CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【映画】ばるぼら

2020-12-31 20:41:47 | ドラマ映画テレビ感想
思いのほか面白かった
俳優が結構トんでてというか、
二階堂ふみが、すげぇと
それに相当もっていかれた内容でありました

原作を子供のころに読んだきりだなと
せっかくだからまた、読みなおそうと思うくらいの
面白さがあった、ラストがちょっと惜しいというか
せっかくなら、原作通りのラストにしてもらったほうが
物語がよくわかったと思ったんだが
まぁ、不気味な雰囲気と、謎めいたそれこれが
よくよく再現されていたというか、シーンを切り取ると
どこもよかったと思う内容でありました
まぁ、話の筋なんて、あってないようなもんだから
これでいいんだよ

そんなことを思いつつ、見ていたんだが、
15禁って、思ったよりも、なんというか、過激なシーンを入れるんだなと
お子様にはお見せできませんねというところが
山ほど出てきて、なんだったら、二階堂ふみのそういうシーンを撮りたいだけじゃないのかと
錯覚してしまうくらい、かなり挑んだ内容だったと思うのでありました
今時ここまでエロシーンが入る普通の映画って見た覚えがなかったから
そういうのと、こんなに違ったかと、違う意味で感心してしまったんだが
芸術ときわどいところという意味が
よくわかったように思ったのでした、すごい綺麗な体だった
それをわかるように撮るのがまたすごいんだろうな

二階堂ふみの怪演というか、演技の良さばかり目に入ったけども、
序盤にマネキン話というのがあって、そこに出ていた女優さんが
名前知らないけど、ものすごくべっぴんさんだと
感心というか、感動してしまった
なんと素晴らしいショートカット(注:私の性癖の問題)、
その役作りからの表情とわかっていても、
あのシーンだけは、もう一回みたいと思うくらいすごくよかった
いや、あれだけ15禁超えてたんじゃないかというくらい妖艶、早い話エロかったと
釘付けになってしまったのであります

そんな不可思議シーンが続いてからの、
退廃みたいな感じが面白かったけど
ムネーモシュネーが出てきたあたりの面白さというか
あの漫画からの再現度に目を見張ったというか
いや、やっぱり、それぞれの印象的なシーンは
どれもよかったと思ってしまう映画でありました
万人に勧められるわけでもないし、
すげぇ面白かったともいえないと感じているんだが
結構気に入ってみたという感想を抱いたのである
テレビで深夜にやってたら、絶対見てしまうし
これが高校生くらいだと、性癖こじらせそうだと
心配になるようなところもあって
そういうところもよかったと思うのでありました

最後に触れることになったけども、
主演の稲垣吾郎も、キャラ違うだろうと思ってたけど
案外あっててよかった、ラストが変わってしまったというか
なんか尻切れだったのは、キャラを稲垣さんにあわせたからかと
ちょっと考えてしまうような、線の細さでありましたが
楽しかったので見てよかった映画でありました

【ドラマ】ノースライト

2020-12-30 21:01:50 | ドラマ映画テレビ感想
土曜ドラマ枠でありました
原作はちょっと前に読んだから、
だいたい覚えているだろうと見ていたのに
こんな話だったっけと、さっぱり覚えていない
ところどころは知ってるようなと
そんな感じで見てしまったのでありました

まぁ、原作とどうであるかはこの際おいといて、
出ている俳優の豪華さと、その上手さ
そこだけで十分見ていて楽しいドラマでありました
西島さん、北村さん、そして宮沢りえ(なぜか呼び捨てにしたくなる)
飛びぬけて、やっぱりこの三人が豪華で凄いよかった
イメチェンした?って感じで
なっちゃん(古い)にも驚かされたんだけど、
みんな上手い、上手すぎる、
独特の雰囲気がそれぞれ出ていて、正直話がどうしたというよりも、
この俳優たちの自然な動きというか、その会話を見ているだけで
なんかわくわくしてしまうような気分になっていたのでありました

