CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【テレビ】ストーリーズ 羽生善治〜天才棋士 50歳の苦闘〜

2021-04-29 21:06:58 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの短編ドキュメンタリ番組であります
定期的に将棋の話題を取り上げてくれるから
いいなぁと思いつつ
今回は羽生さんを取り上げてきたかと固唾を呑んでみたのでありました
ここ数年の苦闘の様子が見られればと思っていたんだが、
ほのぼのと筋トレしている姿が一番印象的だった
体力つくりに精を出していただけるのは
絶対プラスになるだろうと、勝手に思い込んでしまうんだが
まだまだ、がつがつやって欲しい

と、そんなことを思いながら見ていたんだけども、
羽生さんの震えについては、もう、代名詞みたいになってるけども、
改めてその様子を撮影していて、かつ、指し手だけではなく、
終わってからの扇子をしまう所作にまで出ていたのは
結構衝撃的でありました、
身体的な反応だから、どうこうと語るものではないんだろうけど、
何か、象徴的に思えてしまうというか
勝つことへの恐怖みたいなものがあるんじゃないかと
勝手に思ってしまうようでありましたとさ

羽生さんについては、強くあって欲しいという
外野というか、自分のような勝手な願望が重しになってんじゃないかと
またまた、それを起点にいらんことを考えてしまうんだが
そういうのとは離れて、ただ将棋をという姿勢であるんだろうか
このドキュメンタリだけではまったくわからなかったんだけども
若い世代の台頭、AIの生かし方といったところを
どのように進めていくのか
研究相手が、木村先生だったのが、一番驚きだったんだが
かつての米長先生みたいに、今の若い人たちと研究会みたいなのを
やって欲しいような、でもそういうタイプではないのかなとも思ったり
ともかく、はらはら見たのでありました

数年前の、あれこれやっていた頃、
それが何かに影響すればという話がいいなとも思えたんだが
筋トレしたから筋肉がつくという話とは違うというのが
解りやすくて、研究手がよいというのとは
話として違うものなんだろうなと思えたのでありました

最近は、渡辺名人ですら、記憶力勝負みたいな言い方をしているけど
そうではない部分の将棋というのを楽しみたい、
そこに向って羽生さんは練磨しているんじゃないかと
思いたい、そう見ていたのでありました
番組がどうこうよりも、羽生さんに対する思いを語ってしまうが
そういうもんだろうきっと

【読書】旅のつばくろ

2021-04-27 20:52:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
旅のつばくろ  著:沢木耕太郎

旅エッセー集でした
著者の思い出語りといっても過言ではない、
日本国内の思い出が多いけども、古今東西の様々な旅の話が詰まっていて
気軽に読め、楽しめる本でありました

深夜特急とか読んでいないので、
その文章というものにあまり親しんでいないのだけども、
かなりの文学青年だった様子で、
様々な文豪ゆかりの地に遊びにいっていて、
そこと文豪とのつながりがさりげなく差し込まれているから
非常に面白い読み物だと思った
文豪のいる土地なら、沢木さんにエッセーめいた
観光案内書いてもらうと、物凄くよいのではなかろうか
凄い読んでみたい

少年の頃というのが50年も前になるというお話なわけだけども、
その頃に、東北地方をぐるりした話だとか、
東京生まれなので臨海学校でお決まりの土地がある話だとか、
若い頃の話が、嫌味なく、さらりと出てきて
非常に興味深いのでありました
よくある、ゴールデン街の話もでてくるけど、全然嫌味じゃないというか
あの独特なそれこれが一切描写されず、
さらりとそこに居た、そして誰かと出会ったといった話程度なのが
また、なんというか、かっこいいと思ってしまった
それ以上に語れることがなんぼでもあるという
余裕というでもないけど、それは違うという毅然としたものを見るような気がする

経済学部なのに論文に文学研究のそれを出した話とか、
ちょっとどうかしてるんじゃないかと思うエピソードもよかったけど
フリーランスでやってきて、インタビューするということ、
紀行を書くということに対しての信念とも違う、
スタイルというのが見て取れるような文章でありました
なんともかっこいい、気負いがないというのが凄いいいなぁ

さばさばしているようで、
時折凄く情緒的な文章も出てきたりして
夜、寝る前に数編読むというのが正しい楽しみ方と
そんな気がする本でありました

【読書】カラ売り屋、日本上陸

2021-04-26 20:52:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
カラ売り屋、日本上陸  作:黒木亮

