CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】落英

2017-05-31 20:22:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
落英  作:黒川 博行

平たくいえば、刑事モノというジャンルの小説でありました
ミステリとか、サスペンスとか、確かにそういう要素もあるんだが
トリックがとか、迫り来る何かがといったことではなく、
存外淡々と事件を解いていくというか、
起きた事件を洗っていく、刑事の仕事を描いた小説かのような印象で
落ち着くところは、刑事という生き方、
そして、無常といっても差し支えないような
終わりが描かれた物語でありました
面白かったんだけども、小説の中だけの話であってほしい
そう願いたくなるような物語でありました

序盤は、覚せい剤を取り扱う悪党たちを一網打尽とするため、
その周辺の聞き込みや、張り込みを繰り返すことで、
じわじわと全体像を浮かび上がらせて、地道に捜査を行う姿、
この地道さが、なんというか、まったく華々しさがなく、
じっと、クーラーもない寺の部屋から眺めているだとか、
そういうのをやりつつも、今日はぐったりだから飲みに行こうぜとか
特に事件と関係はないのだけども、
刑事たちの仕事とプライベートというほどでもない
サラリーマン的な平日を描いているかのような感じでありまして
物凄く面白いとかじゃないのに、ついつい読みたくなるのでありました

やがて、この覚せい剤話が、思わぬおまけをつれてきて
そこからの展開も面白く、
新しい曲者刑事が出てきたりして、ヤクザとのやりとり、
利権やなんだかんだが見え隠れしながら、
地方に巣食う悪党といえばいいか、利用者たちとのやりとり
そして、知らないうちに、そうせざるを得ないといえばいいのか、
警察組織としての矛盾といえばいいのか、
刑事という仕事はどういうものか
読み終わって考えさせられるそれこれが突きつけられるようで
面白すぎたのでありました
本当に、ありそうな話だなんて思ってしまったんだが
関西に生きている身分として、大阪府警を舞台にしたこの物語は
なかなかどうして、怖いのでありました

よくよく、警察は菊の大門をつけた何某であるというのが
こういうことかもしれないなと
そんな風に思わされた一冊でありまして、
重い話なんだが、それでも、さらっと読めて、楽しかったのでありました

ただ、こういうところに出てくる刑事たちは
どうして、みんなせつな的というか、本当に仕事のために死ぬというか、
どうかしているやつばっかりなんだろうか
それが魅力でもあるのだが、何か、考えさせられたのでありました

冬の台南高雄旅行 26 高雄85大樓、そして帰国

2017-05-30 21:00:02 | 冬の台南高雄旅行(2016)
最終回であります
3日間の高雄台南旅行を満喫したわけでありまして、
いよいよ高雄空港から、関空までPeachで帰国という具合であります
とはいえ、そのまま帰るのは忍びない、ぎりぎりまで遊んでいこうと
ホテルから、ぼんやり歩いていますと


高雄85大樓
あんなでかいビルなのに、そういえばまったく見てなかったな
せっかくだし、登れるかどうか見てこよう
もともと大きなホテルだと聞いているので、台北101みたいなわけにはいかんだろうと
期待せずに近づいていく


思ったよりも、本当に大きいな…
聳え立つとはこういうことかと、首が痛くなるほど見上げてみる
凄いすごいと興奮しながら、とりあえず入り口らしきところから中へ

写真は無いのですが、実際に中に入ってウインドウショッピングとは
聞こえのいい、見てるだけを敢行してきたのでありました
どうやら、展望台には登れたようなのでありますが
流石に時間がなさ過ぎるので登らず、珊瑚やらヒスイやら売っている店を
流し見て終了したのでありました
次回立ち寄ったときは登ってみようと思うのである


さて、高雄85大樓の近くにひとつ大きなお寺さんがある、その名も、高雄意誠堂關帝廟
そう、もうひとつの関帝廟であります
街中のお寺さんというわけで、先に行った高雄関帝廟よりは小さいのですが、
それでも十分の迫力、というか、箱型で、よく見かけるお寺さんとは趣が違う
とはいえ、中身はだいたい同じでありまして


金ぴかだとか

仏像やら

線香台がある

月曜日の昼ということで、ほとんど人もいないで、静かに過ごすことができ、
大変満足だったのでありました
心も静かになって、いよいよ思い残すこともないかと
残り時間が迫るなか、せっかくだから最後に何か食べ物はないかと
近くで見つけ出したのが


いかにもな食堂である


大腸麺線(ダーチョウミェンシェン) 40元
これで食べ治めだなと、しみじみ食べる
高雄で麺線というのもおかしな感じだなと、勝手に思っていたのでありますが、
食べてみれば、やっぱり麺線は台北のほうがうまい気がすると
一人ごちたりしたのであります、思い過ごしのような気もするんだが
ともかく、あっさりした食べ物と、何よりも、久しぶりの香菜の香りに満足したのでありました
そうだ、今回は全然香菜を食べられなかったな

いよいよ帰国というわけで、地下鉄で高雄空港まで移動する
あっという間のことで、空港の中で何か食べるものでもないかと
ちょっと探してみましたが、残念ながら見つけることができずに、
みやげを物色して、空港内を観光したのでありました


