CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

2018年読書

2018-12-31 18:07:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
大仰なタイトルになってしまいましたが
最近、人に話せることといえば、
本を読んでいるということくらいで
2018年の読書生活がどうであったか、
読書メーターで本棚作りながら考えたことでも
つらつら書いておこうと思うのであります

ちゃんと数えていないのだけども、
おそらく年間219冊という新記録を立てたように思う
もはや乱読極まりなくて、内容ほとんど覚えていないので
数字にただただ追われるばかりで
げんなりの読書だったわけであります
ただ、連作ものを二つ読み終えていまして、
西遊記
銀河英雄伝説
この二作品を読み終えたのは
わずかながらに誇らしいというか、よい読書をしたと
素直に言えるところでありました

特に西遊記については、
まともに読んだのが初めてであったろうと
自分の人生を振り返って思い知った次第、
いろいろと考えたというか、自分の人生とつたない興味をもって
道教、唐、仏教といったあたりの素地を
少なからず勉強したうえで読めたのが非常に僥倖でありまして
どこかしら、その意図といえばいいか、
ただの冒険活劇とひとくくりにするものではない
読み方ができたんでなかろうかと
思ったり感じたりしたわけでありました

ただ、200冊以上読んだという実績だけ積み重なったのだけど
よい本はなんだったかというと、ほとんどあげられないという
本当に無駄なことをしてしまったかのような感想ばかりで
このあたり、新年からは是正まったなしだと思ったりしたのでありました
なんか、去年のまとめでも同じこと言ってた気がするが
より一層その想いを深めたのでありました

本を読むということが
習慣化したということは好ましいと思っているのだけども、
読むことへのアプローチというべきか、
もっと考えるということにつなげたりと
そんなことをしたいと
自然は100冊ペースくらいでなんとかしたいと
考えたりしつつ、ともかく、2018年を終わろうと
書いておくのでありました

皆様よいお年を

【読書】物語のおわり

2018-12-30 21:24:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
物語のおわり  作:湊 かなえ

連作短編の物語でありました
一遍の未完成小説が、さまざまな人たちの手をわたっていき、
その都度、終わりが紡ぎだされて、連なっていくという
面白い趣向が楽しめました

物語そのものの終わりも気になるものの、
そこに至る進行形の人間ドラマが面白くて、
ついつい考えさせられるというか、
描いているのはありがちな「夢と葛藤、その手前にある邪魔」なんていうものなんだが、
それぞれの立場によって、出てくる内容のどこが敵とえばいいか、
かたき役となるかが入れ替わっていって、
非常に面白い読み方ができて楽しい
本来物語とはそういうものなんだなと
決めつけて読む面白さではないものも
なんとなし感じられてステキなのでありました

もっとも、そういうことが本筋ではなく、
北海道を舞台にした、旅人達がその場で出会うことで
何か、人生を拓いていくと錯覚してしまう、
独特の岐路が鮮やかに描かれていて、
結局は、自分がどうしたいか、どう思っているかという
願望の表れなんだなとも思えてしまうのだけど、
それをドラマとして認識してしまい、
これによって、物語が作られていくんだなというのが
まぁ、なんとも楽しいことこのうえないのでありました

嫌な展開が待っている小説かと
はらはらしていたのでありますけども、
人間ドラマをじっくり楽しめる内容で、
共感も反感も覚えつつ、
なによりも、この物語の終わりを堪能できたので
非常によかったと、読み終えて満足にたゆたうのでありました

【ドラマ】ぬけまいり

2018-12-29 21:56:50 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜時代劇枠でありました

肩の力を抜いて、らくーな気分で見られる時代劇という意味において
完璧なできばえだったと思うところであります
土曜日の、ゆったりした時間に見るのに
まさにうってつけというか、
何も考えずに、ほんわかと面白おかしい時代劇が見られて
大変満足なのでありました
最終的に、清水の次郎長まで出てきたりして
凄いなとあっけにとられてしまったのだけども、
実際どうだったかわからんが、
女だけで伊勢参りに行くということが
あったのかなかったのか、なんとなく、出来たんじゃないかなと
思ったりしてしまう
よい時代劇でありました