カラ売り屋という職業を知ることができる
あっさり目の経済小説でした
医療関係、シロアリ業者、画商という、結構異色ともいえる職種で、
それぞれ怪しい儲けを出している会社を空売りして儲けるというお話なんだが、
空売りという手法はともかく、そのターゲットになるような会社って
結構あったりするのかしらねと、
その悪事ともいうべき、いい加減なそれこれが
非常に興味深くて、次々読まされる内容でありました

正直なところ、空売り屋自体も、あんまり好きじゃないというか、
なんかいけ好かない感じもしてしまうので、
誰一人として正義とまではいわないけども、よい人というのが出てこず
空売り屋は当然のように儲けのためにやっているし、
ターゲットの会社は、あこぎなことをやってるしと
見ていて、誰がどうなろうと、とりあえずみんな滅びたほうがいいんじゃないかと
そんな気分になりながら読んでいたのでありました
だからだろうか、すんなりというか、さばさば読めて
それが逆によかったようにも思うのであります

あくどい商売の手口というのは、実際こういうことあったんだろうなと
どこかにモチーフがあるんだろうと想像できるそれこれで、
特に問題としてあげ連ねているわけでもないけど、
医療という分野における一種の欠陥、診療報酬についてだとか、
粉飾偽装と仕手筋なんていう、昭和かと思わせるような物語だったりとか、
最終的には、ここ数年で聞いたようなタックスヘイブン問題なんかが
もりもり盛り込まれていて、なるほどなーと
その当時の経済事件の読み方を教えてくれるようでもあって
なかなか楽しかったのであります
実際の事件では、こんな面白いことが起きていなかったわけだけど、
そういう可能性もあったというお話と思うと
なかなか興味深い

空売り屋の人たちが、結構がっつり儲けているように見えるのに、
さしてお金持ちそうでもないというのが斬新というか、
正直、それぞれの登場人物の人間味というか、
生活観みたいなのがほぼ皆無で、経済事象としてのエラーみたいなのが主役と
そんな小説に読めて、勉強しながら読めた
そんな風に思える作品でありました

青天を衝け  横濱焼き討ち計画

2021-04-25 20:48:24 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了であります
副題から、栄一が消えた
新章突入ということかと思ったら、次回また、戻ってくるんだな
なんだろう、桜田門のときに流石に無理があると思ったんだろうか
ともあれ、桜田門のときよりは、横浜焼き討ちに
えらい関わっているかのような感じが、
どんなオチになるか楽しみで仕方ないのである

不穏なテロに加担してると思ったら、
はしかで子供を失ってと、ある種自暴自棄的でもあるんじゃないかと
不安になるような展開だったけども、
思いのほかしっかりしているというか、私情と義憤の区別が
ちゃんとしているようにも見えるのが不思議な魅力でありました
本当に世の中をどうかしたいと、そういう感じから
ごく自然にテロに向ってるのが、
怖いといえば怖いんだが、ちゃんとしてるようにも見えてしまうのが
なんだろう、リアルというやつなんだろうか

そんな下々の不穏さもうろうろしつつ、
お上のほうでも、いよいよ慶喜復帰という感じだが
京都がまた、とんでもなく胡散臭い感じになってて
三条が、また新しいタイプの公家像で来たなと
結構衝撃的だったんだけども
ヒステリーというか、もはや、新しい病というのが言いえて妙な攘夷の一人歩きが
不気味というか、群集心理めいた流れという
意味のわからない情動というのが心底恐ろしいと思えた回でありました
慶喜が、それをわかっているんだが、
それをわかる人があまりにも少ないという嘆きも
わかるんだけども、実際その場にいたときには
慶喜のほうが奇天烈というか、異物と扱われてしまうんだろうなと
なんとなし、わかるように思うのであった
世の中、そういうもんだよなというごくありきたりの感想になってしまう

実際の焼き討ち騒動とは、おそらくかかわりない感じで終わるんだろうけど
次回予告見ているかぎり、勝先生を襲った竜馬みたいな
これまた、よくある展開になりそうで
それはそれで楽しみだと思えたのであります

【映画】るろうに剣心 最終章 The Final

2021-04-24 20:35:00 | ドラマ映画テレビ感想
公開初日、会社帰りに見てきたんだが、
見ておいてよかった、緊急事態宣言で休館も出てるようで
見られなくなるところだった

