CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

鎌倉殿の13人 ままならぬ玉

2022-07-31 21:06:19 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
ままならぬ玉というのが何か、考えさせられるところだったわけでありますが
ちょっとだけいい感じになるという、
最悪の前の下準備みたいな回で、最低だなと感じたんだが、
これこそが、鎌倉殿の13人だと震えてしまうわけであります
ちょっとだけでもいいシーンがあったら、それでよかったとしろという感じですらあるな

ようやっと心を開いてきたかのような二代目だけども
相変わらず傍若無人な若者のままで、
まぁ実際あんなもんだったんだろうなと思うし、
訴訟を裁くという仕事の重要さが、これまでもそんなに描写されなかったから
視聴者というか、自分からしても、どの程度どうだったのかわからんと
そのあたりが残念というか、実地をとりあえず泰時が見に行ってという流れで、
大変なんだなとふわっとはわかったものの、もうちょっと、
重要であるところをわからせてほしいようにも思ってしまうのである
まぁ、相当大変なことなんだろうが、それを裁定できるというのが
どれほどすごいことか、それが政治だということが
わかるといいのになぁ

と、まぁ、それは正直本筋ではなく、
ただただ、謀略を描くことが仕事といわぬばかりに
北条の悪い嫁の暗躍が実に切れ味鋭く
それでいて、ちゃっかり本筋にじわじわツテを作りつつある三浦の動きというのも
考えてみると不気味というか、そういう感じでずっと近づいてきてると
死人に口なしを地で行く感じが恐ろしいのである

割と癒しというか、ギャグが多めだったので
よろしく見られたわけだけども、
ドヤ顔で女を語る義時、そしてキノコがとてもよかったのである
そして、善児の二代目紹介と不穏な形見の話
あれ、どうやって片付けるんだろうかと心配なわけだが
とりあえずあらゆることが、悪い方向で落ち着くんだろうと
楽しみなのであった

【読書】六法推理

2022-07-27 20:56:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
六法推理  作:五十嵐律人

表紙の印象にひっぱられてしまっているけども、
かなり読みやすい、漫画とも違うけど、読み応えが軽快な小説だった
法学系の学生が、無料法律相談めいたことをして
謎を解決するという、ミステリなんだが、
たぶん、法学系の学生なら、より楽しめるというか、
これやばいだろうという感じのことがいっぱい出てるんだろうと、匂わせはわかるんだが、
知識がないので、いまいち、この極意というか、根底にある面白さの源泉がわからず
半分くらいしか楽しめなかったような気がして終わってしまった

話しはかなり面白いんだが、思ったよりもハードな事件が多くて、
しかもなかなか陰惨な裏というか、人間模様もあったりして、
なかなか読み応えのある物語だったんだが
学生が弁護士まがいのことをするというのが、どの程度よくないのか
このあたりがいまいちわからないので、
多分、学生だからこのあたりでというあたりで画策している
あるいは、あがいているかのような、作中に出てくるモラトリアムだからこそという法律相談、
主題である、無法律相談なんだと理屈ではわかるんだが
それが、ぱしっと落ちてくるところまで読み込めなかった

と、まぁ、そう書いてみるものの
探偵役と相棒が、よい感じで組み合わさって事件の解決に向かっていくという
物語の読まされ力なるものは素晴らしくて、
結構変則的ともいえるような組み合わせの探偵役が、
あれこれと解決していくのは、スピード感もあってかなり楽しかった

事件の解決と、その物語という
ごく単純な図式ではかなり面白いけども、
なんか、通底するような、骨の部分というのがちょっとわかりづらくて
もうひとつ入り込めなかったのだけども、
だからこそか、いいスピードで読めて、ストレスなく楽しめた小説でありました

【映画】キングダム2

2022-07-26 20:39:05 | ドラマ映画テレビ感想
まぁ、とりあえずシリーズ付き合ってしまおうと
上映早々見てきたのでありました
事前情報入れずに見てきたのだけども、
そもそも原作でこのあたりってどんな感じだったか覚えがないなと
純粋に楽しんで見られたように思うのである

