CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【ドラマ】事件は、その周りで起きている

2022-08-30 21:15:11 | ドラマ映画テレビ感想
ドラマという枠でよかったと思うんだが LIFE!の出張版みたいな感じで、 豪華俳優を使ったコントを見られるという 非常に楽しい番組でありました このシリーズ、もっとやってもらえるといいな でもコントの脚本書くのって大変なんだろうなとも思ったりする 別に何がということもない、 あり得ない刑事たちの、しょーもないやりとりだけで さらさらっと15分が過ぎるという番組で あれこれ考えることなく、でも、その違和感を面白さに変換して見せてくれる 俳優さんの大変さがうかがいしれる感じが凄いよかったのである 改めて思ったんだが、高度な笑いを提供するためには、 きわめて上質な演技が必要なんだなと思い知ったのである 下手なのがやると火傷するというか 「面白かろう」という内容を面白く見せるって 凄い大変なんだろうなと思いながら見ていたのでありました とりあえず、出ている俳優さんがみんな楽しそうだったのが何よりだったんだが この前の不動産屋に続いて、倉科カナがいい感じで、 とても楽しんでいる様子が素晴らしかった またわざとらしい演技が、全然鼻につかないというのが最高だわ 主演二人も見事というか、俳優の演技で雰囲気なのに やってることがコメディというのが見事で面白かったのである で、あんまり悪くいうのもあれなんだが 一人だけなんか違うなと思ったら、どうも俳優さんじゃなくて芸人だったようで コント士の演技とは、今回のこれはまた違うんだなと LIFE!と同じようにみえて、ここにウッチャンが入ったら合わなかったのかもと どちらかといえば、サラリーマンNEOに近い感じがこの番組の特色で LIFE!とは別物としてはっきり個性が出てたんだなと感心したのでありました ともかく、俳優さんが真面目な演技でふざけているというのが 異なるものになるんだと認識させられたのでありました 違う俳優でチーム組んでもらってもいいんだが、 是非このコンセプトで、別のシリーズを見たいと思わされたのでありました 15分枠の正しい使い方というのが 視聴者として理解できたように思うのである 連ドラ方式もよいんだが、やっぱりそれは朝ドラに任せておいて 夜のこの枠は1話完結なりのシンプルなそれで 笑いに振ってやってほしいと思うのでありました さりとて、コメディエンヌをやれる女優さんて少ないんだろうなと ちょっと思ったりしたのであった 自力がないとたぶん、コント全体が破綻してしまう恐怖があるなと 作り手でもないのに感じるばかりであった そういう点で、小芝風花も倉科カナも抜群によかったと思うのであった 男性は割となんとかなってしまいそうな感じがあるけど 北村有起哉さんは慣れたもんとして、笠松将は新しいジャンルが拓けたんじゃなかろうかと 偉そうに思ったのである

【読書】賞金稼ぎスリーサム!

2022-08-29 21:32:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
賞金稼ぎスリーサム!  作:川瀬七緒

また新しいシリーズだと思いつつ読み終えたのでありました
狩猟の豆知識を生かしつつ、スタンダートな聞き込み推理で
探偵が事件に迫っていくという物語で
推理小説の体ではあるものの、はっきりとこれをと解き明かしていくというよりは
スリルとサスペンスという、事件を明かしていくのを楽しむ
そういう小説でありました
事件の解決に主眼がないというわけではないんだが、物語がそこにいかない
これはこれで面白かったから、なんら問題ないんだが
期待している人からすると怒ってしまうんじゃないかと
ちょっと感じたのであります
投げっぱなしというわけでもないんだが、尻切れトンボともいえるような
でも、これはこれで解決してるよなと思ったりするんだけども
なかなかどうして
一冊で綺麗に終わってはいない、あれもこれも残ったままというのが
ちょっと残念な気がするんだけども、それでも十分面白かったのである

さておいて、元凄腕刑事という男が
ひょんなことから放火事件を解決しなくてはならなくなると
そういうお話なんだが、その依頼主というか、警察マニアを名乗る謎の男と
妙な因縁があったり、それはそれとしておきつつ、
まったく関係ないところから、狩猟のプロフェッショナルの女の子が表れて
なんかしらんがみんなでチームになってしまってと
ドタバタしつつ、それでいて、結構あれこれ因縁もありつつと
楽しく進む物語なのでありました

キャラ物ともいえるけど、ポイントは狩猟とそういう方面のあるイベントがキーになっていて
なるほど面白いなと思いつつ、読まされてしまったのであった
敵がやや予想外というか、まぁ、味方も予想外のそれだから
この際、難しく考えても仕方ないという感じではあるんだが
結構はらはらしつつ、ほどよくスリルを楽しめる内容だったと思うのでありました

