CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】お探し物は図書室まで

2021-03-30 20:50:15 | 読書感想文とか読み物レビウー
お探し物は図書室まで  作:青山美智子

街のコミュニティセンターにある図書室で、
司書さんが本を貸してくれる
その本が、なぜか、その人が本当に探していたものを導いてくれる

そんな感じの短編連作でありました
おまけとして、フェルトの人形とか出てくるんだが
そのあたりはほのぼのグッズという感じで、
童話や、詩から、インスピレーションを受けて
人生が回転しはじめる瞬間を描いているようで
読んでいて気持ちのよい物語でありました

連作自体も、それぞれがゆるく繋がっていて、
登場人物たちの関係性が、最後のお話でまるくおさまるのも
読んでいて面白いところでありましたが、
本題である、何か迷ったときに本から気付きを得るということ、
このさりげなさがよかったと思うのでありました

実際のところ、あれこれ悩んでいるときって
本だからというわけではなく、それに繋がりそうなことを真剣に考えていると
何かきっかけとして得るようになるという
よくある話をスピリチュアルじゃないが、いいお話にしているのがミソで
実際にありそうだし、そういう司書さんが
さらっと自分の悩みにきく処方箋よろしく本を紹介してくれんだろうかと
思ったりしながら読んだのでありました

詩を読むというところから、
新しい世界を啓いていくという行動に気付く話が
個人的には一番好きで、何かそれまでと違うことをして
きっかけになっていくという、人生が好転していくかのような話が
自分にも転がってこねーかなと、
さしていつもと違うことなんかしないくせに
思ったりしてしまうのでありました
破調というのは大切だが、リズムを得てから崩してこそだろうかとか
あれこれ、無駄に考えてしまうんだが
するっと、この物語のように気負いをせずにフラットに生きたいわと
思うのでありました

【読書】いま、台湾で隠居してます

2021-03-29 20:51:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
いま、台湾で隠居してます  著:大原扁理

興味深いタイトルだと手にとったんだけども、
思ったのとちょっと違うというか、
世捨て人とは異なるといってるけども、
これは、そういうものなのか、隠居ってそういうことなのか
よくわからんが、若くして、社会生活がしんどいから
自分のペースでなんとかぎりぎり生きていこうと
貧乏暮らしともまた違うそれを行っている人が
東京でできたから、台湾でもできるんじゃない?的な感じで
ふらっと台湾移住してみて、
あとはワーキングホリデービザとか、通常ビザとか
あれこれ使いながら、なんだかんだ3年も過ごしたと
そういう話をつらつら書かれているのでありました

台湾での生活というところにピントがあってるので
なかなか興味深いというか、結構住めるもんなんだなと
驚いたりしながら読めるんだが
著者の英会話スキルというのが、おそらく侮れないんじゃないか
そう思ったりしながらも、でも、週にというか、
年に4回くらい1ヶ月ずつ働いてぎりぎり過ごすみたいな
そんなサイクルで生きているようでいいなぁと思うのでありました

セクシャリティがマイノリティということもあって、
色々生き辛いと思っていた様子も見えるんだが、
台湾では、そういうのがふわっとキャンセルされるというか、
随分過ごしやすいと語られているのが興味深いところ
そういうのが押し付けがましいというか、権利がどうのと
声高らかというではないで、
ふわっと、そーなんだ的な感じで、
ガイジンや、障害者や、様々なマイノリティが
すべて赦されるというのは語弊があるけども、
受け入れられているという感触があるようで
これは、確かに台湾通ってた頃に感じたそれだなと
しみじみ思ったのでありました
それが、翻って、俺みたいなやつでも受け入れてくれているという
まさにそこだろうかと思ったりしたのであります

今度台湾いったらどうしようという
観光案内的な内容は皆無なんだけども、
潤餅なる食べ物だけは食べてみたいなと
しみじみ感じたのでありました
素食をかなり食べる人なんだが、そういう観点で見たことなかったから
結構新鮮だった気がする

とりあえず一ヶ月5万円で、色々ひっくるめて生きていられる
その情報は大変ありがたいなとも思うんだが、
何はともあれ、個人スキルがなければ、
やはり、何かよりどころとなるものがなければ
移住というのは難しいなと、真剣に考えてしまうのでありました
マイノリティというか、家族というものが少ない身分は
そういう意味で、あれこれ考えさせられるんだが
移住先に台湾というのは、向こうも高齢化社会だし
難しいのかしらと思ったりするのであった

