CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】史伝 新撰組

2018-04-30 21:42:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
史伝 新撰組  作:三好 徹

久しぶりに幕末ものを読みました
よく聞く新撰組のエピソードをそれぞれ史実検証に基づきながら書いた
そんな感じでありまして、実際はどうであったか、
そのあたりを学習しながら読める一冊でありました
小説として面白く読める章と、検証作業に割きすぎの章があって、
正直なところ、池田屋事件という、最も楽しみなそれが
検証ばかりで残念だと思ってしまったのだけども、
色々な人が、当時のことを思い出して描いてきた
池田屋のそれは、随分思い違いがあったり、勘違いがあったりと
そもそもの日付についても、旧暦と新暦とでごっちゃになってたりなんて
あれこれあったようで、面白いと思えたのでありました

実際に何人の志士が死に、捕まったのかというのも
人によってばらばらであったり、
少人数で殴りこんだ新撰組の凄さというのが
よくよくわかってきたりして、これはこれで面白い
けど、時代劇の影響で、ばったばったやってたようだけど
実際はそんなはずもないのだよなと思わされたりしたのであります

あとは、油小路事件についても、藤堂を最初から近藤派ではないとして
御陵衛士のそれとして書いているのも面白く、
尊王をどうとらえていたか、当時の世相でもないが
一流で活躍した志士ではなく、
市井のといえばいいか、街中のそれこれにもあった思想というのが
この程度ながらも、熱くたぎっていたと読めて
面白かったのでありました
実際、ご一新という凄まじい偉業で活躍した様々な志士が語られるけども
その下に有象無象の政治かぶれた武士や、武士くずれがいたんだろうなと
新撰組を見ていると思い知らされるようで面白いのでありました

個人的に好きなのは、松本良順先生の話で、
家茂のファンであったという解説から、
近藤、土方を好きではないとしていた頃から
だんだんと惹かれていったと解釈しているのが小説としても好きで
こうあって欲しいという、新撰組の哀れといえばいいか、
それを語るのに欠かせない人だと
改めて思ったのでありました

そんなわけで、久しぶりに読んだけども
おおよそ新撰組の話は覚えているところと違いがないといえばいいか、
つまるところ、司馬遼太郎のそれこれは
やはり正しいところが多いのだと改めて思い知ったと
そんな風に読み終えたのでありましたとさ

西郷どん  斉彬の遺言

2018-04-29 21:48:19 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
井伊様の煽りっぷりというか、いい、実に素晴らしい
ドラマのキャラクタとして、これほど魅力的な敵役はないと
そう思うくらい憎たらしくて、素晴らしい井伊様でありました
殺されても仕方ない感じになりつつあるが、
これはこれで改革者の姿でもあるなと
思ったりしてしまう、大人になった自分である

さておき、逃げる西郷を描く回でありまして
その最中に、さらっと橋本左内が捕まって
来週には死ぬのか、あるいは、今週あのシーンで既に死んだと見るのかと
あれこれ考えさせられたのでありますけども
着々と安政の大獄が進んでいて
ああいった、一連のことを大獄と呼んだんだなと
改めて歴史を勉強している気分でありました
そのひとつとして、一橋の蟄居もあったと考えると
本当に、井伊の専横というか、独断と強さが
ヒカルことこのうえないなと思ったりするのでありました
まぁ、西郷たちがやってたことも
完全にテロだから、どっこいといえばどっこいだけどなぁ

と、そんなことを考えたりしながら
殿の亡霊に救われるというシーンが
いかにも大河ドラマという感じなんだが、
役者が違うせいか、やっぱり迫力があるなと見入ってしまったのでありました
いよいよ入水にもなり、しばらく隠棲することになると思われるが
早く続きが見たい、そう思ってならないのであります
なんだかんだ、もう5月だからなぁ、どこまでやるんだろうかしらね

【読書】闇の喇叭

2018-04-28 21:49:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
闇の喇叭  作:有栖川 有栖

不思議な推理小説でした
架空の日本といえばいいのか、北海道をロシアに取られて
南北に分断された日本で起きた奇妙な事件を解いて行く
そういうお話なのだけれども、
探偵が国をあげて禁止されているとか
なかなか面白い状況の中で、でも探偵のようなことをしたい
あるいは、してしまい、事件を解いて行くと
まぁそういうお話なのだけれども、
なんだろうかな、どうもしっくりこない設定だなと
ちょっと思ってしまったのであります
何かのオマージュというか、何かを暗示しているのかと
まさに、この小説に出てきた
闇の喇叭なる、闇夜で鳴り響く謎の喇叭のイメージが、
どうにも、小説そのものに感じる一冊でありました
うやむやする

