CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

西陣興聖寺

2022-02-05 18:10:20 | 陶磁器を探す旅と名物

実に40年ぶりに公開になるのだそうで、
古田織部ゆかりの寺として有名な西陣興聖寺に朝から行ってきたのでした

1603年建立で、その発起人となったのが古織だったそうで、
時期からすれば、関ケ原のあと、幕府が開いたかどうかといった感じかと
色々感慨深く思うのでありますが、おそらくは幕府指南役の茶頭になってたんじゃないかと
そんな折に禅寺として建てられたんだそうで、一般公開はほとんどされておらず
なかなか入ることもかなわない寺院であります

と、まぁ、そういう話を聞いてきたということなんだが、
京の冬の旅というツアーみたいなのが企画されておりまして、
その一つとして拝観できたのでありました


本堂
基本的に外観的なところしか撮影が許可されていないので、
この本堂内がかなりよかったんだが、写真がこれしかないありさま
禅寺の本堂というわけなので、下が床敷きではなく、石が敷き詰められていまして、
鏡天井という、床面と並行になった龍の絵天井が荘厳なつくりでありました
この作りだと、音がよく反響してお経とかがとかく響くんだそうで
試しに手を叩いてみてといわれて、やってみてびっくり、
わんわんというか、ジンジンといった感じで音が反響したのでありました
非常に面白い体験だった

本尊にお釈迦様、左右に文殊と普賢、さらには藤堂高虎寄進と伝わる達磨大師像などなどありまして
大変ありがたい内容となっておりました、
そして当然のごとく禅寺なので、座禅をこの本堂内で組むことができるそうで
なんか機会があったら、やってみたいなと思わされたのでありました
すげぇ寒そうだが、ご利益というか、なんかよさそうな感じがする



続いて、北に位置する館というか、方丈の間にやってきてみる
仏教によくある、「月を指さす」の扁額と、檀家さんが納めたというフィジーの海の写真をそのままふすまにした
なかなかへうげたものが飾ってありました
天井も四季を表した絵天井なんだが、こちらも檀家さんの寄進だそうで
なんともありがたいものを見たのであります
さらには、ここにしかないという、非常に珍しい一切経もあったりして
今回の公開はこの一切経保管のための募金も兼ねてるとのことで、
なんとなし寄進せねばという雰囲気に、とりあえず特別御朱印を買わせていただいたのである


こちらがそれ、紺紙金泥で織部の文字がなかなかイカすところである
私は御朱印帳については神社のそれしか持ってないので
そのコレクションには入れられないわけだけども、
とりあえず寄進の代わりにもなったしよかろうと満足なのである



そして、織部寺というだけあって、茶室もちゃんとあるんだが
これが茶室でありながら、織部像を安置する場所になっておりまして、
茶室自体はこの建物の端に作られていて、燕庵と同様の窓が多い明るい茶室になっておりました
どうやら、昭和になってから再建されたものだそうで、
薮内家監修とのことだから、そりゃそうかといった感じであります
もう一つ、こことは別に茶室があるらしいのだが、そっちは公開されておりませんでした
とりあえず、織部像にありがたく手を合わせてみたのである



そしてもう一つの見所、降り蹲なるもの
蹲がすり鉢状の底に設置されていて、どういうものかわからんが
ともかく面白い造形だとみてきたのでありました
傍らには織部灯籠も立ってたし、なんというか、約束のものを見た
みたいな楽しさをかみしめたのであります

ひょっとすると蹲はなんらか音でも楽しむものだったのかもしれませんが、
なんせ寒くてそれどころではないというか、ちゃんとそこまで気が回らなかったのでありますが
ともかく、楽しく見て回ったのでありましたとさ

すげぇ久しぶりに京都のお寺を見たという感じだが
たまには、観光寺巡りもよいかなと、どんどん趣味が年よりじみてきたのである
いや、年相応なんだろうと思うのであった

石水博物館 千歳山主・川喜田半泥子 後期展

2021-11-27 18:47:29 | 陶磁器を探す旅と名物
前期展を楽しく見てひと月と少々、今度は後期展を見てきたのでした
相変わらずよいものを見るということの楽しさは
筆舌に尽くしがたい
見て回って、前回とどれが違うのか、結局見ているだけだとわからず
ただ、ああこれいいな、あれいいな、一個ほしいなと
相変わらずの感想を抱くに至ったわけでありますけども
今回も、ごろっと入れ替わっていた茶碗の中に
「焼き締め茶碗 さび柿」があって、これが一等よかったと思うので
書いておくのであります

焼締茶碗 銘 さび柿
いわゆる松の根土というそれなんだと思うんだが、
備前とは風合いが違う、どっしりと素朴な土そのものといった仕上がり
正直、お茶がおいしいかといわれるとわからんのだが、
眺めるには、このどっしりとした形と色合いが最高で
すげぇ好きだと思わされたのでありました
前に違う展覧会で見たときにも、いいなと思っていたと思うんだが
色々並べられていても、ひときわよく見えたのでありました

刷毛目茶碗 銘 土用波
銘のまんまだなと、これまた、飲めるのか?と思えるような
がちゃっとした茶碗で、派手でよかった
荒れ狂うではないが、力強い波がそのまま茶碗として固まったような感じで
これまた、眺めてみるのに素敵すぎる茶碗だとしみじみ堪能できたのでありました
茶筅が折れるんじゃなかろうか

