CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】このゴミは収集できません

2019-01-30 20:20:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
このゴミは収集できません  著:滝沢 秀一

ごみ収集という仕事について書かれたエッセーのような本でした
面白おかしい事件簿とともに、清掃の仕事というものについて、
思いと姿を描いているのであります

大切な仕事なんだけど、やはりなり手が少ないのか、
どんなロートルでも雇ってもらえるような雰囲気が凄いなと
ちょっと衝撃を受けたのでありますけども、
真面目にみんな働いているという描写が
しみじみいい話だと思うのでありました
実際は、結構やんちゃだったりするんだろうけど
まぁ、そこはそれでありましょうや

ゴミの分別のルーズさから、人が見えてくるみたいな
そういう分析めいたことも載っていて
お金持ちと、そうでない地域でのゴミの内容の違いとか
なるほどと思いつつも、それはあまり書かないほうがよくないかとか
いらんことを感じたりもしたのであります
でも、お金持ちのところが綺麗に分別されているというのが
なんか、凄いよくわかるのである
自分がルーズだけに、物凄くよくわかる
ゴミ置き場が汚いと治安が悪いという話があって、
その原因の一端に自分があるのではと
ちょっと振り返ったりしたのでありました

朝早くから凄い肉体労働なんだが、
身体によさそうな感じもするところが凄いと
読んでるだけなら、臭いがないからそうなんだろうと
思ったりもしながら、悪戦苦闘する姿は
微笑ましくもあり、面白くもあるのでした

不真面目にしてきたつもりはないが、
今後も分別には気をつけようと思うのである
しかし、世界でも有数のゴミ大国であるというのは
なかなか考えさせられるところでもあるな

【読書】硫黄島 栗林中将の最期

2019-01-28 21:01:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
硫黄島 栗林中将の最期  著:梯 久美子

「散るぞ悲しき」という有名な本がありますが、
その作者による、同著の補講めいた一冊でありました
本歌というか、そちらを読んでいないけども、
新書で読みやすそうだからと、手に取った一冊
なかなか感激して読み終えたのでレビウっておく次第

硫黄島の戦闘について、イーストウッドの映画で脚光を浴びたというイメージもありますが、
この激戦の指揮を執った栗林中将が、実際どうであったのか
ドキュメンタリとして追っかけた内容であります
様々な証言、資料をあたって、歴史を掘り下げていくという
歴史ルポのど真ん中という内容で非常に興味深い
これこそが、足で稼いだ記事というべきでないか
そう思うような内容であります

栗林中将がどれほど偉大な人物であったかと、
やや英雄にすぎるというところから発生したとも考えられる
中傷や、非難について、本当にそんなことがあったか、
たとえば、ノイローゼで実際は指揮していなかっただとか
そういう可能性を検証したりという部分も面白かったのでありますが、
その影でもないが、あまり語られることのなかった
青年将校たちの生き様であったり、
まったく知らなかったけども、半ば公然であったという、
人肉食についてのあらましなんかが、大変興味深く、
実際は父島で起きていた惨劇のようだけども、
飢えからではなく、もっと深遠からくる動機によって行われていたであろう
捕虜解体と食べるという倫理や、何もかもから離れてしまった所業について
書かれているのが衝撃でありました

これについては、裁判にもなり、実際のところが
かなり明らかとなっているようでもありますが、
本人がどうしてそう指示をしたのか
その部分についてはわからないままであるし、
わかることもないのであろうと
そんな風にも読めるところ
なんとも悲しいといえばいいか、恐ろしいことである

そして、皇室が硫黄島とどう関わっていたかについて
一部割いていたのも印象的でありました
とりわけ、美智子皇后のお心遣いや、失語という衝撃的な事件の裏側、
様々なことの解決というべきものが
硫黄島にあったのではないかというのが
大変よくよく読めたところでありまして、
ここについて、どうこうなどといえるはずもないけど
ただ、その姿と、ここに照らし合わせたのでなかろうかと
その示唆だけでも、十分にといえばいいのか、
凄い感動を催したのでありました
ただ、ここだけは、硫黄島というくくりを超えてしまっていると
感じなくもないのだけども、いい一章だったと思うのでありました