最初に書いたとおり、未完なんじゃと思わなくもないところだけど
これはこれで、次回を期待させておくところまで
楽しませてくれたのでよかったともうんだが
続刊が出るのか、出ないのかもなぁとも思ったり
惜しいと思いつつ読み終えたのであります

鎌倉殿の13人  修善寺

2022-08-28 21:00:19 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」視聴完了しました
正直なところ、個人的に今回はちょっとはずれというか
思ったのと違うという感じでありました
テレビ的には、ああいう大立ち回りがあった方がいいんだろうし、
個人的に殺陣が好きなので楽しくもあったんだが、
善児は、そういうのじゃなく、淡々と殺すというあの不気味さがよかっただけに
もっと暗殺っぽくやってほしかったと思ってしまったのであった
とはいえ、かわいそうな将軍であるな本当にもう

政子が徹底的にいい人でいくというのが
今回のでもはっきりしたというか、
小四郎も、坊主のいうとおり、まだ迷いがあるので救いがあるのか、
それ救いというか苦行というか、業魔のようなものを感じるのでありました
小四郎はずっと、やることなすことよろしくない方向になってて、
ただ、それに慣れたというだけだよなという
慣れたというのは、傷つかないわけではないという当たり前のことに
気づかされたりするのでありました
金剛をして、あれは昔の私だとか、ずいぶん感傷的なことをいうようになったじゃねぇかと
思ったりしたのである

とりあえずそれはそれとして、
すっかり調子に乗ってる時政が、ガンガンヘイト稼いでいるというのも
よくわかる展開になっていて、宮沢りえが本当につやつやしてきているのが
凄い演技力というか、いや、あれは女優力というやつなんだろうか
ともかくすげぇなこの女と、おののいてしまうのでありました
でも、このあたりが結構クライマックスに近いと思うので
時政とのあれこれはもうちょっと先なのか、
いやいや、執権北条氏として朝廷と事を構えるところまでいくのか
終わりが見えないんだが、楽しみなのである

とりあえず、畠山がこの一件で変な殺され方しそうな
危ない罠にひっかかるんじゃないかと、ひやひやしてたんだが
さりげなく、知らされてなかったというそれで、
なんとなし、嫌なフラグを立てていったようにも見えるところでありました
和田ともども、かわいそう路線であるが、どうなるんだろうか

その和田が、未だに仲睦まじく巴と暮らしているというか、
巴の出番があったのに驚愕したのでありますが
あんまり出番ないのに、先撮りしてたのかわからんが、
女優さんも大変だなと思ったりするのであった
役抜けちゃうんじゃないんだろうか、眉毛つなげたら戻るとか
そういうやつなんだろうか(ひどい)

トウが仇をとって、そのまま出奔しそうだなと思ったんだが、
まぁオリキャラだし好きなようにしてもらったらと思うんだが、
兄上のことを知ってなお、生かそうとした小四郎の思いをすり抜けるように
別の手により殺されていくというのが
なかなか悲しい話であるわけだが、
善児が死ぬことで、頼家の呪いが解けたというのが
死んだ後というあたりに、底意地の悪さを感じるのでありました
すべてが手遅れというか、手順違いというか
いやー、ひどいありさまだ
次回も楽しみじゃないか

【読書】世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック

2022-08-24 21:03:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック  著:ダミアン・ラッド

タイトル詐欺とまではいわないが、
ちょっとイメージと違う本だった
もともと虚無的なというか、ある種禍々しい名前の地域を
淡々と紹介しているツイッターだか、ブログだかがあって、
それに、さらにその土地のことをコラム的に追加して
本に仕立てたというものらしく
行き方まで記したガイドブック的になっているのは
日本版のそれだけなんだそうで、
そういう意味で、日本版の著名といえる感じなのかと思うのである

「虚無な場所」というのに、やたら興味をひかれたのだけども
ふたを開けてみれば、死とか無とか、そういったことを想起させる
世界中の地名紹介という感じなので
その歴史的事実とあわせて読むと
なるほどなと思わされるところで面白かった
廃墟紹介ともまた異なるのだけども、
それに近い状況になっている、そこまでのことや
その場所の今というのが興味深いところで
ちょっとしたオカルトめいた記述で盛り上げている
ある種のB級感が楽しいのでありました