何がそんなにというのが、
原作が結構地味というか、立ち回りもなければ、
大きな事件性もないといった感じで、
淡々と仕事が積み重なっていくというか、
盛り上がりが抑えられているところを
俳優さんの自然な演技で、物凄く見させてもらったという感じで
序盤の新しい仕事をとってきたと素直に喜ぶ感じ、
そして、その危うさと裏切りにも似た破綻、
途中の新聞記者とのやりとりや、もうひとつの謎であるY邸を探るところ
このあたり、話が結構とっちらかったイメージなのに、
どれも見せられるというか、自然でよかった
前後編で結構短くまとめられていたけど
まぁ、話に何がというところはないまでも
凄く、よかったと思って見終えたのでありました

傑作というには、やはり地味なんだろうなと思ってしまうんだが
色々な問題を抱えたまま、それでもひとつのことが進む
そこに打ち込むという情熱みたいなのが
ドラマになってるとしっくり見たというお話でありました

面白かった、というのともまた違うのかもしれないが
見て楽しかった、よかった

【読書】すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間

2020-12-29 21:17:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間  
作:ハ・テワン

詩集でありました
愛について紡がれた言葉が主だけども、
それにこだわらず、毎日に行き詰まりを感じた人へや、
何か、苦しんでいる人へといった
励ましにも見える内容もあって
でも、それぞれは、やっぱり愛に収束していくといった感じの詩があふれていました

愛について、まさにその瞬間の喜びもあれば、
別れた後の話もあって、そちらが、
白黒というか、別れは必然であったこと、
それを後ろ向きに捉えない言葉であったり、
あるいは、未だひきずっているかのような、
そのかけがえのない時間を慈しむ言葉もあったり

正直名前だけだと、この人が男か女かもわからんのだが
なんとなく、男の恋愛感に近いのではないかと
思わされたりしたのでありました
どうだろう、男女というよりも、お国柄とかが出たりなんだろうかな
あえて調べないので謎のままにしておく

誰かと比べて苦しむことの不毛であったり、
別れた後の辛さを紛らわせることであったり、
たまに、世を恨むような言葉も見られたけども
そんなあれこれの中で、やっぱり
愛を賛美するでもないが、
タイトルのように、ただただ、すべての瞬間が君だったという
愛をうたうそれが、よい言葉だなと
素直に思えたのでありました

まぁ、詩をそらんじるガラでもないので
どれと覚えることもなかったんだけど
読み終わって、よかったと思えたのでありました

【読書】妻の終活

2020-12-28 20:50:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
妻の終活  作:坂井希久子

長く連れ添った妻が先立つ、それに右往左往する
「昔ながらの」男の物語でありました
悔恨と反省というわけでもないけど、
ある世代以上の男性は、当然のようにこういう価値観であろうと
自分も、少なからず当てはまりそうだと
寒気でもないが、妻という存在を何と考えているか
突きつけられる物語でありました

ま、私結婚してないから関係ないのだけどもね

さておき、内容は奥さんが末期がんであると発覚して、
そこから、夫が右往左往というか、醜く、あるいはいっそ可愛らしい、
そんな風にも見えるほど、何もできない現実に戸惑い、
怒り散らし、結局は自分を変えていくしかないと
気付いていくというか、変化していく姿が
克明に描かれているのでありました
実際は、こんなにうまくいくことはないだろうし
なんともやるせないのだが、
根幹は、そこではなくて、妻という存在を失う寸前まで消費し続けているという
その事実でなかろうかと感じるのであります

どうしてそこまで、尽くすことができるのかと
娘たちも思うところがあったりというのが
リアルなんだろうというか、このごろの考え方でもあるなと
思わされたりするんだが、いつからこうなったんだろうかと、
幸い、その立場でも、世代でもないので被害にあってないながら、
当事者たちは、その前の人たちが当たり前にしてきた現実と
異なってきていると、どう気付くことができたんだろうかなと
思ってしまうのであります

結局昔から、そういう扱いであっても
愛と呼ぶべきなのか、なんらかの形で
夫婦というものがあったのだろうと思うんだが
不思議といえば不思議だと感じるばかりなのでありました

