CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

台湾行き当たり場当たり旅 12 和平島公園散策

2023-10-31 21:05:28 | 台湾行き当たり場当たり旅(2023)

和平島公園に入ってすぐに、まずは廟がありましてありがたくお手を合わせておく

以前に野柳へ遊びにいったときと同じような感じだと
来てから知ったわけでありますが、
この妙な岩石たちは、台湾北東部にいっぱいあるんだなと感心したのでありました
いつかブラタモリでこのあたり行って調べてくれねぇかな




さて、こっから、岸壁の写真ばっかりいっぱい掲げてしまうんだが
公園一周で1kmちょっとくらいだと思われる
その外縁に奇岩が散らばっていて、野柳のようにあれこれ名前はついていないものの
自然が作った不思議風景、なんか、異世界の渓谷っぽいそれを見ていくのでありました






奇岩がというよりも、この地形が面白いと、ただ眺めているだけで時間がどんどん過ぎてしまう
物凄い日差しで、正直暑くてかなわんという感じではあったんだが、
途中あずまやに入ったりしながら、海を眺めたりしたのである
遠目に島もあったりするし、岩が妙なところから生えたみたいになっているのも
なんとなし、可愛いのではないかと思ったりしたのであった
だいぶ暑さにやられていたのである






途中、名前をつけたというか、魚に似てると看板を見たわけだが、
まぁ、そう見えなくもないが、もうちょっと他になんかないのかと
思ったりもするわけだが、この妙にゆるい感じもまた嫌いではない
途中で、小学生か、もっと小さいお子様かわからんが、団体さんが奇岩海岸に係員について入っているのを横目にみたり
あとは、写真撮れなかったけども、ここに海水浴場があるようで、
そこで親子連れがばしゃばしゃと泳いでいたのも印象的でありました
海水浴場の料金もあるからか、入場料がお高い(120元)のかと合点をしたのでありました
遠目に灯台なんぞ見やりつつ
さて、ともかく暑すぎてグロッキーだったので、もうちょっとどっか見て回ろうかと思ったが断念して
タクシーでまた駅に戻ったんだが、途中でどでかい観光船を見つけたので下車



世界一周している観光船だったようで、この後沖縄に寄港するんだそう
港で、客に紛れて、船内を見られないかと年寄りとうろうろしたんだが、
流石につかまりそうだと思って断念、遠目に眺めるだけでしまいにしたのである
よくわからん爺さんのモニュメントというか、バルーンはお祭りの準備だったのかどうなのか




ぐるっと回ってから、テケトーに飯でもと、
駅近くにふらっと出ていた鶏肉飯の店で、さらっとつまんで(100元)
基隆を後にしたのでありました
事前調査がまったく足りてなかったのと、暑さで参っていたのとがあって、
基隆廟口夜市に近づきもしなかったのが残念極まりない
昼からやってる店もあったらしいので、なおのことと、かなり名残惜しいことをしたと
後に反省したのであるが、まずまず、初めての基隆を楽しんだのであった

つづく
13 松山慈祐宮から南機場夜市

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11 基隆へ

【読書】これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集

2023-10-30 21:05:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集  著:羽根田治  

タイトルのまんまなんだが、
イラストとキャッチーなタイトルのせいで、面白い本かと思ったら
すごく真面目に山や川や海の危険を知らしめる本だった
警鐘を鳴らすという言葉がこんなに当てはまる本もなかろうというくらい真面目だ

基本的に、アウトドアでは、様々な危険がつきものなわけだけども、
それを山、海、川といったジャンル別であったり、
生き物や毒との遭遇なんかも引用していて興味深いというよりも、
ああ、そういうことあるんだなと豆知識的に知ることができる内容だった
まぁ、読んでいると、ほとんどが死ぬ話なので、ちょっと悲しいというか重いと感じたんだが
本当に気を付けないといけないことばっかりだなと
とりわけ、海には不用意に近づいてはいけないんじゃないかと思うくらいであった
オニダルマオコゼを踏んで死ぬとか不幸すぎるだろ
あと、オニヒトデに刺されるとか

ちょっと面白いというか、投げやりじゃないかと思うような
サメと出会ってしまったらどうしたらいいかのレクチュアで
「弱点といわれる鼻先を殴ってみよう」的な文言とかが、ギャグじゃなく真面目なテンションなのがツボだった