戦争の悲惨さなんて、ありていな感想であるわけもなく、
そこにあったことを検証するという行為について
この本から学んだ、それが一番心に残ったのでありました

いだてん  小便小僧

2019-01-27 22:11:49 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了であります
なんだろう、違う話をやってるとわかっているんだけども、
丁寧に描いているということも理解してんだけども
なぜだか、同じ話を何度も見てるような錯覚をして
なかなか難しいところであります
筒井康隆の小説にこういうのがあったなとか
思ってしまった

話の半分くらいは新録といった感じで、
マラソンに向けて体つくりと足元つくりにいそしむ
その嚆矢を掴んだというお話であったように思うところ
特に何が進んだという感じがしないのがよろしくないのか
いや、実際は、天狗倶楽部が実質引退になってたり、
あれこれと時代はめまぐるしく変わっていたというのに
なんだろうか、最初のシーンはこの部分だったのかと
確認が多いのは仕方ないにしても
なんともはや、ゆっくりやっとるなと
そういう感じを受けてしまったのでありました

これといって語るところがないという
朝ドラみたいな調子が
やっぱり抜けていないというか、
ここを観ている層が見たいそれじゃないなと
改めて感じてしまったのだけども
とりあえず、マラソンだけに完走を目指そうと
思うのでありましたとさ
わくわくせんというか、しまらない感じになって
なんとも、ふにゃっとした週の始まりである

いかん、大事なこと書くのを忘れていた
シャロやんが出てるということが重要でありました
久しぶりに見たけど、やっぱり美人だなぁと思いつつ
脚本のせいだろうけども、口が悪いのは
ギャグとしては、そういうものなんだろうが、
シャロやんにはやって欲しくなかったとか
思ってしまったのである
もっと活躍の場があるといいなぁ、というか、
もう本当に、朝ドラだなぁ、瀧もおるし

【読書】アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争

2019-01-26 15:03:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争  著:バーバラ・スミット

知らないこととは恐ろしいもので、
アディダスとプーマが、同族だったなんて
まるで思わずに、その起こりと今に至る確執、
途中で瓦解すらも経験したそれぞれの企業の歴史が
非常に興味深く読める一冊でありました
スポーツがカネになると、そこに気付き、それによって
数多くのものが生まれたのだなと
オリンピックや、サッカーワールドカップに
思うところをふくまされたのでありました

意外に感じたのは、アディダスのほうが技術屋集団からの成り立ちという部分で、
逆なんじゃなかろうかと勝手に思っていたわけなんだけども、
プーマのほうが売り方が上手い企業という
そういう位置づけになるんだろうかなと読んでいけば、
売り方も技術もアディダスのほうが上手かったと
まぁ、そういうお話でもありました
ただ、親族の様々な諍いや、力関係なんかもありながら
そのあくどいまでのビジネススタイルが
次々と浸透していく部分に衝撃を覚えたりしながら
これもやはり、以前に読んだナイキの話と同じく、
日本がマーケットとしても、技術仇としても出てくるのが
非常に面白いのでありました

特に、日本のサッカーシーンに入り込んでくる
アディダスの猛攻が面白くて、そこに中村俊輔なんかが絡んできたり
今思えば、日本代表がアディダスなのも不思議といえば不思議なんだけど
こういうからくりがあったのかと感心したりと
ともかく面白かったのでありました

そのアディダスも迷走を続けて、ろくでもない経営者を迎え入れたり
オーナー一族の混迷があったり、結構大変だったんだなと
考えさせられる場面ばかりだったのでありました
現在のスポーツにおける、カネの問題というのは
こういう企業が一端というか、ほぼすべての元凶でもあるのだなと思わされて
なんとも、面白いものだと思い知ったのであります
商業主義というものの恐ろしさというべきかしらね

いだてん  冒険世界

2019-01-20 20:43:09 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了であります
歴史モノというわけでもないから、
なんというか、話の筋の追い方が難しいなと
感じたりのこのごろであります
でも、面白いからいいか