さて、前回のが何年前なのか忘れたが、
大ヒットシリーズの続編であります
人誅編と呼ばれている、剣心のかつての妻の弟の復讐劇という話だったんだが
このあたりについては、漫画のほうもあんまり読んでなかったので
どんなだったかよくわからんなと思いつつ、
ただ、新しいチャンバラ映画というつもりで見てきたのでありました
この認識は間違っていないと、相変わらず思うような
すげぇアクションでありました

原作のほうを未読に近いので、原作再現度というのがどの程度か
いまいちわからんままでありましたが、
初っ端から、列車の中で大立ち回りというのがステキで、
正直なところ、このはじめから最後まで、主役は剣心じゃなくて、
縁のほうじゃねぇかというくらいのかっこよさで、
剣玉使って、警官隊をぼこぼこにしていくくだり、
そのアクションの軽快さが素晴らしかったのでありました
演技もかなりよくて、恨みのため子供のまま止まっている、そんな風にも見える
ラストシーンで涙するというよりも、泣きじゃくる縁というシーンがあるんだが
これが本当に凄いよかった、あれがあるから
剣心が闘った意味ができたようでよかったわ

話の筋のほうはおそらく、原作そのまんまで、
割と一本道なので、要所要所で挟まれるアクションを
ただただ堪能するだけという感じで、
これだけだと、京都大火編と一緒じゃねぇかなと
そう思うところもあったんだが
そのアクションのほうがよかったので、なんも文句はないのでありました

ただ、アクションも、大群衆というか、
大量の敵を滅多打ちというのが、何回もあって、
これはあんまりだなというか、多分、見ている私の年齢のせいなんだが、
目でおっかけられない、タイマンのほうも動きが速過ぎて
まったく追えないのが残念で仕方なかったんだが
それでも、その圧倒的なクオリティというか、
物量攻撃めいたアクション過多なところが最高によかったのでありました

殺陣の話としては、久しぶりにアクションしている土屋太鳳が見られたのが一番で、
しかも、動きがさらによくなっているように見えたのがステキでありました
唐突に青紫が退場したので、その名代としての活躍と啖呵きってから、
ブルースリーかと思うような徒手空拳交えたアクションから、
青紫の回転戟ぱくったみたいな技まで見せて、すげぇよかった
こういうアクション女優貴重だから凄い嬉しいのでありました
ただ、監修入れてないからだろうけど、台詞の発音が
凄い嘘関西弁で、そこだけ気になって仕方なかった
いいながら自分も、生粋の関西人ではないんだが、
そにしてもというレベルだったように思う

あとは、その短い出番だった青紫もかっこよく描かれていて、
長い得物での派手なアクションから、二刀に持ち替えてのスムースさ
その二刀の取り回しも超絶かっこよくて、
もっと活躍を見たかったと思わされたんだが残念である
操と共闘するくだりが、ジャッキーチェンとサモハンみたいというか、
あの頃のカンフー映画が下地にあるんじゃないかと
そう思うような見せ方で、凄くよかったとおもうのである
お庭番衆だけで一本みたいわこれだと

そしてもうひとつはサプライズということらしいので
詳しく書かないわけだけど、剣心が共闘するくだりが
これまた素晴らしいアクションでよかったのである
ただ、最初の武田観柳戦と似た感じになってたので
ちょっと残念ではあったけど、超絶技巧といっても差し支えないような
壁を走りまくる殺陣が凄くよかったのでありました

最後も縁と死闘を繰り広げるというあたりにいたっても
楽しいというか、人間なのかと思うような動きばっかりで
本当によかったと思えた次第でありました

まぁ、漫画映画だからといってしまえばそれまでなんだが
ちょっと気になったというか、最終的に、みんな討たれ強すぎるだろう
なんであんだけされて、みんな死なないんだと
気になったりしたんだけども、瑣末なことである
そんなアクション映画でありました

【アニメ】SNIROBAKO

2021-04-22 20:50:37 | ドラマ映画テレビ感想
NHK教育でやっていました
アニメ業外を描いた物語で、アニメ制作ってそういうものかと
その制作進行という部分がクローズアップされていて
非常に興味深い内容でありました
映像研とは別ベクトルだけど、これはこれで面白いというか
社会派っぽい内容で面白かった