途中、自身のと思われる旅行記みたいなのも挿し込まれているんだが
このあたり、ちょっと記述というか描写が独特で正直読みにくいことこのうえないんだが
先に書いた通り、オカルト本ぽいものだと思えば
こういう感じかなと読めると思ったのでありました
しかし、よく探してきたなと思うのだが
案外、世の中に「世界の果て」だとか、「どこでもない」だとか、
そういう地名を作っていたというのが
人類の面白さというか、お茶目さが見えるような
あるいは、その名前に想像力を刺激される方がどうかしているのか
興味深い内容でありました

紹介されていないそのほかの地名にも
かなり興味深いところもあって、面白いなと思うのであります

【ドラマ】空白を満たしなさい

2022-08-23 20:57:38 | ドラマ映画テレビ感想
NHK、なかなか攻めてんなと思ったドラマでありました
ちょっと前に原作読んでいたこともあって、
かなり難しいのに、よくやろうと思ったなと
見ていて、実際難しいけど、かなりわかりやすく落とし込まれていて
凄いいいドラマだったと思うのである
でも、テーマが難しすぎて、流行ってねぇんだろうなと思うので(思い込みなので違う可能性があります)
せめて、レビウを書いて応援しておこうと思うのである

復生者という、死んだ人が蘇る事例が発生するという
奇妙な状況下で、その状況は別にそういうものだと割り切って、
そのために考える生とは何かについて、
佐伯というよろしくない男と対話というか、罵倒というか
ともかくコンタクトにより、色々と見えてきたり異なったり
生きる意味のようなものを一言とかで言い表すわけではなく
こうではないかと思わされて終わる
ラストシーンの原作再現度はずば抜けて高かったように思うんだがどうだろう
あの余韻が文章ではなくドラマで見られると思わなかったと
ちょっと感動したのでありました

俳優さんが全員かなりよい演技で、
特にはじめのころの徹生と千佳のやりとりというか、
復生したことに気づいていない夫が、
唐突に自宅に上がり込んできての妻のリアクションというのが
ああ、絶対こんな感じだわと思いつつも
物語が破綻しないでいくという、このシーンのつかみが最高によかったと思うのである
鈴木杏の過呼吸めいた演技がまた、すごいよかった
ぽかんとしてる柄本祐も絶妙だったけども、この二人のぎこちなくもないやりとりが
生々しいというか、こういう、ある種荒唐無稽とも思える状況を
ありそうだと思わせてくれる演技で凄く引き込まれたのでありました
コントではない、それでいて物語であり、でも自然だという
かなり高度だと思うんだが、そう見えたんだからすげぇと感動したのである

そして佐伯とのやりとり、
正直佐伯のキャンスティングは違うんじゃないかと
アベサダは嫌いじゃないけど不安に思っていたところ
これはこれで、不気味さを不気味ですとやるわけではない感じがよくて
こっちも不快さを見事に表しつつ、それでいて被害者かのようにも見える
飛び降りるくだりのあたりが抜群によかった
あの表情というか、一種何も映らないような瞳のアップが
演出含めて迫るものがあったとこのシーンも凄く印象的だったと思うのである

原作の言いたいことをドラマという媒体で
かなり高いレベルで実現していたと個人的には思ったんだが
はたして他の人がどう思ったかわからんのだけども
よいテーマを描き切った作品だと思うのであった
面白いかというと、また違うというか、
テーマが人をひきつけにくいというのが残念ではあるんだが
とても良かったと書いておくのである

【読書】起業の失敗大全

2022-08-22 21:30:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
起業の失敗大全  著:トム・アイゼンマン

スタートアップ企業のうち、失敗したものはなぜか、どうしてかということを学問する本
あんまりスタートアップ企業や、そもそも起業に興味がないので
だらっとながら読みしてしまったんだが、
アメリカには、いっぱいいいところまでいった企業があるんだなと
驚いた次第、当たり前といえば当たり前なのかもしれんが
日本とは、このあたりがそもそも大きく違うと感じるのであった

そういうわけでと、さらっと書いてしまえるほどわかりやすくもないんだが
失敗の類型がいくつか出てきて、なるほどと思うような確執ではないが、
ミスもあれば、不幸もあるしと、一概に当事者のせいともいえないところが
企業が失敗するという恐ろしいところでありました
基本的には、スタートアップがどのようにお金を調達するか
これは、どこの中小企業も一緒だろうけども
運転資金をどう安定化させるかという
ごく当たり前のところで、大半が死んでいるという印象でありました

なぜそうなるか、と、そこがポイントでありまして
よいプロダクトがあれば、当然規模を大きくしたくなって、
そのために資金を集めてくるけども、
資金以外の部分が足りない、人的資産やら、時間やら、マーケティングやら
そして、成功だと思っていたことが違っていたという
失敗に関するリカバリが、資金を食い散らかしていくというそれが
なかなか恐ろしいと思うばかりなのでありました

