CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】いのちなりけり

2015-08-31 20:48:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
いのちなりけり  作:葉室 麟

結構前に発表された作品ですが、
手に入ったので読み終えました
いい時代劇を読んだ、そういう読後感で
久しぶりにとっくり、この世界に浸れたと
非常に満足しておる次第であります

舞台は、水戸光圀公が元気な頃というか、
ちょうど隠居して、日本史の編纂を始めたあたりと
まぁその時代くらいでありまして、
そこに鍋島藩の内輪もめ、本家竜造寺との因縁なんかが
非常に面白く絡み合って、
そこに連なる侍たちの生き様と、
一組の夫婦を描いた作品でありました
とても全うで、すごく楽しめたのであります
いい時代劇だ

そんな感じでありまして、
この独特といっていい、江戸の世界観、
武士の生き様というのはフィクションだとわかっていても
こういうのが好きだ、こういうのを読みたかったと
わくわくしながら読んでしまったのでありますけども
武士として生きるということへの探求が
随所に哲学めいて現れては、
それぞれ、どう考えてもよいというのがステキステキ
たまらんという具合でありました

また、殺陣の描写も非常によろしくて、
これはもう、時代劇で映像として見たいなんて
興奮して読んでしまったくらいでありました
個人的にツボな、小柄を使った殺陣とか、
いかにも時代劇的な小技が光る光る
それでいて、大掛かりな殺陣が、
ほぼ一閃で終わるようにあっさりと描かれていて
これもまた、魅力的すぎて
くらくらしてしまったのであります
すれ違いざまに、ぱっと白光がきらめくだけで、
相手が倒れて、そのまま斬り手が去っていくとか
もうかっこよすぎてたまらん
いいなぁ、これ本当、いいなぁ

そんな感じでありながら、
男女というほど生々しくもない、
それでも愛というのを、まったく愛という言葉を使わずに
こうではないかと示しているというのも
見事だなと惚れ惚れするほどでありまして
よい時代小説を読んだと
感激をメモっておくのでありました
よかった

花燃ゆ  孤高の戦い

2015-08-30 20:38:28 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
高杉クローズアップ回ということは
もうお迎えが近いということか
そんなことを思わされたりする回でありました
ちょっと描き方が違うんじゃないか、
すげぇ慕われているから、あんなではなかったというか
むしろ、嫁御がわがままにすぎるんじゃないかしら
なんて思ったりしてしまうんだが、
どうだろうか、現代劇すぎやしないかしら

そんな苦言から入っては身も蓋もないのでありますけども
序盤に、まさかの兵法指南を文がやって、
感嘆を見舞われるというのが、なんというかな、
まぁそう描くだろうとは思いつつも
あまりにも、ままごとっぽすぎるだろうなんて
目を覆ってしまったのであります
もっとこう、女としてのというのは
描き方があったろうと、近く似た題材で
描いていた作品を思い出してしまうので
なんとも、悲しいのであります
この作品で、それは向かないとわかっているからこそ
もうちょっとあったんじゃないかしらと

さておいて、それはそれでありながら
小田村の兄さまの病気報告のあたりは
なかなか長州っぽくてステキだわと
面白く見られたのであります
あれは、どれほど怖いことだったかが
もうちょっと伝えてほしかったと
望んでしまうところでありました

とはいえ、これもまた、
若干ぶれてるといってはアレなんだが、
結局日本のためか、長州のためかみたいな
そういう話に、いや、もともとは
日本のためという大儀をふっていたのに
結局は長州がというあたりに落ちているのは
ある意味、そのとおりだったのだから
皮肉でもあるかしらと感じたりもするんだが
なかなかどうして

結局、物語としては着々と試練をこなして
成功をおさめていっているので、
それはそれでわかりやすくていい話しだと
思ったりもするのでありますけども
この上がりは、長州の崩壊でもあるので
どうなるんだろうと、ちょっと楽しみであります

