CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】池田屋乱刃

2015-01-31 15:07:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
池田屋乱刃  作:伊東潤

幕末モノの小説であります
あの池田屋事件周辺を描いた短編集といった様相、
てっきり新選組ものかななんて思ってたら、
集まってるほう、つまるところ、
勤皇志士たち、その生き様と死に様を描いた
そういう小説でありました
しかし、数冊読んできましたが、
この作家さんは本当、話が暗いというか辛気臭い
だけどそれがまたいい

新選組に雇われた間諜であったり、
宮部兄弟や、吉田稔麿といった大物など、
個性豊かな幕末キャラが池田屋事件に遭遇する
その姿を描いているわけでありますが、
それぞれ、生き方、生き様というのが
なんといったらいいか、壮絶でありまして、
また、まさに不逞浪士といっても差し支えないような
ろくでもない勤皇志士崩れなんかもいたりと
非常に面白く幕末を読めるのであります
だいたい、こんな感じだったんだろうなと、
その居様に殺伐とし、寄らば斬り合いとでもいうような
危険さというか、生き急ぐ姿というか、
そういうのがステキでたまらん

当然のように、昨今話題の松蔭先生も、
魂だけ出てくるというか、
この場で生きるの、死ぬのとやっている連中が
多かれ少なかれ、先生の熱病に冒されているわけで、
その生き様がまた凄いと思わされるのであります
あれは狂騒というんでありましょう
あまりのことに恐ろしい
特に宮部の章が面白かったのでありますけども、
知行が一致するということの大切さ、
そして、知識層特有の議論に飢えていながら、
それを成すだけで終わってしまうという
この言行が一致しない姿というのが
かなり生々しいというか、今でもある話だと
物凄く納得させられるようで
なんとも後ろめたいとも思われるのであります

結局といっていいか、若くして理想のあるものも、
年重ねて死に場所を探すものも、
ただ生きているものも、ごたまぜになった
まさに幕末を描いていて、
本筋ではもう一つ、大きな影というか、
桂小五郎も描いているのでありますが
こっちはネタバレなのであまり触れないようにしつつ
なんとも、熱に浮かされたような時代を
読めるステキな小説でありましたとさ

【読書】スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン

2015-01-29 21:20:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン  著:カーマイン・ガロ

なんとなく、読んでおいたほうがいいかも
と、絶対、これを読んだからって、
プレゼンがうまくなるわけではないと思いつつ
読んだのでありました
多分、ジョブズの何かを読みたかったんだ
そういう気持ちであります

内容は、題名のとおりで、
ジョブズがどういう感じでプレゼンしていたか
それを、手法に落とし込んで解りやすく解説した
そういう内容でありました
かいつまむでもないですが、
最終的には、凄い練習しないと駄目だよと
見も蓋もない感じでありましたが、
途中途中の仕掛けというか、試みや、内容は
言われてみれば当たり前なことばかりながらも、
なかなか面白いものでありました
うまく伝えるために、どうするのがよいか、
劇的に演出するとは、どういったことなんだろうか
そういうことを、ちょっとわかった気になれる
そのあたりがおとしどころという
読み物であります

堂々と語るということが必要だというそれ、
そして、伝えたいメッセージは簡潔であるべきで、
プレゼンそのものは、凝る必要がない
そんな風でもありました、
そして、演者はとても楽しそうに、あるいは、
その熱気や情熱がうつるかのように
心構えと、振る舞いがとても大切であると
そういうことでありました

やっぱり、言葉にすると当たり前のことばかりで
目新しいことはなかったものの、
筋道を立てて、ゆっくりと簡潔に伝える、
難しい言葉を絶対に使わないといった
ごく基本的とも思えることが
ぎっしりと詰まっていたのでありました

読み終えてみれば、ジョブズのプレゼンの本というよりは、
ジョブズを例にあげて、プレゼンの基本を説いた
そういう本でありました

【マンガ】夜のスニーカー

2015-01-27 21:01:10 | 星里もちる
夜のスニーカー  作:星里もちる

やっと手に入った
ネットで買うとか、通販を利用するとか
そういうことが不得手だからと、
探し回っていたんですが、
近所で見つからないとまぁダメで
半ばあきらめていた半年ほど前、
出先で立ち寄った本屋で見つけたのでありました
ありがたや、久しぶりのもちる作品であります