井戸手茶碗 銘 ひばり
これだったと思うんだが、お上に献上したけども、
割ってしまってごめんねと帰ってきたという茶碗
そこを継いで直してあるんだが、風合いといい、いわれといい
素敵すぎるだろうと思わされた
さすが献上品というべきか、形も大層よくてほれぼれした

そのほかにも、多々あったんだが、
後期展のみの分でこの三つが特別よかったと書いておくのでありました
大展覧会といってもよい催しだったので、
半泥子作品の有名品大半をこれで見られたんじゃないかと
個人的には、京博でやっていた国宝展にならぶ楽しさがあったと
名物をいっぱいみる楽しさに浮かれた次第でありましたとさ

最近やたら人気があがりすぎているから
もうちょっと落ち着いて、せめて、俺の手の届くところに
きてくれんだろうかと
詮ないことを考えるのでありました
楽しかった

石水博物館 千歳山主・川喜田半泥子 前期展

2021-10-07 21:39:16 | 陶磁器を探す旅と名物
コロナ自粛が若干緩和されたおかげで、
延期していた本展が華々しく開幕というわけで
喜び勇んでみてきたのでありました

ここ数年、個人的にすっかりご執心の川喜田半泥子の作品を数多く持つ
石水博物館の10周年特別展であります
タイトルの通り、千歳山主である半泥子の作品をこれでもかと展示していて、
まだ前期展ながら、大変面白く見られたのでありました

博物館もあれこれと催しを考えているようで、
ワークショップなんかも開催されるようだけども、
今回はその日に当たらなかったので、
推し半泥子作品のアンケートだけ参加してきたんだが、
前期展にて、個人的大名物の慾袋、粉引茶碗雪の曙、呼継茶碗ねこなんちゅなど、
豪華絢爛な様相に大興奮でありました
通常展示では、半泥子作品数点と、ゆかりの品、あるいは
半泥子好みの品といった展示なんだが、
今回はおしげもなく、半泥子作品ばっかりだったので、
正直、前述のもの以外も、あれやこれやと、見て楽しいそれこればかりで
すごいよかったのでありました

今回、個人的に初めて見たと思う「ぐいのみ」数点が
ものすごくよくて、
ずっとオークションで探しているんだが、本物と思しきものが出たと思ったら
すぐに取り下げになったりとか、なかなかひどい目にあってきたわけでありまして、
とうとう本物が見られたという感激は
筆舌に尽くしがたい感動があった
このコレクションでは、茶碗のミニチュア版といった様相のものばっかりで、
井戸風をはじめ、三島手風、刷毛目風のものなんかが
まさにミニチュアといわぬばかりのそれで、
かわいらしいわ、すごく使ってみたいと思わせる色合いだわと
大興奮だったのでありました
いいなあ、一個ほしいなぁ
解説を読んでいたら、半泥子自体はあんまり酒を嗜まなかったようで、
それでもぐいのみは作っていたというあたりに、
なんとか乱造していて、その一個でもわが手元に来てほしいと
願うばかりなのでありました
後期展でも展示続くらしいので、もう一回見てきたい
今回、一番感激した品物でありました

そのほか、新収蔵品のお披露目もかなりあったそうで、
書画のほうはあまりわからないので、ぼんやり見ていたんだけども、
今回新規展示となったらしい、トシコちゃん図3点セットがなかなかいい感じだった
近所だか、知り合いだかの家で、ふすまか屏風かに
いたずらに書いたものなんだそうだが、
実に味があって、また、その家庭というか、その人のために書いたという感じが
すごく自然で、てらいがなく、とてもいい品物だなと
これまた感動したのでありました
下手とか、上手いとかを寄せ付けない良さというものがあって
ほっこりみられるよいものだったと、珍しく絵画にも反応したのである
自分の中で何かが変わってきたということなんだろうかね

また、変わったところでは、印章あれこれの展示もあって、
これもまた、すごくよかったのでありました
落款などに利用して、気に入っていたものだけの展示らしいんだが、
説明によると、使われていない印章が相当数あるんだそうで、
それはそれで魅力的だなと感心したのでありました
洒落がきいているというか、
泥佛堂はともかく「ばかやろう」とか、肩の力が抜けたひとしきりバカにした感じのものが
さらっと展示されていて、これを気に入っていたというのもいいなぁと
あったこともないのに、その人柄のようなものに惹かれたのでありました

久しぶりにとっくり美術品を見られて大満足だったんだが
もう一度見たいので、後期展をまた狙うのでありました

石水博物館 川喜多半泥子の秋

2019-12-18 21:23:22 | 陶磁器を探す旅と名物
すっかり川喜多半泥子に心奪われて、
二度目の博物館めぐりであります
今回は、なんと、お茶席まであって、呈茶を味わったり
凄い満喫してきたのでありますが、
展示も凄くよかったのでありました

秋をテーマにした陶器のほか、
半泥子の軸がたくさん展示されていたのが印象的で、
本当多芸な人だなと改めて思い知ったのであります
特に絵が凄い、むっちゃ上手い
葉鶏頭の絵があったんだけども、色鮮やかなのにがちゃがちゃしてなくて、
すらっとして、それでいて物凄く美しい
この軸だけ、ただただ眺めていたくなるほどでありました
凄いな本当に

陶器では、やっぱりステキだわと
慾袋をじっくりと見てきて、
これで3つある同作品のうち、2つまで見たんじゃねぇかなと
思ったりして、興奮を抑えられない

茶碗 すず虫
今回の目玉の一つだったようで、先頭に飾ってあったのだけども
独特のすすき模様が美しく、
今回秋というテーマから、この尾花が多く見られたんだけど
光悦っぽいというか、乾山っぽいというか、
いいなぁとほれぼれ見入ったのでありました

