CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】乳と卵

2016-06-14 22:38:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
乳と卵  作:川上 未映子

芥川賞であります
ようやっといくらか本を読んできたので、
これはもう、芥川賞もちゃんと読めるように
俺のレベルは高まったのではないか
そう思って読んだのでありますが
思いっきり跳ね返された気分であります
いや、今まで読んだ芥川賞作品より、相当に読みやすいというか
まだ、どこか、仄明るい感じがしたのだけども
やっぱり、なんだろう、独特のじめっとした感じ
これが全体から感じられて、そしてそれ以上、
なかなか読み解くことができなかったのであります

内容は、いや、内容とかそういう意味があるのか、
ともあれ、ひたすら会話調子で進み、
敢えて、文語というか文章にすると鼻につく喋り言葉で
えんえんと語り続ける、なんというか、
語尾といったらいいか、気が抜けている会話調子が
また、独特のリズムというか、いいなぁと
ぼんやり読めてしまうんだけども
凄惨とは違う、また、陰鬱とも異なる
だけど、それっぽいというか、絶望じゃないんだが暗い何か
その風景が、つとつと描かれていたのは
よく読めたというか
最終シーンについては、怒涛といっていいのか、
絵が浮かんだ、やっぱりここが文章力なのか、はてまた、
芥川賞の魔力なのか、
ぐぐいっと読まされたのでありました

面白いとか、そういうのとはまったく別物でありました

もう一本短編がありまして、
こっちもなかなか衝撃的な内容で、読んでいて、またも
ふわっとした感じなんだけども、畳み込むように展開して
まさかのオチというか、どうだ、あの描かれた世界観は、
なんだろう、既視感というか、共感というか
もう、声が出ないような、叫びめいたものが感想として漏れた
そういう感じで、こんなの書いてた人が
随分くだけたのを後ほど書いたりしたんだなと
改めて、作家さんの凄さというか、手管を見たように
思うのでありました
芥川賞はやっぱり、私にはまだまだ早いようだ