とりあえず、ヒョウコウが、トヨエツなのにヒョウコウだったと
何言ってるかわからない感想だけども、
原作キャラをうまく作っている感じが衝撃的で
今回、一番よかったと思ったのでありました
まぁ、序盤だから仕方ないけど、もっと信と絡むシーンがあったら
なおよかったっぽいよなぁと感心しきり
次点で、ほとんど出番らしい出番のなかった呉慶さんかなと思うんだが
テーマであるといっても過言ではない、
将軍というものを見せるという目的が見事果たされていて
すごくよかったと思ったのでありました

話しは基本的に、バッコシン隊の突撃模様だけで出来上がっているので
これって、原作でもこんな感じだったっけ?
バッコシンなんてそもそも居たか覚えてないが、
いかにもキングダムにいそうだなとか失礼極まりないことを思っていたんだが
力押しの面白さと、歩兵の戦いの悲惨さというか、
ただの喧嘩みたいな感じの突撃序盤が、思いのほか面白くてよかった
わらわら走っていって、激突して、あとは大喧嘩みたいなのが
リアルなのかそうではないか、わからんけど、あんな感じっぽいよなと
伍を作る話の説明うっちゃって、絵面として面白いなと
戦争風景描写として、嘘というか、すごいアクションもぶっこみつつ
面白いと思えたのでありました

ただ、話をなぞっていく手前仕方ないというか
漫画だとそういう展開だわなという、キョウカイが出てくるあたりから、
その過去シーンのあたりが長いという印象で、
漫画ならすんなり読めるけど、長尺の映画でやられると
あんまりいらんシーンに見えてしまうなと
夜の討伐隊との闘いの時が、ある種ギャグなのかと思うようなアクションで
ちょっと冷めてしまったのが残念だったのでありました
とはいえ、相当面白かったというか、気合入ったアクションだったのでよかったんだけど
やっぱり、ふんわりジャンプしたりのところは
もうちょっとなんとかならんのだろうかと思ってしまうのである
あと、キョウカイが、強いのか弱いのか
扱いが微妙だったのも気になった
あんだけ無双して強そうに見せておいて、急に呼吸がって息切れしたのが
漫画読んでると、ああ、そういう技だからなと思うんだが
実写だと唐突というか、お前そんななのに、えらい自信満々で出てきたなと思ってしまったわけで
もやっとするのである

と、そういうなんか、そこおかしくない?とか
気になりだしたら切りがないのは、もうこういうもののフィクションを楽しめていない証拠かとも思うんだが
戦車の怖さというのが、もうちょっとなんとかならんだろうかとか、
丘駆け上がっていくところの人数規模が小さすぎてヤバイだろうとか、
そもそも、あんなに木がいっぱいのところ馬で駆け上がれないだろうとか
あれこれ気になってしまうといけないところばっかりだったわけだが
最終的に丘の上での弓が、あんだけ討ってほとんど騎馬落ちてなかったり
色々辻褄がと、いや、そもそも、あの弓は開戦の時に前線で使ってないのおかしくない?
そうなってくると、呉慶って本当にすごかったのかとか
いらんことを考えてしまったのでいかんなと思ってしまうのである

とりあえず、一兵卒の信が成り上がっていく途中であり、
そのうえというものがどういうものか、千人将と将軍とを見せて知らしめるというのは
なんとなしわかったような気がするんだけども
とりあえず、出てきた人たちの原作再現度はよかったなと
尾平を見て感じ入ったのでありました
すごい、尾平だった、あれもすごいわ

そんなわけで、約束された第三部もあるようなのでとりあえず
また来年もやったら見るだろうなと書いておくのである

【読書】ミシンと金魚

2022-07-25 21:05:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
ミシンと金魚  作:永井みみ

芥川賞っぽい小説だった
読んで欝々としてしまったというか、
個人的にはとても悲しい気持ちになってしまったというか
ある意味感動させられた小説であった

主人公が痴呆の入ってきたお年寄りで、
その過去と現在を拙い言葉で繕っていくという作りが
もう、これだけで泣けてしまうのが悲しい(俺が)

痴呆によって新しいことはちっとも覚えていないのに、
古いことは覚えている、そして、つらかったことを覚えているという
その流れからの「みっちゃん」という呼称のいわれが悲しすぎて辛かった
また、おかれた状況と、そこから示唆される未来の絶望というか、
ああ、自分の老後もやがて、こういうものとしてやってくる可能性があるのかと
これまた、すさまじい絶望を覚えさせられるようで
休みの日に読む本じゃねぇなと思ってしまったのである
なんで土曜日に読んだ俺