外で働いているという大義名分にしがみつき
それに意味がないということを受け入れるというのが
一大事業に思える男性というのが、
切ないというか、可哀想であるなと
この世代の人たちには、忸怩たるといえばいいのか
消化しきれない思いがあるのではとも思わされたのでありました

最後は美しい夫婦の姿のひとつが示されたようでもあって
非常によかったと思いつつ、心にずんときた小説でありました

麒麟がくる  丹波攻略命令

2020-12-27 23:12:52 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
信長と一触即発かと思ったが
まだ、信長側が折れる段なんだと
安心というか、何か積みあがったようにも思う回でありました
あの感じが追いつめていくんだろうか、
帝とあわせて面白いところでありました

今回、あれっと思ったというか、
今更かと思ってしまったんだが
菊丸の正体を光秀がまだ知らなかったというのが
結構驚いたというか、
そうだったっけと、ちゃんと見てねぇなと反省したのでありました
前回も、見返してみたら
しっかり松永の動静も語られていて
ちゃんと見てないことを悔やんだというのに…

あれよあれよと、一向一揆も片付いていき
気づいたら本願寺の本丸だけになって
さらには、丹波攻めがやってきてと
ちょっと飛ばしすぎというか、ちゃんと追えているんだろうかと
心配になってしまうのであるが、
荒木がどうしたとか、黒田がどうだったとか
まぁ、黒田はともかく、荒木の件飛ばしていってるように思うんだが
順番違っただろうかしら
ともかく、あれよあれよと、魔のというべきか
丹波攻めに突入して、なかなか大変そうで
面白いのでありました

まぁ、信長が、一度切れてから
また正気を取り戻すあたりのくだりが、
次回はなさそうな感じという含みも含めて
演技なのか、本気なのか
あのあやふやな感じが楽しいと思ったりしながら
次回はいつやるんだ、正月にやるんだろうかと
心配しつつ、とりあえずメモをおく

【読書】スタンフォード式人生を変える運動の科学

2020-12-26 21:12:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
スタンフォード式人生を変える運動の科学  著:ケリー・マクゴニガル

ちゃんとタイトルを読んでから読むべきだった、
なんとなく、スタンフォード式の新しい運動の方法論が載ってると
楽しみにして読んだんだが、実際はそうではなく
運動の効能のほうについて、科学的に書いた本でありました

ウルトラマラソンとかしたら、凄いいい気分になった

みたいな話が山ほど載っていて、
それぞれに科学的な根拠の解説がついているという感じで
あー、なるほどねと思いながら読むんだが
正直、一冊まるごとそればっかりは必要なくて
できれば、運動方法の科学めいたものとか
そういうのを読みたかったと思ってしまった

とはいえ、人間が運動を通じて何を感じているか
あるいは、そこから何を導き出していくのか
そういう様々なこと、一種のメタファーとして
人生の難関を運動経験から越えていこうというのが
面白いところでありました
実際、散歩は様々なことに効能があるし鬱病が遠ざかると
聞いていた話が、この本でかなり詳しく書かれていて
これがよかったのでありました
やっぱり、運動は正義である
まず歩こう

ただ、歩くよりも、自分を追い込んでいくメソッドのほうが
より感激とかが大きい様子でありまして、
絶対無理と思っていたことに挑戦し続けていくと
なんか、或る瞬間から、唐突に号泣してしまうような
大いなるものとの一体感という
宗教儀式とか、体験みたいなことになってしまうそうで
それはそれで、凄い経験してみたいと
思わされる内容ばかりでありました
ちょっと、薬がキマってしまっているのと
同じくらいのパンチがきいた経験になるらしいんだが
とりあえず、今までそんなことないというのは、
そこまで追い込んだ運動をしていないからかしらね

習慣化するのに、おおよそ6週間かかるというのは
結構長いようにも思ったりしたんだが、
ここ一年くらい、続けている筋トレが
ここに書かれていたくらい楽しいかといわれると
そんなことないし、どうも持久力を試す系じゃないとダメらしいので
やっぱり、歩く、できれば、走るを習慣化するのが
一番よさそうであるなと思わされたのでありました

