CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【ドラマ】武則天-The Empress-

2019-08-31 09:54:02 | ドラマ映画テレビ感想
長いドラマだったけどようやく見終わりました
中国史上唯一の女帝則天武后の一生を描いた作品であります
最序盤は見逃してしまったものの、
掖庭に送られたくらいから見始めたのだけども、
ずっと陰謀の渦中にいて、翻弄されるという立場だったのに
やがて、それらの経験から得たのか
すさまじい策謀を生み出す人間になっていったような
決してそうではない、ある種の潔白な人間としても描いていたような
まぁ、つきつめると
ところどころ、破綻がきたしてしまう
ある種人間らしいそれこれで描かれていたのでありました
凄い興味深かった

唐史について、さらっとなぞっただけというか
何本か小説読んだだけという身分なので
はっきり言えば、ほとんど知らないのでありまして
さりとて、則天武后については
並々ならぬ興味をもっていたこともあって
凄い楽しく見たのでありますが、はたして、どこまでが史実通りで
どっからが、うまいこと脚色した内容なのか
皆目わからないのでありますが、
美談っぽくなっていたのは
たいがい、則天武后の自作自演だったという伝承のはずなので
なんというか、もやっとせんでもないのである
まぁ、後世に作られた可能性もあるから
このカウンターの伝承もまた、あり得るということなんだろうか
歴史というのは、なんとあやふやなものかと
ドラマで改めて思い知るのでありました

と、まぁ、ドラマそのものよりも
則天武后について語りたくなってしまうわけなんだが
ドラマとして一番よかったのは、
やっぱり女優がファンビンビンだったことで、
まぁ、なんというか、美人すぎるだろうと
ほれぼれしたところでありました
無茶無茶美人だわと、一人際立ってその美貌を振り回している感じすらあって
衝撃を受けたのでありました
年食って、だんだんと老獪さを身に着けてきてからの
キツめの目元とかもいいし、さりげない所作が流れるようで
凄いなぁと魅入られてしまうようでありましたけども
美人というのは、本当に存在するんだなと
眼福だったのであります

ただ、美人という話でいくと、出てきて様々な妃賓たちも
相当の美人でありまして、時代化粧や衣装をしているときは
意地の悪そうな(実際に悪い)いやな女だなという印象ばかりだったのに
だいたい、どの女も死ぬ間際にすっぴんみたいな姿になってしまうんだが、
この時に初めて、この女優さん、こんなに美人だったのかと
別に特別ファンビンビンだけが美人だったのではないと気づかされたりしたのでありました
女の人は化粧で変わるというのは、こういうことかと理解したんだが
まさか、化粧とったほうが美人になるとか
そういう使い方もあるとは、これはもう、特殊メイクと呼ぶのかとか
いらぬことを考えたりもしたのである

アクションが意外と派手で見どころが多かったり、
味方だと思ってたやつが唐突に敵化したり、
ドラマの展開も、ぼけっとしているとおいていかれるというか、
脚本家が、唐突に裏切りものにしたんじゃないかと思うくらい
すごくいい関係だったのが、ずっと水面下で悪いこと考えていましたとか
なかなか衝撃的な物語でもありましたが
激動を描いた、非常に面白いドラマだったと思うのでありました

序盤で示唆していた予言の通りで終わるというところが、
ある意味、中国らしいというか、中国史のそれだよなと
変な納得を覚えてしまうのだけども
駆け抜けた英雄といってもよい、則天武后の一つの顔を知ることができた
よいドラマでありましたとさ
面白かった

【映画】英国王のスピーチ

2019-08-28 21:07:45 | ドラマ映画テレビ感想
ちょっとコメディ映画でも見て、心安らぎたい
そんな風に思って、おすすめコメディとして表示されたから見たんだが
結構重たい話で、素直に笑って終わりというわけにはいかない
だけども、ステキな映画でありました