何かしらの決定について、少人数のスタートアップのアーリータイムなら大丈夫だが
成長してくると、意思決定に時間がかかるというのは
どうしても避けられなくなってしまい崩壊するというのも
きわめてわかりやすいところでありました

また、お金を貸してくれるベンチャーキャピタルも、その事業に興味があればいいけど
結局金儲けしか考えていない場合も当然のようにいっぱいあるから、
うまくいかないことになる、そのうえ、資金を引き揚げられるとか
もうひどい話になってしまうと、これまた、想像に難くないお話でありました

とはいえ、ユニコーンから、投資家目線におけるテンバガーなんてのを
目指すというより、目指させられるとでもいうような状態にならず、
いい感じで、いい規模で、できる範囲でプロダクトを推進すると
出来るなら誰でもやるわという話になってしまうんだが
中小で、大きくなる必要がないという割り切りをすると
気づけば、脱サラして蕎麦屋とか喫茶店とかいってるおっさんたちと
あんまり差がないなとも思ったりして、起業というものの難しさを
つくづく感じたのでありました

どうしたら、楽に生きていけるのでしょうや

鎌倉殿の13人  災いの種

2022-08-21 21:12:47 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
仁田殿の最期がかわいそうだった
というか、結局小四郎が悪くない?と思わなくもない展開が
また、さらっと悪意に満ちていて、とてもよいですね
あの時話を聞いてあげていればとか、そういうレベルではないとはいえ
そういう後悔すらもないというところが
とても小四郎の苦悩にも上らないそれという感じでよかった
酷い、鬼か貴様

主役なのに、まったく心情を悟らせなくなった小四郎が
なかなかに興味深い中、そうではない脇の人たちが
情念全開というか、すべて、意のままに生きているのが面白いというか
怖いというか、りくの躍動と、実衣の嫉妬というのが
生き生きしていて、よいのか悪いのか
また、知らない北条の娘婿も、いかにも公家っぽく出てきて
長生きしそうにない感じが楽しそうでありました

とりあえず、どう考えても頼家がかわいそうだなと思ったりもするんだが
実の母とその一族に裏切られという状況は
流石に同情せざるをえない感じだと思うんだが、
それを容赦なく追い込んでいくのが
北条という家の恐ろしさというか、鎌倉という時代の怖さだなと
思ったりするのでありました

そこに鉄槌でもないが、呪いを授けるかのように
比企の尼がふらっと出てきたのがホラーだなと思うわけだけども
あれはこの後も出てくるのか、このためだけに生かされていたのか
わからんが、怖いと思うばかりである

小四郎のお嫁さんの割とさっぱりとした別れは
ある種の救いだったなと思ったりしつつも、
善児が、情にほだされたでもないが、あんな感じになってて
あれは耄碌したから、あの時、一幡もろとも消されたんじゃないかと思ったりしつつ
なんというか、暗いけど面白いドラマだなとまた
来週を待つのであった
次はいよいよ、頼家か

【読書】一私小説書きの日乗 堅忍の章

2022-08-17 21:22:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
一私小説書きの日乗 堅忍の章  作:西村賢太

少し前にお亡くなりになってしまった西村氏の本、
日記をそのままといった感じなんだが、
これもまた、新しい私小説の形なんだろうか、わからんな
読みながら、自身の小説を読んで勘違いして喜んでいる輩が、
甚だ迷惑だと書いているところがあって、
それって俺のことなんだろうかとか、
意味のわからない不安にかられたりしながら
ただただ、自堕落とも異なる、妙な毎日を数行ずつつづってあるものを
えんえんと読まされる本でありました

実際の生活に即しているのか、そのあたりは闇の中なのだけども、
だいたい昼過ぎ、なんだったら夕方くらいに起床して、
とりあえず風呂、あるいはサウナに2時間とか、そんな生活をしていて
結構健啖家だったのか、どっかで飯食ったとか、自分で作ったとかの記述で
やたら料理が多いというか、書かれているのだけ読んでいると
一日というか、起きている間にとりあえず一食食べるみたいな
そういう生活を続けていたようにみえて
そりゃ早死にするなと、速かったといえるかどうかはともかく
不摂生を絵にかいたようだと思いつつ、
それでもあんがい、いいものを食べていたんだなと感嘆するのであった

編集者との楽しい飲み会の一言感想であったり、
ライフワークの実現に喜びの一言があったり、
読んでいて、そういう感じなんだと、なんのためかわからん理解が深まっていくのが
なんだか楽しいと思えた一冊だった
しかし、下の方もずっと元気だったようで、
どこで何をしていたか詳述はされないものの
感想で、当たりかどうか、そのさりげない一言が、
深いではない、なんだか、心の底から出ている何かを表しているようで楽しい
そういうお店も含めて、やたら風呂ばっか入ってるので
綺麗好きだったんだと思ったりしたのである