ともあれ、ちょっと不思議な設定で、現代、現実に近いのだけども
根底といえばいいか、どこか、基本となる考え方が異なる
そういう並行世界のお話なので、
根幹のところにあるトリックというか、
どうしてという動機部分について、なんか理解が難しいと
考えさせられてしまったのでありました
ネタバレを防ぎながらは難しいのだけども
これは、今、この現実世界でもおきうるのだろうか
昨今の状況からは、考えづらいけども
もしかしたら、私が幼少の頃だったら
こういう考え方、そういう生きづらさがあったのかもしれないななんて
思ったりもしたわけでありますが
ともかく、楽しいかというと
息苦しい小説であったように思うのであります

さりとて、トリックを一生懸命再現して解いて行くというのは
非常に面白くて、推理小説の醍醐味を満喫できたと
そんな按配ではありまして、あまり難しく考えず
ただただ、トリックと事件と謎解きを楽しめば
なんということはない、よくできた推理小説を堪能できたと
そういう感想を抱いているのでありましたとさ

年末台南高雄旅行 14 安平古堡

2018-04-27 21:18:17 | 年末台南高雄旅行(2017)

安平郵便局前のポスト、有名なんだと思われる
獅子と剣のモチーフがステキ

甘味を補給して元気になってから、もくもくと移動を開始
相変わらずの観光地っぷりというか、なかなかの混雑っぷりに
賑わいを楽しみながら安平古堡を目指します


昼の喧騒が凄いのだが、夜は夜でもっと面白いのかもしれない


到着して入城 50元也


前回もこんなの居たかしらと首をかしげてしまったんだが、
謎の現代オブジェめいたものもところ狭しと居たりして
これはこれで楽しいと思ったところ、何よりも
前回は見られなかった、ゼーランジャ城のシンボルでもある白塔が
工事を終えて、凄い綺麗になっていたのでステキでありました


白塔が見える、上るぜ



こんな感じで、ちょっと高台から眺められる、
愛知県は小牧のほうの城跡の高台がこんな感じだったなと
復元されたそれの楽しさを味わったのでありました


この塔があるだけで、随分城の印象が変わるなとしみじみ感慨にふける

鄭成功が根城のひとつとしたというお話で、
最期まで抵抗したオランダ人をこっから追い出したという話は、
本やらなにやらで様々に勉強したけども、なかなか
歴史を知ってからの史跡めぐりは楽しいと満足なのでありました
中に展示されていた、当時の武装それぞれというのも面白くて
オランダ側がハルバートとか持っているところ、
鄭成功側は、もっとへっぽこな武器なんだが
うまいこと攻城したんだなと思わされたりなのでありました

城をあとにして、あとはお決まりの廟めぐり


抜けるような青空に、廟がよく映える



いたるところにあります、天后宮
先日半島でも見た媽祖を祀った廟であります
厳かな雰囲気で、外のお祭り騒ぎとはちょっと違う印象
しんと、お寺を堪能してから、ぐるり、タクシーを捜しつつ移動


そして発見する、超有名店の周氏蝦捲
食べたいなぁと思ったんだが、見ての通りのあまりの行列っぷりに断念
観光地のそれは駄目だなぁと残念に思うものの
とりあえず門前どおりのほうに戻るのであった
今思うと、無理してでも食べておけばよかった


仕方なく、同じようなものを屋台で発見して
せっかくだからと一本食べることにする

蝦捲 25元

食べてみて、まぁ、こんなものかなと
正直、フィッシュアンドチップスについてくる魚が海老に変わっただけといったらいいか、
まぁ、屋台の揚げ物なんてみんなこんな感じでしょうという感想で終わる
後ほど、これで蝦捲のことはわかったとか思わなくてよかったと
反省する事態になるんだが、ともかく、屋台ではさした感動はなかったのである

歩き回って、タクシーがなかなか捕まえられなかったのだけど
ようやく見つけて移動をするのでありました

【ドラマ】どこにもない国

2018-04-26 21:10:55 | ドラマ映画テレビ感想
NHK特集ドラマシリーズというのだそうで、
こんな枠あったのかと、ほかのシリーズにちょっと
覚えがないなと感じたりしたのでありますが、
今作はがっつり見入ってしまった
非常に面白いドラマだった、満州からの引き上げという
あの時の悲惨さと、その裏であった躍動というか、
困難とそれに挑む姿が、ぐっと心に響いたのであります