茶碗 どん栗
これが今回、一番気に入った一碗でありました
小ぶりの茶碗で、赤茶の肌を灰色の釉薬がさっと覆っているような
綺麗というではないけども、凄く整って見えた
もっと、豪放で、ややもすると乱雑なほうがらしいと
勝手に思ってるんだけども、これはそのあたりよりは
ややおとなしくて、手にすっぽり納まりそうな感じが好みでありました

茶碗 むさしの
これもまた尾花柄なんだが、みずみずしい器の表面に
幾筋もの尾花が格子のごとくかかっていてかっこいい、
これも小ぶりなんだけども、荒々しい武蔵野を思わせるそれが
情景ともに見事に写されていてよかった

呼継茶碗 ねこなんちゅ
今回の展示で、呼継というもののよさが初めてわかった
先日の信楽でやってた魯山人展でも出ていたけど、
今回の、いや、半泥子のだからこそというべきか
こういう楽しみ方かというのが、物凄くわかる感じでステキだった
底に古い瀬戸の茶碗を使っておいて、それにあうように
自らの土で作ったものをくっつけたという代物
呼継の面白さというのが
こうやって楽しむものかと、圧倒されたというか
面白いなぁと感心したのでありました
凄い、豊蔵も結構作ってたらしいが、半泥子のが断然好きだわ
どっかで手にいれられんもんだろうか

また、次の機会を待ちつつ
まずは、楽しんだというメモを置く

陶芸の森 北大路魯山人展

2019-11-29 21:10:19 | 陶磁器を探す旅と名物
滋賀県は陶芸の森でやっている魯山人展を見てきました
毎年なのか、何年に一度なのか、魯山人展がやってくる
今回、とっくり見てきたのであります
前回が何年前だったか忘れましたが、
ともかく、魯山人、それだけではなく当時の昭和の名工たちについて
それなり、知識もついていたので
今回、俄然面白く見てきたのでありました

というか、魯山人展なのに、探していたのは半泥子だったわけだが、
まぁ、このあたりは仕方あるまい

さて、魯山人と信楽焼のかかわりというか、
その弟子筋にあたった人の作品なんかも含みつつ
やはり、魯山人であるそれこれ、彼の芸術と呼ぶべきものが
ずらり展覧されていたのでありました
今回、篆刻とか、ああいったものは最小限にとどめられていて、
もっぱら、焼き物が集まっていたのが印象的で、
その模倣した、龍泉窯の花入なんかもあわせつつ、
いくつか、魯山人が好んだ、ほかの陶磁器もあったのが
またよかったと思うところでありました
瑕ばっかりいってて、つぎはぎだらけのとかも
結構好んでいたようで、
その美意識というのは、ひとつ、本当に存在したんだろうなと
思わせるようなそれこれでありました
そういうのが大好きであります

その端緒なのか、たまたまなのか、
志野の発掘調査時にいくつか見つけていたという、
修正作品なんかも数多く展示されていて
なかなか楽しかったのでありました
某所で話題になっていた、いわゆる、山茶碗もあって、
そういう眼もあったんだと
魯山人を見直したというと失礼きわまりないが、
驚いたのであります
それでもやはり、自身の作品においては、織部がひときわいいなぁと
自分の好みもあろうけど、しみじみかみ締めたのでありました
あの蟹の図といい、京焼き風では椿の図といい、
このあたりの図案に関して、本当にいい仕事をしていると
つくづく思うのでありました

さて、魯山人はそれくらいにして、
その他、同時期の陶芸家の作品も出ていまして、
親交があったのか、そのあたりは、ちょっとどうかなと思うのだけども、
石黒宗麿、荒川豊蔵、そして、川喜田半泥子
これらの名品が、さらっと展示されているのも凄いよかった
似たモチーフのものという縛りだったのか、
あまり見たことないタイプのも見られて
大変眼福だったのであります

特に、半泥子については、李朝風堅手茶碗が秀逸で、
そういうのもやってたのかと、眼を皿のようにしてみていたのでありました
その他も、茶入れとか、なんというか、もう素晴らしいなぁと
惚れ惚れ見とれてしまったのである
ああ、半泥子が欲しい

さて、そんなこんなで、大変満足に楽しめたのでありまして、
小さい美術館なのに、この充実っぷりは価値ある空間だと
快哉を叫ぶのでありました

【イベント】愛知サマーセミナー 2019

2019-07-20 21:19:38 | 陶磁器を探す旅と名物
結構伝統のある取り組みだそうなんだが、
初めて気づいて、今回参加してみたのでありました

無料で、様々な分野の講座を聞くことができる
オールボランティアで賄われる取り組みというところが
凄いことだなと、素直に関心してしまった話なんだが、
その手製の取り組みながら、その志に共鳴して
立派な講師のみなさんが講座を組んでいて
本当、すごいありがたいことじゃないかと
本気で感動したわけでありました

学生の発表みたいなのも含まれているし、
結構アレな内容も含まれているだろうと
政治的な何かを感じ取ったりしないことも、ないこともない感じだけど
まぁ、そういうのもひっくるめて、
ただ、暇にかまけて、学びに触れる機会が提供されるというのが
本当すごいことだと感動したというお話であります

まぁ、そんな高尚な部分を紹介がてらで書いておきつつ
実際にこのイベントに対して自分がとった行動は
大変自分本位に、無料でプロ棋士にあえるという衝撃的な講座を
全力で聞いてきたというお話でありました
日本将棋連盟会長の佐藤康光九段の講座でありました