それはそれとして、井上真央はうまいなぁ

【読書】フランス人は10着しか服を持たない

2015-08-29 13:06:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
フランス人は10着しか服を持たない
 パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣
  著:ジェニファー・L・スコット

題名が長い
さておいて、アメリカ人女性が書いた
フランス人の生き方についての本でありました
なかなか面白かったというか、
アメリカ人には衝撃だったんだろうというのが
ありあり伝わって面白いものでした

断捨利でもないですが、必要なものだけで生活する
必要なことだけをするということを
とても自然にこなしているフランス人は、
ステキに見えるという話を
アメリカの消費生活に堕落していた著者が
驚きをもって受け止め、それで変化したという
そんなエッセーだったわけでありますが
書かれている事実については、
日本人でもわりとそんな感じだよなと
思わなくもないところが多くて、
なんとも不思議な気分でありました

もっとも、これを読んでいると
むしろアメリカ人の消費っぷりがすげぇなと
あんな体型になってしまうゆえんも
わからんでもないと思うほどでありまして
間食のありかた、お腹が空くことがないという生き方
あとは、やたらものを買っては置いておくという
消費に支配された生き方というのは
だんだんと、浸透してきている
現代人っぽいそれだよなとも思いつつ、
こうなってはいかんななどと
反省させられたりしたのであります

書いてあったことは、毎日の質を高めるため、
本を読んだり、おいしいものを食べたり、
有意義に過ごすための朝の準備だとか、
なんだろうか、いわゆる、意識高い系的な
それこれであったようにも思うのですけども
学んでというか
見習っていきたいとも思わされたのでありましたとさ

【読書】ヒポクラテスの誓い

2015-08-26 20:49:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
ヒポクラテスの誓い  作:中山七里

じっくり読もうと思ったら
あっという間に読み終えてしまった
テンポよく、とても読みやすくて、わかりやすい
楽しめた小説でありました

いわゆる検死に関する医療サスペンスでありまして、
ミステリ要素も少々あるけども、
もっぱら、死体からどうやってヒントを見つけて
事件を解決するかといった具合で、
ある種、火曜ドラマめいた匂いもするような
わかりやすい小説でありました

エンターテイメントに徹しているというわけでもないですが、
わかりやすいキャラクタが、どたばたというでもないけど、
動いているのがわかるかのように、
物語はころころと転がって、問題が解決というか
解かれていくというのは読んでいて
気持ちの良いものでありまして、
するする進んでしまったのであります

若干、説得シーンとかに無理がないかしらと
思わなくもなかったのですが、そこはもう、
マンガみたいなもんだと割り切って読んでいけば、
ほとんど気になることもなく、
面白いキャラクタと、ちょっとした成長劇、
意識の変革みたいなのが感じられて
楽しいひと時を過ごせたのでありました

サスペンス部分も、結構楽しくて、
ミステリとしては、あっという間に解決するし
謎が謎というほどでもなかったりするので
濃い楽しみ方はできないものの、
あれよあれよと読みたいときには
大変頼もしい一冊だと思われるところ

なんとなし、続刊ありきではないかと
ちょっと思わなくもない展開で終わってしまうのは
少々考えさせられるのですけども
なかなか楽しく、読み終えたのでメモっておくのであります

【読書】間取りの方程式

2015-08-25 21:27:27 | 読書感想文とか読み物レビウー
間取りの方程式  著:飯塚 豊

ちょっとした豆知識でも手に入ればと
家を買う予定もないのに、
間取りをどうやって作るかの本を手に取りました
思いのほかしっかりした本で、
建築を学びだした人なんかにも
ずいぶんとよい本なんだと知って驚愕したのであります
えらいものを読んでしまった

とりあえず覚えた知識としては、
半地下扱いでガレージがある家は地雷であると
これが一番でありました
知り合いの家がこれなんだよなぁ(酷い)