山で落石や滑落といった事故は、想像できるから気を付けようと思えるわけだが
やっぱり生物系は怖いもので、熊が出たとかそういうのは、
どう読んでも出会っただけで死ぬという感じで、
出会いたくなければ山に行かないという選択肢しかないなと思ってしまったんだけども
もうちょっとなんかないんだろうか、熊鈴をつけておこうといって、
次のページでつけておいても殺された人の話載せるとか、突き放してくるのがつらい

あとは、結構重要だなと思われるところで、
ナメクジやカタツムリの危険性をうたったあたりで、
こいつらが結構危ない生き物だと、もっと喧伝してもいいと思うんだが
そこに触れているのがとてもよいと思えたのでありました

どうする家康  逆襲の三成

2023-10-29 20:52:43 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
三浦安針が出てきたけど、あれだけなんだろうか
なんのためにと思わなくもない出番だったのが残念で仕方ないのだけども
それはそれ、結局家康が天下を簒奪しているというのは、
まぁ、このドラマ見ていても、そうとしか言いようがないなと思ってしまったんだが
脚本的にそれでよかったんだろうか、
念のために、三成へフォロー入れたりしているのも含めて、
そのつもりもないくせにみたいな感じにしか見えないんだが
実際そうだったのかしら、どうかしら

関ケ原カウントダウンが始まって、
いよいよかという感じではあるんだが、
決戦自体は一瞬で終わるけど、戦の初動から開戦までは
案外時間があったんだなと思うところ
このあたりがうろ覚えでよくないと思うんだが、
一豊とかが翻ったのがこの直後くらいの話で、
そこから、ガラシャ殺しがあったりなんだかんだが含まれるのかと
七将も楽しみではあるんだが
そもそもの上杉に対してどんな感じになるんだったか忘れたなと思うのであった

その関ケ原の前哨戦的なものについては、
真田戦にとられてしまうようなので、
詳細がわからんまま、今回のドラマも終わってしまうなと思いつつも
鳥居さんの血天井だったかなんだかが見られるか
楽しみなのである

しかし、淀の悪女っぷりというか、
何がしたいかわからん毒婦っぷりが見事すぎて
いい歳こいて、夢見がちな乙女ムーブかましてくるとか
そういう感じになりそうで、戦慄なのだが
そういう妖怪じみたキャラ付けは嫌いじゃないなと
楽しみにしているのである

【読書】ハンチバック

2023-10-28 21:02:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
ハンチバック  作:市川沙央

どうしても読みたいと思っていた一冊
読んでみたら、ちょっと期待しすぎていたとは思ったものの
芥川賞の新しい地平を拓いたようにも読める本で
大変よかった

ハンチバック=せむし、というのが本当なのかわからんが、
生きるために身体が破壊されていく、あるいはしていくといった壮絶な難病を患いつつも、
それ以外はとても恵まれた環境にある主人公が、介護を受けつつ、エロ文章を売って、
そしてSNSで他愛のないことを吐き出していたら、
ある種の願望を叶える機会に出会ってと、まぁそんなあらすじだけども、
難病に苦しみ、どうして生きているか、そういうことを考えているような
あきらめているような、そのどれでもないまま、
さりとて、強く自分が生きているということをふまえている言動と行動がとてもよかった

ある種の聡明さをどうしようもなく下品に披露する、
言葉を使役するといった感覚が面白いのだが残酷で、
軽口の叩き方はネット上のそれこれのようでもあるが、
心の機微と、察すること、考えることの理知的な部分が際立って読めるのが興味深い

一見すると、そういった人の性欲の話のようでもあるけど、
それとは肉薄するが、健常者が思い描くそれとは異なり、
その行為、結果に伴うものへの妬みにも似た衝動が根底にあって
そこにまた、拘泥するでもなく、本当に望んだのかもわからないが
案外やってみたらといった軽い気持ちで、
それこそ、入れ子的に小説内に現れる小説の主題である、春をひさぐ女のそれに近い、
小遣い稼ぎと興味本位の代替手段のように、選んでいる、望んでいるのかと思った

破滅願望ではなく、どうってことない一幕としての生業としての風俗
それを実行してみるといったことが、難病を背負っていることで
複合的に救いや望みや嫉妬や欲望をごたまぜにした何かにしていると
そう読むと、非常に味わい深く面白かった