WEBだったり、あれこれと試行錯誤の時期に
まさかのプレイボーイ誌系列で連載されていた、
ちょっと夜な感じのマンガであります
大人すぎて、とんでもなくエロくなってたらどうしようか
どきどきしながら読みましたが、肩透かしといっていいのか、
安心の内容でありました
いつもどおりの、ある意味あっけらかんとした描写で、
私のマストであります「結婚しようよ」を彷彿とさせるような
ステキな雰囲気でありました

ウォーキングが趣味という二人が出会い、
それぞれ複雑というとかっこよすぎる、
いわゆる面倒くさい人物背景をもっているから、
なんというか、いったりきたり、どんくさい感じで
関係が発展したり後退したりと
ああ、実にいい、実にもちる作品ぽいと
にやにやしながら読める作品でありました

最終的にはめでたしめでたしと、ハッピーエンドで、
安心して、ほのぼの読める本でありました
と、まぁ題名作のほうはそうだったんだが、
付録というか、収録されていたもう一本が、
これだ、そうそう、こういう短編がまた!
なんて喜んで読めたのであります

アオイホノオと比べてしまうのは
土俵が異なるのでありますけども、
夢を見る高校生の姿というのを
相当にドライというか、実にいいさじ加減で描いていて
心をわしづかみにされたのであります
凄いよかった、このさらっと乾きすぎな感じ
突き放されるような終結といい、抜群だぜ

青春群像的な自主制作映画めいた雰囲気で、
キャラは二人だけ、高校生の男女が、
青春をやるという、まぁそんだけなんだけど
凄い、すごくよかった、
何よりも、特に行為に及ぶまでもないけど、
やたらめっぽう、そう、夜のスニーカーよりエロい
このフェティッシュな感じがまた、たまらんなと
絶賛してしまうのであります

ちょっとネタバレになってしまうので
どのシーンが、どんだけエロかったかはかけないけども、
最終的な結末が、読み手の私からして、
そんなかっこいい生き方をしてこなかったと
遠くおいていかれるようで、
なんといったらいいか、女キャラの気持ちになれるでもないが、
自分の感想はそちらに近いという、
人生の残酷さを見るようで
とてもよかったのでありました

また、こういう作品を読みたいなぁと
静かに見守っていくのであります
凄い面白い一冊でありました

歴史にドキリfeat.花燃ゆ フラワー・バーニング・スペシャル

2015-01-26 21:11:48 | ドラマ映画テレビ感想
相変わらず、尖った番組作ってやがるなと
にやにやしながら見ていましたが、
思った以上に本気というか、これを教材にしようとか
ちょっとどうかしてるだろうと
危機感を覚えるというか、慄然としたわけでありますけども
結構好きなれど、恐ろしい番組であります
そのスペシャルということで、楽しみにしてみたのでした

相変わらずというか、結局のところ、
このスペシャルについては、完全に花燃ゆの番宣でありまして、
歴史につっこんだこともなく、
また、かなり強引というか、もう自由な感じで
タイムスクープハンターに乗っかってみたりとか、
これ本放送の時点で、シリーズ終了って言われてたのにとか
あれこれ、つっこみどころというか、
詰めが、ものすごく甘くて面白い番組でありました
これに対して、何彼いうのもばかばかしいと
そう思わされるほどの潔さであります

それはさておき、花燃ゆの宣伝になっていたかというと
全くそんなこともなく、目的は、ただただ
中村獅童が面白い、そしてやけっぱちなのか、むしろ楽しそうと
それを見守るという、ニッチな番組であったように思うのであります
ただ、コンセプトも見えないなかで、
出てくる俳優さんやダンサーさんは全力で、
石丸さんの歌声の見事さだとか、
カナメールの取り扱いだとか
本当、マニア向けの番組だなと楽しみきって
とりあえず、メモっておくのであります

これといい、ビジュチューンといい、
ちょっと最近の教育はどうかしていると
心配になるのでありました
面白いんだけどね

花燃ゆ  生きてつかぁさい

2015-01-25 20:45:26 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
それなりに面白かった
けども、なんといったらいいかな
木曜時代劇みたいな内容だよな
そう感じたのであります
父上が腹切る詐欺だったといっては
ひどいいいようでありますが、
死ぬと思ってたら死なないというのは
なんというかな、ちょっと、どうかしらと
思ったりなんだったりであります