よく考えてみれば、それはその通だなと
資格を重ねて作ることや、
ちょっとした動線について気をつけることだとか
なるほど、それがよいだろうなと思いつつも
さりげなく、賃貸用の部屋をあれこれ見てみれば
これに合うようなのは、なかなかないとなると、
案外、よいというのは難しいことなのかしら
あるいは、わざとそうしてないのかしらとか
色々考えさせられたのでありました

とりあえず片屋根で、サイドの天窓があり、
2階がリビングで、家の中央に階段があると
このあたりがよいのではなかろうか
そんな風に思わされたのでありました
あとは、中二階みたいなのをうまいこと作るのも
なんだか楽しそうで実用的に見えると
思ったりなんだったりなのでありました

個人的にはガーデニングというか
植物を育てたいと考えているので
明るいベランダ、ないし、バルコニーははずせないと思いつつ
間取りを考えるだけでも
案外楽しいもんだなと、違う楽しみを見つけて
満足したのでありました
持ち家は夢でありますね

【読書】名探偵の掟

2015-08-24 19:07:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
名探偵の掟  作:東野圭吾

楽屋落ちを前提としたような、
なんかしっくりこない小説でありました
いわゆる普通の話だと思って読み出して
大きく肩透かしを食ったのであります
違う、そういうのを書いてほしくない、そうじゃない作品で
そういうことを考えさせてほしいんだ

そんなことを思ったりしながらも、
せっかく読み始めたからとあっという間に
最後まで読み終えたわけでありますが、
どうも読み手の力量というか、思い入れによって
評価がかわるんだろうなと思われるほど
相当のお約束というか、錬度が試されるそれでありました
あんまりというか、ほとんどミステリの素養がないから、
そういうお約束があるのかーとか、
ぼけらったと読んでしまったわけですけども、
そういうことを考える読者との戦いと思えばこそ、
この稼業も大変なんだろうなと
なんか、気持ちがしぼむような感想を覚えてしまったのであります
そういう大変さめいたものは
伝わってきたような気がせんでもない
実際は、そういうギャグだと
開き直ってるのかもしれませんが、
もうそこまでいくと、わけわかりません

で、読みながらこれはまぁ、
深夜ドラマでぎりぎり再現できるかどうかといった
そういう内容だよなぁなんて感想に書いておこうと
さっき、念のため調べてみたら
案の定深夜ドラマになっていたようでありまして、
これはもう、むしろ、それを狙った宛書という
何重かによるアイロニーなんだろうかと
これまた、考えさせられてしまったのでありました

ともかく、推理小説あるあるを読ませるという
独特のそれだったので、着眼点はステキなんだけども、
なんだろうかな、それは、そういう問題に対する解答ではなくて、
挑戦でもなくて、なんといったらいいか、
場外乱闘めいたものだなぁなんて
ともかく、しょんぼりしてしまったので
メモだけしたためておくのでありました

でも、体系化されたトリックやあらすじの理解は
なるほどなぁと、素直に勉強となったりしたのであります
そういう分類で読むという方法もあるのだなぁなどと
思ったわけであります

花燃ゆ  薩長同盟!

2015-08-23 20:45:34 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
薩長同盟でありますけども
どちらかというとメインは、椋梨どのの処遇と
お世継ぎの小姓問題でありましたな
それはそれで、まぁそういうオチだろうなと
うすうす気づきつつも見ておりましたわけですが

内容は、久しぶりに出てきた桂さんが
いよいよ藩政復帰というお話で、
ぐっと幕末っぽさがあがる、というか
幕末最大のイベントといっていい、薩長同盟が
なんか急に立ち上がった感じでありました
やっぱりなんというかな、あらかじめ知っているわけだけども
毎回同じ感じになってしまうとはいえ
どうしても、少しくらい説明入れてほしかったと
思わなくもないところであります
だいたい、桂さんがどれくらい偉い人なのか、
椋梨とどうだったとかも気になったりするんだが
どうなんだろうかしらね

