CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】魔の山

2022-02-28 21:06:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
魔の山  作:ジェフリー・ディーヴァー

どうやら、ジェフリーディーヴァーの新しいシリーズものの第二弾だったようで
前段を読んでいないので流れはわからないけど、
そういう続き物というのはおいといて、賞金稼ぎの物語を
ただただ、抜群のエンタメとして堪能できたのでありました
展開が早いし、いかにもアメリカのアクションものといった感じで、
あれこれ考えることなく、没頭して楽しめたのでありました

謎のカルト宗教組織との闘いといった感じなんだが、
実際、こういうカルトってあるんだろうなという
よくできたというか、いかにもなそれで、
そこに魅入られてしまう人たちの弱さと、
そこにつけこんだ悪事を働くものへの、純粋な怒り、
単刀直入な正義という物語で、
昨今、こんだけわかりやすく、善悪を単純化したエンタメはないんじゃないかと思いつつ、
やっぱり、物語はこれくらいわかりやすく面白いのがいいなと
手放しで喜んで読んだのでありました
こういう面白さがいいんだな

主人公がかなり強いけど、絶対的ではないというのがミソで、
もしかしたら負けるかもというところも、
勇気をもって、あるいは、あきらめないことで乗り越えるというのが
気持ちよく読めるので、うまくいきすぎとも思えるけど
スピード感がよいので気にならないというか、
次々と乗り越えていってほしいと思えるキャラクタというのもよいと感じたのである

主人公がFBIとかでもないから、
特権的なものがなくて、公権力に対しては柔軟というか、
ある意味弱いというのも面白くて、
腐った警官とかに社会通念上勝てないというのが
個人的には新しく感じたのでありました
ある意味親近感がわくんだろうか、スーパーヒーロー的なのに
権力のようなものがないと、思いのほか弱いんだなというのが
斬新に見えてよかったのでありました

いわゆる殺さずというのに近い発想のキャラクタなんだけども、
アメリカ的なこれは、これまであんまり見たことないように思える
不思議なキャラクタだと感じたのでありましたとさ
日本の漫画じゃいっぱいいるけど、そういうのとも異なるように見えるのが
なんでなんだろうかな、面白かったからいいんだけども

鎌倉殿の13人  いざ、鎌倉

2022-02-27 21:10:25 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
いざ、鎌倉って、この時代の話じゃなかったよなと
ぼんやり思ったりしたんだが、まぁ、それはいいや
初っ端から義経のクローズアップというか、紹介が言葉もなく終わった感じで
すこぶるよかった、
そうそう、こういう義経が見たかった
ドラマ題材のキャラとしては、革新的なんじゃなかろうかと思うんだが、
昨今の、目の肥えた歴史ヲタの間では
こっちの方がしっくりきてそうだし、なかなか楽しみであります
講談のかっちょいいのとは別軸で、
でも、ただ強いのだというだけでいってほしい、いい塩梅だ
寄り道せずに、速く鎌倉に行きなさい

さておいて、頼朝の危なっかしい大将っぷりが
なかなか楽しいというか、
ただ、義時を中間管理職としての悲哀にまみれさせたいだけみたいな
ひどいありさまでありましたが、
実際あんな感じだったのか、あれで、なんとなし
嘘によって、ふわっと固まった上総介とか、そりゃ怒るよなと
思ったりもするんだけど、
あの嘘を見破れないあたりも含めて、坂東というものに
色々あるんだろうかなとも感じたのでありました
とはいえ、三浦と、畠山はわかったんだから
みんながみんな、学がないわけでもなかろうが、
学があるからどうしたというのも、わからんでもない理屈である

ごたごたしながら、そして、
さらにごたごたしそうな女関係の縺れは次回に持ち越されるようだけど、
日取りの悪さが、どれくらい悪い話になるのか
なかなか楽しみだと思ったりするのであった
あの弟僧侶、何気に活躍というか、
ちゃんと仕事もらってんだなと驚いたのである
まだまだ、ちょこちょこ出てくるんだろうか、
いつか、風の術が成功する日がくるんだろうか
楽しみだわ

武田がどんな感じかも含めて
楽しみにしてまた、来週を待つのであった

関西将棋会館建設プロジェクト

2022-02-26 19:29:25 | 将棋


関西将棋会館を高槻に移転させるというプロジェクトが
クラウドファンディングで、かつ、ふるさと納税だったこともあって
ちょっと奮発して寄附させていただいたところ
返礼品が届いて、感激したので自慢がてらあげておくのであります