最もよいのが、自然の中でという原初に返るようなそれだそうで
トレイルが一番よいというのは、一時期山歩きしていたころに
感じていたところなので、なるほどとも思うんだが
チーム化であったり、様々なことを運動を通して培うというのが
人間が、人間として生きてきた証でもあるんだそうで
なるほどと思ったりもするし
面白いと感じたのでありましたとさ

【ドラマ】少年寅次郎スペシャル

2020-12-23 20:48:16 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜ドラマで好評だったと見えて
スペシャル前後編が放映されていました
すっかり年齢を重ねたおかげか、
こういうドラマの面白さというか、コメディにすんなり笑えるのが
一番驚きだったんだが、それは自分の話でありまして
ドラマについては、人情話をほのぼの見られたのでありました

相変わらず、寅さんシリーズを見たことがないままなので
これがどの程度、スピンオフっぽいのか、そのあたりがわからんが
世話になってる叔父夫婦の会話で、
「さくらが嫁に行ったら悲しいなぁ」
「そりゃそうだよ、その後あんたと二人になるかと思うと悲しくて悲しくて」
なんていう台詞やりとりが、凄い軽妙かつ面白いと、
なんだろう、自然と笑えてしまう感じがして
こういうのがいいなぁと思ったりしながら見ていたのでありました
明らかに、笑いのツボが年齢を重ねている

話としては、寅さんになるまでの修行時代といったところか、
とりあえず出ていって、一年してといったあたりで、
定番どおりに、ヒロインたちと少しだけ話があって、
あとは、何がという大きなこともないまま
面白おかしいというか、過去の話といったりきたりで、
これという話でもないんだが、
なんかじっと見入ってしまうのでありました

井上真央が上手すぎるというのと、
さくらを思う寅次郎との関係がよかった、凄く凄くよかった、
妹いない身分だけど、これがなんか凄くいいなぁと思えてならないのでありました

結局人情話を泣かせると挑みかかってくる感じじゃなく、
さらっと描いて、それを基本的には笑おうとしている
この優しさみたいなものが、このドラマの肝なんだろうかなと
思ったりしたのでありました
そうだな、物語そのものが優しいように感じるのだなと
この感想もまた、おっさんになったから
抱くそれなんだろうかと
考えたりするのであった

いいドラマだったなぁ

【読書】京都に女王と呼ばれた作家がいた

2020-12-22 21:00:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
京都に女王と呼ばれた作家がいた  著:花房観音

タイトルから想像の通り、山村美紗について書いた本でした
内容にあったとおり、凄いベストセラー作家だったというのに
今となっては、著作が手に入りにくい
もはや、過去の人といった扱いになりつつある
その女王に二人の男が居たというところを
ドキュメンタリというか、伝記のように書いた本であります

どうにも、女王について書くというのは
文壇とは異なるが、ある種のタブーであったようで、
ベストセラー作家だからこそ、それを発刊する出版社は
先生に頭が上がらない、必然、タブー化して様々な憶測と
噂が飛び交うのだが、それが本当なのか、
その中でも禁中の禁とも言えるのが、
もう一人のベストセラー作家、西村京太郎との話と
まぁ、下世話というか、スキャンダルめいた話が半ば公然であったようで
そこに何かが、あったのか、なかったのか
それはそれとして利用していた、女王の姿
そんなのが書かれているのであります

ただ、この本もやはり、その予防線というか、
未だ続くのであろう出版社との軋轢というか
ベストセラー作家という聖域の囲いから逃れられないのか、
その点に関する言い訳というか、
なんか、遠慮した記述が多くて、
その点からか、女王をあえて苦しんだ人として書いているところが多くて
実際はどうだったか、やはり、それは闇の向こうでないかなと
思わされたのでありました

女王が結構なヒステリーを炸裂させていたり、
それに関する逸話が数多く残っていたりは
笑い話というか、その後のフォローや、様々なところで帳消しとなっている
あるいは、その寂しさ、恐怖の裏からの発露といった
庇いだてた内容ともとれるところが
気になってしまったのであります
ま、その言い訳めいた記述部分はさておいて、
女王がどのような人であったか、また、その陰として生きてきた夫の存在、
そして西村京太郎という同志
この存在が、どう影響していたか、女王の人生がどのような道程であったかが
非常に読み応えあって面白かったのでありました