ラストがまた、非常によい
あっけらかんではなく
何かのメタファーかのように、現役女子大生の風俗嬢という登場人物が出てくるというところが
夢のトレースを見たようでとてもよかった

【ドラマ】わたしの一番最悪なともだち

2023-10-27 21:08:51 | ドラマ映画テレビ感想
NHKのよるドラでした
ここ数回、低予算すぎやしないかと思う内容だったんだが
まぁ、実際はどうだったかわからんわけだけども、
そこからは一線を画したというか、かなりちゃんとしたドラマで
正直、自分のような年齢男性が見るテーマじゃないとわかりつつも
がっつり見て、ものすごく楽しんだのでありました
ちゃんと作りこんでるドラマは、ただただ、それだけで楽しい

と、作りの話だけではなく、役者も若いのに上手くてと言っていいのか、
その若々しさみたいなのが伝わってくるようなみずみずしさが素晴らしいなと
ゆるい感じの展開なのに、その身の丈、等身大といった感じが
気負いなく出ていて、すごくよかった
朝ドラでも、現代劇やるときはこれくらいの感じでやってほしいと思ってしまうくらいだった

青春ドラマというほどの若さではないのだが、
就活、就職、そしてという話と思わせておいて、
実際は友情の話というのが、実に心地よかった
そして、タイトルの意味に、最終週までずっと気づいていなかったのにショックを受けたというか
当たり前に、「ともだち」が誰のことかを考えていなかったのが
自分のリテラシの低さだなと反省しつつも、感激したのである
すごくおもしろかったわ

就活編、社員編、そしてその後の三つくらいに分かれていたと思うけど
それぞれに良いところもあって、突っ込みどころもあってだったけど
丁寧で、起伏はさほどなく、思いつめていく話なのに暗くならない
でも、重さは残っている
この匙加減の絶妙さは筆舌に尽くしがたいと感じたのでありました
すごいよかった、そして、役者がみんなナチュラルにやっているというか
おどけているのが浮いていない感じというのがまた、とてもよかった

出てきたキャラクタの、それぞれがすごくよかったのだけど
このドラマでは、それはそれとして、描くのは二人だけだと
決めていたような突き放しがすごくよかった
それで正解だし、それ以外のほどほどさがとてもよかった

と、個人的には、二人よりも、もう一人、
一人で劇団していた男のキャラがよくて
カレーに対する、まったく意味のないこだわり、薄っぺらいセリフ、
すべてがいとおしい大学生、阿呆学生そのままの造詣でよかった
さらに、それのやった演目か、別のやつかしらんが、
「ゴリラ対めちゃゴリラ」という素晴らしい演目のフライヤーがしれっと、
誰も触れず、背景の一つとしてあるというのが
このドラマの並々ならぬディテールの良さを表していたように思ったんだが
ただ単に、美術の人が遊んだだけかもしれんな
でも、とてもよかった、あのフライヤーだけで、あの周辺の背景すべてが説明されたみたいで
ものすごい仕事をした小道具だと感じ入ったりしたのであった

と、まぁこんだけ書いて、メインの二人についてまったく書いていないわけだが
この二人の関係と、その機微すべてが丁寧ですごくよかったし
シーンのつくりが本当にいいなと感動したわけで

ともかく、いいドラマだったと書いておくことしかできず
ちゃんと言葉に表せていないし、表してしまうと違うことになる
そういうのがある、とてもよい作品だったと記しておく

最終的に、あの歌が、あの二人のそれだったというのが
メタ的でも、なんというか、とてもよい話だった

【読書】棋承転結 24の物語棋士たちのいま

2023-10-25 20:55:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
棋承転結 24の物語棋士たちのいま  著:松本博文

24人の将棋に関わる人たちへのインタビューと質問への回答でつづった本
棋士、女流棋士それぞれの将棋人生や、思うこと、考えることを率直に語っていて
どれもこれも読みやすいけど面白くて、ずいずい読むことができた
特に、LPSAに関係する人が多くて、あまりよく知らなかったけども
女性の将棋という文化的貢献の大きさを知る機会になって、とてもよかった