多分、英語が出来たらもっと面白いんだろうなと
どもりの国王が、それを克服していく物語を追いつつ
言葉遊びがそこかしこにあったと
形跡だけ理解しながら、字幕を追いかけ続けたのでありました
言語を覚えるというのは大変だ
どもりが、過去のトラウマから発生していると
そのケアに重点をおきながら、
街の専門家というのに出会って、レッスンを重ねると
そんなお話でありましたけども、
最終的には、やはりそこはそうなんだと、
ドクターという言葉にまつわる話が出てきたりして
納得しながら見ていたが、
なんとも、友情の大切さと、支えてくれる人というものの存在、
それが人生を大きく豊かに、または、輝かしくしてくれると
そう思えてならない、ステキすぎる映画でありました
イギリス映画だから、額面どおりに受け取って
喝采している自分はバカである可能性が否定できないけど
別に、そんなアイロニーがふんだんに見えるようでもなくて
よかったと思うんだが、どうなんだろうか

イギリス王室について詳しくないため、
理解が深まらなかったのが残念至極でありましたが、
ダウントンアビーやら、ヴィクトリアやらと
イギリスドラマを見ていたおかげで、なんとなし、
議会のあり方や、王室のラジオ放送については
なるほどと思わされるところもあったりで、
興味深く見たのでありました
特に、本来は国王として全うしなくてはならなかった
兄の放蕩っぷりと、そこへ嫁いだというか、
それを篭絡したアメリカ女の描写というのが、
いかにもな感じで面白かったのであります
あのあたりは、ダウントンアビーに近いなぁ、面白い

さらっとチャーチルも出てきたりして、
二次大戦の暗雲が少しずつ近づいてきているという
不気味さも味わいながら
ジョージ6世の苦労を描いたのでありました
何気に、王妃もよろしくて、別に何かしたわけではないけども、
それなのに、存在感というか、寄り添ったという姿が魅力的で
このあたりの機微が見事だなと惚れ惚れしたのでありましたとさ

【読書】ぼくらの哲学

2019-08-27 22:39:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
ぼくらの哲学  著:青山繁晴

哲学書だと思って読んだら、
思想書だった、いや、思想も哲学だから
これでやっぱり正しいのかとも思ったりするんだが、
期待した内容とは違ったのであります
でも、読んでみて、なるほど、沖縄の現状というのが
少しばかりわかったような気がして
興味深い読書となったのであります

いわゆる、右派的な内容なので、様々思うところがあるのだけども、
沖縄を取り巻く状況、情勢というのが面白くて、
ところどころが、推論なのは気になるところながら、
中国が、どのように関与しているのかがそれとなく知らされ
面白いと思えたのでありました

白梅の塔という、歴史的な遺構についての記述が興味深くて、
これを様々に知らしめたことで、天皇陛下の行幸が叶ったというのが
物凄いことだと感じ入ったのでありました
思想はともかくとして、天皇陛下が塔の方角に向けて
頭を下げられたというエピソードについて、
読んだだけで涙が出そうになったのであります
なんと素晴らしいお人柄なんだろう
これだけで読む甲斐があったと思えたのでありました

この発表が反響を呼んだそうで、
結構な人が、そこを訪れるようになったとのことながら、
それもまた、沖縄の人ではなく、内地からわざわざ訪れたというのが
ひとつのよい結果とも思えたのだが、
いつも感じる、沖縄をそれ以外の人たちが様々に取り扱っている
その結果なんではと感じたりもしたのでありました

沖縄の内情というものについても、
色々と考えさせられるエピソードが多くて、
陛下行幸を断ったくだりだとか、そういうことが本当にあったんだろうか
とんでもないことだなと衝撃を受けたりしつつ
でも、そんな様々な悩みを抱えてつとめている人が多いのも
また事実なんだろうかと考えたのでありましたとさ

【読書】ブルー Blue

2019-08-26 20:47:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
ブルー Blue  作:葉真中 顕

平成の30年間を舞台にして、その頃から現代に続く、
日本の病巣といえばよいか、暗い闇のような事実を取り扱った、
サスペンス小説でありました
ミステリ要素はあまりないのだけども、
とある殺人事件をきっかけに、それにかかわりのある人たちを訪ねて、
やがてといった感じで、なかなか読み応えのある内容でありました