天狗倶楽部との邂逅がメインで、
金栗氏がマラソンと出会うと
二行で終わるような物語でありましたが、
明治の学生が、東京に馴染んでるかといえば
馴染んでいない、
っていうか、出来の悪い三四郎みたいな話が
あるのかないのか、
そっちのほうが気になって、個人的には友人なのか、
たまたま一緒なだけなのか、美川氏の人となりが気になるのでありました
結局遊んだってことなんだよな
まぁ、いいんだけどさ

毎日走って学校に通ってたということなんだが、
寄宿舎が、存外校舎から遠いものなんだなと
そのあたり、不思議に思ったりもしたのでありますけども、
学生さんをやれるということは、
大層な仕送りも必要だし
大変だったのでなかろうかと感じたりしたのでありました
金栗氏のところは、お世辞にもお金持ちとはいえないから
もっと、そういう苦労も書いたほうがよかないかと
思うんだが、
辛気臭い話だから、やんないのかしらね

とりあえず地元とのヒロインと、なんともいえないやりとりがあって、
あれは嫁に行くという話なのかなと
思ったりしたわけでありますが、
美川氏が嫉妬するのも、わからんでもないなと
いらんところに感心というか、共感しつつ
とりあえず観終えたメモを置いておくのでありました

【読書】十二番目の天使

2019-01-19 18:48:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
十二番目の天使  作:オグ・マンディーノ

成功した男が、何もかもを失い
また立ち上がる

王道的な物語でありました
幸福の絶頂で、連れ合いと子供が
事故で身罷る
その絶望のうち、リトルリーグの監督を務めないかと薦められ、
そこで出会った少年とともに、野球に打ち込んでいく

と、まぁ、そういう映画みたいなストーリーなわけでありますが、
なかなか悲しい物語でもありまして、
「諦めないこと」「努力をすること」その姿が、
その言葉のごとく、周りを勇気付けるという
丁寧なお話でもあるのだが、
人生の浮き沈みで、その切欠を与えるような物語でありました

言葉連ねて、あれこれと語る内容ではなく、
ドラマといえばいいか、そこの情景を追っていき
ああ、そうか、そういうことだよなと
感じつつ、過ごした読書でありました

感想を書くのが難しいのだが、
一人、いい本だったなとごちる
そういう内容だったとメモっておくのでありました

【読書】任侠病院

2019-01-16 23:35:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
任侠病院  作:今野 敏

ヤクザが病院の再建に取り組むといったお話、
で説明できそうなのだけども、
実際は、実力のある病院が、悪い病気(ヤクザ)にかかっていたので、
それを取り除くという仕事をしただけで、
病院は立ち行きましたと
そういうお話でありました
大変清清しくて面白いお話であります

実際、こんなことないだろうなどと
言ってはならないわけでありますが、
様々な問題が、ヤクザだからこそ解決できるというところで
するりと取り除いてしまえば、
あとは、関わった人たちそれぞれのやる気で
なんとでもなるという、
或る意味、リーダーがしっかりしていたら
組織はちゃんと動くという話のお手本のようでもあって
なかなか興味深いのでありました

やや、水戸黄門めいた様式美というか、
だいたいのオチがついているのでありますけども、
人情と、きっちりとした凄みで場をしきっていき、
見事に調停してしまう
これこそが、ヤクザという人たちの仕事でもあるし、
もともと備わっていたものなのかもなと
思わされたりするのでありました
まぁ、そういう場を取り仕切るというのは、
良し悪しの判断がつきにくいところであるなと
物語だからこそ、素直に喜んで読めるものだと
思ったりするのであります

実際に、この組はどうやってシノギをしてんだろうかと
不思議になってしまうような、
この案件だけ見ていると、まさにボランティアしているだけで
徳を積むというただ、それを果たしたという
そんな風にも見えてしまい、そうではない場面は
描かないからこその物語なのかもとも
思ったり感じたりしつつ、
とりあえず、医者の凄さと、その男気にこたえようという物語は
ただただ、楽しく読めるので
よい一冊だったと思うのでありましたとさ