時折思い出したように、嫌いな人への悪辣な罵詈雑言を載せていたりするのも
なかなか楽しいのだけども、はっきりとした志というか、
書こうとするものがあって、それをひねり出しているんだなと
その職業姿勢に関心したりできて、ずいぶん楽しんだのでありました

長生きは無理だったろうけども、
この生き方で、このように生き抜けたのは
実によいことだったんじゃないかとか
勝手な感想を並べておくのである
駄文の餌にされたと、罵倒されそうなことを書いてしまった

【映画】エルヴィス

2022-08-16 21:21:54 | ドラマ映画テレビ感想
ここのところ、立て続けに映画見てるわけでありますが
うっかり「峠」を見逃してしまったので、
こっちはぎりぎり最終上映に間に合ったのでよかったと安堵しつつ
なるほど、そうだったのかと、本当かどうかわからんが
エルヴィス・プレスリーという人について
わかったような気になったのでありました

ルーツはブラックミュージックにあった
という感じなのでありますが、
これは、昨今流行りのBLM的な配慮というか、
そういう解釈からなのか、本当にそうなのか
そのあたりはわからないのだけども、
序盤、今でいうところのトラッシュみたいな生活をしていたエルヴィスが、
近所の黒人たちと遊んでいるときに、黒人の音楽に出会い
トリップしてしまうという体験から始まるのが
なかなか斬新というか、なんか漫画のコマワリみたいになったり、
えらい遊んでる演出だなと思いつつ、
なんだかんだ、音楽を楽しみながら見たのでありました

エルヴィスの仕掛け人である「大佐」なる人物の
まぁ、悪徳というか、悪業極まりない感じも見所でありましたが
エルヴィスがカリスマとして爆発的に売れる
その裏で、そうではない男の姿というのもあったり、
面白くはあるんだが、そのあたりが、どれもこれももうちょっと踏み込んだりしたらいいのにと
思わなくもない、匂わせみたいな感じだけで終わってしまうので
映画として没頭するというほどではなかったのが正直なところながら
嘘か誠か、腰をふるだけで女の子が卒倒していくというシーンが
ギャグのように見えつつも、実際あんな感じだったのかもなと
刺激が強すぎた当時という世相みたいなのが見えて
とても面白かったのでありました

まぁ、やっぱり世代がちょっと上過ぎるというのが一番問題で、
その音楽の革新性というのが、あまりにも今に受け継がれすぎている
ロックのド定番というのが、懐かしいメロディとしてすら知らないというのが
ちょっと歯がゆいところだったんだけども、
それでも、いくつかは知ってる曲があって楽しめたり
それでいて、一番有名だと思われる、ラブミーテンダーが流れないのはどうなってんだとか
思ったんだけども、実際は知らないだけで歌ってたんだろうか
基本的には、ブラックルーツのかっこいい音楽にスポットが当たってて
そこはそこだけで楽しかったからよかったわけだけども
落ち目になってから復活というあたりが
映画としても、また、人生としても最高だったんだろうなと
思わせられるのでありました

とはいえ、かなり悲惨な最期になるのは
知っていたわけだけども、誰が彼をそこまでしたのか
そのあたりが、この映画で「大佐ではない」と大佐がいうという作りになっていて、
見た感想として、確かにそうかもしれんが、
みんながそうしたといいたいんだろうかと、
やや鼻白んでしまったのだが、考えすぎだろうか

最終的に、本物の映像が出てきたとき
すごい太ってたけど、やっぱりあの声がかっこいいと
聞きほれたのでありましたとさ
しかし本当に、思った以上に、プレスリーというコンテンツを知らないな
そういう世代なんだなとも思ったのである

【読書】くるまの娘

2022-08-15 21:08:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
くるまの娘  作:宇佐見りん

苦しいというか、読んでいて重い家庭が描かれているのに、
どこか救いがあるというのが白眉と思った一作だった

家族の誰もが、どこかしら欠陥ともいうようなもの
欠点を抱えているのをありあり描いていく
人が簡単に狂気や、どうしようもない衝動にかられてしまう、
怒りとか、酒精とか、躁鬱のようなものが、
急に降りかかってくるように現れるというのを
当たり前の日常として耐えるでもなく、ただ、生きていく娘
父も、母も、どこかしらにそういった欠陥のようなものがあり
そういう家族であるということに悩むのとは違う、
もっと手前の部分、ただ、そうなってしまう両親をどうしようもないと
嘆くようでもないといった感じが、すごく胸に迫ってきて辛い