空港内にもある、三鳳宮
ミニチュアでありますけども、高雄の名所なんだなと改めて思い知る


そして、あのトランスアジア航空のカウンター
栄枯盛衰といっていいのか、いつも使っていた
馴染みの航空会社であったトランスアジアでありますが
このとき、ちょうど会社が崩壊した直後でありまして
カウンターはあるものの、申し訳書きが記してあったのである
もうこのカウンターも撤去されていることでありましょう
なかなかいい写真を撮ったと思える


そんなわけで、ゆるり高雄空港を楽しんで、
ゆったりと帰国の途についたのであります
特にこれという事件もなく、スムースに帰国できましたのでここまで
長々、お付き合いありがとうございました

次はいったい、何時いけることか

【読書】三鬼 三島屋変調百物語四之続

2017-05-29 20:54:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
三鬼 三島屋変調百物語四之続  作:宮部 みゆき

どうもシリーズだったようで、
いきなり4巻から読むことになってしまったのだけども、
非常に面白く読み進められました
やっぱり上手い作家さんは、途中から読むとか
そういうのは関係がないのでありますね
物凄く引き込まれて、わくわく読んだのである

内容は、三島屋という袋を商う大店の箱入りお嬢さんが、
色々あったらしく、引きこもりになっているところ
その暇を生かして、市井の様々な不思議話、変調百物語を聞いていくと
そういうものでありました
基本的に台詞で進んでいくというのに、
物凄くありあり風景や、やりとりが浮かんで
舌を巻くというか、驚いてばかりの読書体験でありました

話は、怖い話と、笑い話と、しんみり話と
これまた、バランスよくありまして、
ただ、記憶に残るというか、凄い考えさせられた
あるいは、迫力を覚えたのは表題作でありまして、
棄民の村のようなところでの、
どうしようもないしきたりが生んだ鬼の話で、
こういう、昔話めいたものの裏にある何かを
この話は、現代っぽく語るのではなく
やはり、異形は異形として、そういったもののけがあるのだと
ある種、納得はできないような話なのに
そういうものかなと、これは日本人的なんだろうか
あるいは、牧歌的と呼ぶ何かなのか
皆目検討もつきませんが、怖い、そう思わされたのでありました

実によくできている物語というべきか、
不思議な話の数々で、昔話というのは、こういうものだよなと
少し難しい話も混じるのだけども、なんとも
物悲しいことだとか、怖いことだとか、人間社会の裏が
ぎゅっと詰まっているのが
面白い、読みたくて仕方ないと
しみじみ思い知ったのでありました

てっきり、現代劇的なトリックがあるのかなと読んでいたんだけど
それがなくても、納得できるというか、得たいのしれないものの存在が
面白く感じられたのが、白眉の一冊だと思ったのでありました
面白かった

おんな城主 直虎  ぬしの名は

2017-05-28 20:47:33 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」
視聴完了であります
今回の副題は、あれか、君の名は。なのか、どうなんだ

と、どうでもよいことに気をとられつつ
楽しく見終えたわけでありますが、
まぁ、相変わらずというか、ちょっとずつ話は進んでるんだが
もうちょっと内政っぽく見せるなら、
ハートフルなのもいいんだけども、
ちゃんと治水やるだとか、なんとかないのかしらと
思ったりなんだったりなのでありました
いや、よくよく考えてみれば、市場開拓して売り込みしてと
えらい殿様だなと思う内容なんだが、
どうにもなぁと感じてしまったのは、
盗賊とのなにかれが、ファンタジーに過ぎたせいでありましょうか、
あんなわけあるかと、思わずつっこんでしまいたくなる内容で
頭を抱えてしまうのであるが、
まぁいいや、もうこのさい

そんな文句たれながらも見てしまうのが私の悪いところながら
今回の件も踏み台にしつつ、着実に直虎がよい領主として
成長していくのだろうと思わなくもないんだが、
なかなかゆっくりやっとるなという感じを覚えたのであります
まぁ、なんだかんだ、とりあえず5ヶ月ほど過ぎつつあるのだから
そろそろ動いていくというか、歴史に塗れてもらいたいなぁと
願いつつの視聴を続けていくのでありました

しかし、NHKが柳楽さんを使うときは
どうして、ああいう役になってしまうんだろうかなと
ヒロインにちょっかい出す役に
違和感というか、そういうのじゃない方向で芝居を見たいなぁと
思ってしまったのでありました

さほどに語ることもなくという感じだが
がんばって見続けるのである、なぜがんばるんだ俺

NHKスペシャル 和食 ふたりの神様最後の約束

2017-05-27 19:40:46 | ドラマ映画テレビ感想
最近、飯が上手そうなテレビが多くて
見ながらおなかをすかしているとかいう、
哀しいところなんでありますが、
その筆頭に数えてもいいくらい、なんと美味しそうなんだろうと
感動した番組としてひとつ

NHKスペシャルでありました
人間ドキュメンタリな感じで、語りの樹木希林さんがまぁ、すばらしくはまっていて、
そして、実際ドキュメントされている二人の神様と呼ばれる人が
すばらしいことこの上ないと感じたのでありました