クラファンというのも初めてなら、
ふるさと納税も初めてで、勝手が全然わかってないけど
とりあえず払った以上にとられることはないんだろうと
腹をくくってやってみた次第でありますが
先日の確定申告で、思ったより返ってこないことがわかって
ショックを受けたのだが、
そういう人が多かろうということか、2月末に無事、届いたのでありました
ありがたい


選んだのは、佐藤会長の扇子でして「天衣無縫」の文字がかっこよすぎる
先日も、まさにこの四字そのものの将棋を見せてくれていたので
感激ひとしおというか、かっこよすぎて泣けると思ってしまったのである

佐藤会長には、数年前に愛知県のとあるイベントで指導将棋を指していただいたこともあり、
思いのほかに小柄なのだということに驚いたことも懐かしいかぎりだが
雰囲気がそのまま字に映ったようにも見えるのがかっこいいこと、この上ないと思うのであった
すごいうれしい、大人になって無邪気に嬉しいと思ったの久しぶりなくらい嬉しい
ま、そう書いておきながら、最後まで里見香奈先生と悩んだのは内緒だ


しかし、届いて驚いたんだが、この扇子がよいもので、
本骨というのか、外側の骨は塗になってるし、プロジェクト名は蒔絵なんだろうか、
扇子からほのかな香りもあって、なんというか、すげぇかっこいい、
ものすごいいいものもらった!と感動したのであります
将棋指すときに、雰囲気まねっこで使おうかと思ったが
そういう手合いのものではないというか、
あんな、パチパチしたらあかんやつやという、高級品のそれを感じ取ったのでありました
これはどちらかというと飾っておくやつなんだな(当たり前だ)

そんなわけで、年度の終わりも近づいて
嬉しいことがあったとメモっておく次第なんだが、
新しい会館は、俺が生きているうちにできるんだろうかと
ちょっとだけ心配したんだが、それはそれとして、楽しみなのである
会館に名前載せるのも迷ったけど、こちらをとったのである

【読書】個が立つ組織 平和酒造4代目が考える幸福度倍増の低成長モデル

2022-02-23 21:00:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
個が立つ組織 平和酒造4代目が考える幸福度倍増の低成長モデル  著:山本典正

和歌山の酒造会社の新社長が実現してきた
低成長モデルによる組織改革についての本でした
年のころは、おそらく私と同じくらいなので、
働きだした時代背景だとか、その後に考えているところというのが
なるほどと、同意できるところが多くて
面白く読めたのでありました

低成長モデルというワードで押し出しているけども
その実は、しっかりと人材を育てていくという話で、
これからは中小にかなりチャンスがあるんじゃないかと
自身の経営方針、戦略を明確に語った本でもありました
物凄く大きく伸ばしていくというのではなく
かたい仕事を、確実にすることで、しっかりと地場を固めて
着実に大きくなっていこうという感じが
今の時代にあっているのではないかというお話でありました

実際に、それで実績をあげているので
まさにその通りなのかもしれないけども、
酒造会社の御曹司なので、なかなか大変な地位というか
もともとそうである人なのだけども、
酒造という独自の文化圏において、革新を進めることへの挫折なんかが
かなり早い段階でいくつか体験していたようで、
社員と仲良くしようと企画した旅行で、社員に置いて行かれたという経験は
笑話として書いていたが、相当つらいというか、
経営者という立場でそれを受けたら、ヘビーすぎて立ち直れなさそうだよなと
物凄く、この会社というか、酒造というものにおける
経営者、従業員というへだたりを象徴としたイベントだったんだなと
割とさらっと書いてあったけど、この本で一番インパクトのあった事件で
それをもとに奮起というか、変わったというのは
本当じゃないかと思わせられる内容でありました

若い人を入れていかないと当然新しくなっていかないし、
そこでどういう人材をという明確なビジョンが生まれて
そういう人を育てられるように、また、育つようにしていくというのは
経営の中でも、よくある人事の問題だけど
成功している例だということもあって、とてもよさそうに見えるのでありました

幸運もいくつかあったりしたんだろうけども、
それをつかみ取るために、挑戦を続けるということも大切で
成功というものをちゃんと定義して、そこに共感できる仲間でことをなしていくというのは
働くということの意味をよくよく考える
とても大切なものだなと思われたのでありました

低成長というか、ゆっくりと成長していくために必要なことはこれだと
そういう感じに読めて、興味深い本だったと思うのであります

【読書】黄金旅程

2022-02-21 20:50:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
黄金旅程  作:馳星周