すでに引退されていたりする人の次の人生も書かれているので、
女流の先生たちがその後普及に努めていたり、
まったく違うボードゲームの世界で活躍していたりと
様々なありようが見られてとても面白かった
とはいえ、桐谷さんだけ、完全に株の話だけになってたのが気になったんだが
そういう変化球も混ぜつつ、将棋が好きで、それをどうしていこうかと考えての
LPSAであったり、普及活動であったりというのが心に響いた
そしてなにより、やっぱりみんな図抜けて頭いいんだなと思い知る
棋士でいまいち活躍できなかったから医者になるとか、
お父さんが東大の将棋部だったとか、まぁともかく、出来が違う話が多くて面白い

将棋というよりも、将棋界であったり、
その人の人生であったりにクローズアップされているのがよいところで、
その人となりというものが見えてくるようなインタビュー記事が多くて、
谷川先生の語りなんかは、非常にかっこよく、そして感覚や思想に一本の綺麗なものがあると
深く思い知る内容だったと思う

将棋棋士の人間部分を描いた本として
とてもよい一冊だった

台湾行き当たり場当たり旅 11 基隆へ

2023-10-24 20:55:49 | 台湾行き当たり場当たり旅(2023)
さて、結局飛行機がどうなるかわからないまま、
当初予定通りに基隆へと遊びにいくことにする
台北駅から台鉄で移動したわけだが、乗換したり、なんだかんだやりながらで
ギリギリまで、八斗子まで行こうかどうしようか迷っていたんだが、
時間が遅くなったこともあって、そっちは断念して基隆へと直接向かったのであります



七堵だったかで、待ち合わせしたりとか、いい感じで台湾鉄道を満喫できたのである
途中、民家のぎりぎりを抜けていくところとかあって、あんな近くに住んでると
洗濯物酷いことになりそうだなと思ったんだが、関係なく干されていて
たくましさを感じたのである



そして、基隆駅へ到着
ここがずいぶん綺麗なところでびっくりした、流石台湾でも随一の港町とも思ったんだが、
だからなのかはわからない、けど、かなり新しい駅舎のようで
近代的な作りに感動したのでありました
そして、外に出てみれば、まぁ、すさまじい暑さ
これは殺人的なそれだと衝撃を受けたのである



とりあえず、バスに乗って基隆観光をしようと思っていたので
バスターミナルというか、バス停のあたりまで移動する
近くに廟があったので、のぞきがてらお参りして、バスを待つ
正直、どれに乗ったらいいか全然わからなかったし、いっぱいバスがやってくるようで
あれやこれやと迷っていたんだが、無事目的のバスに乗りあい出発




軽快にぶっ飛ばしていくバスに揺られて、
途中観光名所というか、写真スポットとしてよく紹介されているところを通過
ハリウッドサインみたいな、KEELUNGサインに、七色の建物、
この建物も後で裏側通ったんだが、正直、それだとまったく気づかない
ごく普通の台湾の建物といった感じで衝撃的である
ただ色塗っただけで、こんだけ観光地化するんだから、世の中わからんものだ
雑多というか、かなり込み合った狭い路地裏が、
台湾の田舎とも異なる、独特の雰囲気を醸していて
これこそ、台湾ぽいというか、10年くらい前の台北にもこんな地域が残ってたなと思わせる
いい感じのノスタルジーがたまらんと思ったのであった
生活臭というか、うまく言い表せない、時代感というのを持っている町だと思うのである

と、まぁ、バスに乗ってあっという間に目的地に到着


と言いたいところだが、バス停から、和平島公園まで結構な距離があって、
これまた、住宅街みたいなところをうろうろと歩いていったわけで、
途中に一件だけコンビニと呼んでいいのか、おばちゃんがやっている、
日本の田舎にもある便利屋(コンビニだよな)みたいなのがあったりして、
絶妙に昭和っぽい感じを覚えて楽しみながら歩いたのである
とはいえ、すさまじく暑い、年老いた父親を酷使するわけにもいかずと気にかけながら
和平島公園を散策するのであった

つづく
12 和平島公園散策

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10 台北西本願寺

【読書】ホテル・カイザリン

2023-10-23 21:05:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
ホテル・カイザリン  作:近藤史恵

表題作を含む短編集
ミステリのようでもあるけど、サスペンスや不思議話に近いような
後味の悪いものもあれば、ほのかな希望を描いたものもある
多種多様でバラバラなんだけども、なんか通底したものを感じる
不思議な物語ばかりだった

