経済運営について書くのも、少し飽きてきたんだがね。震災ショックがある中で、日本のトップリーダーは、「逆噴射」をやってしまいそうで、見てはおれんのよ。ごく当たり前の手法がどういうものか、見せてあげようかね。
筆者が日本の経済顧問であれば、まず、1次補正で5兆円規模にする。これは、前年度補正後と同じ予算規模であり、デフレ予算を財政中立に戻すということを意味する。この程度でマーケットが混乱することは、あり得ない。
ここで重要なのは、5兆円は、阪神大震災の例に照らし、15兆円もの被害規模に対応できるものであって、概ねこれで足りるはずだと、きちんと説明することだ。被害の拡大には、秋に対応を決めれば良いと、時間軸も明らかにする。5兆円の予算を消化するには、半年は短いくらいである。
大事なのは、戦力の逐次投入を避け、震災対策にいくらかかるか分からないという余計な不安心理を一掃することである。現実には、赤字国債を出さない範囲にこだわって一次補正の規模を絞り、次々と補正をかけると言って、不安を増幅している。
増税論議も先走り気味だし、大きく考え過ぎである。今年は震災ショックでデフレ圧力がかかる。ようやく平常の成長率に戻るのが来年。物価上昇率が十分に高まり、増税ができるようになるのは、再来年になろう。どうしても心配なら、法人税を1%だけ戻し、国債増発の金利分と長期償還分の2000億円程度の増税をすれば良い。
また、日経は、長期金利が上昇しているとするが、今のレベルは、ごく当たり前のもので、IMFの経済見通しの2011年1.4%、2012年2.1%からすれば、低いくらいである。まだまだ資金需給には余裕がある。避けなければならないのは、政府が「震災対策はかなり大きくなる」といった根拠が不明なことを言い、金利を揺さぶることである。
今の日本の経済運営は、デフレ気味の財政の放置、震災予算の逐次投入、冷静な積み上げを怠った被害規模の吹聴、先走りで過大気味の増税論議と、やってはいけないことのオンパレードである。さすが、最悪経済政策賞をもらう、日本らしい浮き足立ちぶりだ。トップリーダーは、少し落ち着いてはどうかね。
他方、被災地の地元紙を見ると、サプライチェーンの回復は着実に進んでいる。今日の日経にある日銀報告が古びて見えるくらいだ。三陸沿岸の漁業の町の復興も、漁業施設の共同化などが始まっており、政府が大そうな会議をやる前に方向性は見えてきた。日本の現場は強い。それに引き換え… もう、やめておこう。
(今日の日経)
雇用対策まず1兆円、助成金など積み増し。原発20キロ圏外、1か月かけ計画避難。電力不足、金融・通信ハードル高く。景気下振れ東海・九州も・日銀。日本の成長、下押し限定的・IMF。主婦年金額、165万人変動も。1次補正漁業再生に2180億円。立て直せるか経済政策、市場との対話課題に。経済教室・所得・法人税の時限上乗せ・森信茂樹。
※森信先生、日本が大きな増税をするからと言って、マーケットが安心するわけではないよ。早すぎない、適切なタイミングで、機動的にできる能力を日本が持つかどうかが大事。
筆者が日本の経済顧問であれば、まず、1次補正で5兆円規模にする。これは、前年度補正後と同じ予算規模であり、デフレ予算を財政中立に戻すということを意味する。この程度でマーケットが混乱することは、あり得ない。
ここで重要なのは、5兆円は、阪神大震災の例に照らし、15兆円もの被害規模に対応できるものであって、概ねこれで足りるはずだと、きちんと説明することだ。被害の拡大には、秋に対応を決めれば良いと、時間軸も明らかにする。5兆円の予算を消化するには、半年は短いくらいである。
大事なのは、戦力の逐次投入を避け、震災対策にいくらかかるか分からないという余計な不安心理を一掃することである。現実には、赤字国債を出さない範囲にこだわって一次補正の規模を絞り、次々と補正をかけると言って、不安を増幅している。
増税論議も先走り気味だし、大きく考え過ぎである。今年は震災ショックでデフレ圧力がかかる。ようやく平常の成長率に戻るのが来年。物価上昇率が十分に高まり、増税ができるようになるのは、再来年になろう。どうしても心配なら、法人税を1%だけ戻し、国債増発の金利分と長期償還分の2000億円程度の増税をすれば良い。
また、日経は、長期金利が上昇しているとするが、今のレベルは、ごく当たり前のもので、IMFの経済見通しの2011年1.4%、2012年2.1%からすれば、低いくらいである。まだまだ資金需給には余裕がある。避けなければならないのは、政府が「震災対策はかなり大きくなる」といった根拠が不明なことを言い、金利を揺さぶることである。
今の日本の経済運営は、デフレ気味の財政の放置、震災予算の逐次投入、冷静な積み上げを怠った被害規模の吹聴、先走りで過大気味の増税論議と、やってはいけないことのオンパレードである。さすが、最悪経済政策賞をもらう、日本らしい浮き足立ちぶりだ。トップリーダーは、少し落ち着いてはどうかね。
他方、被災地の地元紙を見ると、サプライチェーンの回復は着実に進んでいる。今日の日経にある日銀報告が古びて見えるくらいだ。三陸沿岸の漁業の町の復興も、漁業施設の共同化などが始まっており、政府が大そうな会議をやる前に方向性は見えてきた。日本の現場は強い。それに引き換え… もう、やめておこう。
(今日の日経)
雇用対策まず1兆円、助成金など積み増し。原発20キロ圏外、1か月かけ計画避難。電力不足、金融・通信ハードル高く。景気下振れ東海・九州も・日銀。日本の成長、下押し限定的・IMF。主婦年金額、165万人変動も。1次補正漁業再生に2180億円。立て直せるか経済政策、市場との対話課題に。経済教室・所得・法人税の時限上乗せ・森信茂樹。
※森信先生、日本が大きな増税をするからと言って、マーケットが安心するわけではないよ。早すぎない、適切なタイミングで、機動的にできる能力を日本が持つかどうかが大事。
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