業界には女の人が多いのかなぁと
そのあたりはよくわからんままではあるけども、
アニメ作るのに、絵を描く人だけではないし、
絵を描くという仕事も、背景、動画、作画でそれぞれ役割が違うというのも
言われてみればなるほどといったところなんだが
面白い内容でありました
こういうのを見ると、アニメを見る目というか、見方が変わるなぁと
新しい楽しみ方を覚えたようでよかったのである
けど、それに気をとられて物語に集中できなくなりそうでもあるな

進行管理あるあるというでもないが、
伝言ゲームで事態が悪化する話とか、
絶望的にあれこれが重なって、追い込まれていくところとか
すげぇ共感というか、仕事ってこういうのだよなぁと
つくづく思い知らされるようで、月曜の夜に見るべきではないのではないかと
思ったりもしたのであった

キャラデザインといったらいいのかわからんのだが、
主人公まわりの女の子キャラは漫画っぽいのに、
男性人を中心に、その他の人たちが結構リアル寄りの造詣だったので
なんか気持ち悪いというか、しっくりこんなと思ったりしてたんだが
アニメ作ってるから、出ている人もアニメっぽいと
もうわけわからんようになるからなんだろうか、
これが演出というやつかと考えたりしたのである
どうでもよいな

物語は大きく2本のアニメを作るすったもんだだったんだが、
主人公たち女の子が夢に近づいていくという姿も描いていて
声優の子だけ、やたら可哀想だなと思っていたら
最終話近くでドラマチックな展開がと、
あのあたり、正直芝居で泣かされた的な感じでもあって、
ああこれが、泣くという作画と演出なんだと
アニメに教えてもらいながら、実際にそれを見たかのような
もう何してんだかよくわからんけど
ともかく感動して見入っていたのでありました
よかったわ本当にもう

進行の仕事って大変だよなと
改めて思ったりしながら、そういう人がいないと
作品はできないのだと、ごく当たり前のことに気付かせてくれる
とてもよい物語だったと思うのである

【読書】今度生まれたら

2021-04-20 20:55:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
今度生まれたら  作:内館牧子

70を迎えた女性の煩悶を描いた小説でした
基本独白なのに面白い、作者も主人公の70歳なのに、
言葉選びが若々しいというか、
心情吐露の部分に、物凄く理解しやすさというか
共感しやすい人間味があふれてて、さくさく読んでしまった

今度生まれたら、この男と結婚しない

そんな物騒なことを思う主人公が、
その半生を思い返し、今に至ったことを後悔したり、
さりとて、今から取り戻すというのは無理があろうと
厭世観というか、一種冷静な判断をして、
なんとも、色々こじらせているのが面白いところ
これは年寄りだからどうしたというだけではない
普遍的な悩みというか、人間の思考じゃないかなと
随所に感じられるところもあって、凄くよかった
なんだかんだ、理由をつけてしまい、やらないという選択をとるんだが、
その理由が、結構ちゃんとしている、
一見、感情的ではない理路整然とした結論なのが面白い

実際は、その対極にある情熱というか、
感情的な何か、耳に優しいきれいごとみたいな話が、
本当だったりするというのが肝なんだけども、
そのやたら、きれいごとというのを押し付けてくるというのに
反感を覚えるというのは、とてもわかりやすいというか、
この本を読んでいて思ったのは、
結局言う人によるのではないか、
真実は一緒なのに、言う人によって異なる受け取られ方をしている
もしくは、説得力がない人間がいうことによって
真実の価値が毀損されてんじゃないかと
そんなことを思わされたのでありました

胡散臭さと、本当のところというのは、
区別が難しい話だよなと思いつつも、
なんとなし、信じるのは危なそうな、一見いい話、
この本にあった、やろうと思ったときが一番若いだの、やれば出来るだの、
老人にもやりがいをだのといった話が、
実際その通りであるにも関わらず、穿った見方をされてしまうというのは
なかなか、人間心理も含めて、伝えることの難しさだなと
主題とそれてしまうんだが感じたのでありました

物語は、意外なというか、結局なんかいい感じで終わる
なんだかんだ、あれこれ文句をいってたけど
やっぱり、いい感じだったじゃないかと
諦めや許容ともまた違う、不思議な諦観をもって終わるのが
よろしいなと思わされたのでありました
ずっと、よいと思われていた姉の生涯についても
あれこれ考えさせられるというか、

結局人間というのは、隣の芝が青く見えるという
ただそれだけに右往左往してんじゃないか
そういう話だったようにも思えるんだが
面白く読み終えた小説でありました

【読書】メイド・イン京都

2021-04-19 20:56:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
メイド・イン京都  作:藤岡陽子