その状況で、兄が逃げて、弟も変に卑屈になってとか
もう、てんでダメな家族になってしまっているんだけども、
祖母の葬式を機会に、ずっと昔、仲良く楽しかった時分と同じように
車中泊をして旅行に出るという、その顛末と
そのさなかでの、過去への邂逅とか
母親の気持ち、その吐露がまた、バラバラになってしまうようなどうしようもなさがあって
辛いことこのうえない

それを受けてまた、父親が癇癪を起して
果てには心中になるかならざるやみたいな、めちゃくちゃさがあるんだが
最終的に、そんな状況と折り合いをつける場所を娘が見つけ
自然、それによって、それまでよりはうまくっている、
その状態は、とてもうまくいっているように見える
そんな風になるというのがよかったのである

ことの大小はあれ、こういう心持になれるかどうか、
そこに至るまでと、至る過程、それを成長というのか、
人生が進むというものを見せてもらったような
不思議な物語だと感じたのでありました
前よりはよくなっている、きっとそれは、よくなっていくということだと
そんな感じにも読めて、とかく気持ちがよいと思えた
いい小説だった

鎌倉殿の13人  諦めの悪い男

2022-08-14 22:57:36 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
いやー、比企の乱というか、義時の断というか
凄くヤクザドラマでありましたね

北条と比企の抜き差しならぬところ
そこからの義時の詰め方というのが
かなりえげつなくて、なんて頼りになる男だと
ほれぼれしたわけであります
それでいて、本当にもう、裏切ることなく
義時が頑張ってる時は、だいたい悪い方向に転がるなという
見事なオチもあって、実に素晴らしかったと思うのである

まぁ、語ることといったら
比企の演技が前回に続いて、実によかったと
ただただそこだけだったように思うけども
なにげに、畠山のかっこよさを、無駄にクローズアップしているシーンが
無理やりにでも挟み込まれていくのは
今後の何かなのか、死ぬときすごいかっこ悪くなるとか
そういう暗示なのか、あるいは、死ぬときまでかっこいいとなるのか
なんか楽しみで仕方ないのであります

とりあえず、主人公が悪い方向に腹を決めたというのが
この割と半ばのところでやってきてということは
この後、メタ的には11月後半くらいに急にまた善人に戻るのか
そんなはずもないのか、そのあたりもわからんままだが
こっから先、常時イライラしてそうだなという感じが
すごくよかったと思うのであります
でも、凄いやつから死んでくから
だんだん役者が減ってきて淋しい限りなんだが
ここから朝廷側との悶着もあるだろうし
また、新しいろくでなしが投入されるのを楽しみに待ちたいばかりなのであった
まぁ、その前に父上との、あるいは、りくとの決戦があるだろうから
そっちも楽しみにしておきたいが
それは9月ころになるんだろうか

政子が基本的に悲劇のヒロインでもないが、
何もできていないままというのは
ある種斬新なのかもと思ったりするけど
そういう様々な悪事というか、所業が小四郎のせいになっているのも
大河主人公としてどうなんだと思わなくもないが
金剛がもうちょっと成長して、真の主人公みたいにならないかなと
ぼんやり期待しつつ
また、来週の悲劇を楽しみに待つのである
視聴率下がってるらしいが、しかたねぇなぁ

【読書】あの図書館の彼女たち

2022-08-13 21:13:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
あの図書館の彼女たち  作:ジャネット・スケスリン・チャールズ

パリにあるアメリカ図書館という施設を舞台にしたお話、
二次大戦中の話が出てくるんだが、これが史実ベースだというのが衝撃的だったんだが
難しい内容だと思っていたけど、最終的にはよくある人間の情動を描いた
シンプルな作品だったと思うのである

現代といっても少し前、1980年代を軸に、
アメリカに住む少女が、近所の人付き合いをしない謎のフランス人夫人と
奇妙な友情ともいえる仲を培うところから始まる
いや、始まりは、その夫人の若い頃、1939年のパリを舞台に
上述の施設で働いていた彼女の生活、そして、迫りくる第二次大戦、ナチスの軍靴の音、
そういったものを示しつつ、その過去が、現在の彼女に何を及ぼしているのか
それが解き明かされていくといった感じなんだが、
現代のアメリカに住む少女が、歴史的事実から比べると些細な、
さりとて、誰にでも起こりうる人間的な過ちや葛藤というものに悩み、
そこに夫人が助言をし、そして、過去の夫人の後悔が明らかになるといった感じで
歴史的事実の描写のすごさ、重さというものもしっかりと存在するけど
その裏にあった、人間の葛藤というものは
今現在、誰にでもあるそれこれの可能となんら変わらない
そういうことを示しているようにできていて、とてもよかった