関所を抜けていくシーンなんかが、
懐かしのタイムスクープハンターの関所回を思い出すようでもあり、
ちょっと現代アレンジすぎるんじゃないかと
思わなくもない内容も楽しみつつ、
娯楽ドラマとして、とてもとても楽しかったのでありました

まぁ、あれがどうだ、これがどうしたと
難癖つけるのは野暮の骨頂というべき、
かなり思い切った内容だったのもステキでありまして
漫画のようでもあり、メロドラマのようでもありと
のんべんだらりんと観て楽しめたのでありました
あんまり女優さんがどうしたとか
思ったことなかったのだけども、サトエリがいい塩梅で年齢を重ねていたのが
ステキすぎるわと感激したところが新鮮でありまして、
三人ともよかったけども、
この感動は、同年代とは共有できない、というか、
このドラマ、どこにウケたんだろうかと
心配になったりもしつつ
ともあれ、思いのほか、こういうの好きな自分に出会った
そんな感想を抱いたのでありました

【読書】世界を変えた14の密約

2018-12-28 21:33:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
世界を変えた14の密約  著:ジャック ペレッティ

生々しい密約の話が載っているかと思ったら、
割と陰謀論めいた内容も含みつつ、
世の中、そういうからくりで動いているのだよといった
おどろおどろしい内容の本でありました

興味深い指摘が多くて、既に世界は企業の手に落ちていて、
国という概念が滅びつつあることや、
トランプ大統領が、そもそもどういう立場で、どのように振舞っているか
それを経済や、状況の面から説明しているようでもあり
大変わかりやすく、面白く読める本でした

特にダイエットと医薬、このあたりの話が素晴らしく面白くて
作られた情報に踊らされて、その必要もないのに消費される何かが、
企業にとって収益となっているという恐ろしい世界が
大変わかりやすく描かれていて、最初に取り決めたというべきか
進めた奴は天才にすぎるだろうと、感嘆するほどでありました
結局、何もかも、そういう流れにさせられているかのような錯覚すら覚えるのである
あわせて、世の中の新製品はすべて陳腐化が前提になっているという、
これについては、スタパ斉藤氏がゲーム帝国で昔書いてた気がするなと
今更ながらに思い知らされたりしたのだけども、
堂々とそれを密約としたらしいというのが
考えさせられるところでありました
確かに、最近、あまりにもファストなものが多すぎると
思ったりもするけど、その分物価は下がったし、
そういう意味で、流動性が上がったのだからいいのか、あるいは
それによって、格差が広がるからよくないのか
どうなんだろうかしら

また、AIなんかも恐ろしいお話であり、
このあたりから、だんだん、とんでも論のような部分も見えるのだけども、
人間を奴隷化するために、どうやって仕向けていくか
スマホによって、考える力を失っていく人間がどのように生きていくべきか
そういう答えはまるで出さないけども、
今、そう躾けられつつあるという事実を指摘しているのが
ステキだったと思うのであります

何が本当か、実際にそうなのか、
そのあたりは、結局自分で判断するしかないのは
当たり前の話なんだけども、踊らされる何かというのが
すぐそこにあるんだと、
いくつか踊った形跡のある自分の過去を見て
身震いするような気分でありました
面白い

【読書】なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則

2018-12-27 21:06:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則  著:日経トップリーダー

がっつり読んだというほどでもないけど、
身につまされるようにして、経営の失敗例を読める本でした
非常に面白い内容がてんこ盛りになっていて、
トップの独断をどこまで許容できるか、
あるいは、その失敗がどこで発生するか
当たり前の話なんだけども、
失敗するときに共通する判断の良し悪しなんかが
ありあり読めて面白いことこの上ないのであります