満州からの引き上げ事業というのが、
民間外交という形で成されていたということ、
この引き上げまでの間に、満州がどれほど悲惨だったか、
それが、残留孤児という物語にもまた繋がっていくのかと思うと
なんとも、忘れてはいけない悲惨さだと
感じたりしたのでありました
とても丁寧で、いいドラマだと感じて、
がんばって生きようと、素直に思わされたりしたのであります

全体的には、政治的に活躍したというのは二の次で、
それ以上に、満州がどのような状態だったか、
そこから脱出するというのが、どんなに難しい話だったか
そちらの困難さが見事でありました
最終的に、叶ったわけだけども、
そこにいたるまでに、叶わなかったこと、あるいは、失われたもの、
奪われたものというのが、あまりにも途方もないと
そんな風に感じて、敗戦の意味をかみ締めるようでありました
あんなことになってしまうのだなぁ、
戦後というひとつの時代について、まだまだ知らないというか、
当時の人たちは知っていたけども、
私が知らない側面というのが、山ほどあるのだろうと
なんとも考えさせられた次第でありました

家族を思うということと、そこに立ち向かうための
志、己の正義ともいうべき指針が、なんとも崇高で、
だけどもそれによって、困難が増えていくというのが
人生まさにといったところ、
現状の自分なんか、危機にも瀕していないと思ったりして
明日を生きるエネルギーにかえたい
そんな風に思えたのであります

各役者の熱演が素晴らしく、特にナチュラルに英語で芝居が進むのも衝撃で、
そういう時代なんだなと思わされたりしてしまったのであります
聞き取りやすい英語だと、字幕を見ながらなのでわかったのだけど
中国語や、ロシア語なんかも織り交ざっていき、
多言語に関して、映像は新しい時代にはいってるのかしらなんて
ちょっと偉そうなことも感じたのであります
なんか、そういうのが当たり前になっているような
そういうつくりにも見えたのである

人生を楽しむことにおいて、
こういうことは、デフォルトのスキルになってきてんじゃないか
そうも感じつつ、ともかく、濃厚な歴史を味わえた
よいドラマを見たと思うのでありました

【読書】ローカルメディアのつくりかた

2018-04-25 21:06:15 | 読書感想文とか読み物レビウー
ローカルメディアのつくりかた  著:影山 裕樹

フリーマガジンに限らない、地域密着型の小型媒体について
様々な事例を紹介した本でした
仕事の関係で、編集系のことをやっている兼ね合いから
たまには仕事っぽい本でも読むかと手に取ったんだが、
思ったのと違ったというか、
こういう零細といえばいいか、ともかく自分が作り、自分が売るという
強い意志のもとに作る雑誌というのは
根本的に、自分が関わっているメディアと別ものだと
感じたりしつつ、それでも、なんだか楽しそうだと思った次第であります

既に発刊から2年ほどのようなので、
実際にまだ続いている雑誌が、どれほどあるのかわかりませんが
そのコンセプトと、やろうとしていること、
担っている役割みたいなのが、メディアというよりは
土地で起業するためのイロハのようでもあり
興味深いのでありました

とりあえず、片手間というか、副業めいた作り方をしていると
そんな業態が多いようで、媒体を作って
それだけでなんとかなるというのは、途方もなく難しい様子、
やろうとすれば、1万部発行くらいで、一から十まで全部自分でやる
一人でやるというマガジンでなんとかなるかと
そういう感じなんだそうでありました
これをあえて、紙媒体でやるというのが味噌なんだなと
改めて思い知るのでありました

実際どうなのかわかりませんが、
ひょっとすると、十数年、もっと前かもしれない頃に
有象無象のメルマガが発行されていた、
その発行人たちが、このようなことをしているんじゃないかと
ちょっと思ったりもしたのだけども、
見ていると、若者向けではなく
やはり、お年寄り向けだったり、過疎地での一種コミュニティであったりして、
メディアとは何か論みたいな話にもなって
なかなか楽しいと思えたのでありました