【読書】任侠浴場

2019-01-15 22:16:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
任侠浴場  作:今野 敏

ヤクザ屋さんが、お風呂屋さんの経営再建を行う
一風変わった人情話でありました
経営再建という形ではあるものの、
コストカットがどうしたとか、そういういかにも経済的な内容ではなく、
任侠や人情といった角度から、とりあえず足元、しっかり丁寧な仕事と
ごくごく当たり前のそれで、無事立て直すと
まぁそんなお話でありました

シリーズ物だったようで、以前作を知らないながら、
破天荒というか、人情と古い考えながら確固たるそれで挑む親分に、
なんだかんだと振り回されながらも慕い続ける親分代行との、
面白おかしいとまではいわないけども、
剣呑なところもありつつ、のらりくらりとしたやりとりで、
だんだんと問題がほぐれていくというのが醍醐味でありました

いかにもヤクザモノといった内容でもなく、
ヤクザ特有の暴力がどうしたなんていう解決は見えることなく、
実地に、実直に、そして、物事の本質を見抜いて、
あれこれ問題のあるところを片付けてしまう
いわゆる調整という、仕事上とても大切なそれを
なんとなく、親分が、さらっとやってしまって
見事解決といった内容が
胸をすくようで素晴らしい

ヤクザの仕事の方法として、
今日やれることは今すぐにする、
交渉は即断即決と、様々に出てくるんだが、
それって、普通の企業でも、とてつもなく大切なことだよなと
ヤクザがどうしたというよりも、
ちょっと怖いだけの、とてもしっかりした企業じゃないかと
そんなことを思わされるような内容に、
なんとも勇気付けられたというか、
仕事は、しっかり丁寧に、ちゃんと秩序を守ってやらないといけないなと
ごくごく当たり前のことを思わせる一冊でありました

かなりほのぼのしていて、ゆるやかに読み進められた
いい一冊でありました

【読書】競売ナンバー49の叫び

2019-01-14 14:47:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
競売ナンバー49の叫び  作:トマス・ピンチョン

意味不明だった
どうも、海外にも純文学というジャンルがあるようで、
その一端でないかと思うんだが、
さっぱり理解できなかった、
つらつら、電車に乗りながら、何日もかけて読むには
決して適さない本であったと思うのであります

とはいえ、ちょっとは読んだという証拠に、
なんとなく、理解したような部分を書いておくと、
或るとき、資産家が死んだ
その資産をあまり関係があるとは思えない女性が引き継ぐことになったんだが、
その資産の中に謎の切手があって、それが、アメリカを巻き込んだ
反政府組織の生きた証拠であるような、ないような
そんなお話でありました

この筋だと、俄然面白そうな、
なんだったら、ダンブラウン的なものでないかと
わくわくしてしまうのだけども、
描写が、らんちきに過ぎるといえばいいか、
薬でもやってんじゃないかという描写ばっかりだったり、
主人公の女性の独白と、妄想と、後悔と、体験が
いったりきたりしすぎていて
意味がわからないので、本当に、
注意深くというか、さらさらっと読んで理解しようというのが
無理というお話なのが怖いところ
結局なんだったのか、途中で、歌劇が凄いたくさん盛り込まれていて、
これって、そもそもそういうお話だったのかしらと
首を傾げたくなるような感じなんだが
それもまた、反政府組織というものを示唆する
レトリックというか、仕掛けだったんだそうで
あとがき読まないと、意味がわからんと思ったのでありました

とりあえず、読んだということだけ書いておいて
いつだったかの、テジュコール同様に
自分には早すぎたというか、読めない本でありましたとさ
年末年始に読むもんでもなかったわ
でも、こんなときにしか読めない本でもあったかもしれない

いだてん  坊ちゃん

2019-01-14 00:29:44 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了しました
いよいよ主人公の金栗氏の生い立ちが語られるというところで、
記憶に新しい田原坂の戦いやら、
少し前の坂之上の雲を彷彿とさせるというか、
ともかく、明治の活気といえばいいか、
その姿が描かれていて、それだけで満足だったようにも思うのであります