和食の最高峰と呼んでいいのかしらんが、
寿司とてんぷらにおける、最上級の二人が、
お互いの店を通い合ったりしているという話だったわけで、
まぁ、実際そうだったんだろうけども、
この漫画みたいな関係が凄いなと
番組の出来すぎ感とともに満喫してしまったのでありました

長々、あれがどうしたという話もなく、
ただただ、寿司とてんぷらが旨そうだったと
それだけでも十分なくらいの内容でありまして、
実際、料理人としての二人、
それまでの道程と、これから、どう仕舞いがくるかという話が
少しずつ見えてくるんだが、
それを吹き飛ばすというではないが、
やっぱり二人の手仕事、手技の数々が素晴らしくて
撮り方もうまかったんだろうけども、
ぜひとも食べてみたいと思わされたのでありました

寿司が沈む

これをわざわざ、カメラで撮ったのも凄いし、
検証のためにMRIで透視しているあたりが、もうNHKの素晴らしさが
いい塩梅で発揮されていて、大変満足でありました
実際、あんなのすかすかの舎利は、はたして美味しいのだろうかと
疑問に思わなくもなかったんだが、
あれくらいで、冷たい刺身との組み合わせとなったら
大変美味しい寿司を満喫できるんだろうなと
のどが鳴るのであります、本当に旨そうで仕方なかった

一方、てんぷらのほうも凄かった
店主が既に70過ぎているけども、それにしたって
若造という扱いだったせいか、あまり長く映していなかったのが
残念でありましたけども、
度肝の抜くというアナゴのてんぷらの旨そうなことといったら…

さくっ、という香ばしい音に加えて、
ふわっと湯気があがる、あの映像のたまらんこと、たまらんこと
さくさくなんだけど、中はふっくらして、それはそれは旨いアナゴに違いないと
見ているだけで食べた気分になれるような
素晴らしい映像に釘付けだったのでありました

その他の、創作された新しいてんぷら種も凄い旨そうだったし、
正直なところ、てんぷらを食べさせてくれるという店を
よく知らない身分としては、ああいうところで一度
「おまかせ」ないし、「おきまり」を注文して食べてみてぇなぁと
池波正太郎気分を味わえそうなことを感じたりしつつ
たまには、ああいうNHKスペシャルも乙ですねと、
江戸っこっぽい語り口でしめつつ

ともかく、食べ物が旨そうな
それでいて、職人の人生を考えさせる
実にいい番組だったと思うのでメモっておくのである

冬の台南高雄旅行 25 高雄站と芒果砂冰

2017-05-26 20:32:20 | 冬の台南高雄旅行(2016)

たたずむわんこ

さて、帰りの飛行機の時間も気にしつつ、
名所っぽいところもだいぶ廻ったし、高雄站から美麗島站まで歩こうかと
もっさり移動を開始します、ぶらぶら高雄の街を散策


キリスト教系の協会
意外と目に付くといっていしまっていいのか、
台湾にも結構な数のキリスト教の教会がある様子でありまして
台北でも立派なのをいくつか見たなと思い出したのであります
確か、日露戦争の英雄の一人明石もキリスト教だったのでなかったかしらね



旧高雄站
話には聞いていましたが、現在の高雄站と別に旧制の高雄站があるとの話
それがここでありました、大変残念なことに中に入れなかったのでありますが
日本統治時代からの建物だとかそうでもないとか、
ともかく昭和の香りがする古い建物を遠めに見て満足するのである
中入りたかったなぁ、そろそろ工事が始まるだろうから
もう見られないと思うと残念である

さて、歩いていよいよ美麗島站に到着する
ちょっと前に紹介しました、高捷少女の写真を撮りにやってきたのでありますが
それを終えて、つと、この近くに旨い店があると聞いたのを思い出す



圓環肉燥飯
ここだここだ、朝飯をさっき食べたばっかりという感じのようにも思うが
まぁ、肉燥飯くらいなら余裕で入るだろうと早速注文
肉燥飯(ロウツァオファン) 30元
蛤蜊湯(クリータン) 50元
発音が怪しいので真似しないでほしい(しないよ)、
ハリータンだと思ってたんだが、台湾語でもハマータンと呼ぶんだそうで
見た目と発音が一致せんなぁと思うのである

さておき、ハマグリスープこと、蛤蜊湯が非常にうまかった
よく出汁がきいてて、素晴らしいスープでありました
肉燥飯の方は、てっきりルーローファンだと思ってたんだが、
もっとあっさりした感じので、正直物足らない
やっぱり、肉の煮物系は台北のほうがいいのかしらなんて感じてしまったんだが
種類が違うんだから、そもそも違うものなのである
がっつりくるものではなかったけども、大変満足だったのであります


ホテルを引き払うために一端寄宿
ついでに、優越感の通りでマンゴーシャーベットを買ってきた
芒果砂冰 60元
これを買うのにえらい一苦労をしまして
発音が、「まんぐぉしゃーぴん」だと思って、何回も言うんだが
どうにも「万国下品」と聞こえていたようで、怪訝な顔をされて、
最終的には指差しで「芒果砂冰」が出てきたのでありました
正しい発音がなんだったのかは、結局わからないのだがいいのだ