情念や、人間の感情といったものを取り扱った、
あるいは、そういう側面をまだ言語化されてないものとして描いた
そういう作品が多くて、単純に嫌だなとか、その動機がわかるなとか、
気持ちや感情ではそう判断しているけども、一言では言い表せない
まだ言葉になっていない事象を取り扱っていたように思う

単純な悪意というものを描いたりもしていて、
その悪意が、明確に意識したものと、そうではないが正義心と思っていたものとで、
結果がどうであったか、そこに宿る後悔とも異なるものは何かと
誰が悪いとも言い難い、救いようのない悲しい話もあれば、
何かから逃げてきて、でも、異邦の地でそれが何か、どう向き合うか初めて気づくという
スタンダードな復活回復の話もあったりして、
一冊読むと、トータルで、負でも正でもないというバランスの良さが見事だったと思う
嫌な話ばっかりでも詰まるし、いい話ばっかりでは面白くないという
贅沢な悩みを見事に解決してくれている短編集だった

表題作は、はたして友情や恋情の話だったのかと
いぶかるようなものだけども、そこに灯っていた感情は、
似たものに対する好意という点では、どちらでもあったように思えたり
それが心からのものであるかどうかは、わからないけども、
そうであってほしいのかどうなのか、それすらもわからない事件とオチで
なんというかすごく印象的で面白かった
どれも、結局本人がどうであったかということと、客観的に読者として見てそれがはたしてどうなのかの
物凄いギャップを楽しめるというか、読者の思うことが結局他人事のようでもあるという
不思議体験ができるのが面白いと
全編すごく楽しく読み終えたのでありました

どうする家康  天下人家康

2023-10-22 20:47:41 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
あっという間に関ケ原といった感じの進み方なんだが、
夢見る三成が、夢想家のまま、現場と決定的に対立するところは、
分かりやすすぎるほど明解に描いていて、
これまでと別人ではというくらいの嫌われっぷりだけど、
まぁ、齟齬なく、そういうやつだったなとも思わされたのでありました
なんだかんだ、テンプレ通りといっていいのか、
杓子定規な三成になって、同情というか、仕方ないというか
そりゃ、人気ないなと思わされる場面ばかりで面白かった

しかし、淀が完全に毒婦といった感じで、
あのたった一言で、三成が疑心暗鬼にもなったし、それと合わさって、
生真面目さが空転していくというのが、ああ、こういう悲劇あるなーと
今の世の中もさることながら、そこらにある日常として
生々しく見られると感じたのでありました
逆張りしてるわけでもないが、さらっと家康と敵対するところが、
近づきすぎという釘に対しての反応ではなく、律儀ゆえにというのがあるが、
誤解されそうなというのが、まぁ、なかなか踏んだり蹴ったりっぽくて
家康も持て余した感じが面白い
結局狸なのか、そうでもないのか、まだわからん感じでやってるのが面白いんだが
結果として、結局狸なのは、なるほどなぁと
大河の主人公らしい落としどころだと思わされたのでありました

まぁ、悪いところは基本的に悪本多と阿茶局がやってくれるから
家康が言わなくていいというのも大きいんだろうけど
前田も結局、最終的には政治として考えたら、豊臣とかではなく、
家康がやるしかないよねというのは、
流石に描きすぎだろうとも思うんだが、実際に、ああいう冷めた目線もあったのかと
思いをはせるのである

次週、その次くらいで、もう関ケ原終わりそうだなと思うんだが
年末に向けて、急ピッチで家康の天下統一が進んでいって
進捗表の追い上げがすげぇなと
天下人は流石などと思ったりしながら、また次週を楽しみにするのであった

【読書】可燃物

2023-10-21 21:05:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
可燃物  作:米澤穂信

事件解決の刑事もの短編連作でありました
葛という一風変わった県警警部が部下を率いて、情報を集めて
一気に真相を暴くという基本路線なんだが、
目的と思考をまったく説明しないから、謎よりも、解いているこの男が
何を考えてこんなことさせてんだと思ったりする方が面白いという
ちょっと変わった推理小説でありました

犯行自体は小者といっては失礼ながら、殺人事件だけど痴情の縺れやら、
かっとなって殺したとか、そういう感じの事件で、
だからこそ、犯人は同じでも一見すると違う方針から攻めて、詰めなくなってしまいそうな
妙な事件が面白くて、誤認しないための裏取りとか、
さくさく話が進み過ぎて可笑しいとか、これはもう、こいつにしかわからん領域じゃないかと
そう思いつつも、なるほどなと盲点をつく内容が多くて楽しかった