いかにも倒産の姿だなという話もあれば、
ちょっと業界裏話というか、怖い話みたいなのも収録されていて
特に、謎の紳士がやってきて、会社が食い物にされて終わったというのが
結構というか、恐ろしく衝撃的な内容で、
怪しげなベンチャーと、そのバックに大物がつくという構図が
こんなに恐ろしいことかと、
なんか別の物語を見たというか、ある種、異様な内容まで収録されていて
経済小説さながらの面白さがありました

最近仕事に疲れてというほどのこともないが、
なんとも、やる気を失いつつあったのだけど、
この話を読んで、真面目に生きるというべきか、
働くこと、お金を稼ぐことの熱意について
思うところが芽生えるようでもあり
大変よい読書になったと感じたのでありました

結局は、数字、特に財務に関する数字が読めるかどうか
そこが重要なのだと、学者先生や、発明家めいた人の企業が
失敗してしまう状況を読んで、物凄く考えさせられたのでありました
あと流動資産の重要性という観点もあるなと
先日のシュードックにもつながる話もあったりで
ともかく、じっくりと、また年齢を重ねてから読みたいようでもある
一冊でありました

【テレビ】植物男子 ベランダー2

2018-12-19 21:52:10 | ドラマ映画テレビ感想
まさかのシーズン2でありました
1が綺麗に終わったから、2やらないだろうと思ってたら、
ちゃんとBSからの払い下げが行われたようで
嬉しいというか、喜ばしく観終えたのでありました
実際の放送時と季節がずれていたのがもったいないというか、
思いっきり夏の話なのに、冬まっさかりの今終わったなと
そのあたりが残念ではあったものの
なんだかんだ、しょーもないコントのような、ドラマのような
それを堪能したのでありました

多肉劇場の後釜がなかったのが
とても残念だと思っていたのでありますけども
ドラマのほうは連綿と続いて
相変わらず、益体もないことで
あーだこーだして、
時折実験ドラマめいたことまでやりだしたりとか、
作ってるほうは楽しかったんだろうなとうかがわせる
テレビで見る、妙な劇団芝居みたいなのを
堪能できたわけでありまして
探偵やら、なぞのバーでの戦闘やら
どこを目指しているかわからないものをほのぼの楽しんだのでありました

そうかと思うと、非常によい話も一回、二回と挟んだりしてきて、
真面目な回であった、叔父さんが死んでしまう話が
ぐっと心に残るようでもあってよかった
月下美人を咲かせることの難しさと、
そこに宿る気持ちみたいなのが
あんな簡単なドラマなのに、物凄く伝わってきて
随分いい話だなと感心しきりだったのでありました

それ以外は、大人計画的な喜びを楽しむばかりで
それはそれでよかったけども、
流石にシーズン3はないよなとか思って、今あれこれ調べたら
シーズン3と、ウインタースペシャルなるものがあるようで
これはまた、来年も楽しませてもらえるだろうと
期待したいところでありました

なにげに出てる役者さんもいい人だし、
誰にウケてるか、相変わらずわからないけども
植物好きの一人として、共感はないが、楽しめる番組だと
しみじみ思うのでありました
多肉劇場がまた観たいなぁ

【ドラマ】昭和元禄落語心中

2018-12-18 21:31:24 | ドラマ映画テレビ感想
NHKが結構力入れて作っていたと思うドラマでありました
漫画原作だそうですが、そちらは未読のため
どれくらいどうだったのか、
そこはわからない仕舞いなのだけども
ドラマを非常に面白く観終えたのであります

落語を俳優さんにやらせるというのが、
なかなか大変だよなと、いらんところから入ってしまったのだけど、
主演の若い演技と年齢を重ねての演技との演じわけが見事で、
そこに魅入られてしまったのでありました
あれは凄いわ、でもやっぱり、若い時分の演技が自然でいいわ

そんなことを思ったりしながら、
物語も堪能して、何よりも、落語のいいところだけを
かいつまんでみたようでもあって楽しかったのであります
個人的に好きな、芝浜、死神をメインにすえて、
このあたり、いいシーンだけだったけども、
死神の役作りシーンなんか
結構生々しく描いているのもよかったのでありました
実際にそうなのかわからないけど、
あの角度であごを出すと年寄りに見えるというアドバイスが
本当にそう見えたのだけども、
あれは、そういわれたから見えるようになったのか
演出にやられているのかわからんが、凄く気に入ったシーンでありました