12月にマンゴーが食べられる(飲んでる)とは
流石だねなんて感激しつつ、いよいよ帰り支度を始めるのであります

【読書】闇の守り人

2017-05-25 20:16:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
闇の守り人  作:上橋 菜穂子

守り人シリーズ第二段であります
図書館で、テケトーに並んでいるから、どれが次のシリーズか
よくわからんままだったのでありますが、
どうもこれで合っているようで
しばらく追っかけていきたいところであります

さて、内容としては、チャグムとの件が終わったバルサが
故郷であるカンバル国へと向かうという話で、
読んで驚いたのでありますが、ドラマでは完全になかった話で
これはひょっとすると、編集の都合上、次の最終シーズンで
この話拾うんじゃないかと感じて
衝撃というか、読むのをもうちょっと後にしておけばよかったかもと
感じたりしたのでありますが
今回、大変楽しめたのであります、精霊の守り人よりこっちのほうが好きだなと
素直に書いておきたい

完全に主人公はバルサで進み、バルサの過去、義父と呼べるジグロの話
そして、カンバル国の闇というものが描かれていて
大変面白かったのであります、非常にファンタジーなんだが
武人がいっぱい出てくるし、わかりやすい悪党というか
こすっからい計略と、それに抗おうという姿が面白くて
大変くすぐられたのでありました
基本的に、若くて正義感の強いものがいる
正しいということを幼いなりに全うしようとするという
そんな少年たちが、いくらか出てくるのが
また魅力的というか、冒険活劇であるなと思わされるのだけども
そういうのを相手にしつつ、のらりくらりというでもない、
老練にいなしていくバルサという構図が
なんというか新鮮といっていいのか、
自分の年齢から、バルサのほうに移入してしまうわけで
主役だけども、もっとも正しい位置にはいない
そういうのはもっと若く、明るい人物がいるという感じで
描き方がうまいなぁと感心しきりなのでありました

内容も、より冒険ものといっていいのか、
ファンタジーの世界観が、よく伝わってきて
謎の地下帝国やら、そこにいる闇の狩人だとか
王道的冒険小説の魅力がたっぷりでありまして
恥ずかしながら、わくわくして読めたのであります

特に、殺陣のシーンについて
闇の中で短槍で舞のように戦うというのが
いやー、かっこいい、特に凄い描写じゃないんだけども
白熱の、思わず見守ってしまう素晴らしさがあったんだと
思わされるようで、これもまた
うきうきして読まされたのでありました

と、少年の心をまだ失っていない自分にも驚きつつ(違うと思う)
なんだかんだ、このシリーズをしっかり読み解いていこうと
ひそかに誓うのである

【読書】精霊の守り人

2017-05-24 20:00:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
精霊の守り人  作:上橋 菜穂子

ようやく読めました
児童文学の金字塔と聞いていたので、
図書館に絶対設置されているだろうとうろうろ探したんだが
本当にキッズコーナーにしかないなんて知らず、
えらい時間がかかったというか、キッズコーナーに近づくのを恐れたと
それが正解なんだけども、ともかく、心に決めてようやっと読んだのであります
非常に面白かった、それと同時に、これは児童に理解できるのかと
疑問にも思ったのである

話としては、ドラマも見たし、アニメも見たと
それと同じでありました、
新ヨゴ国というところで、精霊の卵を産み付けられた皇子が
数奇な運命によって、女用心棒とともに旅をするといえばいいか、
なかなかの感動巨編なのであります
読み終わって、そうか、ドラマやアニメはだいぶ話しの展開が違うんだなと
当たり前といえば当たり前のところに驚いたのでありますが
小説のほうも、非常に面白かったので
このあたりはそれぞれよかったと思えるところであります

この物語に限ったところでいえば、
主人公はバルサのように始まるけども
実際はチャグム皇子が主人公で、彼の成長物語として、
12歳くらいの多感な少年が、様々な苦難を経て強くなっていく
何よりも、大人になっていくといった姿が
ありあり描かれているのが見事なのでありました
この少年の王道的な歩みが、児童文学としても立派なものなんだなと
読み終わって、胸が熱くなる感動を覚えたのでありました
素直に読み進めて、へんな衒いもなく、面白いのでありました

成長の途中で、仮の母ともいうべきバルサとのやりとりが
丁寧で、アニメやドラマは、よりバルサに寄った描き方に見えたので
母性みたいなのを読み取れたように思えていたのですが
これは子供が、母に求めるものを言葉にせず描いて、
まわりがどう支え、少年がどう生きようと思ったかと
まぁ、こんな立派な子供はなかなかおらんなぁと
思ってしまう感じが、子供が見ても
かっこいいから、ああなろうなんて思ったりするんだろうかと
考えさせられたのであります

いや、でも、ああいう英雄的な子供像は
子供からすると嫌いだよなぁなんて、元子供として
考えたりもするんだが、
ともあれ、名作を読んだという感動が胸に残ったのでありました