競馬を題材にした小説でありました
作者の馳さんといえば、ノワールで暗いというか、怖いというイメージだったので
おっかなびっくり読んだのでありますが、
打って変わってというか、最近はこういう作風なのかと、
驚くほどわくわくして、清々しく明るい話で楽しかった
いや、そんなに清々しいわけでもなかったけど、
なんというか、とても楽しい物語を堪能できたのでありました

ちょっと前に、NHKで競馬ドラマやっていたこともあって、
なんか、そのイメージが補完されて、競馬の催し側というか、牧場や、調教についての物語が
比較的スムースに理解できて、とても楽しめたのであります

問題を起こして走ることができなくなった、元天才ジョッキーと、
ジョッキーを目指しながらも体格のせいで成せなかった男が、養老牧場の主になるという始まりで、
競走馬に関わる世界というものが、北海道のほんわかとした雰囲気があっても、
かなり厳しい現状とともに描かれていて、すごくよかったのである
どこも大変だけども、地方競馬に関わる仕事というのは
本当に大変に過ぎるんだろうなと、うかがい知れる内容でありました

そこに、競馬の強い魅力でもある「夢」「ロマン」といったものが、
ごく自然に、本当に、とても大切なものとして見えてくるのが
この物語のすごいいいところで、みんなが、その夢を見ている、
夢を見させる、競走馬という存在があるという
この空間というか、そういう世界観が、すごく理解できて、
実際にそんな夢を見させる魅力が、競走馬との生活、生きるということにあるんだなと
思わされるような内容で、とてもよかったのでありました
かなり前向きになれるというか、
結局、博打なのかよ、というオチに向かっていくんだけども
それが全然悪くなくて、むしろ、ごく自然に、最後はそうだよななんていうノリで楽しめるのが
すごい気持ちよくて、かなりよい読書になったのであります

競馬について詳しくないので、出てきた馬や、牧場、騎手なんかに
モチーフがいるのかいないのか、そのあたりはさっぱりわからんのだけども、
気性が荒い、とても気難しい馬だけども、その実力は乗っただけでわかるというか、
ものすごく期待させてくれるという、この未知の怪物みたいな描写が抜群で、
見たこともないのに、この馬、すごいんだろうな、
俺にもその活躍を早く見せてくれと、物語に没入させられるようで
一緒に競馬したみたいな気持ちにもなれて、大変よかったのでありました

ちょっとだけ危険な話も絡んだりするんだが、
そのあたりは、まさかの展開で回避されたりして、
これはこれでいいなと、受け入れられるくらい、
ともかく、この馬の周りの夢が、幸せなそれであってほしいと思わされた
そんな内容だったと思うのであります

タイトルの通り、おそらくはステイゴールドという馬がモチーフなんだろうけど
本物も、これくらい物語があって、すごい数の人に夢と希望と、もしかしたら絶望を与えたのかもしれんと
思わされたのでありました、よかった

鎌倉殿の13人  敵か、あるいは

2022-02-20 21:06:54 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
ネタバレでもないが、頼朝の愛人が出てくるとか聞いてたが、
ここまでコメディリリーフだとは思ってなかった
あれは、末路が楽しみで仕方ないですな

だいぶギャグ日和な感じで、
女性陣の方も楽しそうでなにより、
あれで結局逃げられたんだろうけど、
九字切る作法はかっこよかったが、アレ大河でやっていいギャグなのか、
さすがにふざけすぎじゃありませんかと
思ったりしながら笑ってしまった
と、思っていたら、それ以上に、すごい短時間で笑いをもっていったのが亀の上だか局だか前だか、
野田さんっぽい方できたなと、久しぶりにああいう役で見られて
すごい満足でありました
経理の時の出来るのか出来ないのかわからない女もよかったけど
ストレートに、そこそこ悪女みたいな地味だけど存外ひどいみたいなので
今後どんどん盛り上げて燃やされてほしいとか思ったのである
これが炎上女かとか、そういう感想を期待したい

それはそれとして、大人の話でもないが、
上総介との問答が面白くて、
そこのクセというか、実際どうなんよという
ものすごく泥くさい商談みたいなのがよかった
実地というか、今もまだ、ああいう政治家の談合ってのが
方々に存在するんだろうなと、親近感すらわくシーンであった
梶原殿が、かなり真面目で堅物という感じでくるようで
今後それがあだとなっていくんだろうと想像に難くないんだが
とりあえず楽しみな先々である