ネタバレになってしまうけども、
みっちゃんと呼ばれる人というのが結構ミソで、
これが呼称でしかなく、複数人の人を十把一絡げでそう呼んでいるというのが
ギミックとして衝撃的だったというか、
世の中そういう風にとらえるようになっていくし、事実そうなのかもなと
これまた悲しい事実を突きつけられたようで、
ともかく読んで絶望していくばかりでありました
また、その呼称のいわれによって、その呼び方による思いというのが
一つも語られていないのに、優しさとか後悔とか、
そういうものがごたまぜになった純粋の気持ちの発露に見えるのが
もう泣かずにおられないといった感じだった

ラストシーンもとても悲しい終わりとして描かれるんだが、
それでなくても、その前に示唆された内容から、ゆくゆくはこんなことになるだろう
そう思わされるところ、そのための息子の嫁の存在、そのキャラクタ、
わずかに見せた優しさという、利己的な欺瞞みたいなのを主人公が痴呆というフィルターを通してみているというのが
まぁなんというか、悲しすぎてたまらんなと思ったのである

休みに読んで後悔したが、いい物語だったと思うのであった

鎌倉殿の13人  名刀の主

2022-07-24 21:16:06 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」視聴完了しました
早々と景時が片付いてしまった
というか、あれでもう終わったとみていいんだよな
これからばったばったと、倒れていくかと思うと
楽しみでならんが、とりあえず、頼家の暴君ぷりが
実にムダに発揮されていて面白かった
あんな女狂いは、頼朝でもしてなかっただろうさすがに
他人の女をとる君主というのは、洋の東西を問わず
ある事件ということなんだろうか

さておいて、景時失脚への道筋、
そして、さらっとりくの計略というほどでもないそれがさく裂するあたりが
一番の見所というか、すげぇ女だと感心してしまう流れだったんだが、
それはそれとして、流石に、比企も北条も考えなさすぎじゃないかと
思ったりしまったのである、面白いからいいんだけど
もうちょっと、ちゃんとしてたんだろうな

結城を使った遠回しの謀略の主が
まさか、三浦だとはまったく思ってなかったので
ちょっと盛り上がってしまったんだが、
今後も、なんだかんだ、三浦が糸を引いてく感じになりそうで
ちょっと楽しみになってきたのである
思ってたのとだいぶ違った
小四郎は小四郎で鎌倉のためにという言葉のもとに、
何やってもいいのかという感じでもあるわけだが、
誰もいい奴がいないというか、そもそも、全員がなんのために生きているのか
己のためだけという天下の見えない喧嘩というのは
これはこれで面白いもんだなと感心してみているのでありました

それでいて、後鳥羽院の暗躍もてきめんに効いたりしてて
政治って怖いなと思うばかりである
しかし、景時が刀の目利きという設定がこれまでまったくなかったと思うし、
今回もそういう話ではなかったわけで、
それでいて、このタイトルで、まぁ、内容は言葉の通りだからそれでいいんだが
なんかちょっとだけもやっとしたのである

【読書】幸村を討て

2022-07-20 21:12:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
幸村を討て  作:今村翔吾

ミステリとも異なるが、策謀と裏読み、各々の思惑というのが入り乱れる
非常に面白い小説だった
大坂冬夏の陣を舞台に、真田家と徳川の戦いを描いたというような内容で、
NHK大河の真田丸を見ていると、さらに楽しめるというか、
なるほど、そういう解釈もあるのかとこのあたりの細かなところへのアプローチが
とても楽しく読める小説でありました

徳川と真田の因縁を描きつつ、真田の智謀というものを真之と信繁との間で描きつつ、
ミスリードめいた、幸村が第三の真田の倅と匂わせながらというのが面白くて、
かつての武田家での話とか、過去もクローズアップさせつつ、
それがまた謀略に生きてきたりと、読んでいてとても楽しい
そして、最後の真田猛攻がどのように実現したか、
このあたりが、人情とか、人の思いとかの結果という作りが見事で
かなり面白く読めたのでありました

