでも有意義だったと個人的には満足しつつ
もうちょっと調べてみようなんて考えるのであります

【読書】最初の哲学者

2017-09-19 21:20:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
最初の哲学者  作:柳 広司

主にギリシャ神話を題材にとった短編集でした
ゼウス、イカロス、アフロディテだとかオリュンポスの神々が出てくれば、
タレス、クサンティッペなどギリシャの住人たちも出てきて
神話、伝説、伝記、歴史モノのそれぞれの間を
いったりきたりするような短編で
非常に面白く読めたのであります

こういった物語に詳しくない身分で読むと、
ミノタウロスの話って、そもそもこういうことだったのかと
感心というか、なるほどなぁと思ったり、
また、イカロスの話も、歌しか知らなかったけども
そういういわれの物語が根幹にあるのねと
様々な神話に触れられることができて
当然、現代的解釈の新しい話になってんだろうけども
大枠というか、話の筋についてわかって
面白い一冊だったのであります

特に説教臭いとかではなくて、
いかにも神話で語られるそれこれで、
そこに意味というか、寓意なんかが秘められているというよりは
事実がそうであったといわぬばかりの内容が
なかなかステキでありまして
そうかと思えば、人間臭い話、とりわけクサンティッペの話なんかは
それ相応に書かれていて楽しいのであります

詳細を知る人からは、ちょっとライトすぎると
展開を叱られてしまうんじゃないかと
いらん心配をしてしまいがちでありましたが、
おおむね、さらっと読んで楽しいと
それに終始できたので、よい本だったと
思うのでありました

古代の親族の争いというのは
かくも陰惨というか、凄まじいものだったのだなと
改めて、血で血を洗う時代のことを思い起こさせるのであります
親を殺し、子を殺し、殺し殺されが
実にあたりまえにありながら、それに煩悶とするのが
この時代物語の人間らしさなのかしらなんて
わかったような感想を抱いたのであります

【読書】逃避行

2017-09-18 12:10:50 | 読書感想文とか読み物レビウー
逃避行  作:篠田 節子

なかなか哀しいお話でありました
また、ラストがかなり衝撃で、そういうことだったのかと
謎解きではないんだけども、その有様に
驚いたというか、がっくりうなだれてしまうような
そんな気分になったのであります
面白かったんだけども切ない

犬を扱った小説で、
私は猫ばかりで、犬には触れたことがあまりないため
どこまでどうなのか、そこはわからないのだけども
子供のように可愛がっていたゴールンデンレトリーバーが、
近所の子供のいたずらに驚いて噛み殺してしまうという
大変な事件が起きる

落ち着いてというか、他人として考えてみるなら
殺処分はやむをえないんじゃないかと思ってしまうんだが
それがあまりにむごいと思う主人公、
家族のために生きてきた更年期を迎えた女性なんだけども
その人が、犬を連れて逃げるという
なかなか驚きの逃避行物語でありました

相当の大冒険が繰り広げられるのだけども
実質的には、さほどの時間経過がない
そして、それがまた、衝撃のラストに彩りというか
なんとも仕様の無い気持ちを催させると
個人的には、最後の部分で殴られたと思うほどの
ショックを受けたのでありまして
なかなかどうして、哀しい、泣くのとは違うけども
凄く悲しいと思わされてしまったのでありました

愛犬との愛情を確かめつつ、それが独りよがりではないか、
そう思わされるほど、愛犬がだんだんと野生を取り戻していくような姿、
犬、人に関わらず変化していくというさまが
生きているということを暗示というか
語っているかのようで、この描写が淡々として
大きな事件とかとはまったく無縁、
いや、実際は結構な事件になってんだけども
自分を中心とした世界というのに浸るかのような
その手足が届く範囲を広げていこうとするかのような
この行動と生き方に、なんとも感動というか
考えさせられたのでありました

生きるということが、死ぬまでの何かであるというべきか
別れや、家族、しがらみみたいなものについて
とてつもなく考えさせられたのでありますが
ともあれ、面白い小説でありました

おんな城主 直虎  武田が来たりて火を放つ

2017-09-17 21:13:30 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」
視聴完了であります
台風の影響で画面がちっちゃいのが残念でありましたが、
武田が凄い勢いで、それこそ台風かくやと
暴れまわっていたのが印象的でありました
実際、ああいった具合だったんでしょう
ちょっとした災害であるな

さて、さらっと描かれているけども
このドラマの徳川の酷いというか、裏切りの凄さが
なんともはや驚きでありました
全然悪びれずに裏切るという選択をとろうとする
なんだろう、軽薄に近い感じの酷薄さが素晴らしいといえばいいのか、
小憎たらしいといえばいいのかという感情を
催させるのでありました

すっかりと農民として馴染んでいた直虎も
そんな平穏な日々は続かぬとばかりに
大変なことになって、すぐに臨戦態勢というか
農民なんかやってられるかという感じで
領主に戻ってしまうのが主人公だよなぁと思ったんだが
ともあれ、徳川が壊滅したあたりとか
久しぶりに焼き味噌の話も出てきたし
しかみ顔までやって、めでたしといっていいのか
本当は、もっと悲惨な見栄えになるんじゃないかと
冷や冷やしていたんだが、コミカルに描いていて
これはこれでよしなのかしらと
感じたのでありました

近々信玄も唐突に死ぬのだなぁと思えば
感慨深いというか、歴史の趨勢を思うのでありますが
題名の割りには、そこまで盛り上がらなかったと
個人的に感じたのであるが
ともかく、見守っていくのであります

【読書】名画とあらすじでわかる!美女と悪女の世界史

2017-09-16 11:43:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
名画とあらすじでわかる!美女と悪女の世界史  著:祝田 秀全

似たような本ばっかり読んでいますが
こちらは新書であります
様々な女性を描いた絵を具材にとって、
その人となりを簡単に解説するというお話で
絵のつくりが、悪い人は悪く描かれていたり、
よい人はよさげに描かれていたりと
プロパガンダとして活躍していた、名画というそれこれについて
そのいわれなんかも含めて説明しているのであります

あまり絵画に詳しくないので、そういう絵があるのかと
ぼやっと見るに任せてしまうばかりでありましたが
肖像がというのは随分数があるんだなという
ごく当たり前の感想と、
それらが真実を描いているわけではないのだなと
これまた当たり前の思いを抱いて終わったのでありました
美化されているというのもさることながら、
悪いやつを悪く描くという手法が
なかなか、世の中怖いものだなと思わされるのであります

考えてみれば、知らない人を知ったように思うためには
絵画という手法が手っ取り早いようで、
実際に見たことないけどもという人が
絵画の姿で影響力を及ぼすというのが衝撃的というか
今考えてみれば、SNSで嘘写真だったり、
マンガ絵でごまかしているのと同じ手法なのかと
人間変わらないねというところを改めて思い知ったりしたのでありますけども
当時の貴族階級のなにかを垣間見るようで面白い

その他も悲劇的な物語を題材にとるのも好きらしく
悲劇のヒロインたちの末路が
結構な数残されているというのも、なんといったらいいか
人間の業というほどでないが、興味というのに
考えさせられる結果ではないかと思ったのでありました

余談ながら、これだけ世界の女性史本を読んだのに
ほとんど覚えていないのは、似た名前が多いからではないかと
そういうところに原因をもとめたりしつつ
とりあえず読んだ、そういうよくない読書の記録を
メモっておくのでありました