そういう細かいところもありつつ、
物語としては、最終的に子供は誰の子だったのか騒動がよろしくて
結局出てこなかったわけだけども、
あれはやっぱり、八雲であり、菊比古である彼の子供じゃねぇのかしらとか
思ったりもしたんだが、それは可笑しいという感じなんだろうか
女性にこのあたりの感想は凄い聞きたいのである
というか、観ていて、最初っから、
そうとしか思えなかったんだが、そんなわけあるかという感じなんだろうかね
機微がわからん

ドラマとして、若い時分のシーンがすべてよかったなと
つくづく思わされたりしたのだけども、
細かく、様々なことを思わされる内容に
しみじみ観終えたと、そんな感想を置いておくのであります

【読書】SHOE DOG(シュードッグ)

2018-12-17 21:14:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
SHOE DOG(シュードッグ)  著:フィル・ナイト

ナイキの創始者による、自伝でありました

世代的にナイキといえば、エアーのバスケットシューズでありまして、
あのナイキが、どのように出来た、どのように育ってきたかが
本人の手によって明かされている本でありました
驚いたというか、読んでいて時代だなぁと感じたのは、
日本の存在感であります
まさか、ナイキに、ここまで日本が関わっていたなんて
まるで知らなかったんだが、本当にもう、
凄いことだなと、当時のことを思い知らされるのでありました

何者かになりたい若者のひとりであったフィルナイト氏が
1960年代に、靴を売ることに目覚めた、
そういうお話でありましたけども、
売ろうと思った靴が日本の靴で、そのあと、相当に危ない橋というか、
読んでいると、なんでそんなにキャッシュフローに困ってたのか
そのあたりがいまいちよくわからなかったんだが、
現金がない、流動資産がないという状態で
あえぎあえぎ過ごし、やがて自分の靴を開発しようと思い立ち、
ナイキを立ち上げていく

まぁそんなお話でありましたが、
この立ち上げたナイキの開発にも、日本が色濃く関わっていまして
この頃、品質よくて、安価であるというのが
日本の強力なポイントだったようで、
そのあと、ドル円の相場が変動となったり、
日本が豊かになるにつれて、工賃が上がってきてと
その役目を、台湾や韓国に探すというあたりが
そういう時代だったんだなと
現代経済史を読むようでもあって面白かったのであります

法廷闘争もあったり、
日本の商社がどれほど売ることや、投資なんかに目が利いていたか
このあたりもありあり描かれているのが面白くて、
じっくりと読まされたのでありました
とはいえ、結構話が長くて、さらには唐突に話題がとんだような場所もあったり、
読みやすさとはまた別だったようにも思うのだけども
ナイキというとてつもない企業が
どういう成り立ちであったか知ることができる
一方向からだけではあるけども
面白い読み物だったと思うのでありました

西郷どん  敬天愛人

2018-12-16 21:05:34 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
最終回も無事視聴完了しました
面白いドラマだった、駆け足だったけども
最後まで十分に楽しませてもらった、素晴らしいドラマだったと
思うところ

最終回は、まぁドラマだしなぁという感じではあるものの、
西郷軍の最後が壮絶に描かれて、最後に半次郎大活躍があって
個人的には大変満足でありました
とはいえ、強すぎるな、だいたい示現流でもなかったし
とか、ついついいちゃもんをつけてしまうのだけど
チャンバラが見られたというのは楽しいのでありました
来年はそういうの出てこないの確定だからなぁ
チャンバラが観たい