割と、登場人物たちが自分の思いや考えを提示していく内容なので
それに引きずられて、ミスリードされていくような部分もあるのだけど
それはそれで理屈というか、人情の部分でそう判断するよなと
思わせるようになってるのが見事だと思ったのでありました
個人的には大阪の陣では毛利勝永の活躍がすごかったんじゃないかと思っていたところ
それをいかんなく描いていて、そこだけでもすごくよかったと思うのである
どうしても、後藤又兵衛に注目してしまいそうだけど
そこを悪くでもないが、功名からの描き方でキャラ付けしていて、
その対極に近い形で毛利、そして、そこからの真田という関係が見事で面白かった

伊達もほどよく踊っているところが、
病まれずというか、そういうものだというところで起きていて
ともかく全体の流れというか、構成が見事で読みたいものを読ませてもらったと
そんな風に思ったのでありました
事実のままに描いて、こういう物語だったという見せ方が見事だと
かなり感激した読書となったのであります

将棋ウォーズ2級で右玉(2012)をとる

2022-07-19 21:13:52 | 将棋

右玉

戦法よりも、囲いなんじゃねぇかと思ったりするんだが
エフェクト発動に飛車の位置が絡むというところがミソで
地下鉄っぽく構えるのが重要な戦法
正直、エフェクトとるために一回使っただけなので
まったく勘所がわかっていないんだが、自陣の駒組だけで
右玉の形にしてから、飛車を下げると発動
そこから、飛車を好きなところに振っていってもいいし、
そのまま、飛玉接近のまま戦いに出てもまずまず戦えるので楽しい

とはいえ、安心なのは左に振っていくパターンで
下段飛車を一気に9筋に振って地下鉄飛車で突破していくのが非常に強い
また、下段飛車にしておくので角打ちの隙が比較的少ないから
角交換してやはり、9筋の端攻めに注力したりで突破を図ってみる

自身の棋譜では、相手がAIだったので居飛車で角頭を簡単に攻略できて勝てたんだが
飛車で右側上部を制圧できてしまうと、ものすごく安心というか
安全に勝てるのが素敵だと思うところ
相手が振ってきたら早々に右玉を解消してしまうのも手ではないかと
日和見なことを考えるのである
エフェクトのためには、速めに玉を右に上がってしまうわけだけども
実践的には、飛車を下ろしておいて、相手の動きを見て
いいタイミングで玉を右にあげるなり、左に逃げるなりとした方が戦いやすいと思うのだが
それだとエフェクト出ないんだな

【読書】弊社は買収されました!

2022-07-18 21:14:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
弊社は買収されました!  作:額賀澪

突然外資企業に買収されてしまった、
老舗洗濯洗剤メーカーにおける波乱万丈のすったもんだを描いた小説
買収される側メーカーの総務部員が方々と折衝したりというか、
もうどうにもならんというところをなんとかしようと
七転八倒するという話なんだが、
割と安心してみていられる、お仕事話だけども、
わいわいと楽しい内容だったというか、
どことなく平和な内容で、楽しく読むことができた
実際の買収現場は、こんなのほほんとしてないよなぁと思うんだが、
それなりの軋轢とか、わかりやすい対立とかが、
これまた、わかりやすく収束、あるいは、合体変身していくというのは
期待通りの物語が楽しめるという意味で
とてもよかったのであります

主人公が入社から10年ちょっとくらいの30代半ばといったところで、
比較的若くもなく、年寄りでもなくというところがよさげで
その割に達観ではないが、目的が融和にあるという生き方が
読んでいてぎすぎすしなくてよかったと思うのであった
でも、作品中にあるように、それだとビジネスとしてどうなんだという資質でもあるなぁと
思わされたりするのである
むろん、自分がそういうタイプなので思うわけなんだが

とはいえ、熱いところがあって、結局はみんなのためにということに邁進できる
その力と才能は素晴らしいものがあるなという話に落ち着いて、
世代格差とか、様々な問題とかも、割と人間同士のなんとかと
そういった感じで解決してしまうので、
このごろのそういった話を書いているようでもあるが、
話しの流れとしては、昭和のそれとなんら変わらないという
人間て案外そんなもんだろうというのと、
本当に新しい文化というのは、まだ見たことがないし
誰も書けていないのかもしれないとか
偉そうなことを思ったのであった

とはいえ、自分の会社が買収されたら
だいたいこんな感じになりそうだなとも思ったりしつつ
そういうときに、チャンスと思う側だろうかとか
そういう本じゃないのに、なんとなし、思わされたのである
楽しくささっと読めた