あれよあれよと頼朝が挽回して、千葉は全部ひっくり返したというのが
史実だとしても、すごいことだな
やっぱり源氏という力と、平家憎しというのは
時代として、そういうものだったんだなと思わされるところ
さらに遠方から義経も参戦が見えてきて
来週伊東が蹴散らされるんだろうが、楽しみばっかりである
どんどんいこう、
速く旭将軍を見せてくれ

【読書】本心

2022-02-16 20:50:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
本心  作:平野啓一郎

貧しい生活を強いられている中、たった一人の肉親である母親を亡くした
そんな男の物語でありました
母親の死から立ち直るという、一人の人間の物語でもあるんだが
その状況を通して、まったく別のといっていいのか、
著者が常に求めているのであろう、本当の姿というものは
どうやって定義されて、何をそうだと感じているのか
その戸惑いに向き合っていくところもあって、
相変わらず哲学書めいた思考を求められる、でも、
物語は前向きに終わる不思議な小説でありました

喪った母親をVFと呼ばれる、仮想空間上のキャラクタとして復活させることができる
今でも実際にありそうなサービスが舞台装置となっているわけだけども、
それとのつながりが、本当の人間関係の構築の手助けにもなり、
あるいは、そういうことではないのかもしれないとも思ったり、
タイトルの本心、というのは、とりあえずおいといて
人との付き合いが、人のありようが、人そのものが、
それぞれどう定義づけられているか、何を基準にそう思ってしまうかを
主人公が体験していくのが、なんとも、読者的にも
追体験できて面白いのでありました
ある種、小説を読むという行為もそれなのかもしれない

存在が肉体にあるのか、それとも、他人に認識されたものの
複合的なものなのかという問いかけは、
これまでに読んだ著者の小説で、何度も出てきていたけども
今回もそれを求めてきつつ、その答えではないが、
この場合はというテストケースのように、VFという架空のそれに感情が宿るのか
いや、宿るはずはない、そして、VFがいうセリフはAIで導き出されたもので、
かつ、自分がそのAIを調整した結果のそれであるというのが
不気味というか、グロテスクだと感じるものの
それでも、信じてしまいたくなる
人間の身勝手な不安と、認識がありあり伝わってきてすごく心にしみたのでありました

物語全体では優しいといえるほど、世の中は、厳しい中に生きていく人の
登場人物たちの思いというのにあふれているので、
読んでいてすごく落ち着けるというか、いやな気分にならないのが
とてもいいことだなと思いつつ読むんだが
前述のような難しいことに直面して、戸惑っていく主人公に
気づいたら、感情移入もすれば、自分もどうなんだと飲み込まれていくようでもあり
相変わらず怖い小説を読んでしまったという読後感を覚えるばかりなのだが
とても楽しかったのでよいとするのでありました

【アニメ】鬼滅の刃 遊郭編

2022-02-15 19:52:32 | ドラマ映画テレビ感想
無限列車編からずっと見ていたんですが、
映画の焼き直しで、さほどに何ということもなかったというか、
書いてしまうと、第一話のオリジナル展開が
なんか違うなーと思ってしまって、
そのあとは、一回見てるしなぁという感じで、
しかも、毎週で見ていくとさほどの話でもないなんて
始祖の呼吸の人みたいなことを思ったりしていたのであります
偉そうな

と、そんな感じから、それまでが嘘みたいに新編である
遊郭編が始まって、まぁ本当にもう、すごい面白くてよかった
方々で大騒ぎになっていましたが、
これが作画力というやつなのかと、すごい綺麗で、しかもうねうね動くのが
恐ろしいほどで驚いたのでありました
ここがすごかったとか、その技術的なやつは
説明を受けないとまったく理解できないそれだったんだろうけど、
素人が見ても、これはちょっとすごいんじゃないかと
絵が綺麗とか、そういうレベルではない何かが
画面のそこかしこから漂ってくるようで恐ろしいものを見たと思うのでありました

個人的に、すごいなと印象的なのが、
花魁の花魁歩きを完全にトレースしていた動画のところで、
あの足をくるりしなり、あの動きをものすごく精密に描いていたように見えたのが
一番すごいと思った部分でありました、
実際はそう大した話じゃなかったのかもしれんが、
あの生々しいというか、リアルこのうえない動きは
ちょっとどうかしているんじゃないかと思うほどだったんだけど
玄人筋だと、どう見るもんなんだろうか