さりとて、内容では、なかなか濃い目に描写がありまして
ちゃんと、ふんどし巻いて漕いでいった話が
エピソードとして拾われるとか
ステキな内容でありました
牢獄で打って、認められるという展開といい
本当にそうだったという話を
聞いたような気もするから、仕方ないのだけども
こういうところが、どうにも
時代劇めいて見えてしまって、
嫌いじゃないんだが、なんだろうかな違うなと
思ったり思わなかったりであります
そう、人情味にすぎるのかもしれない

ただ、人情味をクローズアップしていけば、
なかなかステキでありまして、泰造が思い余って死ぬかというのを
察した嫁さんが、言外に止めるというシーンは
抜群によかったなあと、見入ってしまったのであります
これは見ごたえというか、じんとくるものでありました
あとは、始末をつけるという段取りに従っていく
父上の姿も見事でありました
あんだけ盛り上げて、結局死なないというのは
ちょっと残念といってはやっぱり失礼ですが、
篤姫の時のしつけ役の顛末を思い出したりすると
なんというか、しっくりこないのでありました

しかし、あれよあれよと急ぎ進めていき
とっとと松下村塾作るところまで進めたいんだろうなと
考えさせられたりしながら、今しばらく
見守る体制のままで、のらりくらり見続けるのであります
結局、何があっても見てしまうんだから、
私にこびる大河は作られることがないんだろうなと
思ってしまうのでもあります

【読書】MAKERS

2015-01-24 09:38:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
MAKERS  著:クリス・アンダーソン

DIYでなんでもできる
平たくいうとそういう本でありました
凄いなと思ったんだが、
これもまた、一部の特殊な人向けであるように
思えてならないんだが、やれる人はいいなぁなんて
思うのであります

自作してなんでも作ることができる、
ニッチなニーズを埋めることができる、
大量生産じゃないから誰でも投資少なくできる、
こういうことが商売になるかも、ならないかも、
そのあたりを使いながら
いわゆるオープンソースの素晴らしさと、
WEBを使ってコミュニティを作ることから
面白いことが、どんどんできるようになると
そういうお話であったように思います
なかなか夢のようでもあるし、
本当に、腕に覚えがあれば
なんだってできるのかもしれないと
そう感じる次第でありました

組み立てられた理論はなるほどなと感じるものの、
どこか性善説というか、都合よく考えているようにも思え
それが、夢というか、大きい感じがして
ステキともいえるわけだけども、
なかなか現実そこまではいかないとも
思われてしまうのであります
なんというかな、パラドクスじゃないんだが、
実力ある人は、そのやりたいことのほかに
ちゃんと仕事があって、そっちで儲かってるから
余暇でやることにリプライを求めないかのような
そういう論調でありまして、
これもまた、なかなか難しいことよなと
思ってしまうのであります

生産コストが下りつづけていく理論なわけだが、
それが働くということを奪うのも間違いない
さりとて、一次産業てきな部分では、
コストが下ってこないから、稼がないといけないという
しごく当たり前の現状に対して
これは答えているだろうかと考えると
なかなか難しいと考えざるをえず
でも、楽しそうだし、なによりも未来志向な気がすると
それだけで肯定もできるようであって
面白い本であったと、とりあえずメモっておくのでありました

【ドラマ】アオイホノオ

2015-01-20 21:22:50 | ドラマ映画テレビ感想
昨年末にかけて、滋賀県でも無事放映というか放送されました
「よかった見られて」という感じで、
見たことで既に満足しているような状況ですが、
なんといったらいいか、ともかく、
よくこれをドラマにしようと思ったな、
そして、よくドラマにできたなと
なんかもう、見方がドラマを見てるのと違う
そんな自分に辟易しながらも
大変楽しんだのであります、
四の五のいわず、ただ、面白かったでいいじゃないか