鎌倉殿の13人  鎌倉殿と13人

2022-07-17 23:40:31 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しております
新章突入というところでありましたが、
思った以上に前途多難な感じが実に素晴らしかった
選挙戦の翌週にこれが始まるというのが
なかなか面白かったわけでありますが、
案外選挙真っただ中でやってた方が、よりリアルに面白かったかもなんて
思ったりするのである
まぁ、今回はそれ以上にあれこれ事件があったからいかんけどもさ

さておいて、
その票集めという、ずっと昔から連綿と続いているそれが
まさにあれやこれやで、くだらないようでいて、
政治の本質というものが皮肉をもって語られた映像だったように
思ったり感じたりして楽しんだのでありました
ああいう場面になって、りくさんが、凄く楽しそうなのが
ああ、鎌倉時代の京都の女なんだなと思わされたりしたんだが
比企の嫁もあんな感じだったし
だいたいあんなもんなのかもと思うのでありました
頼家の正室と妾の喧嘩も面白かった
なんというか、どこもかしこも喧嘩しかないのが
ひどい事であるが、それを裁定していた頼朝が
案外ちゃんと仕事してたんだなと思うばかりなのである

絵巻物というか、物語としては
新しい御曹司の若い官僚たちという構図が
いかにも正義のような気がしてしまうわけだが、
御曹司があまりよろしくなく、かつ、その子弟たちがどうも大したことなさそうと
まぁ、混迷しか生まれていない13人紹介+5人というのが面白くて
もう何一つうまいこといってないなというのが
とてもわかりやすく出されていて楽しめたのであります
そして、流れるようにまずは梶原から死ぬようで
なんというか、このスピード感大事よねと
いらんことを思うのであった

政子がわかっていそうで、そうでもないというのが
一番悲しいことなのかもしれんと思いつつも
頼家のあわれを思うのでありましたとさ
そりゃ謎の病死するな

【読書】鑑識レコード倶楽部

2022-07-16 20:55:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
鑑識レコード倶楽部  作:マグナス・ミルズ

ずいぶん変わった小説だった
すごい短いんだが、脈絡というか、章立てが存在せず
ただただ連綿と続いていく文章、そして何の変哲もないというか、
あるレコード倶楽部の勃興を描いていくだけというそれで
熱い展開とか、奇妙な謎とか、そういうものが
ちょっとずつでてくるんだけど、さしてそれが重要でもない
ただ、ある会合が作られたと
その日々を描いているだけの小説だった

ちゃんと読み込めていないというのが問題だと思うんだが、
結構面白い、いや、面白そうな内容だと思いつつも、
結局なんだったか、わからないまま話が進んで、
特にオチとかあったか?といった感じで終わってしまうので
何回か読まないといけないそれなのかもしれないと思うのである

レコードを聴くということ、
それを「鑑識」という言葉で表していて、
正直それが何を意味するのか、物語の冒頭、登場人物たちの会話だけでは、
全然わからないのだけども、その会が実際に行われて、
ああ、そういうことをしたかった、あるいは、するのが「鑑識」という行為なのかと
気づいたりするわけだけども、その「鑑識」の解釈をめぐって、
だんだんと話が動いていくというのが面白くて、
真の鑑識とは?という感じの物語にも読めるんだが、
別に、その問いかけの答えはないというか、それが目的ではなく、
ただ、そういういざこざみたいなのを描きたかったのか、
それだけでもない、ただ、そういうことが起きていたとしているだけで、
なんともつかみどころがない、でも面白い

キーとなる謎のレコードも出てきたりして、
それを聞くシーンというのが、結構印象的でいいなと思ったんだけど、
それもまた、だからなんだったかというと、大したものでもなく
挙句に、とっちらかった感じで終わるというか、
喪われるというのが衝撃で、いや、そういうものなのか、
手に入らないから、読み手としてもったいないとか思ったけど、
そんな大したものでもないのかもとも思ったりと
なんか、よくわからん

書いていて、迷走しだしてしまう内容だったが
読んでいて面白い気がするという、そればかり思いながら
面白くなったかならないかわからないまま終わった
そんな不思議な小説だった

【読書】マスカレード・ゲーム

2022-07-13 21:20:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
マスカレード・ゲーム  作:東野圭吾

人気シリーズの最新作であります
一作目だけ読んだことあったと思うんだが、
特に継続して読み続けないといけない作りではないので
安心してミステリというか、サスペンスを楽しめたのでありました