後半についてはもう、語ることもないというか、
正直見ていて、全然動きに目がおいつけない
おじさん、速過ぎて見えないよというレベルだったもんだから、
そこもすごいしかっこいいと思ったんだが、
動きというものについては、もうちょっとゆっくりのそれを見たかったかもと
贅沢なことを書いてしまうのである
そんな、何が起きてるか全然わからない動きの中で、
躍動する妓夫太郎が、めちゃめちゃかっこよくて惚れた

個人的に、鬼滅の刃という漫画を通して、
遊郭編が一番好きなので、ここのクライマックスである妓夫太郎が
最高にかっこいいというのは、とてもよくできていたと
感動ひとしおだったのでありました
動くとかっこいいし、セリフも漫画から出てきたみたいだったし、
そのかっこよさ、強さ、まがまがしさというのを絵でぐりぐり見せてくれつつ、
テーマといってもいいような、兄妹愛というのが濃く描かれていて
まぁ感動した、泣いた泣いた
おじさん、こういうのに本当に弱いのさと、ぼろぼろ泣かされたのでありました

基本的に原作に忠実かつ、戦闘シーンは盛り盛りでといった感じだから
どこにも不満の表明のしようもないといった感じだったんだが、
ちょっとキャラデザで、嫁三人の胸盛りすぎじゃない?深夜だからってやりすぎじゃない?とか、
挿話として描かれた墓前での宴会のやりとりが、せめてそこは普通の服着た方がよくない?とか、
動いて見ると善逸本当にかっこいいけど、寝てる設定無理だよなとか
あれこれ思ってしまったんだが
そんなのどっちだっていいくらい、すごいものを見たと
感激したのでありましたとさ

音の譜面の表現とか、アニメならではという試みがすごかったなと思うんだが
あの場面の妓夫太郎がまた、すごいかっこよく描かれていたのがおなか一杯で
最終的に、次の編もやりますよというだけの予告だったけども
いつになるのか、楽しみだという気分で見終えたのでありました
終わりまでやるとして、あと何年かかるんだろうな
俺が生きてる間に終わるんだろうな、どうかな

【読書】塞王の楯

2022-02-14 21:05:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
塞王の楯  作:今村翔吾

先日直木賞を受賞した小説であります
かなり面白かった
戦国時代、穴太衆の闘いから、生きることを描いた
時代小説でした
面白い仕掛けで、戦国時代の戦いを攻城戦、それも、石垣と鉄砲としたのが白眉で、
穴太衆対国友衆という構図で描いたのでありました
しかもクライマックスが関ケ原なんだが、そこの前哨戦というか、
局地戦というか、あんまり注目されたことないんじゃないかという
大津城での立花対京極というマイナーな戦というのがまた面白いのでありました

そこに至るまでに、石垣を積む、その仕事がどういうものか
また、石垣で戦うということを師匠との仕事で見せて、
蒲生とともに戦い、甲賀衆とひと悶着ありとかやって、
因縁と国衆の働きというものを思い知りながら、
最強の楯たる、石垣とはなんぞやを突き詰めていくのが楽しいのだが、
本当かどうか、漫画じゃないのかというような
様々な石垣ギミックが出てきて、戦の趨勢を決めていくのが楽しく
次々と読みたくなる内容となっておりました

石垣を作る、そして、そんな様々な石垣があった、
そしてそれを積むことができた穴太衆がいたと
そこをこんこんと描くことに終始していたんだと思うんだが、
まぁ、最終的には最強の楯と最強の矛との闘いめいた感じになるんだが、
さすがにここまでくるとやりすぎじゃないかと
ちょっと、石垣を崩れた先から直していくという
賽の河原的なそれが物語のキーワードとしてはなるほどという
見事な作りだと思うけど、そんな風になるかなと
ちょっと不思議というか、不審に思ってしまったのは
私の読み方が悪いのかもしれんな、
実際それくらいのスピードで穴太衆なら積んだのかもしれん

平和をどうやって求めていくかという話で、
ちょっと色々できすぎじゃないかと、予定調和めいたくらい
あれこれがぴったりはまっていくのに、
なんだか窮屈さを覚えてしまったんだけども、
そういうのではなく、ただ、石垣を積むという仕事があって、
そこに没頭する天才がいて、それが生きていた
ただ清々しい物語であったと
あまり深く考えすぎないで、戦国最後の戦い(実際はそのあとも続いたろうが)をやりぬいた
そういう感じで読み終えると
とてもいい感触で終われる小説だったんじゃないかと、えらそうなことを考えてしまったんだが、
そうやってぴたっとはまっていく様が、まさに石垣を積むそれとリンクしてんじゃないかと
やっぱり、それも、ぴったりしすぎて、なんか居心地が悪いとか
よくわからん感想を抱いてしまったのである