冬の台南高雄旅行 24 高雄の朝食と三鳳宮

2017-05-23 21:40:11 | 冬の台南高雄旅行(2016)
高雄の朝食で有名な店といえば、もちろんこちら


興隆居であります
高雄の朝に行列を作る店としてきわめて有名で、
ここの肉まん(包子、割包など)は筆舌に尽くしがたい
まさに垂涎の食べ物であるということ
月曜日の朝で、仕事の人たちがはけたであろう9時過ぎくらいに到着
少々なら並ぶことも厭わないぜといきまいていきますと


休業
公休日と、日本人にもきわめてわかりやすい張り紙がありました
どうりでひっそりしてると思ったわけだよ…、物凄くうなだれてしまったのだが
ふと隣を見ると、賑わっている同じような朝食屋さんを発見


果貿來來豆漿
なんだか、いや、物凄く美味しそうな匂いと結構な混雑っぷり
こっちが休みだから繁盛しているのか、負けないくらいの名店なのか
そのあたりはわかりませんが、おなかもすいたのでこちらの店で何か食べようと物色


せっせと、肉まんを蒸しながら、次々とやってくる客を軽快にさばいていました
じっと眺めていたら、おおよそタイミングがつかめたというか
テケトーに自分で肉まんとかをトレイに乗せて、レジで計算してもらう仕組みのようなので
難しくもなく、さくさくと朝食を購入したのであります


包子 13元×2  蛋餅 15元
高麗菜包(キャベツ肉まん)と韭菜蒸包(ニラ肉まん)でありまして、
どっちも絶品、もしかしたら、どっちかが煎包かもしれませんが
ともかく13元で食べられるとんでもなく幸せな一品でありました、凄い旨いの
ニラ肉まんのほうは、春雨とかも入ってて、味付けも優しく素晴らしい
そして、台灣卵焼きこと蛋餅、こっちはボックスに入っていたんですが
これもまた、ほどよい塩味でうまい
実に素晴らしい朝食という感じになったのであります
店の前に小さいテーブルがちょっとあるだけでしたが、
大半が持ち帰り客なので、特に問題なく座って食べることができました
非常にありがたい、というか、めっちゃ旨い
もう一回何か買おうかと思うほどで、蒸したて、焼きたての朝食というのが
こんなに旨いものかと感激ひとしおであとにしたのであります

朝食も無事終わったので、さらに観光をすすめていこうと
高雄でもうひとつの名所、三鳳宮へと向かいます
ここから歩いて30分もすれば到着できるだろうともくろんでのこと
朝食が旨かったこともあって、軽やかな足取りで向かいました


謎のお宮
これは三鳳宮とは違うところなのでありますが、
行く道すがらで唐突に出会った、なんてことのないお宮であります
正直、このお宮がどこにあったのか、今となっては思い出せないのだが
朝食食べてから、三鳳宮へ歩いていく途中で発見したことだけは確かであります
ここの何が凄いって


光る舟
ちょっと驚いてしまった、神輿みたいなものなのか、
これはアレか、宙舟というやつなのか?衝撃のかっこよさというか迫力に感激
ついつい見入ってしまったのであります


舟にまつわるお宮だったのは間違いがないようで、
こんな感じの模型なんかも展示されていて、さほどに大きなお宮ではありませんでしたが
大変楽しめたというか、いいものを見たと思ったりしつつ先を急いだのである


そして今度こそ、到着した三鳳宮であります
高雄でも有数の巨刹でありまして
何が祀られているのかはまったく知らないが、どのガイドブックにも
高雄といえば出てくる代物、なんか凄いんだろうといきまいて突入


おししとマスコット
どうも、このマスコットが三鳳宮と密接に関係していると思われる
そこかしこにこのマスコットがいまして、
おそらくは祀られている神様か武将か何かのキャラクタなんだろうが
もう一人、紫色のやつもいたりで、なかなか楽しげでありました
ちなみに背中が、ガンダムのバックパックみたいになっててロボットめいているのである
謎すぎる
最初は三国志の呂布でも象ってんのかと思ったけど、祀るほどじゃねぇしなぁ


ガイドブックによく見られる構図でちゃんと撮ってみる
台灣のお寺で、この赤いちょうちんがずらっと並んでいるシーンは
簡単に絵になるからステキだわと惚れ惚れするのでありますけども、
広い境内に、こんなのがひしめいておりました


中には、当然のように神像が祭られていまして
これが表のマスコットと同じものなのかもしれない


さらには、お釈迦様もおわしまして
霊験あらたかな感じなのでありました

朝早くから、仏像ばっかり見ているせいか
ちょっと飽きていたというのは否めないのでありますが
広々として、清清しい高雄の朝を満喫できたのでよしとして
観光地を見尽くしたとして、高雄站へと移動します

【読書】アガサ・クリスティーと14の毒薬

2017-05-22 19:41:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
アガサ・クリスティーと14の毒薬  著:キャサリン・ハーカップ

ミステリの女王アガサ・クリスティの小説に登場する
様々な毒薬について、そのシーンと実際を解説した本でありました
マニアックな本だなと思いつつ読んだのですが、
アガサミステリの副読本として、なかなか興味深い一冊だったと
思えたのであります
ただ、私が、アガサ作品をほとんど読んでいないということを除いて

と、まぁ、古めかしい文体で書いてしまいたくなる内容ながら
非常に興味深い一冊でありました
大学生くらいに読んでいたら、なんらかの道を間違えた可能性もあるなと
そう思えるほど、毒薬についてきわめて詳細な記述が見られる本であります