内容は、なぜに足が速くなったかと
それだけの説明であったようにも思うけども、
人となりが、なるほどと伝わる内容で、
さらにいうと、嘉納先生と浅からぬ縁があったというのが
肝でありました
同じくして、志ん生も追っかけていくのが、
謎というでもないが、不思議に思えてならないのだけども、
あれはあれで、まったく本筋と違う物語として
なんか面白そうだと見入ってしまったのであります

まったく思いもしなかったけども、
森山未来の身のこなしがずば抜けていて
ちょっと度肝を抜かれたのでありました
凄いな、役者さんというのは、やっぱり体を使う仕事なんだなと
改めてひしひし思い知った次第でありました
あの動きと、演技を見ているだけで
なんというか、凄い楽しい気分になったから
ただ単に、森山未来が好きなだけなのかもしれない
あの軽快な動きと、はつらつとしたところは
ずっと観ていたいと思うような魅力があるな

その連れ合い役なのか、橋本愛が久しぶりに出ていて、
かなりいい感じの役回りで、舌なめずりしているシーンだけで
観ている価値があったと、そう思わされるような
ステキな表情で、こちらも今後どたばたしてくれるのが
楽しみでならんのでありました

綾瀬はるかも、相変わらずだけども、
見事なというか、上手い女優さんになったなぁと
偉そうな見方をしてしまうのだが、
とても自然に、楽しそうな雰囲気が伝わってくるし
画面が出てるだけで華やかになるってのは
凄いことだなと感嘆したりを繰り返して

とりあえず、二話も終わったというところでありました
話が動かないから、どうともいいようがないが
また次回を楽しみにするのであります

【読書】卵をめぐる祖父の戦争

2019-01-09 22:29:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
卵をめぐる祖父の戦争  作:デイヴィッド・ベニオフ

ミステリとされているけども、謎ってそこかよっと
つっこみいれたくなるようなオチの物語でした
でも、凄い面白かった
そして、読後感がとても素晴らしい

おじいさんの戦争中の思いで話を聞くという体裁なんだが、
二次大戦中のソ連とドイツが交戦しているあたりが舞台
紆余曲折があって、脱走兵のような扱いを受けている
不思議な青年と、上官のために卵を探してこなくてはならなくなったと
情けない冒険が始まったのだが、
その冒険の行く先々が、戦争の悲惨さをありありと伝えていて、
重苦しいというか、生きることの辛さと、
戦争の残酷さが、まざまざ映るようで白眉

街では、食人鬼に襲われたりするあたりが
かなり衝撃的で、実際に、人を食うしか生き残るすべがなかったんだろうなと
当時のソ連の状況を感じたりして、怖気が絶つというか、
戦争とは恐ろしいもんだなと改めて思い知らされたのでありました
また、割と抵抗なく食べてそうなところが怖い

無残な人死にもいっぱい出てくるので、
かなり陰鬱な感じなのだけども、
主人公二人の会話が、それを晴らそうとするかのように
かなり下品なジョークに彩られていて、
暗いだけの物語になっていないのがよかった

最終的に、当然ながら祖父が助かるわけで、
そのオチにいたる部分が、かなり衝撃といえばいいか、
そうか、そこが謎だったのか、謎解きされてから
初めて謎に気付いたみたいな感じなんだけども、
このオチだからこそ、凄くいい気分で読み終えられて
悲しい物語なのに、とても楽しく読み過ごせたと
思うのでありました

いい本読んだ、あたりだ

【テレビ】平成ネット史(仮)

2019-01-08 21:34:34 | ドラマ映画テレビ感想
年末年始に、だらだらテレビ見ていたので
あれやこれや、感想書いておきたい感じなのだが、
とりあえず、記憶が薄れる前にというところで、
大変懐かしい思いを抱きながら見つめた番組をレビウっておくところ