そんなことを言っていても始まりませんゆえ
そのまま見るわけでありますけども
あとは、先週で退場準備が整っていた父上が
見事な最期を描いておりまして
ここの長塚さんの演技が見事すぎて感動でありました
あの年を食った感じの演技、それをフォローする
わざとらしい家族の様子はまぁ、そんなもんだなと思うものの
本当に年を食ったんだなという説得力が
まったく違って恐ろしいほどのことでありました
あの目と、しぐさというか、表情といえばいいのか
なんとも、ぐっと締め付けられるようでありました
素晴らしい

さておき、あとは、約束通りというか
そろそろという感じで高杉に死のおはちが回ってきた描写
そして伊藤がそれを見ているというのが
まぁ、いいなぁと約束事をこなすように見て
満足していたわけでありました
あと二回くらいで、高杉も退場なんだろうか
ひっぱってきた人たちが9月前に
全部退場って大丈夫なのかと思ってしまうんだが
緊張してみていきたいのであります
というか本当、毛利家ってどうなっていくんだ

【読書】限界はあなたの頭の中にしかない

2015-08-22 10:48:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
限界はあなたの頭の中にしかない  著:ジェイ・エイブラハム

自己啓発的というほどでもないんだけども、
内容はそんなところでありました
なんか形而上的な表現が多いというか
心構えのような内容が多くて
もっともなことなんだが、
抽象化が激しいので理解が難しい
わかったような気分になれるだけだと
自分の学のなさを憂えたと
そんな読後であります

表題についてあれこれ
書いてあるのかとも思いましたが、
ほとんどそんな話はなくて、
限界を決め付けているからどうだという
論調なんかはまるで見られず
あるヒントから学ぶことはいくらでもできると
もっと前向きというか
いい話だったように思われたのであります
本当の表題がどうだったのかわからんが、
このタイトルは違うんじゃないかしら

方程式めいた話としては、
改善点は掛け算で効果が現れてくるので、
ちょっとずつ改善を積み重ねれば
膨大なよいことが生まれるという
先日読んだエッセンシャル思考とは
別の視点だと思われるそれでありました
反証ではなく、こういういいところがあると
二つの論点を整理できたようで
うれしくもある

とりあえず読み終えて
なんか得るものがあったか、
あるいは行動を変えられるかと
前回と同じ反省をしてみると
やはり、何もどうにもなと思ってしまうあたり
読み物として面白いんだが
行動を変えられるほどの力は
私には届かなかったと思うのでありました
でも面白かったからよいのであります

【読書】銀翼のイカロス

2015-08-19 21:41:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
銀翼のイカロス  著:池井戸 潤

久しぶりに半沢シリーズを読みました
おそらくシリーズ最新作
銀行員として、かつてのナショナルフラッグシップを
なんとか更正させようと、
その矢先から、政治に巻き込まれて
大変になったと、まぁそういうお話でありました
企業再生的な話かしらと読み始めたけども
結局、いつものとおりの推理小説でした
これはこれで楽しく、見事だと
読み終えて思うのであります

そう、何作も読んだわけでないけども、
この様式美といってはあれだけども、
非常に安心して、なによりも先へ先へと
気になって読み進めたくなる内容
話の筋道が非常に面白いという印象でありました
次々と難題というか、問題が起きて
それを撃破していくわけでありますけども、
どの場合も、相手のちょっとしたミスが
いきなり致命傷になってしまうと
そういう感じでありまして
多少ドラマチックすぎないかと思いながらも
それが痛快で、楽しいというのが
魅力的な小説だと思い知るのでありました

しかし、今回は政治家をあれこれ出してきて
それが、なんというか割と連想しやすいというか
そんな事実はなかっただろうけども、
非常にアテやすいキャラクタで描かれておりまして
これは映像にならないかもなと
いらんことを心配したりしつつ
さりとて、楽しく、また、官僚について
考えさせられたりもしたのであります