元来頭のよかったひとで、理系に明るいといったところが
斬新といっていいのか、凄い人であったらしいと
ここが凄く新鮮でありました
確かに、山村美紗サスペンスというジャンルは知っているが
どれも見たことない身分なのでなんともいえないんだが
トリックを考えるのが得意であったというのが
なるほどと合点がいったのでありました

最も華やかであった印刷業界というか、
そういった寵児でもあったのだろう
その姿が、今からはずっと遠いものだなと思わされたのでありました
いっそ、もうちょっと、そのずぶずぶとまで言わないが、
出版業界や、テレビ屋とどうであったか
そちらに食い込んで欲しかったかもなと思いつつ

むしろ、そちらの方が今具合が悪いからタブーになってるのではと
考えさせられたのであります
面白かったけど、ちょっと物足りないと思う

【読書】世紀の大博打 仮想通貨に賭けた怪人たち

2020-12-21 20:46:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
世紀の大博打 仮想通貨に賭けた怪人たち  著:ベン・メズリック

前作を読んでいるはずだが、あまり覚えていなくて、
そこに出ていた人物たちが、今回は主人公といわれるんだが
それがさっぱり覚えがない、おかしい、この作者は好きだから
結構覚えていると思ったのに
と、フェイスブックに関するそれこれで、
確か、結構フェイスブックに対して辛辣な感じの描き方だなと
思ったりしたと思い出したりしつつ
その時に敵役とされた、いかにもエリート、いわゆるジョックスである
双子たちの生き方が描かれていて
かなり面白かった

フェイスブックから、慰謝料めいた内容で金を手に入れたことが
しこたま叩かれたという可哀想な兄弟なんだが
持ち前のジョックスというか、エリート思考がそれを乗り越えて
その元手で大きな事業、VCとして生きていくことに繋がっていく
投資先が、まだ当時はきわめて胡散臭いというか
怪しげで仕方ない仮想通貨、ビットコイン

序盤は正直、フェイスブックとのごたごたの話ばっかりで
あんまり面白くないなと思っていたんだが
仮想通貨の話になってから俄然面白くなる
その仕組みというか、勃興期にいた人物たちの生き方や
あり方というのが興味深くてたまらんのでありました
なんだこのアングラと、アナーキーさ、
これがリバタリアンという人種の本当のところなのかと
そのあたりがとてもとても面白い
凄いぜこの世界、と仮想通貨というものが
どんだけ怪しくて、危ないもんだったのかがよくよくわかって
とてもとても、大変大変よかったのでありました

あのマウントゴックスも出てくるし、
スタートアップの怪しげなこと、危険きわまりない世界、
描かれる様々なことが狭くて深い、
ダークウエブの話でもあり、そこに関わる正しい世界の使者とすらいえる双子の存在
歪ではないが、不可思議な関係とそれこれが
凄く面白く読めたのでありました
仮想通貨がこれからどうなっていくかも含めて
その初期に、こういったことがあったという一種の歴史ドキュメンタリ的に
楽しめたのであります

麒麟がくる  信長公と蘭奢待

2020-12-20 21:35:21 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
一瞬で、武田が死んで、義昭の算段が崩れ去ってしまった
まぁ、史実でもあんな感じだったんだろうけど、
本当、酷い話というか、運が悪いよなぁ
でも、信玄暗殺が結構濃厚なのではとも思わされるところだな
今回は、まったくそんな話じゃなかったけども

しかし、あっという間に時間が過ぎるというか、
いきなり信長包囲網総崩れといった感じで
もうちょっと細かくやってもよかたんじゃないかと、
朝倉の裏切り悶着がよかっただけに
もう少し、浅井朝倉両家の顛末を見たかったとも思ったのでありました
あのベロだし凄かったな、わざと赤く塗ってたんだろうけど
毒々しいというか、恐ろしい