死ぬことが確定しての万歳突撃めいた最後は
ちょっとどうかと思わなくもなかったけど、
あの高揚感というのはなんとなくわかった気分になってしまい、
それを遠くで見守ったというか、
強い感情をもって受け取っていた、大久保、従道、そして山縣という三人が
それぞれの苦悶を抱いていて凄いよかった
このあたりのドラマが凄く好きだわ
大久保はおそらくは、というか、まぁ
そうなるよなぁというところであったものの、
慟哭と、私人公人のはざまを行ったり来たりしているところが
凄いよくて、あの演技が素晴らしいと
ほれぼれ観ていたのでありました

ほとんど出番らしい出番もなく終わった山縣に関しても、
その思いの部分がよくよくわかったようでもあり、
こうなるのだから、もう少し、汚職に手を染めた以外に
何か山縣を描くシーンが欲しかったかもなぁなんて
ないものねだりをしてしまうのでありました

そして、一人だけ既に大正を生きつつあるんじゃないかと
そういう風貌にも見えた従道がかっこよくて、
西郷一家を支えようとした邸宅の話なんかが、
奥さんのとりなしも含めて、実家で恨まれたところとの癒しも含め
いいなぁ、そういうのが家族愛だよなぁと
どちらの言い分をもっても、ぐっと心に響く物語だと
思えてならんのでありました
役者さんが、朴訥としているのがまたよかった
静かなるという感じがとても素晴らしい

最後には、糸さんもすっかり薩摩女というか
役者さんは凄いな、本当に薩摩の人にしか見えないと
そんな力強さも見せられたりして、ともかく
覚悟というか、西郷隆盛の最後、その一族というのが
よくよく見られたようでよかったのでありました

ちょっと気になったのは、第一話で糸さんが
銅像が違うといっていたシーンに戻るのかと思わせて
特にそんなことなかったというところでありまして、
あのシーンに近いところに戻るとか
やって欲しかったようにも思うなと
感じたのでありました

紀行で、熊吉に触れていたのが衝撃的でありましたが
本当、長生きしたんだなと改めて思い知らされたりしつつ
もうちょっと、西郷札のことやら、あれこれ
観たかったものが残ったように思うのだけども
よかったと感じるのでありました

まとまった、全体の感想はまた別に書こうかと思うところ

【読書】知ってるつもり――無知の科学

2018-12-15 21:24:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
知ってるつもり――無知の科学  著:スティーブン スローマン

知っていそうで、知らない技術の話を集めたものかと思えば、
もっと深く、世の中知っていると錯覚している人ばかりだ、
それを科学的に示そうといった感じの本でありました
非常に面白いというか、そうだよな、
本当にその通りだよと、これまた、
書かれていた通り、知っていたみたいな感想になってしまう
そういう体験をできた読書となりました

内容は、様々な観点から人が「知っている」という状態はなんなのか、
その根幹になる、知とは何を示しているのかの定義というか
語りかけから始まって、このあたりが哲学めいてもいるのだけど
非常に面白いのでありました

ちょっと、ダンアリエリー先生みたいな実験も挟みつつ、
人間が知っていると、どうやって判断しているか、
その判断に何が影響しているかを調べたりして、
どうも、人間は知的総和といったものを感じている、
どこかの知的コミュニティに所属しているので、
そこで知られていることは、
なぜだか知らないが、自分も知っているということにしてしまう
実際、聞いたらわかるのだからそうだろうと
そういう感じのことが、円滑にしているし
はたまた、大きな誤解を招いていもするというお話でありました
本当にもう、凄い興味深い

だいたい勘違いというのは、こういうところから発生しているようで、
知っているかと聞かれて、知っていると答えて、
説明してといわれてできず、
もう一度知っているかと聞かれると、知らないと答える
そんな繰り返しが観てとれたのでありました

仕組みは知らなくても動いているからいいや、
そういうものに囲まれて済ませている現在、
そういう状態に慣れきっているし、
それで正しいというか、判断が早くなり得をすることが多いのだけども、
つけこまれるようにして、保険だとか、契約なんかで
あれこれ騙されることにも繋がるという
そこを解説してくれているのでありました