平成元年に望まれぬ子として生まれ、認知はおろか、
出生届も出されなかった少年、ブルーと呼ばれた男の子の
そのおかれた立場や、環境、周辺の親族というのが
まずもって、世の中にこういう人たちがいるのだと
思わされる何彼でありまして、
なかなか積まされる感じでありました
物語冒頭から語られる、彼自身は平成とともに生まれて、
平成とともに死んだという話から、
読み続けていくと、その日に近づいていくのはわかるんだが、
結構古い平成の話が興味深くて、
ついつい読まされてしまうのでありました

事件は、平成15年に起きていて、
容疑者の詳細や、様々な出来事を紡いでいくことで、
平成の前半が語られ、
また、別の事件によって、後半の平成が語られるようでもあり
懐かしさも交えて、面白い読書となったのでありました
その間に、狂騒した人々や、知らないうちに増えている外国人労働者、
その劣悪な環境なんかも示唆、あるいは、直接的に描写されて、
病巣ではないが、ずっとあった事実というものに
目を向けさせられるのでありました

物語は真相究明を軸にして、そこに関わった人たちの
心の問題なんかも取り扱ったりして、
時代だけではなく、人間そのものとして、
他人を愛す、愛されるということに
酷く不得手な人がいるというところも描写され、
単純に平成を懐かしみ、また、そこにあったであろうことにかこつけて、
何かを罵倒するわけではなく、
人間という存在そのものに、そういった多様性が包含されていると
思い知らされるようでありました

すっきりとはしないのだけども、色々考えさせられて
面白い小説だったと思うのであります

いだてん  独裁者

2019-08-25 21:28:11 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了しました
着実に歩みは進めてんだが、
今回はちょっと、ゆったりというか、状況説明会といったところで、
物語として、進んだとは感じなかったところ
実際は、かなり進んでいて、前畑は頑張ることになったし、
東京市長が交代するし、でも、東京オリンピックはやりたいしと
そんな感じはわかったのでありました
さらっと、岸さんも亡くなったのが切ないのだけども、
紀行で出てきた写真がそっくりすぎてびっくりしたのも
よい思い出であります
なにげに、みんなすごい似せてるよな

ようやく、落語側ともシンクロしてきたというか
久しぶりに、まーちゃんと志ん生が出会ったりしたので
楽しかったのだけども、
披露宴で一席やってもらってからの、
年初というか、物語初頭にあった
志ん生は嫌いだね発言は、なんというかしら、
因縁というか、ここからまたつなげていくのかなと
思わされたのでありました
この伏線は、ずっと気になってて、今か今かと待ってんだが
楽しみである、がっつり二人が絡むというのを見たいのだ

ちょこちょこ、金栗さんも出てくるようになってきたけども、
とりあえず走り続けていて、これから苦難を超えて
というところなのだろうか、
あの弟子という人が、戦争で悲惨な目にあうとか
そういう物語になってしまうんだろうか
色々考えさせられるのだけども、
予想してなかった、次回が、がぜん面白そうで
楽しみで仕方ないのでありました
なんだよ、イタリア殴り込みするとか
そんな面白いこと、本当にやってたのかよ

凄い気になって仕方ない、
大河ドラマで二次大戦のヨーロッパがみられるなんてと
僥倖にうきうきするのでありましたとさ
期待しすぎだろうか

【映画】300

2019-08-23 21:27:49 | ドラマ映画テレビ感想
ずっと見たかったそれをようやく見ました
THIS IS SPARTA!!
この雄たけびを上げたいがために
見ていたといっても過言ではない
思ったよりも、短い映画だと驚いたけども
濃厚なものを感じ取ったそれでありました
強い、ただ、それが正しい
そういう生き方の潔さ、ただただ、かっこいいというそれ
もう、男子の心わしづかみのそれであったと思うのである

どれほどが史実なのかさっぱりわからん
といういか、そもそも紀元前の話だし
伝説でしかないのだろうけども、それにしても、すごいかっこよくて、
鍛え上げられたスパルタの戦士をあれだけ揃えたのが
まずこの映画のすごいところだなと思ったり
ちょっとしたファンタジーのような戦いのシーンが
もう、説得力マシマシで、あー、もう
ただ、かっこよかった、それだけで十分な映画だったと思うのである