アメリカ図書館というものが、パリで外国人向けの図書館として機能していたというのが
そもそも偉大なことだと思うわけだけども、当然そういった施設を
大戦中に敵国であるナチスドイツが占領下で許すはずもなく、
その占領下における悲惨さ、そして、それから解放されたときの危険性、
占領下のドイツ軍とよしみというほどでもない、
何か便宜がとあった人たちへの許されることのない私刑の数々というのが重たくのしかかり
そういったものを引き起こすのは、結局、思想やなんだということではなく、
ごく単純な人間の妬み、嫉みといった感情でしかなかったのではないか、
一時のそれに集団が当たり前に振り回されてしまったという事実、
それがともかく重く、そして、その重さが夫人の後悔を深く暗くしているというのが
暗たんたる内容なんだけども、
これがまた、いい感じで最期は救われていくような予感で終わるところがよくて
とても素晴らしい創作だと感じたのでありました

子供が成長するという過程、
その中で味わう人間的な感情の揺れというのが
大きな戦争時に、大人子供問わずに起こるという危険を示唆しつつも、
それを経て成長していくのだという強い光みたいなものが描かれていて
すごくよかったと思うのである

【読書】モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略

2022-08-10 20:49:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた 進化心理学が教える最強の恋愛戦略  
著:ジェフリー・ミラー

橘 玲氏が監訳しているということで、面白そうなので読んだのであります
流石に40過ぎた男が読んで、なるほど実践しようと
モテに飢えているわけでもないので、楽しく読めたわけだが
モテるというために、どうアピールするべきか、何をするべきか
進化論というよりは、人間の前に、一つの生物種のオスとして
どうふるまうかを考えようという、
しごくもっともなお話でありました

とりあえず人類の雌というものの根元的な部分について、
オスに求めることと、オスに対する危機感、危険性というものを
よくよく考慮して、そういったものにひっかからないように
優しさであったり、それがまた、その女性、そしてその子供に向けられることを担保する
そういったふるまいが重要であるというお話でありました

一方で、そういう長期的なビジョンでの付き合いのほかにも、
短期的にその夜限りみたいなことを欲している女性も当然いるので
それは、そういう人をちゃんと探して、しかるべきアピールをしなくてはというか、
それさえしたら、モテると断言されているのが
なかなか頼もしい限りだったわけでありますが
監訳者の言葉にあった通り、アメリカの事例を中心としているらしいので
そのあたりは、種間差というべき変異があるんじゃないかしらとも
思ったりしたのである

いずれにせよ、資本資産といったものを持つ男にたいして、
それそのものを好ましく思うのではなく、そうできる、そうなったバックグラウンドに
惹かれているという話が、励みになるではないが、
まぁ、そうであってほしいと願うばかりなのでありました
すごい額の宝くじに当たっただけの男よりも、
ちゃんと稼ぐことができて、そのうえでそこそこお金持ちになっている男の方が
圧倒的にモテるというお話であったり、
制服という一種のステータスが想起させる信頼感というものは
ものすごい影響力があるであったり、
思っている以上に、見た目で判断するさせるという話も盛り込まれていて
なかなか楽しかったのでありました

最終的にどうせよというものでもないのが、個人的に読みやすかったところだと思う
しかし、アメリカでは、モテるための詐欺本というジャンルが山ほどあるのか
その事実に衝撃を受けたのである
いや、自分が知らないだけで、日本にもいっぱいあるんだろうか
週刊誌とかが、そういうジャンルにあたるわけなんだろうかしら

【ドラマ】スーパーマン&ロイス

2022-08-09 21:33:50 | ドラマ映画テレビ感想
NHK海外ドラマ枠であります
こんなドラマあったんだと驚いて見ていたんだが
スーパーマンが普通のお父さんをしつつという話に
結構衝撃を受けてしまったのだが、
よくよく考えてみると、スーパーマンってあんま知らないなと
今更ながらに、電話ボックスで変身するヒーローが、現代社会では通用しないんだと
衝撃を受けたのでありました
とはいえ、その当時に結婚していたら、
あれくらいのお子さんがいてもおかしくないのかな?どうかなと
思ったりするところであった

内容はスーパーマンを抱える家族、その愛といった感じで
スーパーマンが子育てに苦悩するというのが
いかにも現代らしいし、迷い方もものすごく普通のお父さんぽくて
ああ、スーパーマンは、スーパーマンだけど普通の男性でないといけないから
これが正解だなと、感心してしまったのである
とはいえ、今のご時世、普通に結婚して、普通に家庭があるというのが
そもそも難しいように思ってしまうので
色々と時代が変わったんだなと思うのである