結局、どうしたらいいかというか、
どうしたって、人は知ったかぶってしまうし、
なんとなく説明を聞いたという事実だけで、
知っている、わかったと判断してしまうという
困ったことがおきると
その事実はどうしようもないのだが、
さて、自分を知る、知らないことを知るということの難しさと大切さが
しみじみわかるような本でありました
面白かったわ、本当にもう

夏の台湾北海岸を行く 19 朝食の後帰国

2018-12-13 21:40:03 | 夏の台湾北海岸を行く(2018)
いよいよ最終回であります、長く書きすぎた
反省もしつつ、いそいそと最後の朝を書き記しておこう

総統府までぶらぶら歩いて、あとは、台北で有名な朝飯屋を
いくつか流すというのがミッションだとうろうろ歩く
しかし、探しだすとあんがい見つからないもので、
台北の朝飯屋で、座って食べられる店がなかなかなく
手間取ってしまったのである
みんな持ち帰りだから、座る店とか家賃高いしやらないんだろうか


朝市の界隈をうろっと歩いてきて、
このアングラでもないが、いかにも地元というのに満足しながら
しかし朝飯屋が見当たらないのに辟易してしまう


ようやくそれっぽい店を見つけたので入店


頼んだのは台北朝飯のスタンダート豆乳である

私もちょっとどうかしていたので、
この豆乳を粥だと思い込んでいたので、
父親が豆乳嫌いなのに無理やり粥だといって食べさせたのが
非常に申し訳なかったところなんだが、
まぁそんな家庭の事情はどうでもよい
薄味で、さっぱりと食べられるステキな食事である


あとはダンピンと玉子サンド的なものを注文して、合計105元
本当にもう、台北のオフィスワーカーみたいな食事に
大変満足したのでありました
なんだかんだ、昼や夜にがっつり重いものを食べておいて
朝にこの爽やかな食べ物を続けていたら
痩せていくというか、健康的なんでなかろうか
そんな風に思ったのであります

さらにもうひとつ、本当は前日の朝に買いたかった
台湾おにぎりこと飯団を買う、行列している屋台を発見したので
そこで頼むのであります


これがお店の名前というか看板だと思われる

人だかり

紫米の蒸したものをまな板にベタっと広げて
あれこれ具材を乗っけてくるっと丸めて終了と
手際のよさを思わず動画で撮りたくなるような感じだったんだが
おばちゃんが、いそいそと作り続けていました
次々お客もくるし、凄い繁盛店なんでなかろうか



そして紫米の全部入れ飯団 35元
カリカリの揚げがアクセントになりつつ、
甘いでんぶのようなものやら、干した果物と思しきものなど
甘いしょっぱいをいったりきたりする
本当、この食べ物大好きだわと大変満足だったのでありました

便宜上先に紹介したけども、実際は空港についてから時間見て食べていたのだが
ともかく凄く満足なのでありました

いよいよ、時間も押してきたというわけで
MRTに乗って桃園空港へ移動を開始
こっからは流れるように移動できてしまい
何がということもなかったので割愛するのでありますが


空港に到着、さっさと手続きを済ませる

今回、ぎりぎりまで遊んでいたこともあって
空港内をうろうろ探索できなかったのでありますが、
土産を買ったりちょっと過ごしてから


あっという間に機中の人である

そして、帰りにも食事がついていたので鶏肉のパスタを食べて終了

あれよあれよと名古屋というか、中部国際空港に戻り
3日間の駆け足旅は終わりを迎えたのでありました

今回、台北で郊外を中心に遊んできたのだけども、
まだまだ基隆だとか、行ってないところもわんさかあるし
ローカルで食べたいものやら、観たいものがいっぱい残ってると痛感、
とりあえず次はまた南部を攻めるにしても
台北も欠かさず行きたいものだと
通いつめる算段を整えたいなんて思った旅だったのでありました

バスを乗りこなせるようになると
途端に旅の幅が広がるので、台湾遊びを極めるには
バスのよさを理解すべきだと思ったりしたのであります
長々ありがとうございました
これにて、北海岸紀行は終わりです