ストーリーとしては、大変わかりやすく
下劣な政治家が、最低の行いをしたうえに、最低の死に方をすると
こういったわかりやすい悪もよかったんだが、
ペルシャの不気味さもよかったり、
死生観の違いなんかも面白かったのである
強い敵と戦って死ぬということに喜びを見るスパルタの戦士たちの
潔さというか、かっこよさ、ある種の野蛮さというのが
まぁ、なかなか素敵でよかったのである
そこから外れてしまったばかりに、ペルシャの手先となる背むし男も、
永遠に生きろという呪いの、あるいは、祝いの言葉を受けるというところが
それで殺すわけでないというところがよかったし、
もう、なんというか、素晴らしいと快哉したのでありました

これがと、中身がなかったとも言えるけど
ムキムキの男たちが、筋肉を駆使して戦うという
それだけで十二分に面白いので
これでよいのだと思えた映画でありました
我ながら、頭悪い感想だ

【アニメ】機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星

2019-08-22 20:41:00 | ドラマ映画テレビ感想
NHKでやっていたシリーズであります
この放送のおかげで、別件でZガンダム見たりしてしまったんだが、
これもまた、非常に面白かった
ガンダムって、改めて子供向けではないようであり、
やっぱり童話のような、あるいは、伝奇のような面白さがあるんだなと
感じ入った次第でありました

シャアの生い立ちを追うという内容で、
アムロとか、ホワイトベースの面子もそれなりに出てくるんだけども、
主役はシャア、そして、セイラさんといったところで、
ダイクン家と、ザビ家、さらには、ラル家といったもの、
スペースノイドという人々の話というのが
大人になったからこそ、やっとわかったと
この時期に見られてとてもよかったと思えたアニメでありました

よくよく見て、咀嚼してわかったのは、
SFでありながら、その実、やっていることは中世西洋めいた
家同士の覇権争いを含んだ、王位継承のいざこざのようなもので、
政治色もあれば、戦争へ駆り立てる何かというものも描かれていて、
でも、いっそ単純に、シャアが復讐のため生きていく様というのが
冒険活劇めいて面白かったと
そんな感想を抱いたのでありました
もっとも、本当に復讐するためにやっていたのか
そのあたりは怪しいともとれる内容なんだが、
キシリアや、ギレンといった人たちのなりというのが
よくよく伝わってきて、これもまた面白かったのであります
もう、これを見たら、最初のガンダムを見たくなって仕方ないじゃないか

そんなことを感じたりしながら、
ランバ・ラルがかっこいいなぁというのと、
ハモンさんが、よりかっこいいなあというのと、
現代アレンジされた、様々なキャラクタの活躍が
昔見た記憶のそれらとごたまぜになって
至極面白かったと思えたのでありました
本当にもう、アラフォーのヲタクの心を掴むためのアニメのようであった

シャアばかりがクローズアップされるのは当たり前なんだが、
それ以上に、セイラさんの過酷な境遇と、それによって目覚めていく、
やはり、シャアの妹なんだなと思わせる活躍なんかもステキで
よく考えてみると、マス家やら、アズナブル家なんかの話は
かなり無理のある片付け方じゃないかとも思ったりしたんだけど、
ここらも含めて、ロボットアニメではないものとして
面白いんだなと納得したのでありました

この調子で、そのまま新しいガンダムとして
リメイクしてくれないかなとも思ったりしたんだが
今のままだからこそよいのかもしれんと感じたり
なんだかんだ、自分がひとつ、成仏できそうな気分になった
思い出を整理したひとつのアニメだったと思うのであったとさ

あとは、歴代ガンダムの名曲がリメイクされているのも何気に、聞き応えがあって、
どの曲もステキだわと思いつつ、やっぱり、beyond the timeが一番好きだわと
感じたりしたのであったとさ

【読書】平場の月

2019-08-21 21:00:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
平場の月  作:朝倉かすみ

読み終わって、最初に戻る
そんな感じで読むとよいのだろうと思うんだが、
最初に戻る気力がわかなかった
悲しいというか、なんというか、物語が終わってしまったと
読み終えて、悲しさを抱えた読書となりました

他愛のない男女の、それも、歳を食ったというほどでもないが、
やっぱり歳を食っているといえる、50代の男女が、
学生の頃の延長といった気分で過ごし、
少なからず楽しい、名づけるなら思秋期的なそれを謳歌する
そこはかとない悲しさもまとわりつけながら
なんとも、静かな物語が展開していたのであります