今回ので物語として一区切りついた感じになっているので
集大成的な内容だったのかもと思うのでありますが、
自分の記憶によると、一作目のオマージュではないが、似た進行を使っている部分があって、
そこを知っていると、より楽しめる作りなんだなと
感心して読み終えたわけでありますが
ネタバレとやかく書けないので控えるけども、面白かったと思うばかりであります

刑事がホテルの従業員に化けて潜入捜査をするという
いかにも小説というか、物語的展開で、次々と怪しそうな人たちがやってくると
大変楽しい、サスペンスとして読みたいところが丁寧に盛り込まれているというか、
詰め込まれている感じで、なかなか楽しかったのでありました
特に新キャラと思しき、女性警部補の鮮烈なキャラ付けが素敵で
これが、ある種のキーになるんだろうなと読みつつも、
その良さと悪さの描き方が絶妙で、
序盤の、なんせ印象悪い感じの描き方がずぬけて上手いのがいい
こういう、露悪的な悪者を描かせると本当に冴えるというか、
こういう嫌な感じ、よくあるよなと
実感できてしまいそうな、人間的な嫌なところというのが、ごりごり出てくるのが
相変わらずうまいしよかったと思うところでありました

とはいえ、それもやはりといっていいのか、
刑事としての何彼があってという話に落ち着くという安心もよいが
協力者との関係とか、事件のそれよりも、
そこに携わる人たちの人間関係がやっぱり面白いと
この人の人情話はいいなと思うばかりなのでありました

物語がクリスマスの話なので、
こんなクソ暑い時期に読むもんじゃないなとちょっと反省したけども、
季節感はあんまり関係なくて、ホテルという不思議な空間の楽しさというのが
事件とは別に、雰囲気を醸してくれていてよかったと思ったのでした
一区切りだけど、続編は全然できそうなというか、
むしろそこから新しい話となりそうな結末は
なかなか見事だったと思うのであります

【テレビ】中国語!ナビ イモトとはじめちゃう? 石川佳純先輩と特別授業

2022-07-12 21:02:34 | ドラマ映画テレビ感想
まだ絶賛放映中の番組なんだが、
先日の「石川佳純先輩と特別授業」前後編がすげぇ面白かったので
思わずレビウ書いておこうと思うのであります

NHKのテレビ中国語講座の2022年度版なのでありますが、
これの前の期の途中くらいからじっと見ておりまして、
とりあえずこういうのを見ておくだけでも、
そのうち中国語しゃべられるようになったらめっけもんだろうと
ヨコシマというか、さしたる努力をしない方法をとって
ずっと見ているのでありまして、
いつか、カムカム英語みたいに、さらさらしゃべられるようにならんだろうかと
期待しているのでありました

と、まぁ、それで上達するはずもないので、
さっぱり中国語が理解できないままなのだけども
新シリーズで、中国語を頑張って勉強してなんとかしてきた諸先輩をゲストに呼んでくるという
來來來!先輩というコーナーがありまして、
そこに卓球の石川佳純さんがやってきたわけなんだが、これがなんというか
すごい面白くてよかったのであります

卓球やってる人たちが、だいたい中国留学してるので
流暢にそれをしゃべるというのは知っていたけど、
その熟達具合というか、割とナチュラルにしゃべっている感じが
すごく親近感があるというかペラペラなんだけども、
独自のそれで、自分で身に着けた感じがあるという、ものすごく印象でしかないが
綺麗な英語をしゃべる人とは異なる、中国語をしゃべってる人という感じがとてもよくて
発音も綺麗だと思いながらも、先生たちのそれとはどこか違う
それが耳に馴染んでよかったのでありました

また、作りというか、多分本人の良さが一番なんだろうけども、
終始笑顔で、なんなら爆笑し続けているというのが気持ちよくて
見ていて、なんかしらんが、こっちも面白くなってきたみたいな
そういう気持ちで新鮮に中国語を聞けたのが大層よかったのでありました

メインパーソナリティである、イモトさんの良さも抜群に発揮されていて、
ともかく画面がすごくよい、妙な重さというか、変な笑いへの偏重みたいなのがなくて
素直に楽しく、ほがらかに笑えるという感じで、
一等頭に残る回となったのでありました