そういう感じか、そんな風に読み終わってからつぶやいた小説だった
婚約した人が凄いボンボンだった、いや、京都のぼんだった
そういうお話が中心にあり、確かに、京都っぽいあれこれとか
ある種手垢のついた内容だなといった感じだけど
そこが主題と違って、女性の自立というではないが、
手仕事が形になるという話になっていき、
なんだろう、全体的に古いというではないが、
今、この感じかという内容だったように思うところ
そして恋愛的な要素が、最終的にどうなるか
思っていたら、案外そういうのかと
まぁ、なんだろう、全体的に肩透かしでもないけど、
予想を裏切られ続けたようなそんな感じで
なんだかんだ楽しんで読んだのであります

タイトルもあって、京都っぽい、それこそ「ぼん」なんだから、
鉾町だとか、そういう話でてんやわんやとか
そういう感じかしらと思っていたんだけども
どっこい、そういうこともあるけど、そうじゃないという展開になって、
気付いたら、滋賀の、しかも陶芸家がなぜか湖西側にいてと
そういう話になっていくのに始まって
今度はフリーランスという生き方の厳しさみたいなのにもなっていき
なかなか興味深いというか、NHKがドラマにしそうな内容だと
そんな感想を抱いたのでありました

女性の自由意志の問題というほどでもないんだが、
ちょっと離れてみてみると、
主人公の女性が全面的に支持される内容ではないなとも思ったり、
むしろ、京都のぼんが、結構可哀想じゃないかとも思ったり、
男性よりの感想も抱いたのでメモっておくのでありました

青天を衝け  栄一、志士になる

2021-04-18 20:59:02 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了であります
志士になるって、大層な副題だと思ったけど、
実際に草莽の志士という概念を吸収して帰ってきたと
そういうお話でありました
まぁ、その合間合間に、嫁さんといちゃいちゃするのが
なんというか、志士としてどうなんだと思ってしまったんだけど
志士とかおいといて、ちゃんと嫁さんを大切にする男になれよと
思ったりしてしまったのである

さて、来週長七郎がどうなるのかさっぱりわからんけど、
あのテロ組織的な私塾が、きわめて不穏だなと
栄一に引っ掻き回されるところも含めて、
なんというか、とんがった思想組織ってだいたいああいう感じだよなと
新興宗教にも近い恐怖を覚える展開でありました

結局、彼らのテロは不発で終わったと
そういうお話であったわけだけど、
あの片目のやつの生き様とか、その人間の思考というか、意志というか、
長七郎が切腹するのに目をキラキラさせていたそれと
まったく変わらないのであろう、
何かでありたいという強い欲求に従ったものだったのかもなぁと
思わされたりしたのであります
名を成す、ひとつの目標としてそれはあるんだが
その方法が、凄く雑になっているというか、
走り出して、今更テケトーなところで降りられない
どうせなら派手にみたいな、そういう浅慮の末のようにも見えてしまって
なんか悲しくなってしまうのである
でも、そうなってしまいがちな、あの農民をバカにした男も
部屋住みの武士崩れだったりするんだろなと思えば
なんとなく、同情みたいなことを覚えるのであった

あとは、和宮の輿入れが無事終了して、
家茂がとてもいい人として描かれているのがよかった
これもドラマのわざとらしい綾ともいえるが、
そういう公武合体の姿をけしからんとする勢力があり
それらが猛威を奮うという、もう、どうともならない状態というのが
幕末のカオスっぷりをよく顕していて
考えさせられるのでありました
大きなものは、個人の幸せとかそういうのとはまったく別になってしまい
よくわからないそれらに絡めとられて、がんじがらめになってしまうのだろう
権力者という立場になった人の不幸が見えたようでもあり
面白い回でありました

【読書】湖の女たち

2021-04-17 21:00:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
湖の女たち  作:吉田修一

自分には難解だった
ある、事件とも事故とも言いがたい事象が起きて、
それにかかずらあう刑事と、記者と、幾人かの容疑者、
あるいは冤罪の人といった感じが、
妙な狂気に取り付かれる話といえばいいのか、
読み終わって、この雰囲気は好きだなと思わされるところが
個人的に、ひいき目なんだろうかと感じるんだが
芥川賞っぽさとも形容できそうな、これという言葉に表せない物語でありました