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【読書】鏡の背面

2018-12-12 21:23:15 | 読書感想文とか読み物レビウー
鏡の背面  作:篠田 節子

面白い長編小説でありました
ゆったりと始まった感じだったけど、追うごとに面白くなって
ミステリと呼べばいいのか、謎に踏み込んでいくごとに
話がどんどんと面白くなってたまらなかった
何よりも、文章が相変わらず美しすぎると
こんなに長いのに、読み終わって疲れないのだから
本当に凄いと、感心しきりに読み終えたのであります

テーマというでもないが、実に深く考えさせられる内容で、
人間とは何か、それはどう形作られるか、
魂のあり方だの、霊媒だのと、オカルトめいたこともほのめかせながら
それが、こういう解釈ならばとも思えるような着地点に到達して
なんというか、凄いうなってしまったのである
実際そんなことがあるのだか、ないのだかはまるでわからないけども、
何かにのっとられるといえばいいか、
どこか、変わるということについて思い至るところはあって、
この物語に共感を覚えたのでありました

ストーリーは、聖人のような人が死んだと思ったら、
まったくの別人が成りすましていた姿だったらしいと
その謎を解いて行くという物語で、
その間に、聖人というでもないが、弱者、とりわけ、
社会的に大変な目にあっている女性たちを保護するという役割についてや、
その弱者たちの生態についてやらが、
詳細に、また事件に関係あるものとして調べられる過程で
するすると説明されていて、凄い面白いのでありました

途中で、昭和の男性だからこそという
ある種イデオロギーめいた内容での横槍ではないが、
考え方が放り込まれて、それに対する逡巡なんかが
また、小説を読んで、登場人物たちが迷っているという感じなのに、
読んでいる自分こそが迷っているかのように読まされてしまって
本当にもう、凄い面白かったのであります

扱う素材としての、女性感というのは非常に強いメッセージというか
考えることをやめてはいけない大きな問題だけど
そこはこの物語の本質ではないようでもあり、
実際に人間はどうなのかという部分に肉薄しようとしてて、
本当にもう、読み応えたっぷりで
面白すぎる小説でありました
もっと話題になってもよさそうなのに、長いから読まれないのかなぁと
嘆息しながらメモるのである

【読書】武器になる哲学

2018-12-11 20:59:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
武器になる哲学  著:山口 周

面白い本だった、もうちょっと時間かけて
みっちり読みたい本だったわ
そんな風に感じた、哲学についての本でありました
電車でぱらぱら読みするのもいいんだが、
もっと腰をすえてちゃんと理解しながら読む価値がある
そう思うような一冊であります

様々な哲人、または、学者、賢人の言葉をわかりやすく解説していて、
プロローグに書いてあったのだが、実践的というべきか、
どの人がとか、どういう経緯でという紹介ではなく
こういう考え方があるという部分からの紹介なので
物事を考える、まさに武器になると思うような
ステキ書物でありました

知っているようで知らないことが多く、
思考実験をもう一度辿ることで
その思考方法、考え方、想像の範囲みたいなのを倣うようで
こんなにが楽しいと思える本なのでありました

有名な言葉や考え方、なんか知らないが、
いつの間にか当たり前じゃんと思っていたことが、
哲人が考えに考え抜いて出した結論だという話が
大変に興味深く、今もってそうなんだが、
思考実験を通じて、想像を具現化していくという作業が
とても大切だと、その哲学の役割を
改めてというか、初めて覚えたように思うのでありました

言葉遊びになりがちな、なんちゃって哲学ではなく
ちゃんと考えて、どうしてそうなのか
突き詰めていくということの面白さと大切さが
なんとなしわかったように思うのでありました

ぱっとしたひらめきでもないが、心に残ったのは
言語は、そこの文化を表したものなので、
その考え方がない限り、単語が発生しない
だから、翻訳などを試みる場合、その文化に理解がなければ
正しく訳す、そもそも正しく訳すことは不可能だという考え方が
興味深いというか、そういうものだよな
なるほどなぁとか、なんか、もっと読んでみたいと思う内容に
あふれていたのでありました