これがもう、すごい楽しくてというか、
割とフレンドリーなお話をさらり1時間ほどお伺いして、
質疑応答とかあれこれ挟んでから、指導対局があると
豪華きわまりない内容でありました

講座では、会長職との並行についてや
最近の将棋の面白さ、話題なんかを広く紹介しつつ
決して難しい話にならないまま、大変興味深く拝聴したのでありました
というか、ただただ、A級棋士の佐藤先生と同じ空間にいられる
それだけで楽しくて仕方なかったのでありましたとさ

と、ミーハーこのうえない内容だったのでありますが、
その後、なんと、指導対局のチャンスももらって
意気込んで将棋指してきたのでありました
これもまた、すごい楽しかったんだが
初めてコマ落ち対局をさせてもらったけども、
そのあと、感想戦で、あれこれ教えてもらうとか
もう僥倖このうえない、幸せすぎる時間を過ごしたのでありました
小学生とかいたから、譲れよと自分でも思ったが
いいとしこいたおっさんが、必死になって
この機会に挑んだという、ひどいお話というか、そもそもの
このセミナーの精神に反したのではないかと
悩んだりしたのだけども、
それはそれとして、ただ、面白かったという事実を
自慢ともつかぬ話として、メモっておくのでありました

講師も基本無料奉仕でないかと思うので、
先生が自ら、将棋普及のためにやったんじゃないかなと思うと
頭が下がるというか、すごいことだなと
そのことにもものすごく感動したのでありまして、
なんともよかった、すごい機会をありがとうと
誰にでもなく、言いたくなったので
書いておくのでありました

石水博物館  川喜田半泥子の愛蔵品

2019-06-06 21:42:26 | 陶磁器を探す旅と名物
ずっと行きたかったけど、なかなかいけなかった美術館であります
川喜田半泥子の様々なゆかりの品を展示している博物館なんだが、
半泥子のそれは美術品だと自分は思うので
あえて美術館としておきたい
ともかくよいものがあるのだ

と、最初から飛ばしていますが、三重県は近鉄久居駅近くにある
山手の近代的な博物館でありました
二階建てになっていまして、一階が企画展、二階が平常展といった感じで
それぞれにゆかりの品が展示されているのであります
今回は、愛蔵品の企画展ということで、
茶道具を中心に展示されていて、さらに興味をそそられてみてきた次第
ちょうど、6月1日の朔日餅を食べにいったついででありましたが、
非常に見ごたえのある展示で、朝一番から見てたんだが
ぽつりぽつりながらも、人が入ってくるので驚いた次第、
愛される人なのではなかろうか、半泥子わ

さて、展示について
まず企画展のほうでは、愛蔵品というだけあって
半泥子が気に入って集めていたそれこれの展示、
特によかったのは、半泥子といえばの一品、伊賀焼「鬼の首」
この迫力、初めて見たけども、同じくお気に入りらしい
破れ袋に通ずる威圧感というか、器の気というものがあった
ずっしり、なんていう効果音がぴたりと当てはまる姿、
素晴らしいことこの上なく、しばらく見ほれてしまった

ほかにも、茶道具シリーズというだけあって、
名工の名品がずらり、特に楽茶碗の数々が素晴らしく
ノンコウはもちろんのこと、千家十職の数々、もうたまらんわ
じっくり静かに、でも心あらぶる感じで見入ったのでありました
いくつかの古い茶器があったけども、
染付を二つにわって、それぞれ別に呼継補修した作品があって
これについて、半泥子が感心しないと言ったという解説が渋く、
そういう美意識の人であったかと
はらはら、感動したのでありました

また、半泥子自らの作品についても、非常に見ごたえがあって
どの茶碗も凄くよかったのでありました
まとまってみる機会がなかったので
もうひとつどういう人か、あれこれいっぱい焼いているから
半泥子らしさというのがよくわからなかったが、
これだけ数が展示されていると、なんとなし
共通するものが理解できるようでよかったのでありました
まぁ、おのぼりさん的に喜んでいただけなんだが
それでも、大きいものが好きだったんじゃないか
鬼の首しかり、ああいう迫力を好んだのかと
感じたのでありました、もう何回か見に行かないといけないが
これはこれで凄くよかった
また、名品慾袋も展示されていました、眼福

その他も、好き放題に焼いていたというわけでなく
目指す型が決まっていたのは間違いない様子で
気に入っていたという井戸茶碗と同じ形を目指したそれが
なんといったらいいか、井戸の畳み付きの部分の形に
類似性を見たようにも思って大興奮でありました
すばらしかった、豪放磊落
そういう気風が伝わるようでよかったのであります

釉薬や土にかなりこだわりというか工夫があったようで、
あれこれと試しているというのも面白かった
本当に好きだったんだと感じ入って
凄く勉強になった、いや、勉強をしていたという事実が確認できたのでありました

特に乾山に対して研究を深めていたようで、
絵付け以外にも手を出したと思われる作品が一点展示されていて衝撃を受ける
先日読んだ、魯山人の話じゃ、乾山は自分で土を触らないから二流だとか言ってましたが
それに対する大きな反証となったのか、
同時代の人として、どんなやりとりがあったか
やたら興味をもってしまったのでありました