ひねくれた感想を書いてしまったが、
分厚いのに、かなり早く読めて、すごい面白かった
よい小説でありました
ほめるというか、楽しかった感じを伝える感想文にならなかった
いかんなぁ

鎌倉殿の13人  悪い知らせ

2022-02-13 20:55:48 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
三浦がいいなぁと思いつつ、腹に一物ありながらも、
なんだかんだ流されてしまっているというのが
悪いのか、いいのかわからん感じがとてもよい
無条件に義時を好きなのかと思えば、割とそのあたりも損得で変わるようだし
この機敏さというか、蝙蝠っぷりがすごく好きだわと
今回、表面上はちゃんとしているところを見て
つくづく思ったのでありました
今後が楽しみでならん

さておいて、いい加減に醜態をさらしすぎの頼朝が、
視聴者的に気に入らない感じになってきてるのが、脚本の狙いなんだろう
その面倒くささのしつこい描写が繰り返されつつも、
再起に向けて、立ち上がるとなれば、やはり一軍の将で
この人間のよいところと、悪いところをブーストして見せるというのが
キャラとして濃く陰影が出ていいなぁと思ったりしているのでありました
どの役者さんもうまいし、いい役どころが当たっているところに
渋滞起こしそうな上総介がやってくるというのが楽しみで
次週、その次くらいまで、どんなすったもんだが描かれるか
そういう助走みたいなのを感じた回でありましたとさ

あとは、箸休めみたいに女性陣のそれこれを映すのもよいんだが
しょーもない意地の張り合いはともかく、
八重が真相を知ってのこと、それでいて、
伊東が立派な墓を建てていたという事実は、
その複雑さを際立たせていて、コメディ世界なのに、一人シリアス一辺倒なじさまが、
そろそろ終わりの時なんだろうかと不安になる感じながら
とりあえず、このあたりの展開まったくわからないので
楽しみにしているのでありました

武田はあれで終わりなのかなとも思うんだが
もう一回くらい出てくるんだろうか、どうなんだろう
この頃の源氏という団体のことがいまいちわからんとも感じているのでありました
北条が平氏だということとか、出すと混乱するから出さないんだろうけど
源氏というのがどうなのか、ちょっと整理をつけてほしいと思ってしまうのであった
武田ってのは、義朝のそれとはまったく別のということなんだろうかな

【読書】LIFE SHIFT2

2022-02-12 20:55:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
LIFE SHIFT2  著:リンダ・グラットン

ベストセラーの第2弾であります
100年生きることが当たり前になってしまう世界で、
どのように生きていけばいいかをもう少し詳しく、
物語形式で示唆するといった本でありました

様々な年代、国籍、性別の人たちがペルソナよろしく出てきて、
それぞれがどう生きていくことになるか、どう生きようとしているか
そんな姿を書いて、100年生きていく時代に必要な生き方を考えると
まぁ、そういうお話でありまして
前作をより想像、イメージしやすくする本だったのではないかと
そう読んだのでありました

ともかく、生涯学び続ける、様々な年齢でいわゆる新入社員が発生する、
年齢による区別がなくなる等々、想定すべき世界観と、
それに向けて、企業、もっと言えば国がどうあるべきかを論じた感じで
なかなか面白かったのでありました

現在は、やっぱり前時代からの流れの延長でいるわけだから、
年齢という区別からの脱却が難しいだろうし、
特に日本におけるカルチャーとして触れられていたけども、
余生を楽しむというライフスタイルが通用しない世界、
それは、年齢を重ねると強制的に引退させられるような世界というのを変えるため
政府の介入が必要ではないかといった感じでありました

マクロというか、大きな視点では確かにそうなっていくべきなんだろうし、
そもそも、企業の方が敏感に感じ取って、そう変えていく
年齢差別なく、人材の優秀さによって採用等が決められていきそうだなと
思ったりしたのでありました
また、ここにAIが加わって、ロボットによる老人でも働けるような仕事の形が創出されたり、
ともかく、働いていくことの素地はできていきそうではないかと思うのでありました