青天を衝け  青天の栄一

2021-03-28 20:45:24 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了しました
栄一まわりの話も必要上仕方ないんだが、
今回の、嫁にとるだのとらんだのの
うじうじしているところは、要らなかったなと
思ってしまったのである、
いや、いらないというか、もう、さっさと決めてしまえと
まどろっこしいのがどうにもいかんと感じたのであった
というか、あそこまで話進んでて、横からかっさらったら、
喜作が可哀想じゃねぇか

そんなことを思いつつ、タイトル回収をしたわけで、
なんだろう、あのシーンと映像は凄いいいなぁと
しみじみ見入っていたんだけども、
その裏で幕府がかなり大変だと思うと
素直にそれを見ているというわけにもいかないというか、
あの安穏、安閑といった感じが
江戸との落差としてみるべきものなのか
色々考えさせられたのであります
幕末に生きているが、その後が本番ということは、つまり
あの一番熱い頃に、江戸に関わってなかったと
そういうことなんだろうか、
いってる間に、関わっていきそうで心配だけどもな

江戸のほうでは、思わぬというか、
そういう流れから、井伊が大老になるのかと
少々可哀想な運命を見たようにも思うところ
割と純朴そうに描かれそうで、茶人とか、文化人である人の部分が
クローズアップされて、可哀想に殺されてしまうみたいな
そういう流れだろうか、それはそれで見たいなぁと
しばらく見守っていきたいのであります

あとは、天狗党になるのか、ならないのか、
わからんが、江戸のきな臭い連中との付き合いも出てきて
あのあたり、今後楽しみで仕方ないと思うのでありました
大きな殺陣はないけど、見せ方は工夫しているというか
いっせいに刀抜くシーンはかっこよかったなと
感心しきりでありました
あんなんされたら、死ぬわな普通

ほどほどに幕末が終わらないと、先が見えないと思ってしまうんだが
そもそも、どこまでやる物語なのか、いつまでやるのかもわからないので
とりあえず、目の前の話を楽しんでいきたいのである

【ドラマ】ここは今から倫理です。

2021-03-27 21:01:19 | ドラマ映画テレビ感想
NHKよるドラ枠でした
個人的には、かなり当たりのドラマだった、
演出とか演者とか、ちょっとどうかなと思うところも多かったけど
なんだかんだ、話が面白いというか、
あの世界観と、あの雰囲気は、あの俳優陣だったからこそなんだろうと
凄く楽しんでみたのでありました

原作をどの程度トレースしているのかわからんけども、
倫理の小難しい話を割りと身近な感じに落として
説教臭くなく見せる、それも、決め台詞的に見せるのではなくて、
あくまで、ドラマ一話全体で、そういう問いかけにも見えるという
これがなかなかよかったと思うところ
最終話は、流石にまとめるだけに、ちょっと無理があるというか
功利主義に関する問答になってしまうのは
まぁ、お約束みたいなもんだろうと思って眺めたわけだけど
途中途中の話はかなり面白かったのでありました

難しい倫理の授業は受けたことがない
というか、そもそも、高校の選択科目とやらに倫理なんてあったか?と
感じたんだけども、そこはおいといて
高校生らしいのか、そうでもないのか、
わからないようなかなり入り組んだ問題も抱えつつ、
現代の金八先生的な内容なのかとも思ったりして、
熱血教師が解決するというのとは違うベクトルで
生徒たちを思ったりもするし、
先生自身もまた、成長というか、随分足りないところがあるというのがよかった

確か二話だったと思うが、
高校出てから働くことが決まってるから
大して勉強してないという青年が、
高柳にほだされてでもないが、悪い道にいきそうなところを
踏みとどまって、映画を見たり、本を読んだりして
何かが啓かれるというのが凄い好きな展開で
あの話でわしづかみにされたように思うのでありました

キャラクタの数の割りには話数が短かったせいなのか、
もうちょっと深堀してもよさそうなのにと
惜しいと思えるところも多かったのだけども、
無口だけど頭のいい学生の話だとか、
リストカットと保健室登校だとか
どれも、実際の学生のそれとは違うんだろうが
ただ物語として面白くというか、興味深く見られたのでありました
そして、どれも倫理というものに近づいていくというのがよいね