また行きたい、そんな風に思ったりしつつ
半泥子熱があがるばかりの昨今である

東西対抗人間将棋 in 関ヶ原

2019-05-27 21:17:23 | 陶磁器を探す旅と名物
関ヶ原春の武将イベント 小早川秀明の決断に行ってきました

このイベント自体は、関ヶ原合戦場を盛り上げようと、
各地の武将隊が演舞したり、東西対抗の麺やら肉やらの
出店で食事ができたりなんていう感じなんだが
目当ては将棋であります
数年前から、見る将的な楽しみ方を続けていて、
とうとうイベントに行ってみようと
一念発起して遊びにいったのでありました

関ヶ原は、二回くらいうろうろしたことがあったけども、
だんだんとこなれてきているようでありまして、
電柱に武将マメ知識コーナーまであったりして、遊びが面白い



もっといっぱいあるんだが、あえてこの二人
というか、この二人が選ばれているという事実がステキと
へうげものの影響をちょっと感じたりして楽しめたのである
それでも、古田重然で、織部としないあたりがかっこいい

目当てにしていた人間将棋でありますが、
初めて見たけど、なかなか楽しい、というか人間将棋部分はほとんど見てなくて
というか、見ていてもよくわからなくて
気付けば盤解説をじっと眺めつつ、
その合間合間に丁々発止の棋士二人のやりとりが楽しくてよかったのでありました


今回イベント用に、小早川に扮した広瀬竜王と大谷刑部の久保九段
写真の通り、久保九段が誰かまったくわからない状態だったことに
場内に笑いが起きておりました、仕方ないけど笑ってしまう



そして、やぐらに上っていよいよ開始




こんな感じで、大盤見てないと、正直よくわからないけど
あわただしく、駒武者の人たちが移動しているのが
結構不思議な光景で面白かったのでありました
これ、意外とというか、運営がとてつもなく難しいなと見ていて感じたのであります
駒もなれたものなのか、自分だなと、さっと立ち上がって移動していたり
歩役の人とか凄いと感心してしまった


めでたく、今回は西軍が勝つという歴史逆転が起きていましたが
まぁ、お遊びとまではいわないけども、全駒動かさないといけないという
暗黙ルールがある人間将棋ならではのやりとりで、
お約束をふまえつつ、棋譜は二人で作るとはこういうことかと(多分そういうことではない)
人間将棋というそれが成功するための指し回しが面白かったのでありました
広瀬居飛車、久保四間飛車ながら、両者銀冠というのがステキであります
大喝采のうえでイベント終了

また、名所のポイントポイントにて詰め将棋が設置されていまして、
それを解くと景品がもらえるとのことでふるって参加したり
なんだかんだ堪能したのである


全7問のうちで個人的に一番好きな問題
3手詰めのみなので、
難しくするのが、そもそも難しいと思うのだけども
この問題が実にかっこよくてお気に入りでありました


最終的に免状とポストカードも貰ったりして
すっかり満喫したのである

おっさん率というか、自分くらいの男が単独でやってきている姿が
相当多かったことに、色々と考えさせられたのだけども
非常に面白く過ごしたとさ
それはともかく、将棋イベントはなんだかんだ楽しめるものだなと
大盤解説も見に行ってみようかと思うほどであったとさ

奈良国立博物館 藤田美術館展

2019-05-17 20:50:51 | 陶磁器を探す旅と名物
久しぶりに奈良観光をかねて行ってまいりました
藤田美術館が現在建て直し中と、まったく知らなかったので
見ておいてよかったと、終わってから
しきりに感じ入った次第でありますが
名碗「耀変天目」のほか、茶の湯関係に加えて、
仏教美術の名品がずらりと勢ぞろいした
大変見ごたえのある展覧会でありました

まず焼き物について、
耀変天目が、1時間程度並んでみるという
難儀なことになったのでありますけども、
やっぱり並んで、間近で見てよかったと思えるところ
先日見た、龍光院のそれとはまた違う、
見事な発光、耀変が素晴らしい一碗でありました
この勢いのまま、稲葉天目も見たいと思うんだが
流石に東京まではいけないな

前回、龍光院のを見たときと同じように
こちらも、表皮剥落がある様子で、おそらくは漆で補修してあったのが見てとれました
やっぱり、耀変天目は釉薬の部分がはがれやすいのかもしれんと
勝手に思ったりしたんだが、こちらは、より茶の湯に使われたと思しき、
茶せん跡が碗底にたくさん見られまして、
藤田翁が使ったんだろうかなと想像すると
たまらなくなるのであります、これで茶を飲ませてもらった人って
何人くらいいたんだろうかね

このほかも、大井戸「蓬莱」だとか、ととや茶碗、御所丸茶碗といった
朝鮮陶系の名品も出ておりまして、大変眼福でありました
特に大井戸は見事な姿で、カイラギは控えめなんだけども、
大ぶりな碗の迫力が素晴らしいことこのうえなくて
見ほれてしまったのである
古瀬戸の茶入れなんかも見ごたえあったし
さすがの収集物でありました

そして、最近ちょっと勉強を強いられている
仏教美術のほうも、大変見事、というか
むしろこちらのほうが凄いというほどの点数で
あっけにとられたのでありました

特によかったと感じ入ったのが、春日大社厨子なるもので、
ミニチュアの神様フィギュアみたいな感じで
凄いよかったのでありました
神棚みたいに使うものなのかわかりませんが、
二枚開きの扉がついた箱なんだけども、
その端々まで行き届いた装飾と、鹿の神様が鎮座する姿が
まぁ見事このうえなく、茶碗人気に比べて
大変ゆっくり見られたのでこっちも楽しかったのでありました