作者得意のといっていいのかわからんが、
嘘と真実、情報の切り取り方による錯誤というのがトリックやら、
話しの面白さの根幹にあるので、あれこれ考えて、
あーやられたと感じたり、そういう考え方するべきなのかと感じ入ったりと
まぁ、面白いんだが疲れるし、ちょっとカタルシスが少ないとも思えるのが
玉にきずだと思ったのである

動機解明、犯行方法の捜査、犯人捜しといったところではない、
そのあたりがおおよそわかったうえで、正しい捜査をしましょうという感じの謎解きが
新しいと思った一冊でありました
シリーズなのかしらないが、これはこれで長く続きそうなテーマだと思ったのでありました

【ドラマ】満天のゴール

2023-10-20 20:55:30 | ドラマ映画テレビ感想
NHKのプレミアム再放送だったのかわからんが、
前後編で放映された、やさしいドラマでありました
終末介護の話だったとも思えるが、
そこにある奇縁と二つの訪れる死が主体にすえられて、
そこに触れる様々な人たちの素朴な話なんだけども、
数奇な運命はさておき、最期というもの、誰かに看取られるということについて
物凄く考えさせられる、実に素晴らしい演技に魅入られたのでありました

老人二人の演技が、まずもって素晴らしく
柄本明、風吹ジュンの二人が本当によかった
演技だとわかっていても、こういう年寄りがいて、こういう動きをして、
そして、こうやって死んでいくというのが、ものすごくリアルというか
真に迫っていて、ドラマ全体の引き締めが素晴らしいことこの上なかった

また、その二人が尊いからこそ、若い(さほど若くもない)二人の生きている日々が光るという
とてもわかりやすい構図に、はっきりと命が芽生えたようで、
死に向かう二人を見送る、これからを生きる未来といった感じが
押しつけでも、しつらえでもなく、そうだと思える
世の中は、そうやって、年寄りから若い人に知らず移っていくような
時間や、経過というものを具象化したように見せてくれて
穏やかに楽しむことができたと思うのでありました

嫌な奴が出てきて、どうのこうの
と、まぁそういう役割でなくても、
人間模様というのは描けるんだなと、感情や関係の機微がみてとれて
緩やかに老いていく姿の、リンゴをわずかにも食べられなくなっていくという
その切り取り方が、とてもいいなと思いつつ
自分に迫るものがある内容だったと、感動して見入ったのでありました

身近な人の死と、自身の死について
暗くではなく、考えさせられる内容だったと
勝手に大事としてとらえた一作であった

【読書】台湾鉄路千公里完全版

2023-10-18 21:05:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
台湾鉄路千公里完全版  著:宮脇俊三

1980年に台湾一周鉄道旅行をした旅日記的な本
著者の方が、かなり著名な乗りテツの始祖的な人なんだそうで、
鉄道に乗る、鉄路を乗りつぶすという趣味人として、
台湾一周の鉄路を走破というか、踏破というか、ともかく乗りつくそうと
その一週間の旅行を記録した本なんだが、
当時の台湾を知ることもできるかなり面白い本でありました

現代台湾に慣れ親しんでいる自分には、まったく想像がつかない
いや、10年くらい前はぎりぎりそういう雰囲気がまだあったかもと
そういう描写が多々でてきて楽しいわけだが、やはり、現代とは違い
台北駅もまだあんなに綺麗ではなかったり、何よりも、
毎夜毎夜、ホテルにおねーちゃんが訪ねてきたりといった感じが
なんというか、当時の台湾というものを知る面白さに繋がっていて
当時の世相、風俗、文化というものが浮かび上がるようでよかった