ヒロインだった女の子が、ちょっと流石にどうかしてるキャラじゃないかと
心配になってみていたんだが、なんかあの演技というか声が合わさると
とても魅力的に見えて、最後の卒業シーンなんかは凄くよかったと
喋らないと美人というのとは違うが、
物語で一番成長した姿が見えたのがよかったと思うのであります
ちょっと調べたら、あの女優さんまだ16歳とか、嘘だろと
驚いたのでありました
演技はどうかなとか思ってたが、なんか、あのままでいいのかもしれない

と、まぁ、つらつらあれこれ偉そうに書くわけだけども
ともかく面白いドラマだったのでメモっておくのである

【ドラマ】ドリームチーム

2021-03-25 20:55:50 | ドラマ映画テレビ感想
金曜夜ドラ枠でした、そういう名前じゃなかったかもしれん

ともかく、ほんわか女性向けのドラマを見た
そういう感想であります
正直これは流石に、自分はターゲットに入ってないと
わかっていながら見続けてしまったんだが、
なんといえばいいか、結局よかったのか、どうなのか
それすらもわからない、
なんだろう、半分青いの後みたいな気持ちになったのであります
とりあえずよかったんだろう

元バスケの名門校という、世代の違うOGたちが、
あれこれあって集まってきたという話だったわけなんだが、
特にバスケの話が生かされるということは当然なく、
そして、仕方ないけども、女優さんたちがどう見ても
バスケやってなかったろうという動きなのが、
もう気になって仕方なかったんだが、
それはそれとして、色々と生きてきた今、新しい展開へ
いっそチームを組んで
みたいな感じなんだけども、そんなにチーム感あったかなぁと
このあたり、女性の考えるチームというものと、男性が感じるそれと
大きな隔たりがあるからだろうかと考えてしまったのであった

割と行き当たり場当たりな感じで話が進んでいたようにも思うし、
なんか、凄い軸があってということもなく、
あれこれどたばたすったもんだして、
そして、それが続いていくのだという感じなのは
或る意味ほんわかしているからいいのかしらと考えたわけでありますが
男女のあやと、仕事とは別であろうと思うんだが
そのあたりが、ごっちゃ盛りになって、
よくわからんまま、でも、みんなそれなりに、今幸せだと思える方向へ歩き出した
そういう感じで終わって
まぁ、よかったのかもなと思うのでありましたとさ

ドラマも色々あるなー

【読書】キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン

2021-03-23 21:18:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン  著:マーク・アロンソン

きわめて著名な戦場カメラマンであるロバート・キャパと
その相棒であったゲルダ・タローの生涯を追った本でした
資料から解き明かして、小説のような文体で描かれていたので
読みやすくて非常に面白かった
冴えない貧乏ユダヤ人であった二人が、
一種のひらめきによって、戦場カメラマンという職業を築き上げていく
そんな物語にも読める内容でありました

ユダヤ人であるため、追われる身から逃れるため
ロバート・キャパという偽名で活動していたというのが
個人的には衝撃的だったんだが、
その名前を知らしめるため、支えでもあり、同志でもあったゲルダ・タローの姿が
非常に興味深い内容でありました
その当時の最先端というか、革命的衝動が感じられるような筆致で、
スペインの戦争を発端として、
そこに集まった若いジャーナリストたちの躍動と葛藤、
希望に満ち溢れていたであろうコミューンと
その変遷というものが、歴史ドラマのようにも読めて面白い

ファシズムと共産主義との戦いともいえる中に、
二人は身を投じて、まさに命をかけて獲得する
地位とは、少し異なる、自分たちの居場所、存在意義といったものが
煌いてみえるようでとてもよかった

あっけないでもないが、最期は二人とも戦場に消えてしまう運命だけども
そこにいたるまでの二人の活動と、そこにあったであろう気持ちというものが
想像や妄想の類だろうけども、実にうまく補完されていて
奇妙な恋愛小説のようでもあった