予算やら、色々の都合で合戦が飛ばされるのは仕方ないが、
替わりに力が入っていると思われる政治合戦が面白くて、
そのキーとして、蘭奢待を持ってきたのが
個人的には凄い楽しくてよかった
凄い香木くらいの印象しかなかったけど、
100年以上も誰も見てないようなそんな凄いお宝だったのか
展示されるときは、それを念頭に見ないといけないな
割と、あっさり見られるんじゃないかと思ってたが
正倉院宝物で、現代でも10年以上ぶりくらいじゃないと見られないとか
去年見ておけばよかった…

信長が絶頂にあり、だが、その心は帝に届いていないというか、
大きな差異があるという感じが
新しいというか、よくよく義昭がやってきたことの上位版を
帝がしつらえているという構図が面白くて、
その手の中で、光秀の命運が握られていくのかと思わされて
先が楽しみで仕方ないのでありました
しかし、松永の最後とかどう扱うんだろうかしらね
いや、もう終わってるのかひょっとして

【読書】一八〇秒の熱量

2020-12-19 20:42:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
一八〇秒の熱量  著:山本草介

あるボクサーを追ったドキュメンタリ番組の取材を
改めて文章に記したものでありました
ドキュメンタリのほうを見ていないのでなんともいえないが
タイトルの通り、凄い熱量というか、
青木ジムの会長、著者、ボクサー、トレーナー
それぞれが狂っていたと、みんなが言うような状況に
文章を読んでいて、飲み込まれた
一種、自分も一緒に狂うことができたと思えたような
凄くいい本でした
これは読んでよかった

うだつのあがらないというか、
あんまりぱっとしたところのないボクサーなんだが、
30歳デビューで、年齢による強制引退が控えているという状況、
回避するには、誕生日までのわずかな時間でチャンピオンになること
という、とんでもない状況でトライしていくドキュメンタリだったようで
これは、番組のほうもなかなか面白かったんじゃないかと
読んでいて、まさかと思えるような展開に
わくわくさせられたのであります
興行だから、ひょっとしたら八百長も含めてあったのかと
テレビだけだったら、穿った見方をしてしまいそうだったけど
この本を読む限り、実に不思議なものだ、
そして、よくわからない勝利というか、一歩一歩先へ進んでいくことの楽しさ
そこに挑む狂気が伝わってきて凄い面白い

また、ボクシングジムのマッチメイクという仕事の謎にも
少しだけ迫っていて、こちらの記述も凄い面白かった
いや、この物語(実話だけどもさ)の面白さの半分は
このマッチメイクにあったともいえる
これがボクシングという世界なんだなと
まったく知らない面白さに衝撃を受けたのでありました
どうやって、自分のボクサーを格上と戦わせるか、
そのためにどんな駆け引きをするか、
その挑戦の先に、思わぬラッキーが転がってきたり
それがまた、危険極まりなかったり
悪辣極まりなかったりとか、まぁ、なかなか面白い

ボクサー本人の、ある種謎めいた生活なんかも面白さに拍車をかけていて、
手放しにヒーローとして喜べる感じではない、
妙なこだわりでもないが、どこかおかしいと思えるところと、
さしたる武器もないのに、ただ、一点突破に張っていくだけという
危険な賭けを続けていく戦い方が、本当に面白くてよかった
ろくでもないことだけど
これが面白さなんだなと感じ入ったのでありました

残りは余生という話には、衝撃を受けるようでもあるが、
実際そんなものだとも思えたのが怖い
このときから余生と思えるような人生を送ったということは
ある種羨ましいのではないかとも感じたのでありました
自分には、少なくともここがというところが
見えてこないし、先にあるとも思えないとすると
余生を明確化できないという、悲しみがあるなと落ち込むのである

実際は、番組が成立するか危うい感じでもあったようで、
文章で、ブーストされた熱量にあてられてるだけで
もっとしょぼかったのかもとも思ったりするんだが
ともかく、面白く読めたドキュメンタリ本で
大変満足でありました