文章はかなり読みやすくて、また、旅程もただ電車に乗ってるだけで、
台湾だけど、別に台湾旅行記ではないから、飯描写とか、屋台街(夜市と書かないのがまたよいな)描写が
ほとんどないというのもある意味斬新で、台湾本として読んでいる自分がおかしいのかもしれんが
それでも、そこかしこから漂う当時の台湾らしさ、
南国フルーツの山やら、原住民の人たち、そして、日本語を話せる人たちとの邂逅といったことが
非常に魅力的にうつる内容で、羨ましいというか、
その時代、その時の台湾に行ってみたかったなと改めて思い知らされたのでありました
せめて、00年代にいっておくべきだったな
食べ物は、どうやらほとんど合わなかったようで、
脂っこくてほとんど残したやら、謎の三つ葉のような薬味を除けて食べたとか(パクチー)、
弁当をほとんど残したとか失礼極まりないようにも思ったんだが、
当時の日本人からするとそういう感じだったのか、今からは考えられないような内容に
日本人の味覚の変化もちょっと感じたりしたのである
現代日本人って、思った以上に多国籍料理食べて慣れてんじゃないかな

完全版ということで、合計3度の渡台記録が載っているのだけども、
一回目の時、まさにタイトルの通り千公里を走り抜けた時は
まだまだ戒厳令が敷かれているような、戦争が間近にある怖さが漂っていて
そういう鉄道から見た、人の様子、空気というのも興味深いし
入念に下見したにも関わらず、どの本にも掲載されていない鉄道支線が生きていることが判明したりとか
時刻表通りに走ったり、走らなかったり、繋がっているはずの鉄路が繋がっていなかったりとか
色々あやふやな感じが、発展途上を感じさせて面白かったり、
乗り鉄的なこだわりも随所に出てきて、よくわからんが狭軌道なる線路の良さやら、
わざわざ、様々な等級の車両に乗ってみたりとかも面白い
多分、乗り鉄というジャンルの人はより楽しめる内容なんだろうと思うのだが
それはそれとして、当時の台湾を日本人の眼から見ているという点において
非常に面白い本だと思ったのである

ただ、この本にある限り、台湾人はいつも優しいと思える内容だったのがよい
本当によい

台湾行き当たり場当たり旅 10 台北西本願寺

2023-10-17 21:05:11 | 台湾行き当たり場当たり旅(2023)
さて、三日目、予定では最終日
基隆へ行って夜まで遊び倒そうと思っていたのだが、
台風がのろのろと日本列島に近づいていて、翌日の飛行機が飛ぶか心配で
朝に連絡が入るかもと、ちょっとゆっくりしついでに、西門町を明るいうちに散策することに



まずは朝飯をと、台湾らしい朝飯を探すついでに、うろうろ散策
前夜に堪能した極品軒から少し離れたところにあった、大三元のビルを見る
こんな立派なところとは思いもしなかったわけだが、こりゃさらに高価そうだな



そして、朝食はいかにも台湾といった感じの三明治と蛋餅を食べる、60元也
何の変哲もないといっていい感じではあるが、三明治というより
変わり種トーストみたいな感じで、甘いパンとしょっぱいおかずがマッチして
とても台湾らしい朝食になった、このハムの独特の味付けが台湾だわ



朝食も無事とれたのでさらに散策、何年ぶりかわからんが、中山堂を眺め見る
朝から広場で太極拳でもしてるかと思ったけど、普通に散歩する人がいる程度でなんということもない
初めての台湾旅行時にここで台湾茶を飲んだのを思い出すが、
今は喫茶店とかなくなってるのだろうかしら
さらに西門町の方へと戻ってくると、何やらオブジェみたいなものがあったりして
台北でも、こういう道端アートがごろごろしてんだなと改めて知るのでありました





そして、ついでにというか、せっかくだから見ておこうと西本願寺へ
台北にあった西本願寺跡といっていいのでしょう、広場がありまして
鐘楼とか、それっぽいものはいくつか残っている場所で、ぐるぐる見てまわる
何やらイベントがあるのか、お堂前っぽいところで設営がなされていたので
お参り的なものは何もできなかったわけだが、日本らしさが色濃く残っていて面白かったのである
しかし、朝8時頃なんだが、すさまじく暑い
さえぎるものがないととんでもない暑さになるなと、台湾の熱波にあてられたのであった
別にお坊さんがいるわけでもないし、まぁ、観るものみたからと
そろそろ一度ホテルに戻って飛行機のチェックをしようと移動移動


西門町のLGBTQ的虹色通りを横目にホテルへと戻ったのである

が、まだ飛行機の出発に関して一切の連絡がなく、
セントレアで、だんだんと欠航の知らせが増えていくのに
タイガーエアだけ頑なに何もなく、メール送ったのに「心配するな何かあったら知らせる」という
何一つ解決しない返事が来ただけで、困ったものだと思いつつも
腹をくくって、観光に出発したのである