地元のツレと偶然であった、病院で
という感じで、そういえばと、かつてのことを思い返しながら
なんだかんだ、よいような、そうでもないような、
一緒にいたいような、そうでもないような
不思議な感覚で、友達とも、恋人とも違うなんて
格好をつけるでもないけど、何か、
どれとも違う関係と名づけつつ凄し、
それは、やっぱり、恋愛というものであったのではと
思わされたりしながら
まぁ、ともかく、繊細な物語だったようにも思うのであります

誰にでも訪れそうな出会いと、感情だったように感じられて、
なんとも、愛おしく読んでしまったのだけども、
その場、その時に、それなりに自分らしく生きていく
その周辺で起きる様々なことと、
そこに彩りとなる出会いなんかがあってと
平たい人生を感じる物語で、
特に強い起伏が発生するわけではないのに、
連綿と、読み続けたくなってしまう物語でありました

ちょっと、文体が私には合わなくて、
結局、どっちの名前が、どれだっけと
登場人物が少ないにも関わらず、
台詞や印象が入れ替わってしまったりするのだけども、
それもまた、味わいというか、どちらかの独白ではない、
平等な描写とも思えば、面白く読めたと思うのでありました

しんみりというか、しっとりした
そんな物語を読み終えたのであります

【読書】あの天才がなぜ転落

2019-08-20 21:18:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
あの天才がなぜ転落  著:玉手 義朗

12人の破滅を迎えた天才たちのことを記し、
そのどこがいけなかったのか、失敗の反省を促す
そんな本でありました
破滅といいつつも、決してそうとも言い切れない内容も含まれるのだが
まぁ、最終的に何をもって破滅と呼ぶのかといった
哲学めいたことにもつながってしまうのだけども
おおよそ、一代で財を成し、そのまま、うまく終われなかった
そういうお話が山ほど出てきたのであります

半分くらいは日本人実業の歴史といった感じではあるのだが、
ニコラ・テスラとか、ジョン・ローとか、ゴーギャンとかも出てきて
多岐にわたって読み応えのある内容でありました
実際に、どんな人生だったか、どの人のことも知らなかったので
そういう伝記として読んでも
面白いことこの上ない一冊だったと思うのである

人生は、欲をかきすぎてはいけないというものでもあるが、
かわいそうとしか言いようのない事例も含まれていて、
たまたま、持っている大規模農場のそこかしこから
砂金が出てきてしまったから、人が勝手に入りこんできて
荒らされまくって、その闘争に、なんと敗れてしまうという
悲惨極まりない話だとか、
さまざまな再建に名乗りをあげて、
本当に善意でそれをやり遂げてきて、ある失敗を機に
それでも、全財産を費やして、失敗を帳消しにした話とか
これはもう、失敗と呼ばないというか
あまりにもかっこよすぎるだろうと
震えるような内容もあったり
大変面白いのでありました

それぞれの失敗は、ここがよくなかったと
確かに書かれている通りではあるが、
そうできない、あるいは、しなかったというところに
人間があり、歴史があるんだろうなとも思えて、
あえてではあろうけども、
悪人とはいえない人たちが、自ら制御できない域に達してしまったと
そういう話のようにも思えて、
分相応とは、誰が、どのように決めるものか
人生に転がる、様々な罠のようなものも
感じてならない内容であったと思うのである

むやみに責任を背負いたいことはないと
常々思っているが、そういう心持は
また、彼ら失敗をした天才たちの気概とはまるで相容れず
どちらがよいのか、それもまた
考えさせられたように思うのでありました
面白かったけど、悲しい話も多かった

【読書】暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史

2019-08-19 21:04:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史  著:牧 久

世の中知らないことが本当に多いなと
頭を垂れた一冊でありました
凄い濃いというか、これが日本における階級闘争の歴史かと
もはや、伝説というか、おとぎ話のようにしか知らなかった
左翼組織の闘争というものが、詳細に描かれていて
衝撃を受けたのでありました、衝撃なんてもんじゃないな
本当に、これが日本なのかというか、
わずか50年そこそこ前に、こんな危険が横たわっていたのかと
本当、恐ろしくてならんと感じたのであります
しかも、つい最近まで(おっさん基準)続いていたとか
凄いなと感じるのであります