二人が作り上げたもの、その功績も計り知れないけども、
写真を使ったジャーナリズムの嚆矢となったこと、
その功罪についても考えさせられて、
戦記というものに対する見方が変わるようでもあった
ヘミングウエイやウォーウエルまで出てきて
当時の一等文化人、いや、文士というものが
戦争を描いていた、そこに身を投じていたというのも興味深くて
ヨーロッパ戦線をまるで違った角度から読ませてくれた本でありました

【読書】パチンコ

2021-03-22 21:19:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
パチンコ  作:ミン・ジン・リー

朝鮮半島を日本が統治していた時代から始まり、
数奇な運命を経て在日コリアンとなった少女を中心に、
家族四代にわたる来し方を描いた小説でした

まるで朝ドラのような展開というか、
二次大戦を挟むあたりの東アジアはどこも
みんな貧乏で、そこから這い上がってきたということだろうかと
その当時のたくましい生き方と、苦難があり
家族の絆があったと思わされる内容だった

バックボーンのひとつにキリスト教徒という一種のカテゴリがあり、
決して、そこまで敬虔ではないものの、
神に祈る、ある種の犠牲を厭わない精神のようなものも見え隠れして、
様々なものを乗り越える強さや、たくましさを感じた

気高さというか、ある種曲げられない何か、
強い憤り、激しやすさといったものが、ありありと描かれていて
それが、民族性に帰するものではないとしつつも、
そのこだわりが、ある種の差別を想起させて、
その袋小路に思い悩むといった展開、
やがてそれが死を招いてしまうといった事件なんかもあり、
決して明るい話ではないけども、民族、血縁といったものから逃れることの
難しさを感じるものだった

面白かったというには重過ぎるんだけど、
つまらないとか、退屈なんてことはなく、
じっと読んで、うまく感想に昇華できないもどかしさを感じる小説だった
何かテーマがという抽象的なものよりは、
在日コリアンという存在とその歴史を物語の形にしたもの、
思想とか考えではなく、そういったことがあったという
そのフラットな内容がよかったように思う

ただ、ちょっとだけ気になったのは、
在日コリアンであることを隠して結婚していたというくだりがあるんだが、
それは日本の戸籍システム上、できない相談じゃないかなと思ったんだが、
このあたりが盛り込まれると、一層、この物語が描く、
特異的な歴史というものが立体化したのではと感じた

青天を衝け  栄一、胸騒ぎ

2021-03-21 21:04:13 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了しました
今回は、渋沢側の話が面白かった
やっぱり、幕末といえば、道場破りだよなと
あの田舎モノがどういう人か知らないので
今後どうなっていくか楽しみなんだけども、
なかなか派手な、わかりやすい殺陣で面白かったのでありました
突きであんだけふっとばすとか、ファンタジーだけど
見ていて面白いからいいなぁ
千葉道場へ伝ができるようで、なかなか面白そうである

そんな、日本総剣術大会みたいな感じになってきているところ、
幕府内もあれこれきな臭いというか、
慶喜のもうひとつ心が他人に理解されない感じがよろしくて
嫁ちゃんのヒステリーが、
不思議なものだと理解できない風なのを
さらり、母親から諭されて気付くというのが
とてもよかったように思うのである
自身がしっかりしないと、落ち着かないものなのだと
そういうのが理解できたように見えたんだが
どうなんだろうか、楽しみだわ
あと、姫様が可愛いなぁと、かんしゃくの起こし方を見ていて思ったのである

そして、風雲急を告げるというべき
阿部様の落命、完全に心労負担によるものだよなと
改めて思い知る次第でありました
あの頃の幕府なんて絶対見たくないだろうな、すげぇわ阿部様
このあたりから、安政の大獄とか、あれこれ
幕末っぽい事件が続くと思うと
なんだか楽しそうで仕方ないんだけども、
しばらく幕末モノとして楽しみたい、そういう空気になってきたのでありました

実際はその後の人なんだろうけど
やっぱり、血沸き肉躍る感じは御一新の前だよなぁ

【ドラマ】星影のワルツ

2021-03-20 21:19:01 | ドラマ映画テレビ感想
NHKでやっていました
単発ドラマだけど気合入っていたのと、エンケンさんの演技がよくて
凄い見入ってしまった、
震災のあれこれは正直苦手なんだけども、
話と、演技とに、完全にもってかれた感じで
凄いひきつけられたのでありました