できれば、JALを意識したような
企業内の改革について読んでみたかったかなと
思ったりしながらも、そういうのは
ジャンルが違うのかもとも思ってしまいながら
ともかく、楽しく終えたのであります

【読書】エッセンシャル思考

2015-08-17 20:47:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
エッセンシャル思考  著:グレッグ・マキューン

あっという間に読めました
また役に立つ系の本だったのでありますけども
これまで読み続けてきた
数多くの本が語っていたことを
まさにエッセンシャルにまとめたかのような
そういう気分で読み終えたのであります
この考え方自体はとてもステキだし好きだわと
感心しきりであります

シンプルにいこう

というそれをどうやって体現していくか、
拡散分散ではなく集中でいこうという
一極集中という考え方なわけでありまして、
私はいたくこういうのが好きなんだが
多分私が好きなそれとは別でありまして、
本当のエッセンシャルな感じというのが
書かれていたように思うのであります
ただ、私には読み解けていない

そんなことはさておいて
要諦は、選別することという話で、
どれが出来るだろうと考えるのではなく、
一個だけ選ぶならどれだと
選別することに重きを置く、ここに集中するというのが
ポイントであるように読めたのであります
なるほど、その通でぐうの音も出ない

そして、その集中のためにどうしたらいいか、
まぁ集中できるようなパターンを作る、
そもそも集中せざるをえないような外的要因を獲得する
トリガーを、さぼってしまうきっかけを
逆のパターンに当てはめて、
ともかく集中できるようにしましょうと
そんなことが書かれていたのであります

あとは、あれもこれもが無理な理由として
トレードオフについて言及されているのはステキで
これもまた、だいたい勘違いしてしまうんだけど
この話だけ聞いていると選択最高と
思ったりしてしまうのでありました
実際はトレードオフじゃない部分を
そうだと判断してしまいそうであるのだけどもね

やってみる価値あると思いつつも
たぶん、どれもできないで終わるなと
結局こういう段になると
最終的には個人力量を超えられないなと
読んだだけで満足を脱出できない
いやな手ごたえを覚えつつも
非常にわかりやすく、読みやすい一冊に
満足したのでありましたとさ
できるといいけど
まぁ、難しいですな

花燃ゆ  花となるために

2015-08-16 20:44:15 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
完全に見方を間違えていたと
そんな反省を思ったりしてしまったのですけども、
そうか、文の立身出世を楽しむべきであったか
このターンの見方がそれだったとしたら
もうちょっと、違う楽しみ方があったと
今日、ひとつあがりを見て思い知ったのでありました
これはこれで、凄いといったらいいのか
面白いななどと思ってしまう

しかし、それはそれ、本当に期待していたのは
長州のごたごたでありましたので
椋梨殿の終わりがもうちょっと劇的であってほしかったような
そう思えてならないのでありました
失脚したんだけども、そこにいたるルートが
この物語ではどうも弱いのだよな
どうして、反対派がうまいことやれたのか
なんというかなもうちょっと
説明をしてほしかった

と、そう思ったりしながら
戦シーンもないままといってはアレだけども
梅太郎兄さんのおかげで無事丸く収まる
というか、梅太郎兄さん凄かったんだなと
改めて衝撃を覚えたというか
あの一家、実際のところどれくらいの人たちなのか、
藩主と会えるほどだったのか本当にと
ちょっと驚いてしまったのでありますけども
なかなかどうして、おさまったという話でありました

そして次の長州征伐に向かうといった
そういう時勢になってきたわけで、
そろそろ幕末っぽさに拍車がかかる
いや、その前に高杉が死ぬのかと
あれこれ指折り歴史を数えつつ
見守っていきたいと思うのでありましたとさ