革マル派という、先鋭的な左翼組織が
どういう思想で、どのような闘争をしていたか
その中心人物であった松崎明なる人物の動きと、手腕というのが
ありあり描かれて、それが国鉄の労働組合で
恐ろしい内ゲバを繰り広げていたというのが
もう、血の歴史というべき事象、事案、事件ばかりで
怖くなったのでありました

労働組合の労働闘争というものが
どういう何なのかが、ようやっと知ることができたという感じで
読んだ感想として、今にはあてはめづらいというのも
不思議な感じだと思ったりもする
どこで、この思想は間違っていると
判断されたのだろうと、人心を失っていく組織のあわれなんかも感じて
なんとも興味深い読み物でありました

先鋭化するにつれて、同じような立場と思える
共産主義の人たちと戦いが始まったり
このあたり、中核派とか、そういう歴史を調べると
より面白いのかもしれんと、危険なことにそそられてしまったのだが
組合の覇権を握るための闘争とも思えたり、
労使関係というものはどういうことか
その都合というか、思想のもとに触れられるようでもあって
理解できないこともない、なんていう歯切れの悪い感想を
また抱いてしまったのでありました

テロ組織というのが正しいところであろうけども、
そういったものが、いまだ、JRに潜んでいるのかもしれないと
恐怖を覚えるのと同時に、やがて、派遣労働者が団結をして
この轍を踏むのでないかとも思ったりしながら
日本は相変わらず、階級闘争を続けるべく
階級社会を続けているのだろうかなんて
難しいことを考えたのでありました
凄かった

いだてん  トップ・オブ・ザ・ワールド

2019-08-18 20:50:18 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了であります
ロサンゼルス・オリンピック終了
しかし、日本水泳ってものすごく強かったんだなと
改めて驚かされたのでありました
すげぇわ本当にもう

しかし、前畑選手の伝説のあれが
今回ではなかったというところも衝撃でありまして、
こっから戦争になって、それを乗り越えてから
金メダルだったのかと思うと
本当に、スポーツが勇気を与えるというのが
すごく重要なことと認識できたのでありました
凄い、本当に感動するものだわ
正直、そういう感動は作られた感じがあって
信じていなかったんだけども、
このドラマの感動シーンは作ったそれなのに
すごく理解できたというか、これが、スポーツがもたらす感動かと
思い直したのでありました、そういうものがあるのだ

アメリカでの現地同胞に勇気を与えたの話は
ちょっとやりすぎじゃねぇかとも思ったけど
実際にそれくらいの感動があったのかもと
信じることにして、そこが、割とよろしいというか、
こういうのが、自分が誰であるということに誇りを持つといった
健全な国民感情の発露というものなんだろうかと
なんか、うがった見方をしてしまったりもしたんだが
ただただ、それはすがすがしいよいものでないかと
感じるに至ったのでありました

感動を覚えつつ、最後のエキシビションが
本当に行われたのかわからんが、
確かに、初めて見ると衝撃を受けるだろうなという
日本泳法の披露は素敵なことでないかしらと
感じてやまなかったのであります
水中で自在に動くという術方があるというのが
考えてみると、世界的に衝撃なのかもとも思ったり
なんとも誇らしく思えたりしたのであります

もっとも、白人にとっては見世物の向きが強かったのかもとも
思ったりしてしまうんだが、やがて、この技の数々が
シンクロとかに活かされるかと思うと
なんとも誇らしく思えたと
そんな話であります

いだてん  黄金狂時代

2019-08-12 18:41:54 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了であります
苦労したラジオ放送が何気に面白かったんだが、
実際に、実感放送ってのはやったんだろうか、
やったんだろうな、あんなんじゃなかったんだろうけどさ
でも、なかなか面白い試みというか、
あれでこそ、放送に携わる人だよなと感じたのであります
持ちえるもので、その最大値を生かして
なんとか、面白く、伝えたというのがステキ