実際にアガサ作品内でどう使われていたかというところと、
その巧みさを賞賛する内容には驚かされるばかりでありまして、
アガサという人は、本当に薬剤師としても一等だったと思えるほど
大変精通していたんだそうでありまして、
この影響で、いくつかの事件が起こったんじゃないかと
疑われたのもさもありなんという感じであります
その逆に、このおかげで、異変に気付いて助かった人もいたらしいと
後から出てきて、この本の作者が
なみなみならぬアガサファンなのではないかと思えたところであります

作品の内容は案外少なく、大半は毒薬についての効能というか
どういう作用が、どんな化学式によって行われるかと
ちょっとした科学読本の調子で展開して、
さらには、これを実際に利用した犯罪や、事件なんかの紹介もあって
毒薬が関わる事件について、
えらい詳しくなってしまったと、この本を読んだだけで
何かしらの疑いを抱かれるのじゃないかと
そう思えるような豊富、そして、深い内容に満足したのであります

まぁ、読んだからといって、実際に使ってみようなどと思うはずもないのでありますが、
砒素というものが、大変有用な毒薬で、昔から使われていたんだなと
歴史的な側面も見たりして、非常に面白かったのでありました
砒素、シアン、アヘンのあたりが大変面白くて、
どれも、その当時はありふれていたというのが
人類史といっていいのか、薬学の歴史を紐解いたようにも思えて
楽しめたのでありました
今現在、大丈夫と思っている薬も、そのうち危なくなるんだろうなと
容易に思えるようなところが恐ろしいけども
なかなか示唆にとんだ内容でありました

一点、タリウムを使った事件の詳細が、
凄くどっかで聞いたことがある話にそっくりだと思ったんだが、
昔からそういう人がいるのだなと思わされる
この部分だけでも、日本で読む価値があるかもしれないなんて
思ったのである

おんな城主 直虎  第三の女

2017-05-21 21:41:55 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」
視聴完了であります
これはもう、大河ドラマじゃなくていいんじゃないかな
そんな風に思ってしまったのであります
朝ドラだったら、すげぇ楽しく見られているのかもしれない
そんな風に感じるんだが、いや、これはこれで
面白いといえば面白いんだけども
歴史を、歴史ドラマを見たいと渇望してしまうのである

で、特に歴史イベントは進むこともなく
新しい土地の話が紹介されるために
亀の昔の何かが暴露されるというお話でありました、
腫れ物に触るような感じの井伊の人々が
凄い面白かったというか、
ああいう展開は嫌いじゃないなぁと、わかりやすい悋気の話で
楽しく見られたのでありますが
ずっとこういう調子だから、シリアスの後とかにやってほしいなぁと
ちょっと思ってしまったのも確かであります

まぁ、こんなしょーもないことで、
まさかの本妻と仲直りとかいう展開も
どうなんだと思わされたのでありますけども
死せる直親~のくだりは、うまくいっているようで
そんなことねぇよと、鶴に言いたくなるような具合でありました
つっこみながら見るにはいいドラマなんだが
そういうのじゃないんだよ

と、正直それくらいしか感想が浮かんでこなかったのでありますけども、
不幸女っぷりコントみたいなのを貫地谷で見られたというのが
一番楽しいところであったと
正直な感想を書いておきつつ、また来週であります

NHK土曜ドラマ  4号警備

2017-05-20 22:31:27 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜ドラマの冠だからと期待しすぎてしまった
30分の枠で、1話解決ものは難しいなぁと
見ていて思い知らされたのでありますけども、
役者はいいし、NHKには珍しいアクションだしと
なんだかんだ楽しんでみていたのでありますが
全体的には、ちょっと、話に無理があるよねと
そんな印象で終わったのであります

何がというと、きりが無いとも思えるのでありますが、
話の筋、なんかステレオ的な悪意と、
それに対する、これまたステレオ的な反抗みたいな感じで
ちょっと申し訳ないが、あまりにもお粗末ではないかと
思ってしまう内容でありました
実に胸糞悪い展開が多くて、そのあたりは
ある種成功していたようにも思うのでありますが、
その胸糞悪さが、どうも子供のいじめのような内容で、
まぁ、だからこそなのかもしれんと
擁護することもできるんだけども、
簡単に答えがでない問題を扱ったんだから、
もうちょっと、なにがしかの悩みだとか、答えだとかを
示してほしかったなぁと感じたのでありました

とりたてて楽しい話でもなかったけども、
壇蜜がDVに悩んでいるという、もうぴったりのキャスティングと
木村多江の怪演といっていいのか、とと姉ちゃんとまったく違うキャラクタが
個人的に物凄い見所でありました、いやー、女優さんは凄いなぁと
改めて思い知るわけであります
とと姉ちゃんのときは辛気臭いなぁと思ってたけど、
やっぱり美人だよなぁ木村多江

そんなわけで、ドラマとしてはどうしたもんだろうと
そう思ったのですが、役者さんを見ている分には
新しいキャラクタを演じられている人が多くて
面白かったなという印象なのであります
偉そうなレビウだ

