実に40年ぶりに公開になるのだそうで、
古田織部ゆかりの寺として有名な西陣興聖寺に朝から行ってきたのでした
1603年建立で、その発起人となったのが古織だったそうで、
時期からすれば、関ケ原のあと、幕府が開いたかどうかといった感じかと
色々感慨深く思うのでありますが、おそらくは幕府指南役の茶頭になってたんじゃないかと
そんな折に禅寺として建てられたんだそうで、一般公開はほとんどされておらず
なかなか入ることもかなわない寺院であります
と、まぁ、そういう話を聞いてきたということなんだが、
京の冬の旅というツアーみたいなのが企画されておりまして、
その一つとして拝観できたのでありました
本堂
基本的に外観的なところしか撮影が許可されていないので、
この本堂内がかなりよかったんだが、写真がこれしかないありさま
禅寺の本堂というわけなので、下が床敷きではなく、石が敷き詰められていまして、
鏡天井という、床面と並行になった龍の絵天井が荘厳なつくりでありました
この作りだと、音がよく反響してお経とかがとかく響くんだそうで
試しに手を叩いてみてといわれて、やってみてびっくり、
わんわんというか、ジンジンといった感じで音が反響したのでありました
非常に面白い体験だった
本尊にお釈迦様、左右に文殊と普賢、さらには藤堂高虎寄進と伝わる達磨大師像などなどありまして
大変ありがたい内容となっておりました、
そして当然のごとく禅寺なので、座禅をこの本堂内で組むことができるそうで
なんか機会があったら、やってみたいなと思わされたのでありました
すげぇ寒そうだが、ご利益というか、なんかよさそうな感じがする
続いて、北に位置する館というか、方丈の間にやってきてみる
仏教によくある、「月を指さす」の扁額と、檀家さんが納めたというフィジーの海の写真をそのままふすまにした
なかなかへうげたものが飾ってありました
天井も四季を表した絵天井なんだが、こちらも檀家さんの寄進だそうで
なんともありがたいものを見たのであります
さらには、ここにしかないという、非常に珍しい一切経もあったりして
今回の公開はこの一切経保管のための募金も兼ねてるとのことで、
なんとなし寄進せねばという雰囲気に、とりあえず特別御朱印を買わせていただいたのである
こちらがそれ、紺紙金泥で織部の文字がなかなかイカすところである
私は御朱印帳については神社のそれしか持ってないので
そのコレクションには入れられないわけだけども、
とりあえず寄進の代わりにもなったしよかろうと満足なのである
そして、織部寺というだけあって、茶室もちゃんとあるんだが
これが茶室でありながら、織部像を安置する場所になっておりまして、
茶室自体はこの建物の端に作られていて、燕庵と同様の窓が多い明るい茶室になっておりました
どうやら、昭和になってから再建されたものだそうで、
薮内家監修とのことだから、そりゃそうかといった感じであります
もう一つ、こことは別に茶室があるらしいのだが、そっちは公開されておりませんでした
とりあえず、織部像にありがたく手を合わせてみたのである
そしてもう一つの見所、降り蹲なるもの
蹲がすり鉢状の底に設置されていて、どういうものかわからんが
ともかく面白い造形だとみてきたのでありました
傍らには織部灯籠も立ってたし、なんというか、約束のものを見た
みたいな楽しさをかみしめたのであります
ひょっとすると蹲はなんらか音でも楽しむものだったのかもしれませんが、
なんせ寒くてそれどころではないというか、ちゃんとそこまで気が回らなかったのでありますが
ともかく、楽しく見て回ったのでありましたとさ
すげぇ久しぶりに京都のお寺を見たという感じだが
たまには、観光寺巡りもよいかなと、どんどん趣味が年よりじみてきたのである
いや、年相応なんだろうと思うのであった