そんな按配でありまして、
正直、あんまり原作もちゃんと読んでないから
このシーン見たことあると思ったりしながら、
その再現度のむやみな高さといったらいいか、
寸劇とコントと、もう一つの何かといった感じで、
これは正直なところ、
知らない人にはぜんぜん面白くないんじゃないかと
心配になるほどの潔いつくりに
驚きとともに、楽しむほうである自分に
なんとも悲しくなったりしたのでありました

どこのどれがと上げ連ねるのもばかばかしい感じでしたが、
各俳優陣の力が抜けているようで、ものすごく全力だったりする
ステキな演技、演技?なんだろう迫力めいたものに
ずっとボケ倒されているかのようなドラマに
ただただ慄いて見続けたのであります

トン子さんが異常に可愛かったというか、
あれはなんというのかな、いいんだけども、
ヒロインというポジションでは、最終的にはならないというのが
またなんといったらいいかな、とがってるといったら
かっこいいんだけども、
ようは原作どおりなんだが、なんというか
ドラマはウケる気を放棄していると受け取れるほど
見事でありました、正しいのだけども
なんだろうかな、これが見たかったと思うほど、
大きく間違っていくような感想であります

主演の柳楽さんについては、「許されざる者」で見て以来でしたが、
大変楽しかった、彼なくてはこのドラマはなかっただろう
そう思うほど見事に演じきった感じがただ楽しく、
撮影凄い大変だったろうなと、
端々から感じながらも、その好演に今後応援したいと思うのであります

もっと、あれこれ語りたかった気がするけども
そういうドラマではないと、心の中にしまっておいて
ただ、面白かったとにやにやしておくのでありました
知ってる人が満足するためのドラマだった
そう思えてならないのであります

【映画】ドランクモンキー 酔拳

2015-01-19 21:25:52 | ドラマ映画テレビ感想
なんでいまさら?
そう思うものの、先日深夜に放映されていたので
思わず録画して、みっちりと見直したのでありました
凄いな、いろいろな意味で本当、凄いな
これを機にというわけでもないですが、
子供の頃に見たものを、今見ると
まるで違ってみえるというその体験だけで
やる価値があるななんて、思わされたわけであります
でも、やっぱり、かっこいいね、ジャッキー

というわけで、子供の頃に見たはずだが、
ほとんど覚えていない
いや、そもそも酔拳といったら2の方がすぐに思い出されて
ドランクモンキー無印のほうはめっぽう記憶になかった
そういう感じでありました
意外やといっていいのか、かなり明るい内容ながらも、
非常にわかりやすいというか、もう、あってなきのごとくのストーリーに
ただただ、アクションを見せてもらえるという
私が子供の頃に楽しいとすりこまれたそれでありました
実際凄い楽しかった、なんであんなに動けるんだろうかな

と、そのアクションシーン、殺陣というよりカンフーアクションが
まだ古い映画だからなのか、結構ゆっくりで驚いたのであります
目が、慣らされた、最近のアクションが早くなっているということか、
昔は、撮影機器の都合で、ジャッキーが早く動くと
映らないという悩みがあったと聞いたことがあるので、
そのためだったのかもしれないけども、
ゆっくり動いているにしたって、やっぱり凄い
木の椅子が一個あるだけで、
あんだけ多彩なアクションができるというのは
もう楽しくて仕方ないのでありましたところ

修行シーンがなかなかステキで、お猪口で水を運ぶ腹筋だとか、
ツボからツボへ水を移す荒行だとか、なかなか楽しくて、
ああいうのも含めて、なんといったらいいかな、
本当単純でしょーもない話なんだけども、
なんだかんだと見せられてしまうというのが
ステキでありました

個人的に残念だなというか、アレだなと思ったのは
酔八仙の型が見せ場なんだけども、これがもうひとつかっこよくない
最後が、女拳法というのが残念極まりなく
ギャグとしてはいいのだけども
こういうところが、2のほうが面白く見えた
そう思ったり感じたりしたのでありました

とはいえ、割と酷いといったらいいのか、
おおらかといったらいいのか、
善悪がどうとか、つまらんことを言い出したらとまらない
そういう内容ながらも、娯楽としては
ただただ面白かったと
小学生に戻ったように見入ったというお話しであります

花燃ゆ  ついてない男

2015-01-18 20:48:28 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了しました
危ない視聴感想といったらいいか、
人気の綱渡りをやっとるなと
そういう思いというか、印象をもってしまいます