主旨としては、そういうことであろうけど、
やはり、前提というか、絶対条件として、生涯働き続ける、そして、学び続ける
これが当たり前になるということがありまして、
前作を読んだときにも思ったはずだが、
正直そんなに働きたくないし、学びたくないでござると
そんな気分の人間には、生きるすべというか、そういう思考自体がオミットされてんだなと
つくづく感じ入るのでありました
まぁ、生きる=学ぶという思考のパラダイムシフトが必要なんだろうと
そういう話なんだと思うんだが
そうではない時代を過ごした自分が、それを変えることができるだろうか、
それが当たり前の世代たちは大丈夫だろうけども、
この中途半端に現役世代である自分は、
新しい時代に向けて、そういうシフトチェンジが必要だけども、
その爆発力でもないが、気概や根性がすでに枯渇してんじゃないかと
ちょっと悲しくなったのでありましたが、
ともあれ、そういう人間が生きていけなくなりそうなので
本当にもう、学ぶということを本格的にやっていかないといけない
強制教育を懐かしく思いつつも、世の中そうではないのだから
さぁ、学べと

叱咤というか、叩かれて、なんとかしないとなと思うのであった

【読書】たたかわない生き方

2022-02-09 20:48:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
たたかわない生き方  著:大下容子

著者の半生と、生業であるアナウンサーの仕事についての本でした
エッセーというほどでもなく、すごくドラマチックな話があるわけではない
ただただ、著者がどういう人となりでこれまできたか、
そして、携わった仕事はどのような感じで、
アナウンサーという職業は、どういうものだったかを
思い出語りに近い形で披露した内容でありました

正直なところ、冠番組がワイドショー帯らしいので、
見かけることがないため、どんな人か、どういう番組をしているか
さっぱり知識がないので、そういうもんかなと
ふんわりした読み方しかできなかったんだが、
相当の謙遜はあるものの、そんなに派手ではなく、おっとりとゆるやかに生きているんだろうなと
人となりをうかがわせる内容でありました

放火魔の被害にあったという話が、さらっと出てきたけども、
なかなか衝撃的な内容で、焼け出されて、それをリポートというか
報告するアナウンサーって、すごいなと尊敬してしまったんだが
そういうネタというか、事件も持っているけど
おそらく、ここに書かれてない苦難が山ほどあったんじゃなかろうか
そこを語らないのが、著者のいいところなんだろうなと
なんかわからんけども、納得してしまったのである
もっと、テレビ業界のあれこれとか、いっぱいありそうだけど
多分この人は語ることないんだろう
そんな感じでありました

というわけで、本としても、とてもとてもおっとりしているので、
これというパンチのきいた話が出てくるわけではないんだが、
アナウンサーという仕事のあれこれ、
心がけているところというものは、
下手な指南書めいたビジネス書よりも、実感というか、
そうあるべきなんだろうなという説得力があって、
人の話をきく、そして、ゆるやかに頼るという人間力の発揮について
考えさせられたのでありました
なんだかんだ、人脈というか、人としてのそれが備わっていれば
周りができてくるものなのか、こうありたいと思わされる内容だったと
思うのでありました

将棋ウォーズ 棋神クイズラッシュ

2022-02-08 21:09:38 | 将棋
ちょっと前にリリースされた、新ゲームであります
盤面を一瞬見せられて、指し手の正誤判断をするというものなんだが、
なかなか面白いと思って、開催中はできるだけ積極的に取り組むようにしている次第

棋力アップにつながるかと言われると、
微妙なのかもなと思うんだが、
短い時間で盤面を見渡して、その指し手の判断をするというのはよい経験というか
よい勉強になる気がしておりまして、
間違えるパターンが自分でもわかってくると、
こういうところ直しておいたら、もうちょっと強くなれるんじゃね?と
味わい深く楽しんでいる次第である

しかし、とんでもないスコア叩きだしている人たちがいて、
こういう人は、盤面把握というのの次元が違うんだろうなと
連盟だったかが動画で公開していた、詰将棋フラッシュに近いものを感じるところ
ぱっと見ただけで、全駒の配置が理解できるから、
一瞬にして手が見えるようになるという感じなんだろうけども、
正直、ぱっと出てきて、3手進む間に、その動きにつられて
視野が明らかに狭くなっているのが如実にわかって、
後で答え合わせしたら、ああ、その動きって次のこのためなのかというのが
まぁ、ありありわかるようになって、
なんともしょんぼりしながら勉強になるなと、舌を巻いているのである
基本3手一組だったりだから、ちゃんと盤面見て考えたらわかるというレベルの問題というのが
自分くらいのレベルにはとてもよいんだが、
有段者には意味不明というか、意味のない問題なんだろうなとも思うところ
こういうほどほどが人によって違うゲームってのは難しいですな

