経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

選択肢なき総選挙の争点

2012年11月17日 | 経済
 日経は「総選挙の争点は成長戦略」とするのだが、民主、自民どちらのものが実行されても、成長はおぼつかない。その意味で、選びようがない。大なり小なり、金融を緩和して、企業に資金を余らせるというものであり、この10年来、はかばかしい効用が見られなかった戦略の焼き直しである。

 「同じことをしておきながら、別の結果を期待するのは、狂気なり」というのはアインシュタインの言葉らしいが、そんなところだろう。輸出需要という、外から与えられる幸運に恵まれなければ、みずから成長の機会を作り出すことができないというのが、これまでの日本であり、これからの日本でもあるようだ。

 衆院解散の興奮の中で、もらいすぎ年金の減額が決まったが、来年分だけで年間5000億円に及ぶ。同じ10月には、毎年恒例の年金保険料のアップが5000億円ほどあるから、来年は、年金だけで1兆円のデフレ促進策を実行することになったわけだ。むろん、その半年後には、消費増税7.5兆円があり、復興増税と震災復興の公共事業の剥落も始まる。

 さらに、2015年10月には、消費増税第2弾の5兆円と保険料アップ5000億円に、もらいすぎ年金の更なるカット5000億円が重ねられた。1997年のハシモトデフレは、増税と公共事業削減と社会保険料の負担増を、総合的に考えず、一度にしてしまったことが「敗因」とされたが、また同じことをして、別の結果を待つようである。

 デフレが続いて、雇用が悲惨なままでは、現役世代は救われないと思うが、日経は、もらいすぎだの、ツケだのと言って、デフレ促進策に賛成させようとしている。潜在成長率が1%ほどで、年間5兆円しか増えないとされる日本経済が、こんな重荷を背負い切れるのだろうか。成長の範囲で負担増を計り、物価上昇によって「もらいすぎ」を解消するという、平凡で容易な経済政策を、どうして日本は取れないのか、筆者には理解できない。

(今日の日経)
 衆院解散、総選挙。争点は原発・成長戦略。海外マネーが流入で9000円台。70-74歳医療費負担増の結論持ち越し。年金減額は来年10月から。もらいすぎ9.6兆円、現役世代にツケ、解消遅れは選挙が理由。共和幹部に若手女性。三越伊勢丹が国内で衣料生産。大京マンション電気代2割安く。縫製の中国依存見直し。

※医療費負担増について、高齢者団体は世代間の公平の観点から容認の姿勢。反対は医師会。安易に世代間対立があると思わないでほしい。※日経は煽りまくりだな。※中国ではゼロ成長ということ。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-11-18 10:45:07
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20121116/p1
これ見れば、経済政策の違いがわかりますよ

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