明治入ってからどうなるやら
見当もつかないので、それはそれで楽しみなんだが
どうなんだろうか

【読書】紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす

2015-08-15 15:42:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす  著:武田 砂鉄

批評本というのでいいのか、
世間のあれやこれやについて、
どうであろうかと、思うところを書きつづった
エッセーでありました

こういう本で書かれていることについて、
何か書くというのは、やっぱり難しいと
読んでいて、メモりながら考えてしまう
何かに文句をつけるではないが、
いや、その文句をつけるというのと批評とは何かとか
そういう話のようにも思うんだけども、
どうだろうか、なんか、個人的にはしっくりこないと
思ってしまうのだが、書かれているよくない例に
自分は入ってしまうのかしらと
感じてしまうと、これをどう書いて、どうするかと
あれこれ悩んだりするのも
なんか違うな、という、結局、
批判されていた、ふわっとした感じで
ごまかして、お茶を濁すような逃げ方をして
御満悦なそれなんだろうかと
考え続けてしまうのである
ああ、やっぱりよくない

そんなわけで、全面的に反対の立場ながらも、
それをうまく反対だと、同じ土俵で対話できないというのは
確かにそうであるなと感じたりしつつ、
重箱の隅をつつくように、結局ここで書かれている批評は
そのまま、この本で書かれていることでも
なぞられていないかなんて思ったりもしてしまう、
何かに権威をきせて、うまく話題をすりかえるではないんだが、
どうも、序盤で否定していたことを
今まさに否定される側として、まったく同じことをして
堂々巡りしていないかと感じたのも
確かであるけども、それも狙い通りに書いているのか、
あるいは、とりあえずなんかけむに巻いておけばいいかと
思いのほかテケトーに書いてんじゃないかとも
読めなくもないような、どうにも、
どうなんだと疲れる読書をしたのでした、
そこまで考えるきっかけを与えたからよいとか、
そういうのも、なんか加担するようでいやだなと
本当、どうだかな

いけませんね

【読書】紙の動物園

2015-08-14 13:14:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
紙の動物園  作:ケン・リュウ

久しぶりに小説を読みました
そこはかとなく話題になっておりました、
ハヤカワのSFであります
いまだ、SFというジャンルをよくわかってなかったのですが、
今回のこれでわかった、とか、嘗めたことを
書いてしまうのであります
いや、物悲しい感じだけどすごい楽しかった
星新一的というか、こういうのを
SFというのでありますね、宇宙的とか、未来的とか
そんな感じで、不思議な世界観が
ぴったりと落ちてくるというか
ともかく楽しめたのであります

短編集でありまして、いくつかの不思議な話が
中華風味を交えつつ、さりとて未来や機械や宇宙やといったところで
テーマも重く深くといっていいのか、
考えさせられるそれこれで面白かった
少々哲学めいている、世の中への皮肉めいたものを
やわらかく、嫌味ではなく突きつける感じで
読んでいてなるほどなぁと思わされたりしたのであります

事故犠牲めいたというではないけども、
人生というか、生きることの命題に挑んだような
命とか、時間とかに問題をなげかけるといった作風が多くて
多くの興味をそそられたのでありました
なにせ面白かったのだ

アジア出身ということもあってか、
極東の話がいくつか出てくるのも面白く
また、if物といった歴史めいた短編なんかもあって
考え方、ボタンのかけかたで、いくらでも
不思議で面白い小説、そしてテーマがつむげるのだと
ただただ感心しきりだったのでありました

どれもこれも面白かったと思いつつ、
生きることと、正直であることとか、
ともかく読んでいて暗いとすら感じることがあるような
思いつめる内容に、妙に引き付けられて
読みこんでしまったのでありましたとさ

五回目の台北旅行 3 松山慈祐宮と台南陽春麺

2015-08-12 20:54:04 | 五度目の台湾旅行(2015)
さて、夜市もみっちり楽しんだということで、
ついでながらというと失礼ですが、
門前のどでかいお寺をお参りしようと
寄ったのが、松山慈祐宮でありました




ともかく大きい、そして豪壮でして、
確か四階建てだったと思いますが、
龍山寺とは違った、縦に大きなお寺であります
中では、荘厳な雰囲気とともに、
お経といったらいいのか、独特の祈りの声が
わんわん、そしてドラがじゃんじゃんという感じで
アジアにいるなぁと満足だったわけでありました