なんだかんだ、無理やり卓球をするという段取りになって、
そうとうにぐだぐだで、これは、民放のバラエティなら放送事故じゃねぇかというくらい
くだらないというか、本当にもうグダグダでひどかったのに
それが得体のしれない笑いに繋がって、ただ近所のダチと遊んでいるような
これを公共放送でやって笑ってていいんだろうかと
ある種不安になるほど、素というか、飾りのない遊びっぷりが大変よくて
そこに無理やり中国語の勉強要素として、数字の呼び方が入るのが
また、何が面白いというわけでもなくすげぇ面白い、
そして、石川佳純さんの発音がとても綺麗で耳に残ると
まぁ奇跡的な出来栄えになっていて、語学番組なのに面白さ目当てで何回か見直してしまったのでありました

しゃべったり、ヒアリングできたりとかは
かなり遠い話ではあるんだが、なんか楽しそうに中国語に戯れながら流れる時間
そういうのがあって、いい番組だなと思ったので書いておくのでありました
真面目に勉強しようという人には、これではと思わなくもないが
個人的には、いい教材だと、また見続けていこうと心新たにしたのであります

【読書】「この世界の片隅に」さらにいくつもの映画のこと

2022-07-11 21:10:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
「この世界の片隅に」さらにいくつもの映画のこと  著:片渕須直

アニメーション映画「この世界の片隅に」について、
各地で行われた、監督と原作者、そのほか諸々の方々のインタビューを集めたもので、
なかなか面白く読めました
上映前のインタビューから、だんだんと流行していき、
そして、「さらにいくつもの」の制作が始まってと、
進んでいくにつれて、内容が宣伝というでもないが、
想いを伝えている部分から、結構映画の中身、物語の中身についての対談になっていってて
とても面白く読めたのでありました
そうか、そういう意図があったのかという話が、ごろごろ出てきて
これはまた見たくなってしまうじゃないか

原作漫画の方を読んでないので、この本によって
かなり補完されるところが多く、映画見た人は読んでおいて損がないなと
監督の思いと、制作中の悲喜こもごももでてきて
とてもよい内容でありました
別段、戦争ものだからと、変に思想の偏る話が出るわけではない
物語の面白さとそれをどう作るかという技術論ではないけども、
映画にこめられたものへの細かな配慮がうかがえて
なるほどなぁと驚くことが多かったのでありました

かなり詳細に調べて作っていたとは知っていたものの、
原作者、映画監督それぞれが、自身の方法で調べていて
別にお互いで答え合わせしていたわけでもないというのが
また、いいものを作るうえで大切だったのかもなと思わされるところが多くて
調べていくうちにわかってくること、
その出来物を見てもらって、さらにそれが深まっていくという
ある意味歴史を掘る作業というのが凄くて、
物語を作るというのは、とんでもなく大変なことなんだなと改めて思い知ったのでありました

表現に関するチャレンジなんかも随所に見られたことが、
この本で解説されてやっとわかったりしていたんだけども
そのしかけをあれこれ、押し付けてこないでいたというのが
この映画の最大の魅力でもあったんだなと思うばかりである
個人的には、主演でもあった、のんさんとの対談なんかも読んでみたかったが、
そういうのは存在しないのかもなと思ったりしたんだが
関係者それぞれの思いや経験なんかも読んでみたい
いや、インタビューだから聞いてみたいというのが正しいのか
ともかく、よいものを読んだと思ったのでありました

【読書】ビル・エヴァンスと過ごした最期の18か月

2022-07-09 21:05:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
ビル・エヴァンスと過ごした最期の18か月  著:ローリー・ヴァホーマン

ピアノジャズの巨匠ビル・エヴァンスの最期のときを過ごした女性による
日記と思いをごたまぜにした散文といった感じだった
偉大なジャズミュージシャンがどのような最期となったか
その時々を、序文にも書いてある通り、
彼女からの一方的な、そして、彼女が見たことしかわからない内容で書かれていて
ドキュメンタリとして、とても読み応えがあったようにも思うのである
彼女が知らないことが書かれていないというのが
妙に生々しいというか、本当にその時というものだけにスコープがあたってるようで
よかったと思うのであった