さて、相変わらず、日本の水泳が強かったという情報に
驚きを隠せないのでありますけども、
本当に凄いな、マジで全階級制覇できてしまうくらいだったのかと
そのあたりが衝撃的でありました、ついこの間まで、
日本泳法しか知らないから、クロールとかできない人ばっかりだったのに
本当に強かったんだなと衝撃でありました
なんでそんなに強くなれたんだ、誰が凄かったんだろう
かっちゃんなのか、かくさんなのか、誰なんだ

そのあたりのオリンピックも面白いのだけども、
だんだんと所帯じみてきたというか、
色々、味が出てきた、志ん生の嫁さんが見事で、
落語一家が、落語まんまのような生き様であるところが
なかなか楽しくてよかった
これはこれで、見所たっぷりじゃないかと
しみじみ見入ってしまうのでありました

じわじわと、日本の人気が下がっているところが
なんとなしわかるんだが、それとは対照的に
熱狂する日本もわかって、なんとも面白いのでありました
不思議だが、時代はそういうものだったんだろうなと
今、自分が身を置いているところも
そういうことがいっぱいあるんだろうと
感じるのでありましたとさ

【ドラマ】ヴィクトリア2

2019-08-08 20:47:46 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの海外ドラマ枠で見ていました
まさか続編があると知らなかったので、
正直、1がどんな話で終わったか覚えていなかったんだが、
とりあえず、フランカテリさんがいなくなってて
大変だという序盤の、すったもんだが
なんだかんだ気づいたらひきつけられるような物語で
面白かったのでありました
特に、名前を覚えられなかったんだが、
新しい侍女としてというか、教育かかりとしてやってきた
侯爵夫人のなんというか、
最高に人をイラつかせるイギリス人っぷりに圧倒されたのでありました
そうかと思うと、すごいいい人の面もあってというか、
まぁ当たり前といったら失礼だが、
いかにもな、素晴らしいキャラ造詣で
わしづかみにされたのであります
イギリスドラマは、ああいう年寄りの使い方が
抜群にうまいな、いいなぁ
多分、イギリスの家庭におけるおばあちゃんは、みんなあんな感じなんだろう
恐ろしい

序盤で、メルバーン卿が身まかるという事態になるんだが、
そのあたりのやりとりなんかも非常に繊細でよくて、
その弟子として、立派に羽ばたいたビクトリアとのやりとり
嫉妬という化け物の扱い方なんていう
しゃれた言い回しで楽しませつつ、
でも、メルバーンという人が、何も残せなかったと
悔恨のみで生を終えるというのも
象徴的というか、衝撃的で
すごいいいシーンだったと思うのでありました
あれを受けてのアルバートというのがまたいいのだが
本当にもう、楽しいわ

今回は、スコットランドやら、ウェールズやらと
あっちこっちとの交流もちょっと描かれたので
その差みたいなのを面白おかしく見せているのもよかったところ
このあたりは、イギリスに詳しいとより楽しめたんだろうなと
ちょっとうらやましく感じるところでありましたとさ

あとは、男前のエルンストが不治の病で
また、悲恋を抱えているという状態が
なんとも素敵でありまして
続編があるのかしらんが、
悲しい出来事が続きそうな内容ながら
非常に面白く見終えたのでありました
よかった、NHKはこういうのを継続的にやってほしい

【映画】探偵はBARにいる

2019-08-07 20:59:59 | ドラマ映画テレビ感想
知り合いに勧められた見たのでありました
ドラマタイトルかと思ってたんだが、映画シリーズだそうで、
その一作目を見たのでありました
大泉洋が出ているというだけで
コメディに違いないとみていたんだが
案外というか、かなりハードボイルド探偵もので
古風な日本の探偵ドラマを堪能できたのでありました
意外な面白さだった

大泉洋と松田龍平の二人組が、軽妙なやりとりで
敵と戦っていくような話、と説明すると全然違うな
探偵とその助手という二人が、まぁ、
難問というか、いわくのある依頼に振り回されていくというお話だったんだが
大泉さんが、案外熱血漢というか、
やられたらやり返す、なめられたまま終わらないと
そんな男なので、話がややこしくなったり
真相に迫れたりするというのが
いかにもハードボイルドな感じでよかったのでありました
相棒の松田さんは飄々というか、相変わらずの感じで
抜けてるのになんか強いという
謎の男というか、いや、別に謎は特になくて
やる気が全身から抜けているけど、強いという男が
また、いいアクセントになって
なんだかんだ、飽きなく楽しめるのでありました