いたく真面目な本を読んだのですけども、
仕事に役立てられるかというと
これ読んで役立てようという人は、独立メディア作りたい人じゃないかと
思ったりして、企業人としてやっている自分が
どう料理するべきか、考えるばかりなのでありました
なんだかな、プライベートに仕事持ち込んだら駄目だなぁ

【読書】マスクを脱いだデストロイヤー

2018-04-24 21:00:02 | 読書感想文とか読み物レビウー
マスクを脱いだデストロイヤー  著:ザ・デストロイヤー

デストロイヤーの自伝であります
プロレスを少しは知っている世代でありますが、
私からすると、デストロイヤーはだいぶ上世代なので
ちょっとその本当のところというか、活躍していた頃を
よく知らないので、面白く読んだのだけども
なかなか感銘を受けたというか
頭が良くて、凄くいい人だったんだろうなと
思わされる一冊でありました

ベビーフェイスでデビューしてから、
自分の広がりを求めて、ハワイでヒール転向し
一躍スターダムとなるというのがステキでありまして
まぁ、プロレスラーの話だから
半分くらいに聞いておかないといけないかしらねと
思ったりもするんだが、本当にもう、
文章から随分いい人さがにじみ出てくるようで
なかなか感激したのでありました
無類の日本贔屓でもあるようで、
この頃に来日した外人プロレスラーはみんないい目にあっているから
そうなってしかるべしなのかなとも
思ったりするわけだけども、昭和のプロレス全盛期を生きた人であったと
そう思うのでありました

超有名なところでは、力道山の最期の対戦相手であり
また会話をした人の一人でもあるというところで、
そのあたり、力道山のプロモーターとしてのよさに言及していて、
このあたり、猪木の話とかと照らし合わせると
なかなか考えさせられるところでありました
実際に、デストロイヤーに対しては
本当にいい人だったのかもしれない、でも、力道山という人は
本当に怖い人であったろうとも思うと
なかなか自伝というか、一人の評価というのは難しいものだと感じる

その後、馬場と意気投合というか、
馬場に心酔するかのように尊敬を抱き、全日本で大活躍していくというのが
またステキでありまして、このあたりは少し聞いた話もあったりで
なかなか楽しかったのでありました
それよりも、アメリカ時代のそれこれについても面白かったし
プロレスラーとして、仁義を大切にしてきたというのが
いい話だなと思わされたところであります
覆面十番勝負の話とかも身体が熱くなる話だったけども、
今の時代となっては、ブックの存在やあれこれ考えると
この熱い物語も本当はどうだったのか
考えさせられたりしてしまったのである、世の中知らないほうが幸せなことは
本当に多いなと思うところ

プロ意識として、マスクマンとしての生き方も面白かったが、
本当に、今の時代ではマスクマンという生き方は難しいんだろうなと
つくづく考えさせられたところ
よきにつけ、あしきにつけ、やはり昭和のレスラーであり
偉大な過去の人なのかもしれないと
ちょっとだけ思わされたのでありました
実際に、現在のプロレスの状況はあまりよくないというか
ショープロレス全盛も行き過ぎたほどだからと
考えさせられるけど、今更セメント見せられてもなぁと感じたりもするし
やっぱり昭和だからこその面白さなのかなと
改めて感じたのでありました

プロレスに夢があったでもないが、
紙面という、それすらもブックであるものからしか情報を得られないというのが
見ている側を刺激していたし、それに対して徹底して嘘というか
演技をしていたレスラーのよさというのが感じられて
みんなでわかっていて、演じているかのような古いプロレスの匂いが感じられた
よい一冊であったと思うのでありました
頭もよい人で、人格者であるような
それは壊されないでいたいと思うのであったとさ

【読書】編集ガール!

2018-04-23 21:01:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
編集ガール!  作:五十嵐 貴久

なかなか面白い小説でありました
結構驚きの結末というか、時代なのかしらと
思わされたりする内容に感心というか
考えさせられたのでありました

唐突で強引すぎるワンマン社長の人事から、
急転直下の人生を歩むという
キャリアウーマン的なお話だったんだが、
いち経理事務職員が、いきなり編集長になって
物凄く働くというのは
ちょっとやりすぎだろうと思わなくもないのだが、
なんだろうか、自分の現状が、この状況と
何か思い至るところのあるようなもので
あっという間に読み終えてしまったのでありました