内容は、寅次郎さん黒船に向かうと、
久坂玄瑞の顔見世と、ただそれだけでありましたが
どちらも、まぁ、それなりによかった
そういう感じであります
ずば抜けてよかったということもないんだが、
なんといったらいいかな、生き急ぎすぎる寅次郎さんに
はたして、知らない視聴者はついていけるんだろうか
あんだけ止めたのに、確かに、やっちゃう人なんだけど
それが立派な人といったらいいか、なんというかな、
止める言葉が正論なのに、それをやむにやまれない、
あの時代感みたいなのとセットじゃないと
非常に理解しづらい
いや、実際、当時も理解できない人だったから
これでいいんだろうか
ともかく、考えさせられる人であります

一方で、久坂の屈折した想いというか
生い立ちめいたものもさらっと流されて
これはなかなか、後の長州の危ない面子の一人として
いいバックエピソードとともにやってきたと
納得なのでありました
もうちょっと、これというのがあってもと
思わなくもなかったけども、
多分、あの頃役者よりもずっと子供なんだろうから
あれでいいんだろうなと
そういう気持ちで見ることにしました
それ言い出すと、多分、文もそうなんだろうし
いかんとも仕様がない

しかしあわただしく、
多分、一刻も早く松下村塾を描きたいんだろうと
わかるといえばわかるんだが、
それならもう、いっそのこと、そっから始めたらよかったのにと
感じたりしながらも、今しばらく見守っていこうと
じっと眺めるのでありました

【読書】飲めば都

2015-01-17 09:52:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
飲めば都  作:北村 薫

酒を飲む女性編集者の日常といったらいいか、
仕事と人生とをつらつら描いた小説でありました
てっきり、さびれた町で、酒を通じて
町と酒のすばらしさを語る本だと思ってたのに
思いっきり違ったんであります

酒の本というよりは、
酒によって失敗や、面白いエピソードを連ねた
「酔う」ことをテーマにしておりまして、
まぁ、こういうことあるよね、
こういう人いるよねと、そんな具合であれこれ
もっとひどいのをたくさん見てきたように思うと
なんとなし、抑えた印象だななどと
思ってしまうのでありました

大きく謎が解けたり、何かが進展したりと
そういうタイプの小説ではないものの
少しずつ、各人の人生がつれつれ進んでいくのが
なかなかステキでありまして、
丁寧で面白いと、ゆっくり読んで
楽しかったのであります

最終的にウイスキーに落ち着いて終わる、
泥炭によるピート臭が煙っぽいという、
最近よく聞くそれを楽しみつつ終わるのが
なんとなし楽しげでありまして
幸せな感じが、にやにやと楽しく伝わる内容でありましたとさ
半分くらいは恋愛小説めいたところがあり、
そして、語り口が落語のようでもあり、
読む人によっては、読みにくいんじゃないかと
思ったりもしたけども
私には大変楽しい一冊だったのであります

タイムスクープハンター お正月パニック!改暦大騒動

2015-01-14 20:50:13 | ドラマ映画テレビ感想
シーズン終了ではなく、シリーズ終了と
結構衝撃的でありました
正月早々がっかりだよ!なんて
続編を期待してしまったのでありますけど
まぁ、潮時でもあったのだろうか
もっと見たかったけど、長く続いた
タイムスクープハンターシリーズがこの回をもって
いったん終了となったのでありました

思い返せば、番組たまごから現れて、
不定期に放送されるそれこれを拾い見て、
独自のというか、当初からぶれのない
リアルすぎて滑稽なほどの番組作りが
大変面白くて、あえて遅い時間帯ばかりにやり続けたという
その「わかっている」作り方に感嘆したのでありました
今回のこれは、その禁忌でもないけど
普通の時間帯に放送となったこともあってか
面白いし、いつもどおりなんだけども、
ちょっとだけ、劇場版のような雰囲気もにおわせるという
ファンにはたまらない一作でありました