さておいて、クリプトン人という宇宙人たちの侵略、
スーパーマンの本当の家族とか、
扱ってるテーマが、いちいち重いなと身構えてしまうんだが
それはそれとして、わかりやすく、嫌な感じになる隣近所の人たちというのが
リアルというか、なんだろう、やだなぁ

それでも戦うというのがテーマなのか、
いや、そうじゃないだろう、でも、なんかわからんが
様々な困難というものに対して、家族で乗り越えていく
そうかと思えば、家族内の不和が、次々芽生えてきたりとか
兄弟の仲が良いところと、喧嘩するところの加減が絶妙というか
これもまた、どっちにも肩入れできないくらい
ほどよくお互いに足らない部分があるというのが
ともかく、全体的に、誰も彼もが
スーパーでもなければ、パーフェクトでもないという
ごく当たり前のことでできているのが
面白いというか、なるほどという部分に繋がっていたように思うのである

色々面白いと見続けていたはずなのに
思い返すと、結構がらっと話が変わっているようで
なんか見落としたりというか、話に振り落とされているような気がしてしまう
同級生がスーパーパワーに目覚めて、暴走していたくだりとか
あれ、結局解決したんだっけ?とか、
なんか、わかってないところが多いというか、
もしかして、途中で話の路線変わったのかと思うようなところもあったんだけど
まぁ、面白かったしいいやと、納得しておくのである

とりあえず、あんなに近くにいるのに
みんな、スーパーマンとクラークが一緒だと気づかないくらい
なんか違うもんなんだなと知ったのであった
つづき、やるかなぁ、見たいかといわれるとやってればというくらいかしら

【読書】JK、インドで常識ぶっ壊される

2022-08-08 21:01:15 | 読書感想文とか読み物レビウー
JK、インドで常識ぶっ壊される  著:熊谷はるか

タイトルの通りなんだけども、
思ったよりかなり真面目な本で驚いた
どうやら出版甲子園という学術コンクールのようなそれで
大賞をとった本らしく、ノンフィクションとして
なかなか楽しく読める一冊でありました

そういう賞レースのノンフィクションかと思うと
やや物足りないとか、偉そうなことを書いてしまうわけだけども、
女子高生になるかならないかといったところから
唐突に、家族の都合でインドにいくことになって
否応なしにインド生活を送るという日常をつれつれ
序盤はそんな感じで、文化のギャップを楽しんで書いているというのが
微笑ましくてよかったところ、
正直、こういう話だけで終わるもんだと思ってたんだが
本人がかなり真面目で
インドにおいて、子供の現状をリアルに見て
その部分とボランティアとして触れ合うことになって得たもの
そしてこれからのということを書いた内容となっていまして
なるほど、すごい立派だと感心というか、もはや、感動に近いものすら覚えたんだが
そうだとすると、ノンフィクションで女子高生という立場で
書ききっているかというと、なんか、そういう価値観にはまった内容のように思えて
女子高生ならではの本だったかというと、
そうではないなと思うところだったと感じたのでありました

何もしていないのに偉そうにと自分でも思ってしまうが、
それはおいといて、インド生活の様々な話は面白くて、
行ったことないけど、多分そういうところだし、
なるほど、お手伝いさんを雇うという生活への折り合いの付け方とか、
そこから考えさせられるところとかが、すごくマジに考えられててとてもえらいと
感動するところが多くてとてもよかったのである
自分が、この時分で、その生活をして、はたしてそんなことを思っただろうか、
絶対思わずに、そういうもんだと、さらっと生きていっただろうななんて
思うばかりであった
そういうことが多かっただろうという、本人の反省というか、
文字にも書かれていたわけだが、それが普通というやつなんだろうと思うのである

インドの現状という内容は、スコープがかなり絞られているので
それは、インドならではというよりは、地球の、あるいは
世界的に、人類として、といった大きなものとしての
子供の権利をどうするかという問題であるわけで、これまた
ものすごく立派なことだと思うのだが、
インド特有の状況で培った、シーク教徒というものへの理解の深め方、
そういう異文化と触れて、考え方がというよりも、
慣れていって、気づいたら、自分がインド化していたという実感が
とてもよいものに思えて、読み終えたというお話でありました

しかし、若くしてそういう活動に興味を見出す人というのは
どういう生き方してんだろうと思ったら、
こういう感じなんだと、なるほど納得したような
立派な活動を築いてほしいとか、色々思ってとりあえず感想をしたためておくのでありました