漫勉neo 惣領冬美

2020-12-16 20:55:18 | ドラマ映画テレビ感想
単体で、あまりにも凄いと思ったのでメモっておくために
記事書いておく次第
惣領先生はすげぇなと、決して古い読者ではないので、
モーニングでESのあたりからという若輩なんだが、
チェーザレは大好きな漫画のひとつなんだけども、
それをどのように作っているか、というか、惣領先生がどういう人か
そのあたりが、余すことなく映像になっていて
この回は凄すぎると、あまりに衝撃を受けたのでありました

チェーザレがちっとも進まないということで、
単行本もとうとう処分してしまったという
苦い過去を思い出したわけなんだが、
今も、精力的に書いてはおられるようで、
ただ、あの様子では、進むのにどれだけの時間が…
というか、ひょっとして、完結しないのか
確か、大メディチが死んで、コンクラーベやってたくらいで
まだまだクソ坊主も生きていたと思ったんだが
塩野先生の本だったら、始まってもいないくらいの序盤じゃねぇのかと、
嫌なことを感じてしまったんだが
でも、あのクオリティ、それを支える様々な話、
イタリア人が喜んでいる等々、
いやー凄い、凄すぎると感激してやまなかったのでありました

繊細なタッチと、それを実現する手法というのが
凄い生々しく映像になっていて、それを見て喜ぶコメンテータでもあり本人でもあるといった
あの二人のかけあいも含めて、いやー、すげぇ面白い回だったと
つくづく思うのであります

チェーザレという作品が、それまでの作風までも、
また作家本人に作用していたという評が面白くて
これは本当に凄いことで、その作品を現行で追っかけていたんだなと
なんか、心熱くなる話でありました
アシスタントの人たちも、あのチームだから作ることができるといわれていたが
それだけで食えるほどのスピードで刊行されてないけど
色々と大丈夫なのか、大丈夫じゃないんだろうなと
あれこれ気をもまされたのでありますが
まぁ、仕方ないところだな
それでも、気合のシーンはアシスタントが帰った後に
先生が遅くに仕上げていくというのがまた
漫画家っぽいというか、いかにもといった感じでよかったのでありました

作風が、だいたい男前すぎるというのは
なるほどと思うところもあって、
もっとほかの作品、それも少女マンガ作品を読んだほうがよさそうだなと
感じ入ったりしたのでありました
なんというか、勢いでメモってしまったが、ともかく
凄いよかったのだ

【読書】流浪の月

2020-12-15 21:09:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
流浪の月  作:凪良ゆう

切ない、箱庭的な物語だ
その人だけの世界というのに閉じこもってしまうような
そんな世間と隔絶していく話は、好きなんだけども
悲しいと思ってしまうのだが、
本作は、開放的で、むしろそれこそが明るい世界への旅立ちとすら思える、
アウトドア引きこもりめいた感じが
読み終えて、とても安心できたんだけど、
よく考えると、そうでもないんじゃないかと
思ったりする内容でありました

デジタルタトゥー的な話、といえなくもないのだけども、
ある事件となってしまった男女が、その後、それにつきまとわれて
人生が酷いことになっていく、
その真実のところは、世間のそんな印象とはまるで違うはずなのに
どうしても、その大きなものに流されて、
それが、増幅していき、絶えることがないという
無残さが描かれていて、胸が詰まるようでありました

それでも、最後に向けて、とても綺麗というか、
一種の解放を得る感じがステキでありまして
主人公が、それはまずいという行為の数々によって
やっぱりなと、酷い状況に追い込まれてからの大逆転というか、
大解放といった感じで、
いい話だったように思えたのはよかった

なんと形容したらいいのかわからないけど、
まったく別で読んだ、海外小説でも似たようなテーマが描かれていて、
今、そういうものに疲れている世界というものを感じたように思うのであります
ちょっとしたことが、大げさになり、フェイクめいたものに
押し潰されてしまうという現実、これが日常化しているというのが
怖いんだけど、
そこから解放された二人という姿が、清清しさに繋がってるのかと思うと
自分もけっこう、今の世の中に疲れているのかと感じたりしたのでありました

恋愛とは別に、パートナーと呼べる人との出会いというのが
また、とても素晴らしいものに見えるから
人間ドラマとして、凄くいいものだと思えたのだと感じる

【読書】カケラ

2020-12-14 21:01:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
カケラ  作:湊かなえ

