CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ラス・ヴェガスをブッつぶせ!

2016-06-09 21:09:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
ラス・ヴェガスをブッつぶせ!  著:ベン・メズリック

ノンフィクション小説というジャンルなんだそうで、
個人的には、ドキュメンタリだろうということで
小説扱いしてないのですけども、
内容は、ラスヴェガスのブラックジャックで、
センセーショナルな稼ぎ方をしていた、元MITの学生の伝記というか
事実を基にした、当時を描いたものでありました
非常に面白かった、頭いいやつは、本当に、
とんでもないことをしやがるな

著者のベンメズリックについては、
以前読んだ、月の石を盗んだこれまた同じような
ノンフィクション小説で知っていたわけで、
天才の奇行というか、知能犯の生きようを描いた内容で、
これもまた、同じテイストというか、
同じように、優れた頭脳を持つものが、
どう生きていたかを描いていたのでありました

現在ではもう使えないトリックというか、手法のようですが、
確率をきわめて高度に突き詰めることで、
カジノのギャンブルという不利極まりないそこで、
勝ちを得るということに
血道をあげていた人生が繰り広げられておりました
カウンティングという、カードの残りを記憶することで
勝ちやすい場になっているかどうか見極めて、
掛け金を吊り上げるという手法を
チームで運営していたというお話でありました

参加しているプレイヤーが
いずれもMITのきわめて高学歴というか
知能が高すぎる集団であったというのが
興味をそそるところでありました
凄いことだわ

夢のようなといってしまうといいのか、
ただのどちらかというとヲタク学生というぐあいで
そのうち、金融マンかエンジニアになって
億万長者路線にはいろうという有望すぎる頭脳たちが、
その頭脳を駆使した数学と作戦によって、
カジノで荒稼ぎするというお話
痛快ともとれるんだが、ちゃんと働けよと
思わなくもないところが、この話の肝ではないかと感じる

高度な頭脳を持つと人生に苦戦するんだなと
勝手な感想を抱いてしまったんだが、
考えたことが、すぐにできてしまうというそれが、
なんだろうか、理論と理屈と理性のはざまで、
倫理が揺らぐ世界でふらふらしている
夢の時間の描写が見事で、これが麻薬的な、蠱惑的な、
まさに甘美、耽溺、堕落と快楽なんて
ありふれた表現ながらも、とんでもなくハイにキマってるという具合が
知能と、そういった部分の人間性というのは
リンクしないというか、そこで間違えてしまうかそうでないかは
知能と関係の無いところが支配するんじゃないかななんて
いいこちゃんなことを思って本を閉じたのでありました
すげぇ面白かったんだが、なんとも、
人生の虚しさが詰まっていた