改暦があんな騒ぎになっていたとは
まったく知らなかったので、いつもの通り
感心してみたわけでありますが、
最後の最後まで、役に立たない沢嶋のへっぽこさに笑い、
12月が数日しかなかったという事実を、
大変わかりやすく、月給払いをすっぽかすという形で説明は
見事というほかなく面白かった
ああいう、明治のどたばたは、
今の大河ドラマを援護するためにも
必要じゃないかしらねと思わなくもないのだけども
ともかく、楽しかったのであります

もっと、ミナミが活躍するかと思いましたが
そのあたりは、いつもの通りというあたりで
これもまた、シリーズ終了の遠因の一つではないか、
両方のギャラがあがりすぎたんじゃないかなどと
思わなくもないのであります
だからといって、二人を変えられても
いや、杏は途中からはいったんだから、
せめて、カナメールだけで続けて欲しかったように
思わなくもないのでありました

話としては最終回らしく、唐突な現代劇も混ぜつつ
まずまずの感じで終わったと思われるところ
また、こういう面白い番組を、どんな形かで
NHKがやってくれるといいなぁと願いつつ
惜しい、時代考証番組を一つなくしたことに
残念の想いと、これまでの感謝を記しておくのでありました

スタッフもろもろの皆様
お疲れ様でした
大変楽しませていただきました

ドラマ オリエント急行殺人事件

2015-01-13 20:48:59 | ドラマ映画テレビ感想
先日の大江戸捜査網につづいて、
民放ドラマであります
三谷脚本で、演者が豪華すぎるというだけで
見る価値ありありと楽しみにしてみたのであります

長かった

なんだろうか、いろいろ都合があって
ああいう長さにしたのだろうと思いつつも
1、2と、もう少し編集したら、
3時間くらいのよい映画になるんじゃないかと
思わなくもないとかなんとか
いいつつも、ついつい見てしまったのであります
その時点で成功なんでありますね、凄いなぁ

テレビドラマを見ていたものの
ほとんど演劇を見ているのと一緒で、
画面転換がなくても、割とダイナミックで、
役者によって話しが転がるという
見ていて、実に楽しいそれでありました
特に、2の方については、起こりから仕舞まで、
途中、忠臣蔵じゃねぇかと思うようなことも含めつつ
オリエント急行殺人事件の描かなかったそれが
ありあり見えたようで楽しかったのでありました
非常に難しい、ひょっとしなくても、
1はなくて、原作を知っている人が2だけ見る
それが一番面白い内容なのかもしれない
そんな風にも感じられたのでありました

まぁ、話については、なるほどなという感じで、
やっぱり醍醐味としては、いきいきとというか、
楽しさが伝わってくるような
各役者の演技がステキでステキで、
各俳優さんの個性というか、いや、うまいなぁ、
やりすぎだなぁというのを楽しめて、
もう、なんだろうかなすごいステキだと
思い知らされたのでありました

喜劇はいいなぁ
そういう気分を楽しませてもらえて、
オチはものすごく納得いかなかったんだけど、
原作どおりなのだそうで、
自分の狭量さを思い知ったのであります
というか、殺人事件を喜劇で描いてしまうのは
ちょっとダメなのかもしれませんね
どうもいけません
でも、楽しかったのでありました

【読書】64(ロクヨン)

2015-01-12 14:46:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
64(ロクヨン)  作:横山秀夫

警察ものというジャンルでいいのか、
ある誘拐殺人事件についておった小説でした
結構重たくて、長くて、読むのに疲れましたが
非常に面白い小説でありました、これは凄い

近い未来にNHKでドラマ化されるらしい、
しかも主演が、ピエール瀧と聞いて
これはもう、原作読んでおくしかあるまいと
ついつい手にとったのであります
ドラマ原作ときくと、ドラマを先に見たほうがよかったり、
原作を先に読んだほうがよかったり、
どっちともつかないことがおおいのでありますが
今回は先に読むことにしました
ドラマはどうなるか楽しみであります

で、小説のほうはというと、
元刑事で、現在は広報を担当している男が、
刑事の頃に関わった事件、通称「64」について、
未解決事件ながらも、かなり進展のないそれ、
この事件に隠されたり、利用されたりと、
警察内のいざこざと隠蔽なんかを
記者とのやりあいや、内部抗争なんかで見せるといった
ステキな推理ものといいますか
かなり面白いミステリーでありました