世の中、こういう上司もいて、
その中であーだこーだ、大変な仕事があって、
その先導となってくれそうな人もいるけど
そのやり方に納得がいかないとか
まぁ、あれこれありながら、
自分を出して、最終的には決断していくようにしなくてはと
目覚めていくのは、人生のそれだと
つくづく思い知らされたわけでありますけども
展開がいかにも男っぽいなと感じてしまったのであります
女性でも、やはり管理職となれば
こういうことなんだろうかなとも思うんだが
男女が逆転している物語とも
読めるよなぁと、それが今なのか、そういうものを敢えてというのが
まだまだ、男性的だといえばいいのか
なんか、考えてしまったのであります

とはいえ、何かを他人任せにしていてはならぬ、
そして、そうではない仕事は自分で、自分でと
歯を食いしばらなくてはならない
何よりも、それがただ、楽しくなってくると
これが仕事なんではないかと
思わされたりして、これもまた、今の私よりも若い人が
熱く燃える話でもあり、でもまた、
そういうのは年齢ではなく、ステージというか
求められるときというのがあって、そういう時に読むべきなのかもと
純粋にうがたず読みたいと思った
素直な小説でありました

何書いているかよくわかりませんが、
ともかく、仕事への取り組みについて
至極まっとうなことを書いての話でありました

西郷どん  殿の死

2018-04-22 20:43:26 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
まぁ、そうだろなと思いつつ見ていましたが
なかなか劇的なタイトル回収劇でありました
盛り上がって、そのまま逝くという
物語としては非常によいそれで、
お前がわしになれ、なんて台詞は、
いつぞやのスペシャルのときの意味がわかったというか
ダブルミーニングとすら思えるようなそれで
素晴らしかったのでありました
ただ、西郷どんがどんどん恰幅よくなってて
体大丈夫かと心配になってしまった

さておいて、急転直下の大老就任劇でありまして、
この頃の井伊については、ついていたと
言うべきなのか、その後を考えるとついていないというか、
むしろ、燃え尽きる前のろうそくだったのか
運命というのはわからんものだなと
改めて思い知った次第、
もう駄目かと思った継嗣の問題は、家定の急死によってさらっと済むし、
まぁ、裏で九条と繋がっていたからこそなんだろうが、
運が良かったというのはありそうな話だと思うところ
さらに、政敵として難題であった斉彬の唐突な死もまた、
井伊への追い風であったように思えてならないのでありました
この物語からすると、むしろ、斉彬は殺されたんじゃないかと
疑りたくなるところでありますが、
あれだけ大きな政変が失敗で終わったというところに
意気消沈ではないが、何か、きっかけになったんじゃないかと
史実について思いたいところもあったんだが、
実際どうであったろうか、
物語としては、京都へ薩摩が上るという案が
ここでひとつ出てきて、今後の西郷のひとつのテーマになっていくのかと思えば
なかなかよくできた話だとも感じられるのでありました
薩摩から、なぜ、西郷と大久保が出て
島津というのが出なかったのか、そのあたりがわかるようにも思う
象徴的な内容であったように思うのであります

次回逃避行が行われて
おそらくは、左内が死んでという感じではないかと思いつつ
唐突にスピードがあがったように感じながら
次の放送を待ちたいのであります

【読書】それでも強いルイ・ヴィトンの秘密

2018-04-21 20:56:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
それでも強いルイ・ヴィトンの秘密  著:長沢 伸也

ルイ・ヴィトンというブランドが、
どのようにして今の地位を築いてきたかという話を
いくつかのタームに分けて、解説、研究した本でした
実際に創業一家から話を聞いたとかいうではなく
その動きというか、どのように経営が移り変わってきたか
そのキーマンとなった人物の話や、
なかなか興味深いところではありますが、
ヴィトンという伝説めいたそれの解説に終始で
面白いけども、盛り上がりに欠けるといった印象で終わったのである
いや、真面目な本だからそれでいいんだがな

質のよい品ということに
確固たる自信をもって製品を作り続けていた
それが日本でバカウケして、というか、
そのバカウケの方法がよかったと
その手法を解説
百貨店至上主義だった日本で、じんわりと展開を広げていき
やがて、百貨店がひれ付するような存在となってと
そのブランド価値の創造に成功し、
それがなぜかという話に
なるほどと納得しながら読んだのでありますが、
こと、日本でその価値を勝ち得て、それを足がかりに世界へ広がったというのが
話の筋なんだけども、ちょっと日本を贔屓にしすぎた話じゃないかと
思わなくもなかったが、銀座での展開方法だとか
なかなか目を見張るところがあったのであります
説明されると、当たり前のことなんだけども、
ニュース自体がニュースになるような展開だとか
ともかく、やることが派手というか徹底しているのがよいというお話でありました

