使っていないメモリーを開いてみると、夫の初めてのディサービスの体験記録が、
年金者組合の機関紙に投稿した記録が出てきたので紹介します。
「ディサービス 婆についてゆけぬ 身かな」
~ 介護保険要支援通所体験~
まさか自分がデイサービスを受けるとは思いもよらなかった。8年の月日が経過する中で、ここまで進行したのだ。それが速いのか遅いのか分からないが確実に進行しているのはまぎれもない事実だ。
梅雨を思わせるようなドーンとした蒸し暑い日だった。
介護保険要支援1の認定を受け、そのデイサービスの体験入所である。10時から3時間。昼食実費つきのケアマネプランにもとずくストレッチを中心にしたものである。
5人のメンバーで、4人はご婦人である。そのなかに自分,男性が一人ポツリと借りてきたミケの招き猫みたいに置かれている。傍からみると異様な光景にみえるかも知れない。それから4人は大井、東条、西保、、蟹江から通所。その古参がA子さんである。自分とふたまわり近く違う婆さんで、義母と同じ歳でもある。B子さん、Ⅽ子さん、Ⅾ子さんたちはA子さんとひとまわり違う世代である。自分がいちばん若いのである。
「若いのう、いくつかねえ」とテーブルにつくなり、A子さんが声をかけてくる。「娘のダンナと同じ年だ。若いのう」といいよってくる。どこかでケリをつけないと次から次へと質問攻めに会うのを心配して、いいたくないことまで言ってしまった。「若いばかりが能じゃないよ」「こんな病気になり苦労している」とどうにか逃げ切る。カニューラをはめ、サンソ吸入を真近にみるのは初めてのご様子で注目のまとになる。
ティータイムでコーヒーを頼み、その後体操をやる。ストレッチ、ボール運動、マット運動とゆっくりやっていくのであるが、普段使わない筋肉を使い、息があがってしまってマット運動はできなかった。ご婦人たちは軽くこなしている。なんだ、この落差は。どういう生活をしているのか反省しきりである。コミニューケーションの大切さなど貴重な体験をする。昼食をとり、送ってもらう。体は疲れたが気分は爽快。次回が楽しみになってきた。
ただ気がかりなことがある。それは今、国会で審議されている医療・介護総合法案である。要支援を介護保険給付から外して市町村の事業に移す。そして利用料を1割から2割に引き上げる。などの改悪のことである。
2014、5、26 勝 馬(夫のペンネーム)