実話ベースというのに驚いてしまったのだけども、
当時この話、そんなにニュースになってたんだろうか
全然記憶にないぞとびっくりだったわけだが、
その途中よりも、やはり、最初、津波がくる
そのシーンの印象、衝撃が凄いなと
見ていてそむけたくなるようなそれが見事でありました
ただ、夫婦二人が、部屋の端で、じっとしているだけなんだけど
間違いなく、津波が近づいてくるんだと
その一種狂気めいたものが、エンケンさんの視線の先に見えた気がする
作りすぎたわけでもない表情、だけど、目が凄い何かを見ている
そんな風に見えたのが、なんというか、凄いなぁ

その後は、まさかの漂流生活で、
あの時、正直なところ、原発やばいから、ちょっとでも気温下がれとか思っていた自分が
いかに、何も考えていなかったかよくよく知ったようで辛かった
あの状況で、寒さによって亡くなっている人もどれほど多かったか、
ドラマの中で、ちょっと濡れたりとかしてたけど、
あんなもん、実際は致命傷じゃないのかと思うほどだったんだが、
それを生き抜いたというから凄いなと
人間の強さを改めて思い知ったのでありました

物語というか、実際に、ああいった感じで心は動いていったのか
自分を奮い立たせていたのか、そこは訊ねることもできないけど、
それが命に繋がっていたとしたら凄いことだと
本当に感動したのでありました

最終的に、巡回していた海自に発見されたところは
あれでよく見つけられたなと、白い布団に白い屋根で、
なんというか、船側から見えないんじゃないかと思うようないでたちだったけど
本当、発見されてよかったと思わされたのでありました

あれからもう10年も経過したのかと
改めて思い知るばかりだけども
こんな奇跡もあったと、ドラマを見ることができるようになったのかと
誰がという話は考えず、自分の中だけを見て思うのである
月日は過ぎているな

【ドラマ】立花登青春手控え2

2021-03-18 21:03:13 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜時代劇でした
面白かったんだけど、1ってやってたか?
知らない内に2から見せられたような気がしているんだが
そうではないのかもしれない
ともあれ、楽しく時代劇を見られたのでよしとするのでありました

牢勤めの医師という変わった職業で、
その折々で事件に関わるという内容、
全体のつくりが、どことなく、池波正太郎シリーズっぽいと思ってたんだが
そうではなく、藤沢周平の作だそうで、どちらにせよ
いい時代劇だと、しっとり重々しく見られたのでありました

話は、人情劇であるところが多いけど
割と、苦難や苦悶、さっぱり解決ではないところで終わるのが
結構いいなぁと、ほろ苦いながらも、進んでいく感じで楽しかったのであります
最終的に罪人が改心を促されるという、そのきっかけは、
もう取り返しのつかないことによってであるというのが
暗いけど、時代劇という感じがしてとてもよかったと思うのであります

そして、何よりも殺陣
こちらが、医師先生の得意である合気というか、柔術的なもので見せているのが斬新だった、
斬りあいにならないという時代劇も面白いと、うなって見入ったのでありました
刀の殺陣は、できる人が減ってきたという昨今において、
この殺陣なら、結構な人ができるというか、
相手方が、勝手に吹っ飛んでいればそれっぽくなるから
とてもいいじゃないですかと、感動してみていたのでありました
とはいえ、それっぽくでも、ちゃんと動けないといけないのは事実なので、
このあたり、いわゆるアクションを頑張っていたんだなと
しみじみ見たのであります
でもやっぱり、チャンバラがみたいなぁという
わがままも書いておくのだが、
時代劇やってくれるだけよいとせねばならぬ

話は、毎回それなりに落ちていて何がということもなかったけど
最終回で、まさかの口吸いで終わるというのが
現代っぽくて面白いなと、ほんわか見たのでありました
あんなわけないけど、時代劇というか、ドラマなんだからこれでいいや
と、満足してみたのでありました
次の時代劇は、どうやらこれの続きになるらしいので
楽しみである

【読書】エクストリーム・エコノミー 大変革の時代に生きる経済、死ぬ経済

2021-03-16 20:43:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
エクストリーム・エコノミー 大変革の時代に生きる経済、死ぬ経済  
著:リチャード デイヴィス