ほかにも、五鈷鈴だとか、密教法具の類も多く展示されていて
眼福このうえない、加えて、平安時代の装飾経だとか
目がまわるほどの名品ばかりに、くらくらしてしまったのでした
特に装飾経は凄くて、これが本物の平安経かと
思わずかぶりつきで見つめてしまったのである
紫紙金字経とかも、書きかけのものという
謎のものまであったし、奥深いというか
なんともいえぬ面白さがありました

仏像もかなりの数が展示されていて、中身をスキャンした写真とともに紹介され、
その謎めいたものに近づこうという展示も面白かったのでありました

と、藤田美術館展だけでも十分面白かったのだけども、
併設ではないが、別の仏像館で展示されている
仏像数々のほうも、大変見ごたえがありまして、
もう書ききれないほどだったのでありますが、
最近、台湾いってあれこれ見てきた神様たちと
少しだけシンクロする、密教系の仏像なんかが
まぁ、なんというか、凄いかっこよかったのでありました
まだ、仏像の区別がちゃんとできないので
歯がゆいことこの上ないのだけども、
収集物としてきわめて業の深いそれだと感じ取れる
民間の人の提供品だという、断片の数々、
たとえば、仏様の手だとか、衣の端だとか、
そういうものが山のように展示されていて
これも、違う意味で感動してしまったのでありました
もはや、ゴミではないかこれわ

そのゴミではないかというものに、並々ならぬ血道をあげたというのが
面白いというか、興味深いと
つくづく感じ入ることができた、いい展示を見たのでありましたとさ
ああ、最近生き方が薄いわ、もっと生きなくては

野外民族博物館 リトルワールド

2019-05-10 21:42:40 | 陶磁器を探す旅と名物
愛知県は犬山市にあるテーマパークであります

いわゆる家族連れで遊びにいくところで
対象年齢は小学生低学年くらいなんではないか
そんなところであります
実際、自分も小学生くらいのときに、遠足的なイベントで
行ったんじゃなかったかとうろ覚えなのでありますが、
40過ぎて、今一度見てきて、こんなところだったけなと感じつつも、
思いのほか楽しかったのでメモっておくのであります

最近、タイのエリアが新しくできたのか
リニューアルしたのか、大々的に押し出されておりました

こんなのや

こんなのがいると思うと

こんなイベントまでやっている

大型連休だからといってしまえばそれまでなんですが、
ムエタイの実演とかなかなか面白くて、
子供が見ていてショックを受けない程度でも、
なかなかの迫力、そして、お約束のプロレスめいたやりとりと
大変面白く見物できたのであります
このほか、トムヤムクンやら、ドリアンやらと、
御当地グルメ(違うな)を堪能できるようにもなっていて
しまいには、海老釣りとタイマッサージまで楽しめると
とりあえずタイを楽しめる催しになっているのが素晴らしかったのでありました

リトルワールドと呼ばれるだけあって、
世界中のエリアを再現してあるわけなんだが、
どこの国も、豪農とかの家の再現が多く、
さらには、石垣島、山形、アイヌの大きな家の再現があったりして、
日本各地のちょっと偏った充実っぷりも見所でありました
特にアイヌに関しては


ヒグマの檻と、ヒグマの人形(奥)

アイヌ装束の展示

こんな具合で、大変充実していまして、
ゴールデンカムイで見た、みたいなことをかなりお手軽に楽しめるので
大変有意義だったのであります
ヒグマの檻って、そんな有名なものだったんですね

ハワイとか、アフリカとかのゾーンも面白いんだけども、
結構国によってクオリティに差がありまして、
正直どうかしらと思うような展示も見受けられるものの
どこの国でも民族衣装を体験試着できるのがステキでありました
これはお子様にさせてあげたい感じであった
と、まぁそういう月並みな感想も書いておきつつ
今回、凄い気になったことをひとつ




バリのエリアであります
ここの充実っぷりがちょっとハンパないというか、
ほかの国と、明らかに質の高さが段違いでありました

何がということも難しいのだけども、
建物の質が極めて高い、ガルーダなんて屋内展示にも一点いたけども
相当に精巧なそれこれで、推測だが、立ち上げ当初、バリに並々ならぬ思いのある担当者がいたんじゃないか、
その人の趣味的なものが結集してんじゃないか
そう感じるほどの情熱に触れたように思うのであります
と、好き勝手に書いたものの、なんとなく調べてみたら
万国博覧会の展示物の終了後引き受けをしていたり、
各地のテーマパークで役目を終えたものを引き取っていたりと
苦闘のあとが見え隠れしている
そうか、そういう集大成なのかと思ってみると
より、感慨深く楽しめるのではないかと書いてみるのであります

さて、野外展示がメインなんだけども、
屋内展示も相当の文物が集まっておりまして

ボリビアのカーニバル衣装だとか

ニュージーランドだったかの宗教衣装だとか
このほかにも、やっぱり、バリの結婚式の再現ゾーンなんかが見事で、
博物館として楽しみにいくと
案外というか、凄い楽しいようにも思うのでありましたとさ

最近は、客寄せにフィンランドサーカスも招聘していまして

こんな感じで、かなり高度なサーカスを見せてもらえるので
なんというか、あれもこれもとごった煮的に楽しむと
一日遊べるそれだとも思えるのでありましたとさ

随分な散文になったが、
ともかく、リトルワールドのバリに関する展示が凄いと
それを伝えられれば十分である

そういや、中国はないけど、台湾はあるというのが
また、リトルワールドという感じでステキだと思う

大徳寺龍光院 国宝 耀変天目と破草鞋

2019-03-30 21:22:34 | 陶磁器を探す旅と名物
滋賀県の山奥にありますMiho Museumで開催されています
特別展を見てきました
桜の時期と被りそうなので、そこを避けて早めにいったにもかかわらず
かなりの大入りで人気の高さが伺えたというか、
国宝のパワーはすげぇなと圧倒されたのでありました

