父と私の桜尾通り商店街 著:今村夏子
短編集
通底するものがあったかというと、読み取れなかったんだが、
なんとなく不安になる、致命的に何かが欠落してしまっているから、
色々不思議というか、どうかしている部分があるはずなのに
登場人物全員がそれを無視というか、気づかないまま受け入れるでもない、
ずっとずれたままという不条理を見る物語で、
相変わらず読んでいて、気持ちよくないのに癖になる味わいでありました
表題作も、物悲しいお話だったという印象で終わるけど
そもそもそういう話しだったっけと思わなくもない、
どっかおかしいところが、最後になんか人情っぽくなったという結果論なだけで
なんでもなかったようにも思えるのが不気味極まりないのでよかったわけだけど
「せとのママの誕生日」が、もはやホラーといっても差し支えない不気味さで
大変見事でありました
かつて世話になった、スナックのママのところへ思い出語りに、
元店の子が集まってというお話だったわけだが、
最初っから、完全にタガが外れているようなぶっ飛ばしっぷりと、
その間のごく普通にありそうな人情話しのオンパレードの温度差というか、
その掛け違ったままという不気味さが、まぁ見事なこと
結局なんだったんだ、死んでるのか、死んでないのか、
そもそもこの空間は、こいつらはなんなんだという気持ちだけが沸いて終わるという
素晴らしい物語に悶絶せんばかりに楽しんだわけだが、
いずれにせよ、こんな話しばっかり読んでたらどうかしてしまいそうだという
中毒みがあるのが素敵
目的として、不条理を描くために条理を描いているといったものではなく、
結果としてそうなっているだけで、いたって普通にこれを書いていると
そうとしか読めないところが素晴らしいわけだが、
はたして、どういう心理、あるいは、心持だと
こんな話しを思いついて書き連ねてしまうんだろうかと
不安が不安を呼ぶような内容で、凄くいいと思って
今回も満足して読み終えてしまったのでありました
平易に、なんてことない話しのはずなのにオカシイというのが
本当に素晴らしいなとつくづく思い知る
短編集
通底するものがあったかというと、読み取れなかったんだが、
なんとなく不安になる、致命的に何かが欠落してしまっているから、
色々不思議というか、どうかしている部分があるはずなのに
登場人物全員がそれを無視というか、気づかないまま受け入れるでもない、
ずっとずれたままという不条理を見る物語で、
相変わらず読んでいて、気持ちよくないのに癖になる味わいでありました
表題作も、物悲しいお話だったという印象で終わるけど
そもそもそういう話しだったっけと思わなくもない、
どっかおかしいところが、最後になんか人情っぽくなったという結果論なだけで
なんでもなかったようにも思えるのが不気味極まりないのでよかったわけだけど
「せとのママの誕生日」が、もはやホラーといっても差し支えない不気味さで
大変見事でありました
かつて世話になった、スナックのママのところへ思い出語りに、
元店の子が集まってというお話だったわけだが、
最初っから、完全にタガが外れているようなぶっ飛ばしっぷりと、
その間のごく普通にありそうな人情話しのオンパレードの温度差というか、
その掛け違ったままという不気味さが、まぁ見事なこと
結局なんだったんだ、死んでるのか、死んでないのか、
そもそもこの空間は、こいつらはなんなんだという気持ちだけが沸いて終わるという
素晴らしい物語に悶絶せんばかりに楽しんだわけだが、
いずれにせよ、こんな話しばっかり読んでたらどうかしてしまいそうだという
中毒みがあるのが素敵
目的として、不条理を描くために条理を描いているといったものではなく、
結果としてそうなっているだけで、いたって普通にこれを書いていると
そうとしか読めないところが素晴らしいわけだが、
はたして、どういう心理、あるいは、心持だと
こんな話しを思いついて書き連ねてしまうんだろうかと
不安が不安を呼ぶような内容で、凄くいいと思って
今回も満足して読み終えてしまったのでありました
平易に、なんてことない話しのはずなのにオカシイというのが
本当に素晴らしいなとつくづく思い知る