冬の台南高雄旅行 23 高雄関帝廟

2017-05-19 23:21:35 | 冬の台南高雄旅行(2016)
三日目、帰国の朝であります
昼過ぎの便で帰国のため、午前中を有意義に過ごそうと
目をつけていた、関帝廟へと向かいます
朝の風景写真とかもあったんだが割愛、
地下鉄で三多商圏から技撃館站まで移動して、歩いて近づいていきます
おおよそ30分くらいで到着


普通の町並みに、突然表れる門扉
結構な大きさであります


高雄関帝廟(武廟)
三国志で有名な関羽を祀った廟であります
ここは、その他にもたくさんの仏さんや神様が祀られていまして、
かなり見ごたえのある場所でありました


廟前の広場に赤兎馬だと思われる像もあったり


謎の西洋甲冑の像もあったりして、
なんなのかよくわからんが、奇怪な感じがわくわく感を煽ってくれる


まず、廟に入って最初に目に入ったのが
この金の牛の置物であります
背中にしょってるのか、当時の金を模したものだと思うのでありますが
どういう言われかわからんが、ともかくそこそこの大きさの物体であります


阿修羅像
流石台灣、金ぴかである
日本のそれとはまったく別のもののようにも見えるけども
仏像、いや、神像にあたるのかわからんが、迫力の一作でありました


続いて、出てきたのがこちらの老人群
なんかの神様だと思われますが、こういう感じで
次々と神像やら、仏像やらが出てきて、
なんとなし、女神転生の世界に入ったかのような異世界感を堪能できる
ちょっとテンションがあがってきた


このほか、謎の美女
女神的なもので、鬼子母神とかなのか、あまり詳しくないのでわかりませんが
薬師如来みたいな薬壷というか、瓶を持っているのがステキ
これ以外にも結構な数の仏像、神像がいたんだが
似たような絵面になるので割愛しまして、さらに上階へと移動していきますと


関羽、関平、周倉の像
これがとてつもなく大きい、この廟のメインだと思われる神像であります
見上げて、その迫力に驚きながら、ありがたやと頭を垂れてきました
朝が早いせいでもありますが、誰もいない
駐車場にいっぱい車がいたのに、人がいないというのが不思議だけども
まぁ、そんなもんかとあまり気にせず、
さらに、あっちこっちを見て回ります




メインはやっぱり仏像シリーズ
阿修羅よりも腕の数が多い神様、お釈迦様、そして女性に大人気の月下老人
月下老人のところには、恋人との永遠の愛を誓ったんだかなんだかの
山のようなお供えや、金色のお札みたいなのがみっしりで、
信心の深さというか、強い情念みたいなのを感じたのであります


三国志っぽい壁画も、天井絵というか、欄間みたいなところに
掲げられていたんでありますけど、暗いのでうまく撮影できず
桃園の誓いだけわかったので、掲載しておくのである

このほか、地下スペースにお宝が埋蔵してあって、
そっちが観覧可能と玄関口に書いてあったのですが、
朝早いせいか、あるいは、期間限定でしか解放してないのか、
立ち入り禁止になっていたので見ることがかないませんでしたが、
なかなか楽しく、充実して過ごすことができたのであります

満足したので、続いて、朝飯を探しに名店へと向かうのである

【マンガ】キン肉マン 完璧超人始祖篇

2017-05-18 22:47:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
先日、とうとう最終回を迎えました
佳境になるにつれ、人気がどんどん上がってきていたので
最終回間際には、それなりに話題となっていたなんて
思ったりするわけでありますが、
あのキン肉マンの新シリーズが連載されていて、
先日それが終わったのであります

うだうだ、私ごときが語ることではありませんけども、
私が小学生くらいの時分に大人気を博していました
キン肉マンの続きが、数年前からネット上で連載が始まり、
毎週の月曜日更新に一喜一憂するという、
当時少年だった、現在のおっさんどもが、月曜日のジャンプで一喜一憂していた
あの日のままにといった感じで盛り上がって楽しむことができた
素晴らしい漫画でありました

あれから30年近く経ってんじゃないかと思うのですけども
当時よりも俄然迫力が増した絵と、
当時と変わらぬ熱い展開に、本当、感動してしまったのであります

セルフオマージュめいているともいえるのですが、
往年のシリーズを知っていると、その展開かと
思わず膝を打つような内容が、ごろごろと出てきて、
少年の心を取り戻したおっさん達が狂喜乱舞する始末になっておりました
正義超人と完璧超人の戦いと見せて、
悪魔超人も乱入し、正義超人、悪魔超人の混成チームと完璧超人という戦いに、
このあたり、特に悪魔超人が出てきたときが
物凄い面白いというか、かっこよくてたまらなかったのであります
ネタバレになってしまうんだが、
ステカセキングとか、ブラックホールとかがかっこよすぎて
しびれてしまうのである
リファインでもないが、絵がかっこよくなったために、
あのプラネットマンですら、お前誰だよというくらい
シャープで、強そうな超人に変わっていたのが衝撃的なんでありますけども
当時を知る人間にとっては、懐かしいやら面白いやらと
たまらない時間を過ごしたのであります