ラスト数ページの描写が、凄い好きな作品だった
そこにいたるまでの過程だったと思うと
一冊の大半は、あまり意味や、辻褄があおうと合うまいと関係ない
そうすら思えるくらい、ラストシーンが個人的には突き刺さった

正直、物語の筋というものはあんまり関係がなさそうというか、
最後にいたるまでに、なんともいえない
読み手側に不可思議な気持ちというか、読後感というか
読中感覚を芽生えさせておくというもので、
唐突なSMめいたやりとりとか、
解決しそうでしない事件だとか、
冤罪を作っていく話だとか、

さらには、二次大戦中の昔話までリンクしてきて、
それらは本当につながりがあるのか、それは考えすぎじゃないかと
戸惑うような感じなんだけども、
そこにひきつけられて、結びつけていくような登場人物たちの狂気が
なんとも、目が離せないようで面白かったのでありました

抽象的な内容が、まるで論理的ではなく、
イメージが合致したとか、そういったレベルで、
真実に接近していくという感じが、
最後に、裏切られるのか、本当にそうなのか、
そんなのどうなんだと思ったり考えたりして、
ぐちゃぐちゃになりながら読んで結末を見るというのが
凄い楽しかったのでありました

もう、何を読んだのか
さっぱりわからん感想になってしまうんだが、
琵琶湖を舞台にした物語というには、
あまりにも、琵琶湖関係なくない?って感じで、
でもでも、湖と、寒さというキーワードが
湖西ならぬ、西湖にて繰り広げられるという小説でありました

余談ながら、このネーミングがややこしくて、モチーフは高島のあたりなのか、
高島のほうだとしたら、湖からの風をさえぎる建物という描写がおかしいような、
さりとて西の湖のあたりをさしてるとしたら、湖北の野鳥センターまで距離がありすぎるしとか
いらぬことを考えたのでありました

ここに描写される美しい光景を一度見たいと思うのである
湖北のあたりで見られる光景なんだろうが
小説の中にしかないのか、
本当はもっと凄いのか
そんな、他愛のないことを考えてしまう

【テレビ】プロフェッショナル 庵野秀明スペシャル

2021-04-15 21:01:16 | ドラマ映画テレビ感想
ちょっと前にやってたNHKスペシャルでありました
見る前に、シンエヴァを見ておいてよかったと
つくづく思う内容で、なかなか興味深かったというか
非常に面白かったのであります

制作風景があんな感じだったんだと
結構驚きながら見たのでありますが、ロケハンでスマホ片手に走り回ったり、
モーションキャプチャー使っていたり、そうなんだと、
あのシーンはアレだったのかと、結局でも、
そうだとしたらもう一回見ないとかもだなぁと
なんとなし思わされたりしたので、
冒頭に言っていた「商売をする」はあながち嘘ではないというか、
なるほどーと思わされた一面でもありました

謎をありがたがる時代は終わって、
そうじゃないアプローチが必要だというお話から、
今回の映画になったのか、とりあえず後付でもっともらしく言っただけなのか
そのあたりはわからないままだけど、言いえて妙だなとも思うところで、
今回のさっぱりと終わったところには、
いくつかの要因があるにしても、その考えはひとつであったのではと
感じたのでありました、
まぁそれよか、嫁さん貰ったのが一番変化として大きかった
そういうことじゃないかしらねとも思う

気難しいという触れ込みだったけども、
宮崎駿のときみたいに、荒げるというか、あらぶるところが出てくるわけじゃないので
ジャンルがちょっと違うんだなと感じたりしつつ
監督って、あんまり現場に出ないもんなんだと
知らない業界の常識的なものを教えてくれたようで
なかなか楽しく見たのであります
ただ、あの現場は地獄でしかないだろう、絶対いやだわ

途中から、番組演出に口を出し始めたりして、
密着初めてから何年経ってんだよという具合だからか、
後半のちゃんと作っていたと思われるシーンがほとんどないという
多分、NHKの撮影班ですら撤退余儀なくされていたんだろうなと
ちょっと残念なんだけども、まぁ少しでも
あの状況を撮っていたんだったらいいかと感じたりしたのでした
実際に最終盤とか、どんな様子だったか見てみたかったような気もするし、
あえてそこは見せないというつくりだったのかなぁ

結構重要なシーンの裏側みたいなのもよくよく見られたし
なかなか面白かったなと感じつつ、結局没になったのと
実際に放映されたものと、そのあたりの違いというか、
どんなのだったのかなと気になったりしていたのでありました