つづく
11 基隆へ

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09 極品軒と西門紅楼

【読書】随想 春夏秋冬

2023-10-16 21:05:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
随想 春夏秋冬  著:宮城谷昌光

宮城谷先生の若い頃を思い出して書いた
そんな半生記的読み物でありました
幼少のころから大学生、社会人はじめ、自営をはじめといった
生涯のあれこれを思い出しつつ書いているんだが、
淡々として、さほどに長くない文章で、ワンシーンともいえるような語り口なのに
幅広い時代ともいえるような、先生の生活なんかが見えてくる文章で
非常に面白く読めた

結構若い頃から、あれこれと小説以外のこともしていたようで、
思うところがあって、小説家を志しながら一作も書かなかった学生時代とか、
気づいたら卒業になってて、とりあえず働き口を転々とした話とか、
いよいよ小説を書こうと思ったら働いている時間が惜しいから競馬やりだしたとか、
色々と読み物としても十分に面白い生活を送っていて
その時々の描写が、小説と一緒で、情緒豊かな季節描写とあいまって
面白おかしい感じがしてすごくよかった
物凄く風光明媚な情景描写なのに、競馬に謀殺されている話とか、どうかしてる感じがとてもいい

趣味といってしまうと、また違うような気もするが、
クラシック好きと、カメラ好きのそれについての語りも面白くて
専門家ではなく、好事家であるという立場だというのが理解できる語り口がよくて
本当に好きなことを、こんこんと語っているんだなという熱さがよかった

細君とのことも、おっかなびっくりと書いているようだけども
実際はどうなのか、そのあたりは随想だからこその照れなのか、
真実なのかわからないけども、確かにこの人とやっていくのは並大抵ではないし、
なんとなく敵だと認識されていそうだという、先生の評も
さもありなんといった感じで、面白いやら、どうなってんだかといったところやらで
ともかく、気が抜けているようで、ちゃんとしている
そういう文章をつらつらなのに、しっかりと読みほどけたように思う一冊

と、ここまで書いておいてなんだが、
前に読んでいたようだ
感想がだいぶ違うのが衝撃である

どうする家康  太閤、くたばる

2023-10-15 21:08:07 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
面白い展開だった、といっていいのかどうか、
斬新な秀吉の最期だなと感じ入ったのでありました
別に、秀頼にそこまで執着しない、そこに執着があったのは淀殿で、
だからこその大坂の陣というシナリオは、なるほどというか、
いい消化の仕方だなと感心したのであった

そのおかげといっていいのか、
だからこそ、最期の秀吉の好き放題っぷりが、あまりにも見事だし
これが秀吉といった感じでもあり、
家康の前でだけ、おちゃらけもするし、莫迦にもしているし、何も隠していない
そう見えるようなのがとてもよくて、そこにきて、秀吉という男の強さと限界といっていいのか、
そこにある妙な共感みたいなのが味わえて、見事だったと思うのである
まさに「くたばる」といった死にざまが、あまりにもよかった

結構衝撃的なシーンになるかと思った、
子供が誰の子論争は、案外ふわっとした物言いで、
秀吉の子であろうかどうかという問いかけではなくて、
ただただ、茶々の子であるということを強調したいだけというので
うまいことけむに巻いた感じにしていたので、なーんだみたいな印象なんだが、
それを受けてもまた、別に秀吉は、その前に見限っているといっていいのか、
色々、済んでしまっている状態だというのが、耄碌や篭絡といったものから縁遠くなっていて
よかったと思うのだった
この空振りがまた、茶々の一人踊りっぽさを際立たせているようでもあって、
中身なく、ただただわめいているだけみたいにも見えて
残酷だが面白い

そして、序盤にちゃんと時間とって弔われたというか
シーンが描かれた酒井殿も見事で、
ラストえびすくいも見られたし、
甲冑を着ながら死ぬという、ありそうな終わりを丁寧に
それでいて静かな演技で見せてもらって、眼福でありました
いい仕事だった、お疲れ様である

あれよあれよと話が進んでいくようで、
次回から、いきなり家康が狸モードに入るようだし
何があるのかわからんが、ともかく楽しみにして
年末に向けて走り抜けてほしいと思うのであった
内閣解散とか、妙なもんで邪魔されんといいのだがな