良くやった日本の国民よ。東電管内でピーク時の電力の1/4をカットしなければならなかったのに対して、国民の節電によって、おそらく、それに近いレベルを達成したと思われるからだ。東電がうろたえ、政府が逃げ腰で、あいまいなリーダーシップしか発揮できなくても、ここまでやるんだから。
東電も、政府も、なぜ、節電の目標値や具体的対応を言わない? 例えば、夕方の時間帯は、室内照明を点けずに常夜灯やテレビ画面の明かりで我慢する、炊飯は時間前に済ませて保温を切る、冷蔵庫を1時間は止める、洗濯は夜間や休日にするとかである。「家庭では、夕方の電力消費を半分にするのを目標に協力をしてほしい」と言ってくれなければ、効果が上がらないだろう。
おそらく、東電も、政府も、弊害の発生による批判を恐れているのだろう。広告の照明をすべてやめろとか、売り上げの少ない自販機は全部切れとか言ったら、それで商売をしている人だっているのだから、批判が出る。しかし、停電の回避によるライフラインの維持に比べれば、やむを得まい。リーダーシップとは、大事のために、小事は捨てるという行為なのだ。
日本人の「小事を切れない優しさ」が危機の時には仇になる。東電も、政府も、この体たらくは変えられまい。今はネットがあるから、節電の方法について、「自分はこうした」というようなことが広まり、自然発生的な国民によるリーダーシップが出てくると思う。それに資すればと思って書いた次第だ。
次に、筆者の専門の経済政策について記す。ただちに、2011年度予算案については政府案を丸呑みし、すぐさま、5兆円規模の補正予算の編成にかかるべし。日経の社説が言う子ども手当の削減などと言うのは小事。既存予算の節減は、追って措置するという方針を出すだけでよい。増税についても同様だ。大事は、拙速でも予算執行の基礎を作ることだ。
プロの日銀は、15兆円の緊急供給に踏み切った。筆者も追加供給があるとは思っていたが、予想を超える規模だった。この「予想を超える」ところを狙ったというのは、高く評価できる。また、日銀による資産購入枠を5兆円追加したのも立派だ。これは、「財政当局は5兆円規模の補正予算を編成せよ」というメッセージである。日銀は「支える」と言っているのだ。
政治は、増税や予算組替えの主張から、10兆円補正の観測までと、ばらけぶりは相変わらずだが、プロが5兆円で行けと言っているのだから、これで結束せよ。増税や節約をしても、実物面で言えば、それらで削減されるものと、被災地が必要とするものにはズレがあり、無意味である。むしろ、日本経済の総需要の基調は弱く、無用な需要削減による弊害が問題だ。ここは、多少の物価上昇や金利上昇のリスクは、敢えて取るべき局面だ。
逆に、10兆円も積んでも執行できない。実物面でも、それだけの資材を用意できるわけではないのだ。前年度補正後の予算規模の大きさにするだけで、さしあたり十分である。必要なら、追って二次補正予算を編成すれば良いだけのことだ。
こうした方針を明確に打ち出すだけで、株価も持ち直すだろう。昨日で株価はリスクを織り込んだ。これを持ち上げるには、予想以上に日本政府は復興に力を発揮しそうだと思わせることである。逆に迷走するようなら付け込まれる。昨日、売りをかけた奴らに目にものを見せてやれ。経済政策にも「気迫」がいる。
(今日の日経)
追加緩和資産購入、日銀、5兆円増。
※日経は情けないぞ。昨日の紙面は、経済を含め、的確にまとめていた読売の方が上。おまけに、社説で「子ども手当削減」か。この混乱の中で、各種制度変更をする現場の大変さも想像できんのか。日本経済の大事を見よ。
東電も、政府も、なぜ、節電の目標値や具体的対応を言わない? 例えば、夕方の時間帯は、室内照明を点けずに常夜灯やテレビ画面の明かりで我慢する、炊飯は時間前に済ませて保温を切る、冷蔵庫を1時間は止める、洗濯は夜間や休日にするとかである。「家庭では、夕方の電力消費を半分にするのを目標に協力をしてほしい」と言ってくれなければ、効果が上がらないだろう。
おそらく、東電も、政府も、弊害の発生による批判を恐れているのだろう。広告の照明をすべてやめろとか、売り上げの少ない自販機は全部切れとか言ったら、それで商売をしている人だっているのだから、批判が出る。しかし、停電の回避によるライフラインの維持に比べれば、やむを得まい。リーダーシップとは、大事のために、小事は捨てるという行為なのだ。
日本人の「小事を切れない優しさ」が危機の時には仇になる。東電も、政府も、この体たらくは変えられまい。今はネットがあるから、節電の方法について、「自分はこうした」というようなことが広まり、自然発生的な国民によるリーダーシップが出てくると思う。それに資すればと思って書いた次第だ。
次に、筆者の専門の経済政策について記す。ただちに、2011年度予算案については政府案を丸呑みし、すぐさま、5兆円規模の補正予算の編成にかかるべし。日経の社説が言う子ども手当の削減などと言うのは小事。既存予算の節減は、追って措置するという方針を出すだけでよい。増税についても同様だ。大事は、拙速でも予算執行の基礎を作ることだ。
プロの日銀は、15兆円の緊急供給に踏み切った。筆者も追加供給があるとは思っていたが、予想を超える規模だった。この「予想を超える」ところを狙ったというのは、高く評価できる。また、日銀による資産購入枠を5兆円追加したのも立派だ。これは、「財政当局は5兆円規模の補正予算を編成せよ」というメッセージである。日銀は「支える」と言っているのだ。
政治は、増税や予算組替えの主張から、10兆円補正の観測までと、ばらけぶりは相変わらずだが、プロが5兆円で行けと言っているのだから、これで結束せよ。増税や節約をしても、実物面で言えば、それらで削減されるものと、被災地が必要とするものにはズレがあり、無意味である。むしろ、日本経済の総需要の基調は弱く、無用な需要削減による弊害が問題だ。ここは、多少の物価上昇や金利上昇のリスクは、敢えて取るべき局面だ。
逆に、10兆円も積んでも執行できない。実物面でも、それだけの資材を用意できるわけではないのだ。前年度補正後の予算規模の大きさにするだけで、さしあたり十分である。必要なら、追って二次補正予算を編成すれば良いだけのことだ。
こうした方針を明確に打ち出すだけで、株価も持ち直すだろう。昨日で株価はリスクを織り込んだ。これを持ち上げるには、予想以上に日本政府は復興に力を発揮しそうだと思わせることである。逆に迷走するようなら付け込まれる。昨日、売りをかけた奴らに目にものを見せてやれ。経済政策にも「気迫」がいる。
(今日の日経)
追加緩和資産購入、日銀、5兆円増。
※日経は情けないぞ。昨日の紙面は、経済を含め、的確にまとめていた読売の方が上。おまけに、社説で「子ども手当削減」か。この混乱の中で、各種制度変更をする現場の大変さも想像できんのか。日本経済の大事を見よ。
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