いい本だったし、どっかのタイミングでもう一回読みたいな

【読書】メガトレンド 世界の終わりと始まり

2018-12-10 21:05:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
メガトレンド 世界の終わりと始まり  著:川口 盛之助

久しぶりに真面目な本を読んだ
そういう気分になった次第であります
メガトレンドという、世界の今後を占う内容を語ったもので、
面白い試みから未来を予測する本でありました

9つのタームで未来予測をしていくわけなんだけども、
最初のほうが意欲的というか、非常に興味深くて、
世の中に蔓延する何年に何ができるという情報を網羅して、
未来に何が起きていくかを辿ったものだったり、
世界の著名な学者(賢者)が予想した未来図をあれこれ並べたりと、
矛盾など超えて、あれこれと調べてみて
一種の傾向を見ようという試みがあって
非常に面白かったのでありました

最終的には、それを得て、何かこれという未来が語られるわけではなく、
それを書いた人たちの思いや、期待なんかが、ふんだんに含まれていることがわかったと
まぁ、よくよく考えてみれば当たり前じゃんみたいなことが
すらっと書いてあったんだけども、
どんな頭のいい人でも、そういったバイアスにさらされてしまうものなんだと
改めて思い知らされたのでありました

本質ではないところに感心してしまったのだが、
ともあれ、実際にメガトレンドを見ていくと、
日本が先行して年寄り化していくということがデータで示されたり、
ただ、こういう国家の老化なるものは
新興国でも、相当のスピードで訪れてきているのだそうで、
後発組は、先発よりもはるかに早いスピードで
そういった時代を過ぎてしまうので、結局は
みんな一度によろしくなくなるのではないかとも思われるというのが
大変興味深い指摘でありました

モノをシェアするという思想や、
国家という概念の崩壊めいたことも、もっと柔らかい言葉で語られていて
実際にそうなっていく世界というのが見えてきて
これまた面白いと思えたのでありました
今までと同じことが続くわけではないと
当たり前のことに、データが如実に語るというのが
いいなぁと思ったりしたのでありました

特に、これをと思い描いたわけでなく
これを読んで面白かったと
ちょっと離れてみた感想になってしまったのだけど
まずまず満足したのでありましたとさ
どうやって生きていこうかねぇ

西郷どん  西南戦争

2018-12-09 20:46:30 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
ああ、もう最終回じゃん
そんな按配に思えてしまったその一個前の回でありました
西南戦争が、戦争というか、淡々と時系列が過ぎていくだけで
勝っていたという話があったのかどうか、
気付けば、追い込まれていったという様子が
なんとも物悲しい、それでいて、戦争そのものには
ドラマというものはないんだなと思わされるような
画面と構成であったように感じるのでありました
これまでと、あまりにも違うというか
淡々としすぎて、ただただ悲しい

警察抜刀隊の投入が相当にかっこよかったのでありますが、
よくよく考えてみますと、そういうところで
かつてというか、もう時代遅れとなった
幕末志士崩れたちのいざこざみたいなのを
ちょっと観たかったように思うが、
それだと、このドラマにそぐわないというのも確かだなと
自省してしまったのでありました
とはいえ、その同士討ちといえるような凄惨さは、
わずかながらに観られてよかったと思うのであります

しかし、半次郎の柄がやたら長い刀がかっこいいなぁと思うんだが
その活躍シーンがちょっとしかなくて残念だと
やっぱり思ってしまうのであります

菊次郎の足が義足だったとは知らなかったのでありましたが、
そのシーンも回収され、最後のドラマ的嘘であろう
糸との再会はステキなというか
まさに最終回を目前にした感じがして好きなのでありますが
来週、どんな悲しい感じで終わってしまうのか
大久保のわざとらしい冷たい言いっぷりもよろしく
なんともいえない気分になったのでありました

もう出てこないかと思った久光様が
本当にいい役目を担ってんなと
先週の物まねそっくりじゃんからの
本物はやっぱり違うなという気分で
楽しく観終えたのであります