国宝 耀変天目をはじめとして、重文も相当量が展示されていまして、
かなり見ごたえのある展覧会でありました
茶人で有名な津田宗及ゆかりのものが多く、
大井戸茶碗なんかも展示されていて、思わず見ほれたのでありました
やっぱり茶陶にひかれてしまう

大徳寺龍光院ゆかりの展示ということなので、
全体的に仏教美術品、というか、僧の持つそれというのが主で、
軸なんかも多かったのでありまして、
全体的に明代のそれこれが多い
墨蹟も凄いのがあったらしいんだが、いまいちよくわからず、
そういうものかと、しみじみ眺めるくらいでありました
それよりは、津田茶会記とかの方が素敵とか思ってしまうあたり
自分の目の曇りがはなはだしいと感じるのでありました

さて、耀変天目、
これが本当に見事だったのだけども、ちょっと展示が全体的に暗すぎて、
確かに、一碗が浮いてみえるかのような見事なライティングで
一目見て、息を呑んだのでありましたが、
碗の外、釉薬のタレ具合とか、そのあたりがまったく見えなかったので
ちょっと残念と感じたのでありました

それでも、じっくりと見て、妖艶な美しさに驚きつつ
国宝展のときよりも、さらに近づいて見られて
僥倖このうえなかったのでありました
縁が欠けていることや、内面も、やや表皮剥離気味でないかと思わせるところもあって、
もう茶碗として使われることはないのかもしれない、
そして、そういう危うい状態だから
展示にほとんど出たことがないのかもとも
思ったりしたのでありました
杞憂なのかもだけどもさ
まったくそんなことねぇよと、言われてしまいそうだ

それ以外に、油滴天目の小碗もありまして、
こちらも美しい、また、あわせての螺鈿をあつらえた天目台も見事でありました
大井戸、高麗茶碗、仁清の茶入のほか、
文淋と鶴首の茶入れがあって、このどちらもがあまりに見事でありました
小品と呼ぶのはふさわしくないが、ステキすぎると
じっと見入られてしまったのであります

そんなわけで、久しぶりに名品をじかに見たと
先日のカタログ鑑賞に続いて、眼福を深めている
そんな日々であります

工芸 青花 11

2019-03-23 19:25:24 | 陶磁器を探す旅と名物
読書といってもよかったんだが、
知人から薦められるままに読んだというか、見た本であります
骨董までは至らぬものの、陶磁器になみなみならぬ興味を持つ身分として、
こういったカタログのようなものを見るというのは
これもまた、眼福であると改めて思い知ったのでありました

内容では、山茶碗の特集が組まれていまして
これが一等面白かった
お店と付き合っての骨董狂いをしていないので、
こういった言葉ややりとりは知らないままなのだけども、
文章で解説される山茶碗のこれまでと、今、
そこに趣向をそそられた人たちの言葉というのが
いちいち、心に響くようで、とても楽しいのでありました

雑器といっても差し支えなさそうなそれなんだが、
だからこそ、美意識がとても重要になるというところが肝要で、
何々名物だとか、来歴がどうしたとか
そういうことではなく、この見込みがいいな、
釉薬のここがどうした、姿形に惚れた、
そんな自分の基準においてはっきりと好きだというもの
それが集約されたもののようにも見えて
大変興味深かったのでありました

いや、はっきりいうと、好きなんだな

そういうわけで、六古窯をルーツとしそうな、
東海地方限定で作られ、あまつ、使用されていたという
山茶碗ジャンルに大変胸打たれることとなったのでありました
凄くいい、自然釉最高、結局そういうことなのである

そんなきわめてよろしいもののほかにも、
西洋タイルの話が掲載されていて、こちらもかなり興味深かったのでありますが
好事家向けというと語弊があるけども、
好きな人が、好きだということを表明している
そんな本を読むのは、共感できるジャンルの場合
とてもよいものだと感じられて
読めたことに感謝したのでありました
しかし、凄い高価い本なんだなこれ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

2018-12-06 21:05:27 | 陶磁器を探す旅と名物
先日、ようやく行ってまいりました
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館であります

以前からあったという話でありますが、
初めて訪れたのであります
目当ては三式戦「飛燕」
全面リニューアルというか、復元を行ったという
稀有な機体があるということで
ようやっと見に行くことができたのであります
もう、本当、すげぇかっこよかった

三式戦大好きな自分としては、もう、たまらんのでありましたけども、
だいたい、滝沢聖峰先生が悪いのだが、
知ったか知識で、マウザー砲だの、なんだのと盛り上がりながら
観てきたのであります、もちろんマ式なわけあるはずもないが、
復元された生のまま、塗装なしというのが
もうガレージキットなんじゃねぇかと思うような
すげぇかっこよさで、本当にもう、老いた両親とともでなかったら
1時間くらいずっと見ていたいとか思うほどでありました