もっとも、CGというか、戦闘シーンがよくわかんないというのは
映画見たときに感じたそれだったから、
あれはリテイクされたものが映画に使われたのか、
そのあたりわからんけども、ごちゃごちゃしすぎなのは
よくないと思いますと感じる次第であった

ともあれ、色々終わったんだなと感慨深く見守ったわけで、
映画を見た人は、この番組見ておくのは損ではないなと
感じる一作でありました

【読書】一橋桐子(76)の犯罪日記

2021-04-13 21:06:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
一橋桐子(76)の犯罪日記  作:原田ひ香

読みやすいし面白い小説でした
身寄りのない高齢者である主人公の女性が、
同居していた女性との死別により、どうしたらいいか
路頭に迷いつつ、犯罪を起こせば刑務所に入れるのではないかと
そこに一縷の希望を見出すという
やりきれない内容なのでありますが、主人公が柔らかいというか、
とてもよい人という感じが滲み出ているので
不思議と、面白く読めてしまう
そんな小説でありました

正直な感想というか、個人的な感想としては、
結構堪えるところが多くて、
晩年、自分も身寄りがなくなったとき
こんなことになってしまうのかもしれないと
恐怖を覚えたのでありました、だからといって、何も起きないんだが
やだなという感じである
実際、年寄りが住むところを確保するだけでも大変で、
また生きていくだけでお金はかかるし、
働き口なんて、そんな年齢で用意されることはまれであろうと
思うほどに、とっとと引退したいとか思っている
現状を考え直さないといけないのではと怖くなったのである

個人的な創造的恐怖はさておき、
物語は、どの罪が重いのか、死ぬまで刑務所に入っていられないといけないと
そんなことを考えていくという過程が、滑稽でもあるけど
心配になるような感じもあって、面白いのであります
ただ、主人公がともかく人がいいといった感じで、
自然、まわりに色々な人が集まって、ほんわかするというか、
そういうつながりができていくのか、
老人ネットワークというか、色々考えさせられるものが
縁として存在するんだなと、人間嫌いというのも老齢を生きるといううえで
よろしくない性格的欠陥なんだと思わされたのでありました

助け合いによる救済のようなものも見える、
ほのぼのとしたエンドだったけども、
その対極にあろう老齢の男の背中が印象的で
素直に喜べるというか、ほんわかで終わる内容でなかったのもよかった
刑務所で介護されたいという気持ちにならないよう、
真面目に生きていこうと思うのである

【読書】この本を盗む者は

2021-04-12 20:51:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
この本を盗む者は  作:深緑野分

SFというには優しすぎる、少々御伽噺めいた雰囲気もある、
ファンタジー小説でありました
本に対する想いというものが、小説からあふれてくるようでもあり、
読書狂めいた人には、なんとなし、しっくりくるのかもしれない
そこまで至ってないので、わからんのだが
本と関わることという大きなテーマを描いた小説だったように
読み終えたのでありました

図書館みたいな凄い蔵書の家がある
そこから、本を盗むと呪いが発動して、大変なことになる

そんな筋なのでありますけども、
その大変なことをあれこれ解決していきつつ、
本が嫌いという主人公が、それに巻き込まれて
なんだかんだと、色々判明していくのが面白いのでありました

本の呪いは、その本の内容に合致するといった制約があるので、
冒険小説から、ハードボイルド、スチームオペラ的なものなどなど
結構あっちこっちのジャンルの内容が出てきて、
それぞれのいかにもな感じを楽しめるのでありました
ただ、いかにもというところに寄りすぎているのか、
ちょっと読むのにしんどいかしらと
想わなくもないところが残念でありましたが
おおむね楽しく読み進めたのでよいのであります

不思議空間というか、世界を描いているのだけども、
ぎりぎり現代から足を踏み外さない感じで、
小説というよりも、こういう漫画というか、アニメがありそうだなと
そんなことを思わせる内容でありました
ほんわかしているので、のらりくらり読めるのであります

色々なジャンルのいいとこどり、というか、
欲張りな内容なので、しっちゃかめっちゃかな印象もあるけど
最終的には、結構好きな感じだなという終わり方で
このシーンを書くためのそれまでと思うと
すんなり腑に落ちたように楽しめた一冊でありました

