ありか 作:瀬尾まいこ
現代劇
ある気の弱いシングルマザーが、その苦難を生きていく姿、
それを助ける人たちとの交流を描いた作品で、
終始重い現実があるのだけど、その反対によいこともある、
何よりも、ただ自身の娘が生きていればという気持ちが
どんどんと澄まされていく、その清らかにすぎるほどの潔さが
二人を取り巻く環境の人の美しさとでもいうような絆が
丁寧に描かれながら、最後は、助けられながらも、きちんと自分がと自立する女性の姿が描かれて
実に素晴らしいと思った次第
娘とのただただいとおしい日々の記録のようでもあるのだが、
その中で、娘が病院にかかることになったりという、
とてつもない不安が訪れるという段は、
実際、経験後の多くの母親たちからは、心配ないともいわれそうなことだが、
その恐ろしさ、心細さというのがものすごくよくわかる、
心情の描き方が見事で、そこを支える人たちの好意もまた
とてもよかったのでありました
キーマンの一人として、別れた夫の弟という人が
やや複雑な事情を持っているのだが、
その助けが、自身も助けている行為でもありと、
何かをされたことが、人を助けていることにもなるという
人の縁や世の理のようなものを描いていて、
こういう世界であってほしいと思うような静謐な関係があって
凄くよかったのである
誰かが救われることで、皆が救われていくというのは
とても気持ちがよい
毒親という存在があるだろうけども、
それを許すではなく、どう付き合うかの瀬戸際も描いていて
人の温かみを描いた小説であったと思うけど、
どこかで、最後は自分がしっかりしていないといけないという
明確な線引きがあるような、強い気持ちを感じる小説でありました
ただ、みんなが優しいなんていう世界ではない、
孤独とは異なるが、自分というものを律することを決して忘れてはいけない
他人にゆだねてはいけないということが
テーマとしてあったように感じながら読んだのでありました
現代劇
ある気の弱いシングルマザーが、その苦難を生きていく姿、
それを助ける人たちとの交流を描いた作品で、
終始重い現実があるのだけど、その反対によいこともある、
何よりも、ただ自身の娘が生きていればという気持ちが
どんどんと澄まされていく、その清らかにすぎるほどの潔さが
二人を取り巻く環境の人の美しさとでもいうような絆が
丁寧に描かれながら、最後は、助けられながらも、きちんと自分がと自立する女性の姿が描かれて
実に素晴らしいと思った次第
娘とのただただいとおしい日々の記録のようでもあるのだが、
その中で、娘が病院にかかることになったりという、
とてつもない不安が訪れるという段は、
実際、経験後の多くの母親たちからは、心配ないともいわれそうなことだが、
その恐ろしさ、心細さというのがものすごくよくわかる、
心情の描き方が見事で、そこを支える人たちの好意もまた
とてもよかったのでありました
キーマンの一人として、別れた夫の弟という人が
やや複雑な事情を持っているのだが、
その助けが、自身も助けている行為でもありと、
何かをされたことが、人を助けていることにもなるという
人の縁や世の理のようなものを描いていて、
こういう世界であってほしいと思うような静謐な関係があって
凄くよかったのである
誰かが救われることで、皆が救われていくというのは
とても気持ちがよい
毒親という存在があるだろうけども、
それを許すではなく、どう付き合うかの瀬戸際も描いていて
人の温かみを描いた小説であったと思うけど、
どこかで、最後は自分がしっかりしていないといけないという
明確な線引きがあるような、強い気持ちを感じる小説でありました
ただ、みんなが優しいなんていう世界ではない、
孤独とは異なるが、自分というものを律することを決して忘れてはいけない
他人にゆだねてはいけないということが
テーマとしてあったように感じながら読んだのでありました