極地における経済活動を調査した本でした
大災害の後、刑務所の中、超高齢化が進む村、かつて反映した町…
そういった、様々な場所で、実際に行われている経済活動を
詳細に調べた内容であります
著書内に何回も出てきたけども、人間というのは
基本的に経済を行う種族なんだと
改めて思い知らされたのでありました
経済活動というものが、通貨のようなものを利用して、
何かを流動させていくことになるわけなんだが、
当たり前に組み込まれているこの生き方が、
どんな場所でも開花するし、
また、それが正常に機能する場合と、そうではない場合、
それぞれで、どれほど差が生まれるか、
何がいけないのかが、考察もされているが、実例で示されているというのが
一番凄いところだと感じるのであります

面白かったのは、刑務所の中の経済で、
需要と供給が合致したとき、そこには様々な経済が発生すると
通貨の替わりになるものは、なんだってあるし、
その利ざやを稼ぐという行為を
実にうまく利用する人たちが、常に発生し続けているというのが
衝撃的でありました
賄賂というものでもあるんだが、刑務所の外から持ち込まれるというものが、
看守の、これまた、刑務所外の経済状況とリンクして、
その行為が行われている、これもまた、経済活動なんだと思い知らされて興味深い
あるものの価値が、刑務所の外と中で違うから、
その利益が発生しているというのは、考えてみれば
ごく当たり前なんだけども、それが生々しく蠢いていくというか
活動として、活性しているのが本当に不思議に思えたのでありました

こうした地下経済といったものが、災害によって滅びかけた町でも活躍していたり、
また、経済というそれこれは、或る程度古くなってきたら
一度崩壊して、最初から作り直したほうがよいということも
多分にあろうということがわかる内容ばかりで面白かった
経済もまた、疲弊というか、鈍化するし、
決してほっといて最適化されていくものではない、
何か恣意的なものが折り重なっていくようでもあるのが
これまた興味深い、神の見えざる手なるものは
本当は存在しないんじゃないかと思わされるほどでありましたとさ

日本からは秋田県の寒村がレポートされていて、
高齢化社会に向う現状、それが世界の未来、ある種の最先端だというのも
なんというか、考えさせられるところでありました
生きていくことと、経済をすることが同意義である
そして、物質資産もさることながら、
重要なのは社会的資産でもあるということを
突きつけられたようでありました
社会に組み込まれていないと、結局滅んでしまうのかもしれんと
思わされるばかりである

【読書】国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦

2021-03-15 20:57:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦  著:藤重太

台湾がコロナ対策としてどのようなことをしてきたか
それをレポートした内容でありました
台湾が行った施策の数々が、
いかに迅速であったか、また、周到であったかという話と
それを実現させた、政治、政府のありかたというのが本筋で
なかなか興味深い一冊でありました

すっかり有名人になった、唐鳳さんだけではなく、
蔡総統がどこかの演説で使っていた、みんなが英雄(ヒーロー)というのは
本当なんだなというくらい、官民一体といえばいいか、
全台湾人の結束というものがうまく機能していた結果だと思わされる内容だった
実際は、やっぱりそうではないという人たちもいただろうし、
あれこれあるんだろうが、結果としてコロナにほぼ完勝している、
あるいは、その向こうにある中国と有利に戦いを進めている
そんな風に見えるところが興味深かった

この機会を一気にチャンスへ変えよう
そういう気持ちがあったのか、あるいは、そうなってしまったのか
そこに意識がどのように働いたかはわからないのだけども、
明らかに周到に、そして、見事にコロナを利用して
台湾という存在が、認知されるための最善策が続いたといっても過言ではない
顕著なのが、マスク工場として、国家をあげて取り組んだ部分、
これが無駄施設とならないようにすぐに、輸出に切り替えられているという
そこで得るものの大きさとかも考えると、強かだと思わされるばかり、
まぁ、その恩恵というか、或る意味後塵を拝しているといった日本が
なんとなし恥ずかしくなってしまうんだが、
それはそれとして、鮮やかだと思わされた
さらに、もともと強かったITに関する部分が、
再度脚光を浴びていたりして、
コロナという事象によって、台湾の価値が凄まじく上がっていると
これを読んでいると思い知らされるような感じすらしたのである