インタビュー形式で、一人の少女の自殺をめぐった話が明らかになっていく
主人公の顔が見えない感じが不気味な小説でありました
インタビュアーが主人公なのだけども、
その人が、様々な同級生や、知人との会話から、
ある少女の自殺の根幹に近づいていくんだが
このインタビューする相手の悪意というか、
様々なものが、読んでいるこっちにダイレクトに飛んでくるようで
なんとも、気持ちが悪いというか
嫌な気分になる小説でありました、疲れた
なんで、小説でこんな目にあわないとならないんだ…

そんな感じで、出てくる人物それぞれが、
様々な悪い部分が強調されて、なんというか、
どうしようもない困ったことだなということに
ただただ、インタビューを続けていくだけのような主人公に引きずられて
読み手としては、嫌な話を、嫌な感じで受け続けるという
なんとも苦難と呼べる読書でありました

ただ、主人公も悪意がなく、そこを悪意だといわれ続けるという
その不当さも味わうと、主人公自体がそれを相手にしていたとも考えられたり
複合的に、世の中行きづらくて仕方ないなと
思わざるを得ない内容ばかりで、なんともはや、どっぷりくたびれるのであります

割と登場人物が入り組んでいて、ぱっと読むと
誰が誰だかよくわからない、さらに、旧姓やなんだかんだが出てくるから
結局誰が誰なんだ、また、みんな似たように悪意があるから、
区別がつかない、というか、不気味すぎて嫌過ぎると
見事に、この浅瀬の地獄めいた感じを
味わうことができたのでありました

最終的に何がということは、まったく得るものがなかったと
個人的には、ただただ疲れたという感想しか浮かばないんだが
こういうのを書けるということが
秀逸だと思わざるをえない、自分にはこれを生み出す力は
どこにもないと思える、ある種怖い話でありました

生きてると、嫌なことを、嫌なほど見るよなぁ
太っているのが悪いのか、そうでもないのか、
見た目と、感じ方と、傲岸さと、浅はかさと

麒麟がくる  訣別

2020-12-13 20:45:53 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
とうとう将軍方との物別れとなって、
光秀悔恨の涙といった具合が、凄くよかった回でありました
しらっとしている、三淵が酷いなと思ったんだが
これが戦国の政治かなとも思わされるところ
その大外で、帝の威光というか、あまりにもまばゆいカリスマのようなものが
恐ろしく感じたのも確かでありました
皆、それぞれ生きている感じが面白い
政治劇としての戦国時代でありますな

そんな中、さらっと、一回目の松永謀反事件が消化されたわけで
謀反というか、むしろ、信長が裏切ったという感じで処理されていて
この物語ならではの関係だなと思わされる
これもまた、仕方のない政治の一幕だったという感じでもあるし、
そこに限界や、苦難がある松永の立場というのも
出てきてないのに察して余りあるというか
前回の茶席のことを考えても、
苦労したのが伺える内容で面白かったのでありました
さらっと見逃したことで、信長としては裏切っていないというか、
なんというかな、不思議な決着に見えたのであります

と、ここまで書いておいて、
これが世に言う一回目の謀反とは別の話だったらどうしよう
と調べてみたら、これをきっかけに裏切るのかと
そうなら、納得というか、謀反の理由がわかったとか
まぁ、ドラマ見てるのか、歴史をなでているのか
自分でもよくわからなくなってんだが
ともかく楽しいのでよしである

先週とはうってかわってというか、
もう、折々に将軍との思い出がちらつきまくる光秀が
完全に離れる気になってんじゃねぇかと思ったりしてしまったんだが
知らない内に、将軍が成長というか、権力を使っての喧嘩をする男になって
様々画策しているというのが衝撃的で、
なんとかしようとしていた光秀が愚かなようにも見えるし、
さりとて、剣術をかじった将軍との言いようのない差が
何を暗示しているのかというのも
なんというか、切ない回でありました

さらっと三方ヶ原も終わって、ばたばたとあわただしく
信長包囲網が作られていくのでありました