と、まぁ、そんなことを書きつつ、
ビルエヴァンスの曲は知ってても、ミュージシャンとしての彼をまったく知らないことに
読みながら気づいたのでありました
そんなわけで、書かれていることが結構衝撃的で
そんな薬中でボロボロだったとは、まったく知らないでいただけに、
なんというか、ショックでありました
だけども、だからこそなのか、わからんが、あの繊細なピアノはそうして紡がれていたのかと
思ってしまいたくなるのである

表紙が最晩年のビルエヴァンスの写真だと、読み終えてから気づいたのでありますが、
あのうつむいたとも違う、独特のフォームはずっと変わらなかったんだなと
もっと若い頃の写真で、同じような恰好で、
うなだれるようにして、まさに、ポロポロとピアノを弾いている風情が
最高にかっこいいと思ってしまうわけなんだけども、
その人となりは、当時のミュージシャンとしては当たり前だったのか
ヒッピーであり、シャブ中であり、女狂いでもあったというのが
なんだろう、紳士然としているように見ていた自分の中の偶像を
見事に壊してくれたような感じなのでありました

内容が、ちょっと散文的すぎるというか、
語る彼女の話もけっこうな割合で挿し込まれるので、
誰のどの話で、誰と何が、どうなのか、
そのあたりがいまいちわからんという読み応えに
えらい難儀してしまったし、ビルが全然出てこないじゃんみたいなことにもなったりと
正直、ビル・エヴァンスの読み物としてどうなんだと
思わなくもなかったのだけども
その振り回される感傷のままに、実際に過ごした彼女の一方的な視線というのが
ビル・エヴァンスという人を追体験というか、追目視できるようで面白かったと
読み終えて思ったのでありました

久しぶりにCDを聞きたくなってしまった

【読書】美は匠にあり

2022-07-06 21:16:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
美は匠にあり  著:白洲正子

いくつかの随筆を新たに編みなおしたものと思われる
初出が、それぞれ異なる雑誌であったり、時代であったりするので
いくつか読んだことがあるような、そうでもないような
わからんが、ただ、今読んでもまったく古びていない
この印象は、前に読んだ別のと同じ感想だと思うんだが、
今回もそれを新たにしたのでありました
みずみずしいとも違うんだが、すごく読みやすいのはなんでなんだろうか
同時代というか、もうちょっと前くらいになるのか
小林秀雄とか、ほぼ古語じゃねぇかとか思ってしまうのに(恥ずかしい話)
いや、文体については、ひょっとすると現代語版に書き直されてんだろうか
原文じゃないのでまったくわからんが、
よくよく考えてみれば、そうなのかもしれんと、今更気づいたが
これは大いなる余談だな

さて、それはそれとして、美について語る白洲正子の感覚が素晴らしくて
ついつい読み入ってしまう、魅入られるかのようで面白かった
師匠筋にあたる青山二郎の話がやっぱり面白いなと思ったというか、
この人たちと触れ合うことで培われた
彼女の中の美への確信というか、そういうものをとらえた感じが
読んでいて納得できるし、なんだか美しそうに見えてしまうのであった

様々な匠たちへの取材をもとにした話が多くて、
木工や能といった、芸術の匠へのあこがれとも異なる畏怖がかしこから感じられて
とても気持ちよく読めるのでありました
また、民芸という運動についての柔らかな指摘もよくて、
実際そういうものであったのか、民芸運動というものは始まって3年ほどで、
その役目を終えたと考えるのが妥当であるのだろうか
その時代人じゃなくてはわからない感覚だけど、
白洲正子がいうなら、まず、そういうことだったのかもしれないと
思わされるのでありました
この運動もまた、若さの発露で成熟をもって解散したというのは
人間の成長の姿でもあるし、老いとも置き換えられるものなのかもしれんなと
軽い言葉で重い事実が語られていると思うのである

あとは、魯山人への言及がやはり面白くて、
本当に、魯山人という人はろくでもないやつだったんだなと
改めて思い知る話がいくつかあったものの、白洲正子としてはあんまりいじめられててかわいそうと
そういう感じでもあったらしく、これがまた、刺激しただろうなとも思うんだが
それはそれとして、一発ぶん殴った話がさらりと書かれていてすごく笑ってしまった
ありそうというか、これこそというか
このサロンでの醜聞というのは、それはそれは面白かったんだろうな

と、大正から昭和の頃にあった美への探求という一種の事業について
知ることができる本だったとも思うのでありました
もうちょっと勉強しないと、とやかく語るのも恥ずかしい話であるな