まぁ、ちょっと持ち上げすぎではと思わなくもないんだが、
事実として、圧倒的に上手に乗り切っている姿があるので
ぐうの音も出ないといった具合なんだけども、
これにいたるまでの苦難であったり、
よいように見えていても、いくらかのほころびがあったりという部分も描かれていて
民主主義国家として若々しい姿が見てとれて
羨ましいというか、凄い活気だと感じたのでありました

パイナップル買わないとなぁ(そういう話ではない)

青天を衝け  栄一、揺れる

2021-03-14 20:47:15 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了しました
やたら、東湖のクローズアップが多いなと思ってたら
まさか、そんなオチで終わるとは
結構衝撃だなと思っていたのだけども、
得がたい人材というものを端的に見せたよいキャラクタでありました
もう退場は惜しい、惜しすぎる
せっかくだから、ちょろちょろ出てきてる家康と一緒に出てきてくれんだろうか

話は大半が政局というか、
江戸幕府が、あの頃、対外交渉でどうしていたかを
凄くわかりやすく書いていて、
ちょっと、斉昭を極端に書きすぎじゃねぇかと思うんだが
実際にあんな感じだったんだろうか、水戸の御老公やばすぎるだろう
時勢が見えていないにもほどがある
とか、思ってしまったりである
しゃらっと、幕末偉人の写真があれこれ出ている中で
遠めでもぱっとわかる、新撰組副長が輝いていたわけだけども、
あれは、また、この話の流れとは逆のほうじゃねぇかなとも思ったんだが
まぁ、いいか、農民代表だし

結局、姉様のキツネつきの話が、ながら見のせいか
よくわからなかったんだけども、
破談になったのが原因なのか、その前になんかあったのか
もう一回見直さなくてはと思うところでありました
最近、一回見ただけで、ちゃんと物語を把握できなくなってきていると
老いを感じるばかりでありました

と、まぁ、話としてはさほどに何がということもなかったけど、
この時期に地震の話があたるというのは
なんとも運命的なというか、狙ったんだろうかと思ってしまったんだが
天災で亡くすということの重みが、
それだけでなく伝わるようでもありましたとさ

次回、いよいよ将軍と出会うようで、
よくよく考えるとおかしな話だな

【映画】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

2021-03-11 19:45:02 | ドラマ映画テレビ感想
見てきた

世代的に第一世代の真っ只中だといえる位の年齢なので、
これもまた義務かという感じで無事見終えたのでありました
思ったのと違うというか、そういう終わり方なんだと
割とすんなり終わった感じなので、
満足しているといった体なのであります
当時の劇場版の衝撃から比べれば、かなりよいのではないだろうか

早速にというか、まだまだ熱量の高い人たちが
相当にあれこれ盛り上がるというか、考察をするという楽しさにふけっているようなのだけども、
それはおいといて、話の辻褄としては、今回はゲンドウのというあたりに
集約されていた内容だったように思うのでありました
そして、見ている側も、作っている側も、
多分、あれこれ経験したからこそのこの物語だったろうし、
そうだとすると、新規客おいてけぼりじゃねぇかとも思うんだが
リアルタイムで、これを体験し続けられたラッキーを喜ぶのでありました

惜しむらくでもないが、実際のところ、
自分が子供はおろか、結婚もしていなかったので
この映画を本当に最高の形で楽しむというか、共感することが
できないのがもどかしいのだけれども、それはそれとして、
とりあえずエヴァをなんとなし知っている分には見て楽しい映画だったと思うのであります

というか、動いているアスカとレイがいるだけでいいやと
まぁ、そんな按配でもあったような感じ
序盤は、シンジくんが、相変わらずうじうじしていたのが
やだなぁといった感じだったけども、
レイが、あの頃とは違うアプローチで世間に馴染んでいくという
ほのぼの展開を見ていられるというだけで、
ああ、なんかいいなぁと穏やかな気持ちになっていたのも確かでありまして
さらには、お約束のように復活したシンジと
その周辺のまたまた、ほんわかしたところも凄いよかった
こういうのが見たかったのかもしれんと、
なんか思わされたりしたのでありました

