CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】「親日」台湾の幻想

2016-06-07 20:45:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
「親日」台湾の幻想  著:酒井 亨

数年前の新書なので、鮮度はどうかと思うけども
内容的には、そうなんだよと、思わず手を叩くような
自分がもやっとしていた感覚を文章化してくれた本でありました
気をつけたいといったらいいか、
今、台湾と急速に近づいている時勢、なんとか誤解から、
最悪の別れにつながらないように願うばかりのところ、
これを読んで、心したいなんて
偉そうなことを考えたのでありました

内容は、台湾の解説と、台湾における日本がどうなのかと
そういうお話が、あれこれとまとまっていました
なんとなし、台湾は日本に優しいという漠然としたイメージから、
日本のことが好きなんじゃないかと
勘違いしてしまいがちな部分について、
懇切丁寧に、そうではないとつづっていて
いちいち頷いたのであります
そりゃそうだと思うんだが、なかなか、
そうとらえられないものでありますな

イデオロギー的な部分も含めつつ、
ちょっと政治色のある発言にも触れながらなので、
おいそれと賛成なんて憚れるところではあるものの
・日本統治後の国民党が酷すぎたから相対的に人気がある
・日本がかつて敷いたインフラ、それに付随する人物が人気である
・日本の軍属は嫌いだけども、自分に厳しい人もいたから尊敬している
こういった具合で、主に第二次大戦以前、日治と呼ばれる時代について
そこを肯定的にとらえていて、しかも、
植民地時代を肯定しているなんて飛躍はちょっとありえないというのは
まったくその通りだろうと思うところでありました

この論については、同じような雰囲気の韓国とどうして
あんなに違いがあったのかという部分について、
台湾は、日本のあとに国民党、
韓国は、日本のあとにアメリカが
それぞれ統治していたわけでありまして、
その後釜の差によったのではないかというのは
目からうろこというか、なんか、すっと落ちるようにも思うのでありました

で、じゃぁ日本が今嫌われているのかというと
まったく別のお話であるようで、日本の現在、
戦後とかなんとかというイデオロギーを飛び越えて
カルチャーだとか、雰囲気だとかが
とても好きという、もっとライトな具合になっていると
これまた、非常にいい塩梅で醸成されていると思うのでありました

カルチャーから、どうしてもヲタク文化になっていって
そこへの親和性の高さについても語られていくあたりは
単純に面白いなぁと思えたのでありますけども
なんとも、これからの関係を築いていこうぜと
感じさせる内容に、納得というか、満足したのであります
また、台湾いかねば