平成が終わるからというくだりは、
様々なところで聞くフレーズとなったわけでありますけども、
この番組を見て、ああ、インターネットというものが
平成そのものでもあったのだなと
まざまざ思い知らされるようで
なんというか、黎明期の懐かしさと、混沌から、解放へと向かう様、
どこで自分が、どういう加減だったかを
思い出したり、反省したり
なんとも、趣深い味わいのある番組でありました

古強者は、もっと前のパソコン通信やらの話に
かかってしまいがちなのでありましょうが、
この番組で触れられていた、個人ホームページ華やかなりし頃、
その姿が、まぁ、テレビで見ると
とんでもなく恥ずかしいなと、見てられないのに、
目が離せないという、久しぶりにあの感じを思い出したのでありました

個人的にも、侍魂がという頃には、
隔世でもないが、少し違う時代だと思っていたのだけども、
そこからブログが現れて、その勃興とともに、
新しい人たちが大挙する、それにより、世界が変わっていく
この現象は、様々なところで観てきたと思いつつも
多感な頃に、あの世界に身をおいたからこそと
信じたいような、なんともいえない憐憫があったと
思い出したのでありました

内容としても、2chの閉鎖騒動の裏が、美談になってるけど
実際はそんな凄いものじゃないというところがあったり、
ポケベルという凄まじい発明のよさの解説と、
ハートマークという外字があるかないかで、
売り上げに凄まじい影響を与えたという、今では当たり前のことが
当時はまったく理解できていなかったであろうことだとか
ともかく、時代といいたいそれこれが
山ほど出てきて、楽しくて仕方なかったのでありました

新しくなるにつれ、というか、スマホが出てきてから
また世界が変わったというところも理解でき、
これからもネット史は続いていくのだなと
どこかで、船を下りたかのように錯覚してしまいがちなところもありつつ
当事者を含めて、楽しい番組が見られたと
思うのでありましたとさ
過去を懐かしむという娯楽は、振り払いがたい魅力にあふれていると
そういう、当たり前のことに気付かされる番組でありました

面白かったが、これを楽しむようでは
先に進めないとも感じてしまうのだな

いだてん  夜明け前

2019-01-07 21:11:26 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
今年も新しいドラマが始まったと
無事観終えたのでレビウっておく次第であります

今回は、現代モノで、正直大河ドラマというか
朝ドラでいいんじゃね?とか
思わなくもない内容なんだけども、
ドラマとして楽しませてもらえれば、四の五の言わないと
楽しみにしていく所存であります

脚本がクドカンということで、
どれくらい大丈夫かが、はなはだ心配だったのでありますが
初回は、とりあえず置きにきたといっていいのか、
マイルドで、観やすい、悪乗りのないもので
わくわくと観終えたのでありました
これは次回からも楽しみで仕方ない

だいたいどんな話になるか、まったく調べていなかったので
オリンピック招致だけではなく、そもそも参加したところからスタートというのに
なるほど、それなら一年あるかもねと納得したりだったのでありますが
実在したという、天狗倶楽部を見て、
こういう森見ワールド的なものが、やはり日本には存在していたんだなと
改めて思い知らされたのでありました
頭いいし、いいところのボンボンだし、
ろくなもんじゃなかったろうなと
連中を見て思い知ったのでありました
酷いというか、いかにもすぎて素敵だわ

とりあえず出だしなので、何がということもなく、
嘉納先生が出てきただけでも素晴らしいと思えたので
来週も楽しみだと、素直な気持ちをメモりつつ
一年をはじめていこうと思うのでありました

【読書】死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相

2019-01-03 22:24:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相  著:ドニー・アイカー

新春から縁起の悪い題名の本読んだなと
反省してしまうのでありますけども、
ソ連の頃に起きた、謎の遭難事故について
アメリカ人が血道をあげて解明に取り組んだ
そんなお話でありました
ノンフィクション系といっていいのか、
ドキュメンタリめいた内容で、面白いけども、最終的に
オチはそこかと、ちょっと首をひねってしまう内容だったけども
読んで楽しかったのは間違いないのでありました