それかと思えば、新しい展開、革新を求めるために
アメリカ人のマーク・ジェイコブスというデザイナーと組み、
それが本当に新しいものを作り出してきた
この10年における(もっともこの本は10年前に出てるから20年前なんだが)
飛躍がここに集約されるというお話だそうで
正直、どうかなーと思っていた、
村上何某氏とのコラボも、どうやら成功していたのだそうで
世の中わからんというか、
このファッションを当たりすぎない程度に当てているというのも凄いだとか、
少数多品目を絶対にして、
定番品の入れ替えを頻繁にして、飢餓感を常にあおっているだとか
本当なのか、わからんが、でも
世の中はそのように振り回されているらしいということも書かれていて
なかなか楽しく読み終えたのでありました

高級品路線というものの包含をもくろんで進み、
高級であり、かつ、一般にも浸透させるという
難しいことをやってのけている、
この凄さというところをとくとく読みこめたのでありました

【アニメ】3月のライオン シーズン2

2018-04-20 21:32:52 | ドラマ映画テレビ感想
3月のライオンのシーズン2が終わってしまいました
あの終わり方からすると、綺麗にまとまってるから
もう続きはやらないのかもと
ちょっと残念に思ったりもするのですが
非常に満足な、とても面白いアニメだったと思うのであります

最初のシーズンと一緒で、
結局のところ、漫画を動くようにしただけと
いえなくもない、だったら、見なくていいじゃんと
ちょっと感じていたりもしたのでありますが
漫画で名シーンだと思っていたところが
アニメで見られたという満足度は、なかなか
はかりしれないところがありまして
大興奮といっていいのか、いい年齢こいて、楽しんでいたのであります

今回のシーズンでは、もっとも重点となるであろうと
危惧というか、げんなりしつつも、ここを見ないとなぁと
ひなちゃんのいぢめ編について感じていたのでありますが
この編のラストシーンで、いぢめっ子が突き放された部分が、
漫画だと、さらっと終わったようにしか見えなかったのに
アニメだったら、彼女の抱えた不安みたいなのが
よりわかりやすくなっていて、なんというか、
憎いではなく、可哀想という、本来意図されていたのであろう物語が
はっきり理解できて、すげぇよかったと感動したのでありました
こういうのがあるから、
同じ原作ものでも、解釈というか、メディアが異なるなら
見るべきなんだなと思ったり感じたりするのであります
映画でも、なんだかんだ、このあたりの昇華が上手いと感じたのだから
人間ドラマとは、そういうものなのかもと思うのである

将棋の話としては、これもまた非常に楽しくて、
一番の見所だと思っていた、名人との対局が面白くて面白くて、
別に何がということもないのに、
局面が悪化していく瞬間と、その後の焦燥みたいなのが
これまた、漫画よりよくよく理解できて楽しかったのでありました
とてもいい、素晴らしい
ついでにいえば、兄者の初タイトルをかけた戦いについても、
爺とおっさんの執念深いねちっこい、派手さのかけらもない戦いというのが
じっくりとっくり沁みてきて、これもまぁ
本当に楽しいことこの上なかったのでありました

そんなわけで、十二分に楽しめたと思えるところなのだけども
現在、将棋人気が高まっている最中、
NHKがもういいですとするのかどうか、
でも、次にやるとすると、クズ男編だったりするのだから
将棋と関係ないしなぁとか思ったりなんだったりしつつ
やっぱり見たいと期待しながら
今回も楽しめてよかったと書いておくのでありました

そもそも、原作があんまり進んでないからなぁ
先崎先生も復帰されるとのことなので、
盛り上がっていただきたいものである

年末台南高雄旅行 13 安平樹屋と豆花

2018-04-19 21:45:30 | 年末台南高雄旅行(2017)
移動しまして、安平であります

安平といえば、もちろん鄭成功
随分勉強したので、このあたりについての感慨は
なかなか深いものでありました
実際に地元の人がどれほど鄭氏を敬っているのか
そのあたりは、観光地と化しているこのあたりでは
さっぱりわからんのでありますけども、
この煌びやかな銅像を見るかぎり、よいのでありましょう