全編北海道でストーリーが進むというか、
なんだったらススキノだけで終わってしまう感じがよくて
見たことのある札幌の名所がしれっと出てきたり
観光ビデオかと思うような、
ゆるい感じのショットもいくつかあわさっていて
全体的に、かっちりとはしていないのがまたゆるくてよかったのであります

話は、なんとなくそうかなと思っていた通りに進むんだが、
敵役で出てきた、高島弟のほうが怪演で
実に素晴らしかった、あんな怖いのいらんわと
やりとりがコミカルなはずなのに
すごい怖いというギャップが楽しめたのでありました

最終的にはいかにもな日本探偵もののテンプレで終わったと
個人的に感じたのだが、
満足感の高い、いい映画だったと思ったのでありました
まぁ、映画じゃなくても、スペシャルドラマとかで見てもよいかとも
思わなくもないが、アクションが何気にすごいから
映画の予算で、もっと撮ってほしいとも思うのでありました

【読書】人生は攻略できる 君たちはこれからどう生きるか?

2019-08-06 20:54:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
人生は攻略できる 君たちはこれからどう生きるか?  著:橘 玲

久しぶりに氏の本を読みました
ちょっと前に出たものでありますが、
私のようなおっさんではなく、もっと若くて輝かしい人たちに向けた
これからの人生の指針を書いたほんであります
これを紙の本で出しているあたりに、
何か考えさせられるところを覚えたというか、
書いているターゲットはそのあたりだけど、
読むのは我々くらいと見越してこういう感じなんだろうかと
あれこれうがって読んでしまったんだが
それにしても、なんとまばゆい未来が約束された本であろうと
若者を羨ましく思うくらいの楽しみができたのであります

内容は氏がずっと言ってきたことの集大成めいたもので、
これから寿命が延びた時代にどうしていったらいいか、
仕事は、苦行ではなく、自分が好きなことをする
そしてそれが稼ぎになるというスキームをこしらえることだと
より具体的に書いてあるものでありました
このあたりは、観念的ともいえるような
信念と呼ぶようなものであって、
なるほどなというところなんだが、
久しぶりに実際的な、投資や投機の話がすらっと書かれていて
こちらが、なかなか眼福であったと思うのであります

複利がどれほど大切かと
ちょっとかじった今は、物凄く納得できることを
これでもかと優しく、詳しく解説しているので
これを読んで素直に若者が投資するようになったら
未来は明るいんだろうか、でも、みんながそうなると
もうこの方法は駄目になるのかとか
あれこれ考えてしまったわけだが
まぁ、それはそれとして、楽しいのでありました

また、これからの働き方の部分として、
長く働くために、スペシャリストとか、評判を集めるとか
戦略が変わってきているということを
凄く強く訴えていて、これを読むのが一番の目的であったかと
反省というか、強く恐怖を覚えるほどでありました
そうだよ、言うとおりで、もう硬直化していて
今、時代に乗ってないから、大変なことになったおっさんだよと
嫌な汗をかいたわけであります

会社という概念が弱くなりつつあって、
まさにその通りだと最近実感しているのに、
社畜と呼ばれる状態から打開することもできずに
ぐずぐずしてきた結果を享受している
上は、それで最大限よかった世代の最後の生き残りばかりで
その下で、逃げ損ねた自分のような世代人が
山ほどいるかと思うと、日本の未来がいかに暗いかと
よくよくわかったというか、理解できたように思えるんだが
今更ながら、幸せではないサラリーマンの一人として
会社への愛情などというものが存在しないことに気付いて
コツコツ、長く続けられる自分の仕事というものを
作り上げていくようにしないと
あと、10年ちょっとで、なんとかできるものがないか
焦りつつ、自分にある資産は何か、
何もない、いわゆる貧困なのか、震えながら考えて、
明日も生きていこうと思ったのでありました

嫌な時代なのか、よい時代なのかは
自分がどう生きるかで決定されるものであるな