ネタバレを書いてはいかんと思いつつも、
正直、この本の決着というか、最後のオチ、
真相はこれであろうという、これもまた、確証が揃ったものでないのは
仕方ないところではあるのだが、
なんというか、オカルトとまではいわないが、そのオチもどうだろうかと
苦しいなと感じてしまうところに終わったので
なんとももやっとしているのでありました

ただ、そのもやっとしたオチに納得いかないというのも、
ここに至るまでに、相当頑張っていろいろ調べたのだろうし
そもそも、この事件のこと知らなかったけども、
調べていくほど怪しいというか、興味深いというのも
また確かなところでありまして
怪死といわざるをえない状況、それもまた信憑性がよくわからんと
そんなことが積み重なった資料しかなく、
それでいて、そうなったのはソ連が、政府として何かやましいのでないかと
そう思われても仕方ないことも行われていたり、
なんというか、興味深い、
昭和の頃のあやしい雰囲気のオカルトを彷彿とさせる
このおどろおどろしい怪しさは
今見ることができない、ずさんが生む魅力みたいなのが
ぷんぷんと香るようで、素晴らしいと思ったのでありました

オチにたどり着くまでは、それまでのオカルトめいた諸説や、
さまざまな可能性を崩していくというところが
大変しっかりしてて、その通りだろうなと思っていたんだが
いざ、オチを提示する段になって、
これは想像でしかないけども、
よくわからなかったというオチはダメだろうと、
なんか、結局それっぽいのを持ってきただけと
そんな感じに読めてしまったのが
大変残念でありましたが

結局、真実はわからず仕舞なのは間違いないので
想像するしかないのだけども、
奇しくもロシア人たちが言っていた
解決しない事件が、あなたの国には存在しないのか?という
まさにそういうことだなと
思わされたりもしつつ
事件の時間と国とが、巧妙にまざりあって
楽しかったものだと思うのでありました

【テレビ】将棋の日

2019-01-02 21:30:49 | ドラマ映画テレビ感想
しばらく留守にしていたので、消化できていなかった
テレビ番組をもちもち見ていて、これわと思ったので
感想を書いておくのであります

すっかり将棋にはまったここ二年くらい、
2018年もさまざまなニュースがあったし、
あれやこれやと楽しんで過ごしていたのでありますが
その集大成かのように、将棋の日の番組が面白くて、
一人でけらけら笑って過ごしたのでありました
掛け合いの面白さが理解できた、
将棋に対する、正式には見る将に対する棋力があがっている(無意味)

山崎先生と高見叡王のかけあいの楽しさもさることながら、
次の一手対局の佐藤名人と渡辺棋王の対局が面白くて面白くて、
お互い、その場の空気を読みながらの将棋ながら
見ていてすごい面白くて、
解説の妙味もあり、なんというかな
ずずいっとひきつけられた
これがプロの将棋か、なんて、見せられる将棋を堪能したのでありました
次の一手についても、次々先生たちが
慣れた感じで正解や、妙手を指摘したりというのが、
盤上でも再現されていくというのが
もう、どこまでがお約束めいたものもあったのか
わからないままに楽しくて仕方ないと
将棋の力はまったく上がらないけど
楽しみ方だけわかってきて、なんともいい番組見たと
快哉を叫んだのでありました

リレー対局もステキな結末でありましたけども、
将棋フォーカスナビゲータの伊藤かりんさんが
すっかり実力をあげているのもわかったというか、
見ていてすごいなと、素直に感心させられてしまって
ちゃんと勉強しないと、強くなれないんだなと
改めて思い知らされるところもあったのだけども
ともかく、全体的に棋士の先生たちの面白さが
ずいずいわかる内容で
大変いい番組だった、見てないけどイベントもきっとそうだったんだろうなと
羨ましく思ったりしたのでありましたとさ

2019年では、関ケ原の人間将棋を見たいなぁなんて思いつつ
とりあえず、少しは勉強して、もうちょっと強くなりましょうと
反省もしたりした、まさに個人メモをおいておくのであります
将棋楽しいなぁ