あらすじが、ネタバレに直結してしまうような
濃厚な物語でありまして、おいそれと
あれこれ書けないのでありますが、
なんだろうかな、私のように30も後半にさしかかって読むと
ぐっとくるというか、自分のポジションについて
凄く考えさせられるところでありました、
異動になったときに、元の巣へ戻るだとかそうでないとか、
現職について、帰属するとかしないとか
そういう、しょーもないけども、捨てられない何かが
よりえぐいというか、濃密に警察組織が描かれて
なんともいえない閉塞感と、
そこでどうするべきかという問いみたいなの、そして
主人公の出す答えが出ていて
読み終わると、ずいぶんとかっこいい、清清しいと
そんな気分になれたのであります、ステキ

64というのが、昭和64年に発生し、
そのうちに終わった、そして、すぐに平成となったと
なかなか印象深い事件として描かれておりまして
その喧騒によって、消されてしまったかのような
なんともいえないそれこれであったり、
被害者や犯人、そして、それとは関わらず
様々な状態、家族、職場におかれる人々の内面が
ひょんなことから共鳴したかのようになってというくだりが
まぁ、泣けて泣けて仕方なかったのでありますけど
ともかく、いい小説でありました
重たいのに、結局ぶっ通しで読んでしまった
おかげで作業が出来なかったと
そんな按配であります

花燃ゆ  波乱の恋文

2015-01-11 20:45:44 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了しました
驚いた、いきなりさらっと何も前触れなく女優が変わった
いや、先週後半でそうなってたっけか?
いつも、主人公が変化する前後が
クローズアップされる雰囲気だったと
思ったりなんだったりだった気がしますけども
さておき、とりあえず主演登場でありました

あとは、一瞬にして行方不明というか
二転三転としていく虎次郎の生き急ぎがすばらしかった
というか、話がわかりづらくなっていると
危機感を覚えるほどであります
実際、あれくらいのスピードで、
次へ次へと進んでいった人なんだろうが
いかんせん早すぎるだろうと
思ったりなんだったり、
婚礼がとんとんと話が弾んだと思ったらすぐ破談とか
なかなか急ぎすぎて大変じゃないか

そして、そのどたばたにまぎれて、
もっといちびった感じで続くかと思った
伊之助の母上が、超絶あっさり死亡と
なかなか衝撃であります
あんな姉御肌の母親はどうかしらと思ってたというか、
えもいわれぬ色気のある、怖い女だと
見守っていたのに、もういなくなるとか
どうなってるんだとちょっと驚きでありましたとさ

どうにも、ばたばたしているという感じで、
いまいち乗り切れていないのでありますけども
もうちょっと落ち着いてほしい
そう願いながら、さりとて、
もう来週には虎次郎さんが捕まってしまうようで
なんといったらいいかな、
さすが長州といえばいいのか、ともかく
早すぎて大変である
これは、視聴者が振り落とされるんじゃないか
そう、心配してしまうのであります

【読書】 目の前にシカの鼻息

2015-01-10 11:52:50 | 読書感想文とか読み物レビウー
目の前にシカの鼻息  著:樋口明雄

タイトルからして、大学生くらいが勢いにまかせて、
山に入って猟師の真似事を始めました的な
かるーい感じかと思っていたら
本格的に、山暮らしをしている作家さんの
山に関するエッセーでありました
話が重いでやんの

山で暮らすといえばいいのか、
猟犬とともにある生活や、猟友会と猟区のありかたなど
考えさせられるところもつらつらありつつ、
ただ、山で過ごすということが
とても楽しいというか、ステキである
そんなことが十二分に伝わる
そういう本でありました

犬とのあり方は、なかなか面白いところが多くて
しつけること、訓練することの大変さや、
そばにいる、芽生えてくる信頼感といった
主従と呼べるその関係が
実にステキでありまして
犬が好きな人というジャンルに理解が
広がるようでもありました

渓流釣りや、熊との遭遇とかも
興味あるけど自分ではやらない部分の描写が
これまた、秀逸というか、熊の件は本当に怖いなと
せつせつ感じ入るようでもありまして
山は楽しそうだけども、そこに入り浸るというか、
そこに何かの哲学をもっている人たちとは
ちょっと仲良くできないかもなと
思わされたのでありましたとさ