アニメーションとして、随所に凄いところがあったんだろうが
そういう素養がないので、そのあたりはさっぱりわからんまんまだったのだけど
結局のところ、テレビで見た、最終二話の補完であった劇場版という立ち位置を
前の劇場版から、ちゃんと作り直してくれたのが
Qとシンだったのではないかと思ったりすると、満足できたのでありました
やってること一緒じゃん的でもあったけど
とりあえずアスカが救われたようにも見えたし、
ゲンドウもまた救われたんだろうと思えば
よかったのかねぇという感じなのでありました

当然のように全部すっきり解決したわけでもない、
相変わらず謎めいた、それっぽい単語やら、なんやらが
いっぱい投げっぱなしで終わったようにも思えるのだけども
とりあえず、よかったなぁと
暗い気分で終わったあの頃とは違う
清清しい内容であったように思うので
個人的には、大変満足したのでありました

見終わってからのエンドロールを見ていて、
宇多田ヒカルの歌は、内容はよくわからんが映画にはマッチしてるなと感じて、
ふと、この作品、実は宇多田ヒカルの壮大なミュージックビデヲだったんじゃないかと
そんなことを考えたのである

アスカとシンジの関係の決着も、個人的にはいいなぁと思うというか
ネタバレで、あれこれ語る相手がいないのが惜しいなぁ

【読書】三体2 黒暗森林

2021-03-09 21:06:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
三体2 黒暗森林  作:劉慈欣

前作読んでから、時間が空いてしまったから
正直どんな続きになってるか、いまいちわからないままだったんだが、
強くて頼もしい、史強の兄貴が出てくるので
とりあえずヨシといった具合でありました
壮大なSF過ぎて、最後のネタバレじゃないけど説明独白がなければ、
読んだだけでは、理解できなかった
しっかり読み込んで楽しむべき小説だなぁ

外宇宙とか、そういうものではないんだが、
三体文明という、地球人類とは別の知的生命体集団が、
前作で、ここに地球人がいるから殺しにこいと
素っ頓狂なことを行ったところの続きになるはずなんだが、
その事態に際して、地球人として戦えることは何かあるか、
三体人というものと接触をして、
彼らが意思疎通に言語を必要としない、
思考がダイレクトに相手に伝わるし伝えられるという生態だとわかって、
人類の、いわゆる、考えていることと言ってることが違うという、
そんな一種のゆらぎというか、緩衝部分が存在しないというのが肝で、
とりあえず、そういうやつらが破壊にやってくるということは
交渉の余地はないから、なんとか頑張って抵抗する必要がある
そのためには、抵抗する作戦を黙って行える人物を作ろうと
面壁者というシステムを考え出す

そこに選ばれた一人の学者博士が主人公で物語が進んだのでありました

あれこれあって、正直、半分以上理解できないまま
まぁ、そういうことなんだろうと、宇宙の戦闘画面とか
想像するのが苦手なので、流し読んでしまったんだが
ともかく壮大な戦いをしかも200年にわたってという感じで描くのでありました
コールドスリープとかあるので、
割とあっさりと200年飛び越えて、
人類の科学レベルが飛躍的に向上していたりとか
なかなか面白いこともあったんだが、
やっぱり、読んでいてわくわくするのは、
科学技術が発展しても、最終的には人間そのもの、
それが徒手空拳でなんとかするという、史強兄大活躍のあたりでありました

あれこれ面白い部分もあったんだが、
最終的には、これはどういう物語か理解するということを
じっと考えながら読んでしまったので、あんまり、
物語そのものを味わえなかったのが残念だったんだけども、
地球外の生命体が社会を構成した場合
どのようになるかということのひとつの考えが記されていて
なるほどなと読み終えたのでありました
実際そうなのか、なんか、つっこみどころが多そうだけど
どうなんだろうかねと思ったり考えたりしつつ
とりあえず楽しかったからいいかと思うのであった

全体的に、独特な主義というか、一種のロマンにあふれていて
ある人が、ひとつの仕事のために命を賭けて散るということに
並々ならぬではないが、相当の美しさが見られて
この仕事をなすということへのロマンというのが
中華SFの真骨頂なんではないかと思わされたのでありました
自己犠牲とはまた別の発露として、
自分があったということの証明に強い憧憬があるのではと感じて
読み終えたのでありました

これ、まだ続きがあるとの話なんだが
発刊されることはあるんだろうか