CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】赤と白

2016-06-28 20:40:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
赤と白  作:櫛木 理宇

エロそうな表紙につられて読みました
ああ、読むんじゃなかった
そう思うほど、なんというか、久しぶりに陰鬱な気分の小説を
もっさりと読んでしまったと感じるこのごろであります

のっけから、よろしくな末路が待ち受けると
そんな小説だったわけでありましたが、
その陰惨な最期について、誰がそうなるのか
そこがミステリになっていたといえばいいのか、
いや、読んでみると、もう誰がなってもかまわんなと
思わなくもないといったらいいのか
ともかく、なんとも、どっしり重くのしかかってきた
描かれた世界観にあった
重い湿った雪のような、降り積もる何かを感じたのであります

ちょっと理解に苦しいというと、
無理や無茶を強いられるようでありますが、
男の、それも中年の私が読むには苦しいというそれ、
だと思いたいところ
女子高生には、よくあることなのか、そうでもないのか
そういう世界観というか、
友達だとか、考え方だとか、過ごし方だとか
その仲にあるどろどろとしたような、
当たり前にあるような
なんとも言いようの無い、恐ろしいものが
いきいき描かれていたのでありました
怖いよう

4人の少女が出てきて、
それぞれが、それぞれに背負うものといえばいいか、
どこか歯車が狂った境遇であって、
陰鬱とした冬空の下で、その黒く淀んだものが、
どうにか押し潰れていく様が、
小説として描かれていたわけでありました
何もいいことがないといってもいい
なんということだろうかね

そんなわけで、好きな人にはばっちりはまる小説というか
題材であろうと思うものの、
今の私には、これはちょっと重たかったと
読書趣味がすっかり変わったなと
改めて思い知らされたのでありました
物語は明るくあってほしいなんて、ここまで思っていたとはと
自分の心を知ったように思う
読後であります