上階では、祈りをささげる専門の人と思しきそれが
ひたすらに唱えておりました、ありがたい


そして、屋根飾りの一つだと思われますが、
ほぼ間違いなく呂布、奉天画戟がかっこよすぎる
相変わらず、三国志人気も台湾のお寺では高いよなと
感じつつ


呆けててほとんど判読できませんが、
関羽を神様筆頭として、なんと周倉と関平の名前が…
凄いな関一家が絢爛かざられておりました


そして、これがおそらくは関一家
ありがたいことこの上なかったのであります

このほかにも、様々な神様が祀られておりまして
どれもこれも凄い、さらに上階では、
高僧といったらいいのか、偉い人が座りながら
説教をするところと思しき演台のような場所まであって
ともかく凄い迫力というか、煌びやかだったのでありました

お寺めぐりに満足して、いい加減に夕飯を食べようと
ふらふら夜市を反対方向へとつっきり
目にとまったお店に入ります


台南というだけで旨そうだと思いつつ、
いまさらながらに後悔したのですけども、
麺の店なんだから、それを食べるべきだったと
猛烈に反省しつつ、頼んだのは前回味をしめておりました



酸辣湯(30元)と水餃(50元)でありました
結局夕飯は、400円未満といったところで、なんというかな
貧乏旅行でもないんだから、もうちょっとちゃんとしようよと
思ったりしたのであります

味のほうは可もなくというと失礼な感じですけども、
あっという間に食べられて、満足な内容でありました
こういうのばっかりだらだら食べ続けるという
そういう旅がよろしいのでありますね

終わって、一日目を終えたのでありました

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【読書】不運のすすめ

2015-08-11 21:25:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
不運のすすめ  著:米長 邦雄

先日の羽生先生の本に続いて、今度は米長先生の本
そしてくしくもというか、たぶん
そういうめぐり合わせの本だったんでしょうけども、
同じ対戦、つまり、名人位をかけたあの勝負について
こちらは、米長サイド、負ける側のそれで
描いてあって、大変面白かったのであります
これと、羽生先生の本と
やっぱりセットで読むべき本でありました

と、そんなわけで、あの大決戦について、
米長先生に油断があったという反省が
またもう、先生らしいと思ったりするわけですが
不運と呼ぶものは、どこがどうであるか
それは自分が決めるのだと
様々な踏み込みをして、泥を被ることもいとわず
誤解についてもじっと耐えてと
さまざまに経て、得たものは大きいというのが
この本の趣旨でありました
凄い面白かったし、人間的な魅力があふれている
なんて、本当の先生を見たことないので
騙されているのかもしれないと思いつつも
その軽快な筆さばきを堪能したのでありました

生き様について、また、それまでの生い立ちを振り返る部分では
それこそ羽生先生と真反対というか、
生意気も度が過ぎるという具合だった様子ですが
実際それに実力が伴い、そしてという感じだったから
これはファンも多ければ敵も多い生き方だなと
まざまざ思い知らされたのであります
凄い、これは生きるという力が違う

その跳ね返りが呼んだのか、
毎日新聞と朝日新聞との間で起きた
名人戦問題なんかは、とんでもないことだったんだろうと
その半分くらいは、先生の人柄が呼んだんじゃないかと
思わなくもないのですけども
それもまた魅力だろうと思い知るのでありました

真骨頂というか、ピークを過ぎてから
もう一度自分を立て直した、作り直したという部分については
本当、尊敬を抱いてしまうそれでありましたし、
そこに羽生先生も弟子というではないが、
塾生として参加していたというのもなかなか
楽しそうというか、凄いことだよなと
ひとつの時代を作った人であったことを
伺うのでありましたとさ

やはり対局の話、勝負の話が面白いものの
人間としての何かという部分にも
ずいぶんと深く触れていて
非常によい本でありました
面白かった