と、まぁ、一人盛り上がって、写真まで撮ってきたので
台湾旅行記よろしく、少し紹介させていただくのであります


三式戦飛燕

エンジンが液冷のためノーズ部分にギザギザがあるのがステキ

そしてギザギザの正体、ダイムラー・ベンツ製のエンジン
かっこよすぎるわ


バックショット、鈍色が渋い

上から見た図

お分かりいただけただろうか?
後尾の日の丸が照明で再現されていて、このあたりもかっこよすぎる

保存を目的としたため、あえて塗装をしないで
生のままの機体を見せるという
この展示への思いも綴られていて、大変ありがたく観たのでありました
ああ、本当に、凄いかっこいい

ちなみに、



十二試艦上戦闘機(A6M1)
風立ちぬでも有名な、ゼロ戦の前身であります
こっちも空中展示となっていて、かっこいいのでありました
横を眺めて歩いていくと、本当に飛んでるみたいに見えて
かっこいいのである

こんなわけで、二次大戦エリアの充実っぷりが見事でありまして、
もう一度じっくり観に行きたいわと思ったりするのであります
子供向けイベントの日だったのに、独り者のおっさんがたくさん居たのが印象的で
趣ぶかい見学となったのであります


おまけでもないけど、レシプロ機構模型もあって
動作を見ることができたのもステキでした
昔、これのGIF画像があったなぁとか思い出した

ともかくステキすぎるので
二次大戦機にわかファンとして、おすすめしたくてたまらん
素晴らしい展示であると記しておくのであります

京都国立近代美術館 東山魁夷展

2018-10-18 21:18:23 | 陶磁器を探す旅と名物
すっごい面白かった

いつだったかの横山大観に続いて、
近代日本画家の素晴らしい作品を見られたと
ほれぼれでありました

有名な道という作品をかわぎりに、相当の大作が一堂に会しておりまして、
まぁ、なんとも見事きわまりないといったところ
有名な川端康成に書けといわれるままに書いた
京都の桜の絵も見事だったけども、その前身とでもいえるような
冬華という絵が特にお気に入りになりまして、
冬の月明かりの下に1本の樹がたたずんでいると
ただ、それだけなんだが、この月明かりの表現が見事すぎて
まさに朧月夜の様相が、なんともはや
素晴らしいと感激したのでありました

この光の表現が抜群にうますぎると感嘆を重ねたのでありますけども
今回の展覧会では、特に素晴らしい作品が連なり、
唐招提寺の修理にともなって、しばらく秘蔵されることとなった
襖絵の数々も展示されていて、これがまた圧巻でありました
これを観るだけのために行ってもいい、
それほど素晴らしい作品でありました

墨絵のものと、色絵のものそれぞれがあるんだが、
色絵のものが特に素晴らしくて、濤声なる襖絵一連が
本当に、もう、海の中というか、海を見渡せる場所に自身が立っていると
錯覚してしまいそうなほどの見事さで、
じっと、ただただその展示に見ほれて、たたずんでしまったのでありました
凄い、すばらしい、どうしようもない

そして、晩年に向かって、絵を描くということが
祈るということに通ずると開眼したのだそうで
印象風景の絵画が増えて、そのたゆたうところが身にしみるようで
絶筆となった作品が墓標であるというのも、
出来すぎているというか、そういうものかと
自身をまっとうした画家の生き様を
作品で見られたみたいな感動を覚えて終わったのでありました

絵画はあまりよく知らない分野だったけど、
名人は、やはり凄いものなんだなと改めて感心して
最近は近代の美術にひかれてたまらんのでありました
陶芸も、そのあたりの名人の作品が好きなのである
いいものを見た

滋賀県立陶芸の森 「世界の形象土器」展

2018-08-30 20:42:41 | 陶磁器を探す旅と名物
というわけで、先日のMIHOミュージアムめぐりのあとに
俺って文化的だぜといわぬばかりに、
美術館のはしごを敢行したのでありました
陶芸の森の山頂にあります陶芸館にて開催中だった
世界の形象土器展であります

最近、土器が流行との話があるから
その流れであろうと想像しながら見てきたのだけども
これが意外なというか、
世界中の現代焼き物、だけど土器という、
大変不思議なジャンルの展覧会でありました
世の中、こんなにまだまだ土器が作られていたのか

土器と呼ぶから可笑しいだけなのかもと思いもするけど、
まさに埴輪、あるいは、土偶といった様相のものが
数多く展示されていまして、
これは、日本における縄文土器がモチーフになってんだろうか
あるいは、世界的に人類というものは
気付くとこういうものを作ってしまうんだろうかしらと
悩みながら見てきたのでありました

釉薬を使わず、まさに「かわらけ」という内容なんだけども、
結構な大きさのものも多くて、赤茶けたレンガめいたそれから、
彩色して、置物として、いや、みやげ物として完成しているものまで
幅広いそれこれが楽しめて面白かったのであります

特に、メキシコのほうで作られているという
猫のとぼけた置物が抜群でありまして、
言ってみれば、凄い無造作、テケトーきわまりない
そんな風にも思えるのに、不思議と味わい深い
こういうのは、こういうので、
なんか一個あるといいかもねと思わされてしまう
妙な説得力というか、魅力があって楽しいのでありました

それ以外にも、物凄く精緻な陶人形があったりして、
呪われてしまいそうな恐怖にかられながら見るのも
なかなかおもむき深くて面白かったのであります

今とか昔とか、そういう感覚も
デザインから入って、勝手にそう思っているだけで
製法や、やってることそのものが変わらない限り
陶器は土器でもあるし、埴輪でもあるのかもと
学術的に別物であることはないがしろにして
人間の営みにある土を焼いたそれというジャンルに
収束してみたくなる、そんな展示でありました
興味深い展示だった