と、懐古主義者ばかりが喜ぶ内容かといえば、
当然そんなはずもなくて、新しい超人たちも魅力的で、
むしろ当時のよく知った超人よりも、きわめて強い個性と強さが
プロレスとしても伝わってきて、大迫力だったのであります
この年齢になって読み進めて感じたのでありますが、
キン肉マンという漫画は、きわめて正統派のプロレスをしているんだなと
いや、「正統派プロレス」とは何かという定義が面倒くさいので
あんまり触れないほうがいいわけなんだけども、
軍団同士の抗争があって、変則のタッグマッチがあって、
攻守の交代があって、必殺技(フィニッシュムーブ)があってと、
テンポよく、凄く楽しんで話を理解できるので
すばらしすぎるなと、拍手喝采だったのであります
子供の頃には気付かなかったけど、よくできたプロレス漫画だよなぁ

次々と、新しい必殺技が繰り出されていくのがカタルシスといっていいのか、
わくわくが止まらない感じでありまして、
特に、ブロッケンジュニアに新技が出たときなんか、
なんてかっこよさだと、王位争奪戦のブレーメンサンセット以来の感動を味わったのであります
あの技も、物語としても、必殺技としてもかっこよかったが
今回のも素晴らしかったのである

今回の物語で、金のマスク、銀のマスクについての謎というか、
それにまつわる様々なことが解決したというのが
一番驚きというか、素晴らしいことでもありましたが、
彼らが完璧超人の始祖であったという話が、
凄くきれいに終わったので、本当の意味でキン肉マンが終わってしまったと
ちょっと寂しくなったりしたわけでありますけども、
本誌によると、6月からまた、新しいシリーズが始まるということなので
そっちもおっかけてみたいななんて思ったりしつつ

新超人募集に、○○さん(35才)とか記載されているのを見て、
全国に似たようなおっさんがいっぱいいるんだなと
ほっこりして過ごすのでありました

大変面白い漫画なので、見かけた人はぜひ読んでほしいなどと
書いておくのである

NHKスペシャル 巨大水中洞窟を潜る 絶景 オルダ“水の宇宙”

2017-05-17 22:06:20 | ドラマ映画テレビ感想
ネイチャー系であります
これを見て初めて4Kテレビの必要性を感じてしまった
いや、そうするためにやったんだろうけど
してやられたという感じでありました
すげぇ迫力というか、物凄い映像だった、
もっとクリアに見られるんならぜひ見たい、これの再放送を
ひっそり各地のNHKで延々4Kモニターで放映しておいてほしい
そう思うような内容だったのでメモっておくのである

内容は、ロシアのウラル山脈の地下にある水中トンネルのお話で、
古代パンゲアとか呼ばれる頃から、ずっと沈んでいるんじゃないかと
時間が止まった洞窟があるというお話で、
スプリガンとかが出てきて、ひと悶着ありそうな
大変楽しい内容でありました

まぁ、実際は、とんでもなく寒い最中に
水中撮影を超がんばって行ったというドキュメンタリだったと言っても
よいような感じでありまして、釘付けになって見届けたのでありました

番組内容というか、一番大切な部分は
どうやっても、映像で見ないと伝わらない
もう人間が浮いているとしか思えないような
物凄くクリアな水中を泳いでいく、その水中洞窟の神々しさというか
なんか圧倒される迫力みたいなのが素晴らしくて
ただただ、見ているだけで感動すると
そんな具合だったわけでありますが

個人的に面白かったというか、もう、番組作るために
無理やりやったんじゃないかというような、
後半の機材トラブルのシーンが秀逸で
これはいつだったかの、ブラジルの原住民との遭遇と似た
見ているこちらにも伝わる、撮影者の恐怖がひしひし画面から漏れ出していて
物凄く面白かった、そして疲れたのでありました

場面としては、なんてことはない
ゆっくりと狭い水中洞窟を進んでいくというところ、
途中で機材が寒さで不調をきたしたのか、ブザーが鳴り始める
それでも撮影を続行して前に進もうとしていると
いよいよブザーの警告音が酷くなって、
何かと思うと、知らないうちに酸素が足らなくなっているというハプニング

そこからのあわてて戻ろうとすると、沈んでいた泥が浮き上がって
まったく回りが見えなくなったり、
なんとか転回を試みてみると、ごつごつという音とともに
どこかにひっかかって、方向転換ができない映像が続く、
ちょっとした手ブレみたいなのと、無機質なブザー音、
そして声もなく、じたばたしている映像という
なんとかプロジェクトの予告編を彷彿とさせるような恐怖演出
実際恐怖だったんだろうけども、
それが見られたというのが肝だったと思うのであります
あれは酷いというか、死が間近に迫る感じは凄いな、超恐ろしい

おかげで、凄い綺麗だった景色のことが
ちょっと印象として薄れてしまったと感じたのだけども
大変面白い番組だったので、メモっておきつつ
NHKの容赦のなさというか、なんか怖い部分を見たようにも思えて
なんだか楽しかったのでありましたとさ

これに比べると、同じ週の日曜日にやってた寿司とてんぷらの話が
これはこれで人情物としても、食ものとしても秀逸だったけど
安穏としているなと感じたりしたのであります