これをこつこつ続けていくと
なんとなく手拍子で間違った手を指してしまうということが
激減したりせんだろうかと期待しているんだけども、
なぜその手が正解なのかの説明がないから、
そこを自分で考えると、結構面白くて、
もっとやってほしいなと願っている次第なのでありました

将棋ウォーズもアップデートが細々と続いているようで、
個人的には、この機能リリースよりも、CPU多めという心に優しい設定が消滅したのがすごく悲しく、
新しい戦型カードとか追加されたとき、それを獲得するのに、ハードル上がりすぎじゃないかと
戦々恐々としているのでありました
なんだかんだ、ポナさんたちにすごくお世話になったのだが、
彼らにほとんど出会わなくなった現状は、寂しさを感じるのである
対人戦は明らかに面白いんだけども、ストレスが半端ねぇので
できれば、気を抜いて指せるCPU戦をもうちょっと楽しみたかったとか
詮方ないことを書いておくのでありました

【読書】変な家

2022-02-07 21:16:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
変な家  作:雨穴

間取りを使ったホラー小説でした
いや、サスペンス小説なんだろうか
序盤の不気味さは最高によかったんだが、
最終的に、往年の横溝的な関係になってしまったのが
ちょっと残念だったように感じたんだが、
非常に面白かったのであります

小説としたものの、ほぼ一人称、そして、インタビューのような
複数人の会話風景だけで物語というか、話が進んでいくので、
怪しいルポ的な雰囲気も楽しめてよかった

タイトルからして、変な間取りを面白おかしく取り扱うもんだとばっかり思ってたので、
その違和感が、何か変な事件に結びついてんじゃないかとなっていくのは
恐怖が募ってくるようで、なかなか楽しい
そして、その違和感をどんどん推し進められるようにして、
会話劇が、その方向へとスムースに誘導してくれるので
どんどん不穏になっていくのがよかったんだが、
結局因習みたいな話になってしまったのがなんとなし残念で、
もっと大きな犯罪的なものと交わったらと感じたんだが
ホラーって、こういうもんだよなとも納得したりなのでありました

この本を読んだことで、ちょっと変な間取りの家を見つけたら
なんかあるんじゃないかと、疑心暗鬼というか、恐怖に取りつかれそうでもあって
嫌な感じだけど楽しいのでありました、
本当にありそうというところがいいんだが、そうなると
大きな犯罪だったりした方が、より近い感じがして
オカルトっぽいそれよりも、より怖いと思うのは
ご時世というか、昨今のホラーの在り方なんだろうかと
勝手に自分の恐怖の対象から考えるのであった

隠し部屋とか、建て増しとか、そういったことの謎というのは
どこにでもありふれていそうなので、
そっから想像力を働かせると、そんな面白いことになるのかと
感心しきり、そして、楽しく読める本でありましたとさ

鎌倉殿の13人  兄との約束

2022-02-06 20:44:16 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
早い、展開が早い、あっという間に兄上が死んでしまった
あの伊東の家人が、すでに3人殺してるわけだが、
これからもどんどん重ねてく感じなんだろうか
どっかでひどい目にあうのか合わないのか
わからんが、そのうち寝返って暗殺とか生業にしそうだな

さて、話としては、あわただしく挙兵して見事に負けてと
絵にかいたような転落劇でありましたが、
さすがというか、父上の口上が見事で聞き入ってしまった
あの名乗りが決まるというところが、かっこいいなぁ
歌舞伎というのは、こういうところで物が違うと思わされるのでありました

なんだかんだ、あの父上がすごい人なのか
そうでもないのか、わからないまま進んでいくけども
初戦でも大活躍だし、のほほんじゃないが、
ぼやっとしてるように見せて、すぐ殺してしまうという
いわゆる坂東武者とはああいう手合いだったんじゃないかという
ちょっとした恐怖を覚える内容ですごくよいと思うのである
楽観というところも含めて、大好きだわ

とはいえ、それをして早くも頼朝について見切りをつけたり
そういう種がまかれていくのも面白いところでありました
なんだかんだ、かなり早い段階から北条の思惑というのが出てきていて
そういう流れなんだなと、改めて思わされるところでありました
確かに、あの頼朝じゃぁなとも思うんだが、
それを助けようではなく、あくまで利用しようというところが
今回の新しいところというか
北条が主人公ながらもダーク麺を隠さないところでありますね

三浦も楽しそうなんだが
梶原とか、あれこれ出てきて、クセが強い武将が揃ってきて
楽しみが増えるばかりであります
それはそれとして、ばたばた死んでいくんだろうな
演者多くなる感じなのかしらね