というわけで、安平といえばの観光地、安平樹屋に到着


チケット購入 50元であります
ここで、共通チケットなるものも販売されていまして、
安平樹屋、安平古堡、億載金城、赤崁樓の台南4名所の全部が入れるチケットもありました
残念ながら今回の予定では、安平樹屋、安平古堡にしかいかないので
買うのをやめたのでありますけども、これは結構お得なのかもしれないと思うのである


中は相変わらずの樹木に乗っ取られっぷり
これはかなり面白いと感じたようで
うちの親父が、えらいノリノリで見て廻っていたのでありまして、
誰か連れていくなら、こういう場所がいいのかもしれません
マングローブより楽しそうだった、好みは難しい


前回も撮ったアングルのように思うが、
この躍動感ではない、生命力というのが凄いと感じる部分
なんか漫画っぽいよなぁと、つくづく、動いていないけども
生きて飲み込んでいるという情景が凄まじいのであります


個人的には、この建物に沿って枝が這っていく、縫っていく様が見所だと思うのである
AKIRAを思わせるような部分なんだが、本当にもう
楽しいなぁ、うちの父親がこの枝から顔を出すさまなんかをカメラで撮って欲しいとか、
あれこれフォトジェニックに楽しんでいたので
非常によさげでありました


小型というでもないが、近くにあった侵食が進みつつある木
なんとなく、ベンチっぽくて腰掛けられそうなのも面白かった、
腰掛けていると、その内飲み込まれてしまいそうな恐怖もあるんだが
夜見たら、また怖いんだろうなと思わされたりしたのであります


一通り満足したので、また甘味補給ということで
安平豆花を食べに移動移動、
前回、結局名店なのか、そうでないのかわかってなかったんだが
今回は小豆(紅豆・ホンドウ)で挑戦
これが非常に旨かった、鮮乳というのを選んだんだが、
濃厚な牛乳が入れられていて、タピオカとあいまって
大変旨い一品でありました
緑豆もよかったけど、やっぱり、スタンダートというか、
観光客向けのが好きだなぁと、ミーハーに楽しんだのでありました


相変わらず混雑は凄い、酷いといってもいい
また、家族連れなのかわからんが、
10杯くらい買っていく人とかもいて
人気の高さが伺えたのであります


紅豆珍珠豆花 40元
甘さも、ほどほどで非常に美味しいのでありました
台湾は牛乳も旨いと聞いていたけど、それが納得できる濃厚さで
大変よかったのである
活力を得て、安平古堡に移動する

【読書】女學生奇譚

2018-04-18 20:44:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
女學生奇譚  作:川瀬 七緒

なかなか気持ち悪いお話でありました
最終的にそうきたかと、それぞれの事象も
つながっていって、なるほどなと思ったんだが
まぁ、後味が悪いといったらいいか、
取り扱いが嫌すぎる内容に、ちょっと閉口したのであります
でも面白かった

オカルト雑誌の記者が、読むと死ぬなどという本の謎に迫ると
まぁ、そういうお話でありました
主人公の出生というか、人となりも謎があり、
そちらも明かされつつ、不可思議な登場人物ばかりのなか、
謎に迫っていくのがなかなかに楽しいのであります
旧家の明かしてはならない謎に肉薄していき、
それが実わという感じで終わるわけなんだけども、
最後の怒涛の種明かしというか、
はたはた、様々な事実がつながっていくのが
気持ちよいのだけども、
つながって、現れた結果が、まぁ気持ち悪いことこのうえなくて
衝撃的でありました
もそっと、退廃的な、やや耽美なとでもいう感じで
終わってくれないかしらと思ってたんだが、
結構なグロテスク表現で終わり
これもまた、昭和っぽいといえばそうかしらと
納得したりの読書でありました

悪意というでもないけども、
それぞれの人が、それぞれのルールで生きていて、
それが底意地の悪さみたいなのにつながっていき
なかなか、人間の業というか、
なんとも考えさせられる、爽快感があってもよさそうな解決なのに
嫌なものを見たという気持ちで終わるのが
ある意味秀逸な小説であったと思うのでありました

謎解きが面白いというのは素敵でありますね

【読書】鬼才伝説

2018-04-17 21:09:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
鬼才伝説  著:加藤 一二三

