朝方夫が呼ぶので、来てみると、「兄貴が死んだの知っているか」と聞くんです。
「エッツ 何も聞いていないよ、誰から連絡があったの?」と聞くと「市役所から来た青い封筒に書いてあった」というんです。
近くには青い封筒は見当たらず、いつもの封筒の置き場所にもなく、違う封筒を渡すが、首を傾けている。
「オーイ すぐに妹に電話せよ」と聞かない。「まだ早いから、散歩してコーヒーを飲みに行ってから電話をしよう」と言って、早速散歩に出かける用意をする。
コーヒーを飲んで帰ってきたら、「すぐに妹に電話せよ」とちゃんと覚えているんです。「じゃあ、ありのまま言って聞いてみる」というと、「電話をかけてくれれば、おれが話をする」というんです。
早速電話すると、「オーイみんな変わりはないか、兄貴は元気か」と、さり障りのないように長崎の近況を聞いている。さすがに上手に聞いていると感心する。
今年になって、夫には身の回りで1月に団地の知り合い、2月に母、5月に二人の知り合い、7月に職場の先輩、8月に友人と次々に
身近な人が亡くなっていく姿にショックを受けているようで、夢でも見たのか、兄まで亡くなったと思い込んでいたようである。
最近俺もあと2年だと思い込んで、生きているときにやりたいことをやっておこうと思っているようである。やれることは叶えてやりたいものです。