青天を衝け  栄一と桜田門外の変

2021-04-11 21:05:29 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了であります
幕末ビッグイベントのひとつ、桜田門外の変でありました
副題が、無理やり栄一と絡めているけど、関係ないよね
でも、地方の人ってだいたい、そういう感じで知ってたんだろうな
このテロ事件というのが、全国でどう扱われていたのか
ちょっと気になるなと、物語の本筋と異なるけど
興味がわいたのであります
今回は、たまたま江戸に出ていた同郷のつてで聞くって感じだが
どこもそんな按配だったんだろうか、
そもそも、興味なかったのかねぇ

お父っつぁまが言うとおりに
農民の分際、分限というものがあって、
大半の人は興味なかったのかもなぁと想わされたりしたのであります
ドラマである以上、若者が攘夷にあてられて
あーだこーだというのは、なんとなし、ありそうだけども
血洗い島あたりの田舎でもそんなだったんだろうか、
関東だから特別なのかもとか思うところである

まぁ、最初の嫁となんとなし、いちゃいちゃしているシーンの
本当にもう、心の底からどうでもいいわという感じ、
視聴者の声を代弁するお父っつぁまの台詞が抜群によかった
いや、悪い意味ではなく、あのシーン好きなんだけども
あの新婚の、本当にもう、どうでもいいわというのが
最高に極まった感じが凄く好きだった

その裏で、というでもないけど、
江戸では大獄が大盤振る舞い(違う)されていて
左内が捕まったと思ったら、松蔭先生ともどもあっさり殺されてと
あの当時の弾圧の凄まじさみたいなのが
なんとなし伝わるようでよかったのである

そして、象徴的に雪を降らせて
見事な変が描かれていたわけだけども、
あの様子を喜作たちが喜んで語っているところで
まず鉄砲というあたりから入っているのに
ちょっと違和感があったようにも思うんだが
案外あんなもんだったんだろうか、
武士が討つといえば刀だろうと、そういう時代だったように思うから、
鉄砲云々は隠されて、刀で見事にのところだけが
伝承されそうなもんだけどなぁとか感じたんだが
どうなんだろう、このあたりは、古い説が覆ったところだけに気になるのである

井伊は結局のところ、今の将軍への忠義であった
ただそれだけのことだなと、
あの当時の大老という重責を担うには、
もっと大きな観点が必要であったろうけども、
それにしても、あのしがらみの中、うまくやり遂げられたとも思えない
色々、時代が選んだ男であり、選ばれた男が
その役目をきっちりと演じていたようにも思える
そんな変でありました

御老公も死んでしまうし、時代は急速に新しい人物たちへと
バトンをわたしていく、このあたりのスピードが
いかにも幕末という感じでわくわくするのでありました
そう考えると、春嶽があんまり出てこなかったというのも
時勢でありながら、年齢を重ねていたというところも
あったのかなかったのか、このドラマで山内は出てくるのか
気になるところが多いなぁ

【読書】52ヘルツのクジラたち

2021-04-10 21:08:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
52ヘルツのクジラたち  作:町田そのこ

最後は前向きになれる内容なんだけど、
結構重い話でありました
世の中には、こんなにネグレクトとか、貧困というものが
横たわっているものなんだろうかな
縁もゆかりもないのだけども、まるで連鎖しているように、
何かしら家庭に、人生に暗いものがあった人たちが
次の人たちを助けていくように、
届かない声だという52ヘルツの鯨となって
連なっていく

3人の人生が連なるんだけども、
その周辺に色々な人たちがいて、助けられる
人生のよい一面が照らされる内容で
読んでいてよい話だと思う反面、
その対極ともいえる苦難の過去や現在が重たくのしかかってきて
なんとも嫌な気分になるのでありました

割と嫌な人が、かなり嫌な人のままという物語なので、
それはそれで仕方のないことなのかもしれないが、
あまり情状酌量したくないような、ある種の可哀想さをもっているのも
読んでいて辛いところでありました
ネグレクトというものが、読んでいてこころを蝕んでくるというか、
こういう悪意とも異なるかのような身勝手さというか、
物理的ではない暴力というのは、
読んでいると暗くなってしまうなと、慄くばかりなのであるが、
それを乗り越えていこうとする、
そうさせてくれる優しい周りの人々というのがいいなぁと思う
そんな小説でありました

基本的にいい話、そういう泣ける系のそれだなと思うと
苦手なジャンルだと思いつつも、読み終えたのでメモっておくのである