ひふみんの本であります
神武以来の天才が引退して、あわただしく生活している今までを
自身で振り返りながらの回顧録のような本で
なかなか楽しく読み終えたのであります
数々の偉業を成し遂げてきたのは間違いがなく、
それについての語りがステキなのはさることながら、
本心からといえばいいか、朗らかな感じと、
常人と、やはりどこか違うようにも思える感性なんかが
端々から察せられて、非常に面白かったのでありました

本としては、正直なところ将棋好きな人じゃないと、
この人の何が本当に凄いのかが、
もうひとつ伝わらないというか、むしろ、これは
棋士の記録なんだなと、対局記録を読むような思い出語りだと
感じるところでありまして、
将棋に興味ない人が読んで面白いだろうか、どうかしらと
ちょっと心配になったのも確かなんだが、
まぁ、いらぬ心配であります

ともあれ、将棋、カトリック、時折音楽といった感じで、
よく知られた一二三伝説も補足も加えつつ、
読み応えたっぷりだったのであります
個人的に、特に面白いと思ったのは
やっぱりほかの棋士について語る部分でありまして、
棋界のことをよく知らなかったので、
加藤先生が、ここまで升田先生を尊敬していたとは知らないでいた、
この発見が大きかったように思うのでありました
目をかけてもらっていたという、その感謝が
もう、文章のそこかしこからあふれ出ていて、ステキなのである

ライバルとして、二上先生をあげて、
またそのケレンミではないが、率直な物言いの部分なども
詳細に語っているのが素晴らしかったと感じるのでありました

その他、当然のように谷川先生、羽生先生と語り、
ちょっと意外だったというと失礼なんだが、渡辺先生について
相当量を割いているのが印象的でありました
そして、そんなに対局していないという事実も衝撃であります
もっと、たくさんやってると思ってたのに
渡辺先生デビュー時くらいで、しかもそれに加藤先生勝ってたというのが
なんというかいいなぁと、思わされるのであります

もっとも、加藤先生いわく、勝った将棋のことしか書いてない節があるので
ちょっと違うのかもしれませんが、ともあれ、偉大な棋士であり
強かったのは間違いがないところであろうと思うのであります

最終的には、藤井六段の話にも及びつつ、
将棋界の生き字引的な内容でもあって、
大変読み応えがあり面白い本でありました
大山、中原との死闘や、米長先生との関係なんかも面白くて、
この天才、本タイトルからすれば鬼才である加藤一二三先生の生き様が
とりあえず、今の部分までは読み解くことができる
いい一冊だったと、読み終えて感動したのでありましたとさ

なによりも、敬虔さが、
以前に読んだ本と矛盾するはずもないけども、
一貫していて、素晴らしいと感じたのであります
長生きして欲しいなぁと、願うばかりなのでありました

【読書】これからお祈りにいきます

2018-04-16 21:30:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
これからお祈りにいきます  作:津村 記久子

不思議な物語だった
地域に伝わる、あんまりたいしたことない神様について、
その祭を迎えるにあたって、全然それを信じていないんだけども
なんか、最近流行しているようで、
まぁみんな熱心だなぁ、大変やなぁ
なんて、のらりくらりした感じの主人公が
それとは別に、自分の家はどうもくさくさしてて
なかなか大変な状況がずっと続く

最終的には、神様のおかげだったのか、
そうではないのかという奇跡めいたものが
起きたような、そうでもないようなと
そんな風にして物語が終わったのだけども
なんといったらいいか
面白かったんだが、なんだろうこの読後感は
爽やかだけど、なんだったか全然わかんない
そういう感じである

もう一遍載っていまして
そちらは、京都に住まう学生さんが、
なんというか、しょーもないといっていいのか、
自分自身でもよくわかっていない気持ちを抱えたまま
気付いたら、ひょんなことで知ることができた
アルゼンチンの女性のために祈るという
まぁ、それだけの話なんだけども
こういうドラマチックというか、唐突に何か思い立って、
そしてそれが運命かのように思えて、
何かそれまでと違う行動をとってしまうなんて
あったり、なかったりだなぁと
物語ならではの楽しさがあったのであります

ぼやっとしながら読んでしまったので
しっかりと感想を抱けていないんだけども、
不思議なお祭りの話は、
なんかしらんが、夢に見るくらいのリアルさといったらいいか
よくわからん風習だけど、信心深くをそれを行うという
このなんといえばいいのか、
ともかく、あるよなーと、そんな経験もないのに
思い至ったのでありましたとさ
面白かったけど、なんといえばいいのかしらね